Google検索の強調スニペットをもっと知りたい! あなたの疑問に答える14のQ&A【チートシート無料ダウンロードあり】(前編)
グーグル検索で最上位ともいえる露出を得られる「強調スニペット」。自分のページをここに出すにはどうすればいいのか、どんなキーワードで狙ってどう探せばいいのか。キーワード戦略は? 読者の知りたい質問に、Mozの専門家が答える。
強調スニペットに関するウェブセミナーを先日開催し、次のような情報などを取り上げた。
- 知っておくべき背景情報
- Mozが実施した新しい調査
- わたしがやってきたテストの結果
- 押さえておきたい重要事項
ただ、このウェブセミナーは計画通りには進まなかった。技術的な問題からライブ放送が思うようにいかず、質疑ではたくさんの人の質問に回答できないまま録画が終わった。
ウェブセミナーの生放送で質疑ができなければ、次善の策は何か。質疑をネット上に残せばブックマークして繰り返しアクセスできるではないか。驚くほど寛容でとても頭が切れる参加者のみなさんに、メールで質問を送ってくれるようにお願いし、近くブログ投稿で回答すると約束した。
そして送られてきたもののなかから、特に繰り返し出てくる質問とテーマを抜き出し、この記事で回答する。
もともとのウェブセミナーに参加できなかった人は、こちらから登録してオンデマンド版を視聴できる(英語のみ)。
それでは、お楽しみの質疑に入るとしよう。この記事で解説しているQ&Aは次の14個だ(#9~#14は後編で解説している)。
- 作ったばかりのウェブサイトでも強調スニペットは獲得できるのか?
- 強調スニペットからのトラフィックを特定するパラメータあるか? GTMでうまく判断できないか?
- 月間検索ボリュームがかなり少ない質問ベースのロングテールのクエリで強調スニペットの獲得を目指すことに意味はあるだろうか?
- 強調スニペットに最適化したコンテンツを作成する価値があるクエリを判断するのに、いちばんおすすめのキーワード戦略は?
- 強調スニペットは言語で変わるのか?(つまり、サイトに言語の違う複数のバージョンがある場合、各言語に対応するSERPでスニペットの表示は異なるのか?)
- 強調スニペットの表示が日によって変動するのはなぜか?
- 獲得できていないSERP機能の機会をキーワードリストを使って見つけるにはどうすればいいのか? キーワードギャップの特定にいちばんいいキーワードリストの使い方は?
- 強調スニペットを獲得したコンテンツの構造を考察する際のベストプラクティスは? また、まねるべきかを判断する基準は?
- グーグルは情報サイトを優先して強調スニペットにしているのだろうか? ほかの要素がすべて同じでもEコマースサイトだと強調スニペット獲得の可能性は下がるのだろうか?(後編で解説)
- 「他のユーザーも行った質問(PAA)」はいつ登場したのか? PAAは今後どのように変わると思われるか?(後編で解説)
- 「画像URLの15%はオーガニックではない」とはどういう意味だったのか、説明してもらえないだろうか?(後編で解説)
- コンテンツ制作者は文字コンテンツを作る際に強調スニペットをどう考えるべきなのだろうか? 役立つツールがないだろうか?(後編で解説)
- 「検索エンジンではなく人間にとって質の高いコンテンツを書く」というのはすばらしいアドバイスだと思う。その際、APIやツールを使ってコンテンツのチェックをしていく必要があるのではないだろうか?(後編で解説)
- グーグルの強調スニペットのトレンドを把握するには何がいちばんいいだろうか?(後編で解説)
また、「強調スニペット 虎の巻(チートシート)」も無料でダウンロードできるようにしている。こちらからPDFをすぐにダウンロードできる。印刷して職場の壁に貼り、コンテンツの作成や最適化のときに強調スニペットを意識するようにしよう。
強調スニペットQ&A 1
作ったばかりのウェブサイトでも強調スニペットは獲得できるのか?
