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Google検索の未来がみえる「他のユーザーも行った質問」をSEOやマーケに組み込む3つの手法(後編)

グーグルの検索結果ページ(SERP)に表示されるようになった「People Also Ask」(PAA:他のユーザーも行った質問)をSEOやマーケティングに活用するための手法やステップを解説する

グーグルの検索結果ページ(SERP)に表示されるようになった「People Also Ask」(PAA:他のユーザーも行った質問) ―― SEOやマーケティングにこの機能をどう活かせるのかを考えるこの記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。

PAAについて注目すべき5つのポイントを説明した前回に続いて、後編となる今回は、このPAAがどのように活用できるのかを見ていこう。

まず前編を読んでおく

筆者の見解はすべて筆者自身のものであり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

前半の記事で、PAAに関する興味深い事実は理解できた。では、PAAはどう活用できるのだろうか?

ここでは、次の3つのことを解説する:

  • PAAがSERPに与えている影響の大きさを判断する
  • SEO戦略にPAAを組み込む3つのステップ
  • 検索ボリュームが増える機会だと考える

※Web担編注 「People Also Ask」(PAA、他のユーザーも行った質問)は、日本語での検索フレーズに対して表示を確認できていない(本記事の編集時点)。

「他の人はこちらも検索」(検索結果をクリックした先から検索結果ページに戻ってきたときに表示されるもの)は日本でもすでに導入されているが、PAAはこれとは別のものだ。

現在PAAがSERPに与えている影響の大きさを判断する(ほかのSERP機能に関しても!)

書いてあるとおりの作業だが、実際にしっかり注意を払っている人がほとんどいないことは請け合いだ。ポイントはこういうことだ:

検索順位を計測する際には、オーガニックなトラフィックやCTRに、SERPのどの要素が影響しているのかをきちんと精査するようにするべきだ!

まずは次のような問いを考えてみよう。

  • 中核となるキーワードのSERPに影響している要素は何か?
  • これらのSERP要素はどのくらいの頻度で出現しているか?
  • オーガニックな検索結果への影響の大きさはどれくらいか?

主要なキーワードのSERPの多くで、検索連動型広告の表示が増えていることに気づくかもしれない(商品のショッピング広告やサービスのテキスト広告など)。

こうしたことは、

  • SEMrush
  • SISTRIX
  • Ahrefs

などの定評あるツールを使えば、

  • 広告の数
  • 全体の支出
  • 広告の見え方

などをキーワードレベルで調べられる。

検索キーワードに対する広告履歴データの例
ツールはSEMrush、キーワードは「hr software」(人事ソフトウェア)

ほかに、情報型検索クエリの多くで、検索結果に動画などのオーガニックなSERP要素が数多く表示されているかもしれない。あるいは、ナビゲーション型検索やトランザクション型検索で、強調スニペットが高確率で表示されているかもしれない。

最近、あるクライアントは主要キーワードの90%以上でSERPの上部にPAAが表示されていた。なんと90%だ。

役立つツールの例

  • Distilledでは、STATを使っている。こうしたインサイトについてとても包括的にレポートしてくれるので、すべてのSERP要素の全体像がよくわかる。

    STATのSERP機能のインターフェイスはこんな感じだ。

    STATのSERP機能
  • Ahrefsも優秀で、関心をもったキーワードの上位20位のSERP機能についてデータをダウンロードできる。

SERPの現状における自分の立ち位置と、SEOに対するその影響を把握することが、SERP戦略を実施する前には欠かせない。

SEO戦略にPAAを組み込む3つのステップ

PAAをSEO戦略に組み込む方法はいくつかある。すでにネットでも繰り返し書かれているので、今回はシンプルにしよう。

ここでは、実際にワークフローを改善できると僕が考える簡単な方法を少しだけ取り上げる。次の3つの手順で進めるのだ。

  1. PAAリストを抽出する
  2. コンテンツ戦略に質問への対処を含める
  3. FAQやHow-toの構造化データをテストする

SEO戦略にPAAを組み込む①
PAAリストを抽出する

これは単純明快だ。まず質問を抽出する方法が見つからないことには、PAAの活用ができるわけがない。

グーグルの利用規約にはほぼ準拠しているPAAの「スクレーピング」方法がいくつかある(たとえばScreaming Frogを使うとか)。

個人的にはSTATのレポートが気に入っているので、これを使ってPAAリストを簡単に抽出できるという話をしよう。

STATのレポート機能に「People also ask (Google)」というものがある。その名のとおりだ。ツールでトラッキングすることに決めたキーワードについて、表示されるPAAの質問とリストアップされるURLを、PAAボックス内の正確な順位とあわせて教えてくれる。

「People also ask (Google)」レポートは、たとえば次のような形でダウンロードできる。

デバイスごとにPAAを分析できる
PAAで表示された実際の質問
PAAの質問に対して上位に表示されるURLとそれぞれのPAA内の順位
STATのPAAレポート

SEO戦略にPAAを組み込む②
コンテンツ戦略に質問への対処を含める

PAAの質問のリストが手に入り、リストの上位に来るURLがわかったら、次にどうすべきだろうか。

ここから複雑になる。コンテンツ戦略にPAAの知見を取り込み実験を開始するには、どうすればいいのか考えよう。強調スニペットと同様に、PAAもコンテンツ計画に組み入れるべきだ。まだやっていない人も、この記事をきっかけに挑戦してみようと思ってもらえると嬉しい。

この記事はコンテンツ戦略が主眼ではないので(一部の人には申し訳ない)、この件について深入りはしない。ただ、これまでに集めたデータでできることについていくつかヒントは紹介しよう。次の3つだ。

  • PAAの質問から生じる結果の種類を把握する。それは情報型なのか、ナビゲーション型なのか、トランザクション型なのか
  • コンテンツを作成、または再最適化する
  • 自分のKPI(トラフィック、リード、登録など)に従って、改めて最適化したコンテンツをサイトに用意して、ユーザーの維持策を準備する

それぞれ解説していこう。

PAAの質問から生じる結果の種類を把握する。それは情報型なのか、ナビゲーション型なのか、トランザクション型なのか

強調スニペットとPAAの質問は情報重視のページやQ&Aのページが引き金になると考えている人が多い。

だが、決めつけは禁物だ。必ずデータを取得して、状況を把握し、データに沿って行動することが大切だ。

キーワードの意図を決めてかかってはならない。

コンテンツを作成、または再最適化する

これまでのポイントからわかってきたことにもよるが、

  • PAAの質問に対処できる新しいコンテンツを制作する
  • サイトにある既存コンテンツの最適化をやり直す

などする必要が生じるかもしれない。

今あるトランザクション型ページや解説型ページでPAAの上位に入る可能性があることがわかったら、すでにあるものに改めて最適化を施すのがいちばんいいだろう。

また、次のいずれかの方法でPAAの上位に十分に入れるケースもあるだろう。

  • コンテンツに質問と答えを追加する(ページ下部にこだわらなくてよい)
  • 該当する要素を適切な見出し要素でマークアップする(h1、h2、h3など、ページにあったものを使う)
  • 現在、PAAに表示されている結果の形式をまねる
  • サイトで使っている文言を変更する

あるキーワードテーマに沿ったコンテンツがまだサイト内にない場合には、グーグルが支持しているキーワード意図に合致するようなコンテンツを新しく作ることを考えよう。PAAや強調スニペットの獲得には、(PAAだけでなくSERP全体を考えた)SEOを念頭に置いた論説型コンテンツや、シンプルなFAQページが実際に有効かもしれない。

自分のKPI(トラフィック、リード、登録など)に従って、改めて最適化したコンテンツをサイトに用意して、ユーザーの維持策を準備する

必ず次のことを考えてほしい。

PAAリストをクリックしてユーザーがサイトにやってきた。そのユーザーに、何を見せたいのだろうか? 何をしてほしいのだろうか?

中途半端ではいけない。最初からユーザージャーニー全体を気にかけること。

SEO戦略にPAAを組み込む③
FAQやHow-toの構造化データをテストする

新しいFAQスキーマを巡り、SEOコミュニティはてんやわんやしている。この件については同僚のエミリー・ポッターがすばらしい記事を書いている。

よくある質問(FAQ)とハウツー(How-to)のスキーマは、強調スニペットやPAAといったSERP機能を獲得する興味深い機会を提供してくれるのだから、試さない理由はない。適切なコンテンツを準備して適切なスキーマをテストすれば、貴重なスニペットやPAAの獲得につながるかもしれない。グーグルは今後、情報型クエリに関連するマークアップを増やすと思うので、引き続き注目しながら、テストをどんどん重ねていこう。

検索ボリュームが増える機会だと考える

この話題については深掘りしないが(これだけで1本の記事がかける)、最近は次のアイデアについてかなり考えている。

PAAをオーガニックなリスティング(広告)だと見なし、PAAを表示させるキーワードの検索ボリュームを計測していくようにしたらどうだろうか。

PAAなどの要素によってわれわれが知るSERPが再定義されているのだから、こうした機能のオーガニックな結果への影響を再定義する時が来ているのかもしれない。

われわれマーケターは、こうした機能がもたらす拡張された検索機会を考え、これまで述べた戦術に固執しないようにすべき時なのかもしれない。

「考えてみよう」というだけの話ではあるのだが。

PAAは味方にできる

「People Also Ask」と、今後のSEO戦略への活かし方について、少しでも理解が深まっただろうか。

PAAは、このような機能がオーガニックなビジビリティに与えうる影響を理解するのに時間をかけることをいとわないなら、実は味方にすることが可能なのだ。多くの検索クエリでPAAが表示されているという事実から、グーグルはPAAをユーザージャーニーの新しい重要な部分だと考えているのだと僕は思う。

音声検索の普及に伴い、グーグルは強調スニペットやPAAのような要素にもっと着目するようになるだろう。すぐに動くということではないと思う。SEO担当者のみんなは、今日からSERPに備えた最適化をはじめるべきだ。

ここから先の議論をしたい人も、こんなにたくさんの質問を実際にしている「ほかの人」がどんな人なのか話をしたいだけの人も、DistilledやTwitterの@SamuelMngに遠慮なく連絡してほしい。

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