強調スニペットが表示されるキーワードで検索結果の1ページ目(1位~10位)に入ると、その検索結果ページで強調スニペットを獲得する資格が得られる。つまり、1ページ目に登場したサイトは、新入りだろうが古参だろうが強調スニペットを争う資格を得る(新しいサイトでは難しいかもしれないが)。
新しく作ったサイトが強調スニペットを獲得できるように備える方法をとりあげたすばらしいホワイト・フライデーを紹介する。
- SEOチェックリスト:新規ウェブサイト公開時に確認すべき5つのポイント(日本語版記事)
- 新しいコンテンツを迅速にインデックス化して検索上位を獲得するためのSEO基本事項10選(英文記事、10 Basic SEO Tips to Index + Rank New Content Faster)
- 検索順位を上げるSEOチェックリスト(日本語版記事)
強調スニペットQ&A 2
強調スニペットからのトラフィックを特定するパラメータあるか? GTMでうまく判断できないか?
残念ながら、グーグルからのトラフィックには、強調スニペットからのトラフィックであると特定するに役立つパラメータ類はついていない。また、GTM(Googleタグマネージャー)でそのような判断をする方法も、わたしは知らない。
ちなみに、獲得したトラフィックのうち、
- 強調スニペット経由のもの
- 強調スニペットの下に表示される同じページのオーガニック検索結果経由のもの
の割合を知ることは、今のところ不可能だ。
強調スニペットQ&A 3
月間検索ボリュームがかなり少ない質問ベースのロングテールのクエリで強調スニペットの獲得を目指すことに意味はあるだろうか?
すばらしい質問だ。結論から言うと、検索ボリュームが少ないという理由だけでキーワードを後回しにしてはならない。そういったキーワードは、コンバージョン率がかなり良いこともあり、結果としてウェブサイトの成果に驚くほど効果的なこともあるからだ。潜在的なROIが高いと予想されるロングテールのキーワードを優先することをおすすめする。
たとえば、
- shoes(シューズ)
という検索キーワードには、毎月膨大な検索ボリュームがある。相当に競争が激しいクエリだが、とても漠然としている。これに対して、
- size 6 red womens nike running shoes
(ナイキのサイズ6の女性向けの赤いランニングシューズ)
という検索キーワードは、とても具体的だ。この検索ユーザーは自分の欲しいものがわかっていて、見つけるためにキーワードを工夫している。直接コンバージョンにつながるロングテールキーワードの好例だ。
強調スニペットQ&A 4
強調スニペットに最適化したコンテンツを作成する価値があるクエリを判断するのに、いちばんおすすめのキーワード戦略は?
ドクター・ピートが2016年に、強調スニペットのためのキーワード調査のやり方をまとめたすばらしいブログ記事を書いている。
まず有望なクエリ候補を絞り込む。
そのなかで、次のすべてを満たすキーワードを探し出す。
- 自分のページがSERPの1ページ目に入っていて
- 強調スニペットは表示されるが
- 自分のページはまだ強調スニペットを獲得できていない
次に、自分の目標にとってROIが特に高くなりそうなものに絞り込む。今自分が求めているのは、たとえば次のどちらなのかだ。
- コンバージョンの向上
- トップオブファネル(TOFU)に位置するサイトへの訪問者を集めたい
狙うクエリとビジネス目標を一致させ、そこを出発点にする。
こうしたプロセスでは、Moz ProとSTATといったツールが大いに役立つだろう。
上級者向けの戦術も紹介しておこう。それは、カルーセル型強調スニペットが表示されるクエリを活用してみることだ。
たとえば、「car insurance(自動車保険)」というクエリで表示される強調スニペットは、カルーセル型として「in Florida(フロリダ)」「in Michigan(ミシガン)」などの選択肢が表示されていた。そのカルーセルに選択肢として表示されることを目指して、州ごとの話題を書くことを考えてみよう。
この手法には思わぬうれしい点がある。元々のキーワードでSERPの1ページ目に表示される必要がないことだ(完全にランキング外でもいい)。カルーセル型強調スニペットはSERP外のリンクからとられることも少なくない。
強調スニペットQ&A 5
強調スニペットは言語で変わるのか?(つまり、サイトに言語の違う複数のバージョンがある場合、各言語に対応するSERPでスニペットの表示は異なるのか?)
すばらしい質問だ。しかし残念ながら、複数言語にわたる国際的な強調スニペットの調査はまだできていない(今後やりたいと思っている)。
推測になるが、強調スニペットが言語と検索バリエーションで変わる可能性はあるだろう。調べるなら、Google Chromeのシークレットウィンドウで(ログインせずに)検索するのがいちばんいい。
強調スニペットQ&A 6
強調スニペットの表示が日によって変動するのはなぜか?
それは、検索が変化し続けているからだ。「検索において唯一変わらないことがあるとすると、変わり続けているということ」というのは真理だ。
ウェブセミナーでは、わたしが実施したさまざまなテストについて話をした。テストの過程で、Mozが以前獲得していた強調スニペットを失ってしまったのだが、再びMozが強調スニペットを獲得するのに役立ったことについても取り上げた。
「文の最後にピリオドを足す」といった簡単な変化でも、強調スニペットが失われることがあった。ウェブ上のコンテンツは、常に作成、編集、廃棄されており、ウェブ自体が変化の状態にあるのだから、強調スニペットの獲得と維持が大変なのは驚くことではないし、日によって変わることだってある。
SERPはグーグルによって毎日何回も更新されており、信じられないほど変わりやすい。ただ事実として「こういった場合は確実に変化しやすい」という傾向はいくつかある(矛盾した言い方だろうか)。
上位ではないURL(1~3位以外)からスニペットが取られている場合。この場合は、クエリにいちばん適した回答をグーグルがテストしている可能性がある。
各スニペットで使うコンテンツの抜粋をグーグルが定期的に変更する場合。
カルーセル型強調スニペットのトピックが変わる場合。
こうした変化に耐えるには、特定のニッチ分野のオーソリティになり(「E-A-T」[専門性・権威性・信頼性]を覚えているだろうか)検索順位の上昇を目指すことで、強調スニペットの獲得と維持の可能性を高めるのがいちばんだろう。
強調スニペットQ&A 7
獲得できていないSERP機能の機会をキーワードリストを使って見つけるにはどうすればいいのか? キーワードギャップの特定にいちばんいいキーワードリストの使い方は?
強調スニペット(およびその他のSERP機能)の機会ギャップを明らかにするのに、Mozが提供しているKeyword Explorerのキーワードリスト機能はもってこいだ。
わたしが気に入っている使い方は、獲得したいSERP機能でキーワードリストをフィルタリングするというものだ。具体的には、強調スニペットでフィルタしたうえで、ウェブサイトの現在の順位(1~10位)でソートして、主だった強調スニペットのギャップや機会を明らかにする。
フィルタを使えば、このほかのギャップを解き明かすのにとても役立つ。
検索ボリュームが多いのに競争が少ないキーワードがないか
オーガニックなCTRは高いものの、今はSERPの1ページにわずかながら手が届いていないキーワードがないか
強調スニペットQ&A 8
強調スニペットを獲得したコンテンツの構造を考察する際のベストプラクティスは? また、まねるべきかを判断する基準は?
強調スニペットを獲得したことがあるコンテンツは、たとえ時間の経過とともに強調スニペットを失ったとしても、間違いなく考察に値する。グーグルがそのコンテンツを強調スニペットとして提供した理由を考えよう。
クエリに対して簡潔に回答を提供しているのか
音声による回答として聞きやすいのか
包括的で補足情報を探す人に向いているのか
話題について補足的な回答や情報を提供しているページなのか
視覚的な要素があるのか
探偵気分で、コンテンツが強調スニペットを獲得した「理由」の解明に努めることをおすすめする。
強調スニペットの内容はページのどの部分からとられているだろうか
決まったマークアップ方法があるのか
ページにはほかにどのような要素があるだろうか
共通するデーマはないだろうか
検索上位の強調スニペットから得られる付加価値はどのようなものだろうか
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回も今回に引き続き、強調スニペットに関する質問にブリトニー・ミュラー氏が答えていく。また、同氏が作成した虎の巻(チートシート)も紹介する。→後編を読む
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