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SEOで過小評価されている“キーワードカニバリゼーション”が発生する2つのパターンと見つけ方(中編)

SEOにおける「キーワードカニバライゼーション」が問題を引き起こす2つのパターンと、発生状況を把握するツールの利用について解説する

この記事は、前中後編の3回に分けてお届けしている。中編となる今回は、SEOにおけるカニバリゼーションの種類と、シナリオごとに利用できる対応策やツールを見ていこう。 → まず前編を読んでおく

SEOにおける「キーワードカニバライゼーション」が問題を引き起こす2つのパターンと、発生状況を把握するツールの利用について解説する。

※この中編で説明しているページがそれぞれどんなページかは、前編を参照してほしい。

SEOのカニバリゼーション2つの問題発生パターン

では、こうしたカニバっている(カニバライゼーションを起こしている)要素が現実的にどんな問題を引き起こすのだろうか。

簡単にいうと、次の2種類に大別できる。

  • ウェブサイト上の複数のランディングページが、同じキーワードをめぐって競合している
  • 同じキーワードで検索しても、ウェブサイトにある複数のランディングページの掲載順位が頻繁に変わる

①ウェブサイト上の複数のランディングページが、同じキーワードをめぐって競合している

たとえば、「ankle boots」(アンクルブーツ)というキーワードに対しては、2つのページが同時に検索上位に登場する可能性がある。

ページURLtitle要素キーワード「ankle boots」に対する検索順位
ページA/boots/allWomen's Boots - Ankle & Chelsea Boots | Distilled Shoes
(女性用ブーツ - アンクルブーツとチェルシーブーツ)
8位
ページB/boots/ankle-boots/Women's Ankle Boots | Distilled Shoes
(女性用アンクルブーツ)
5位

これは本当にカニバリゼーションの問題だろうか? その答えは、イエスでもありノーでもある。

同じキーワードに対して検索上位に複数のページが表示される場合、それは検索エンジンがクエリに答えていると見なす何らかの要素が両方のページに見つかったからだ。したがって、厳密にいえば、これらのページは「共食い」する可能性がある。

だからといって、慌てて両方のページのコンテンツを変える必要はあるだろうか? もちろんない。どう対応すべきかは、シナリオと目的に大きく左右される。

シナリオ1
両方のページがSERP上位に表示されている場合

両方のページがSERPの1ページ目の特に上位に表示されている場合は、プラスに働くかもしれない。占有するスペースが大きいほどページへのトラフィックは多くなるため、「良い」カニバリゼーションとして処理しよう。

まず基本的な対処がある。

それぞれのページがより魅力的で、互いと異なるものになるよう、meta descriptionタグを変更することを検討する。検索結果でどちらのページにも同じスニペットが表示されてユーザーの印象に残らない、そんな事態は避けるべきだ。

しかし、2つのページのうち、「二次的、または意図したものでないページ」のほうが上位に表示されている場合もあるだろう。

たとえば今回の例でいうと、キーワード「ankle boots」に対して、ページA(/boots/all)のほうがページB(/boots/ankle-boots/)より上位に表示される場合だ。

そうした場合には、Google Search Console(GSC)をチェックして、そのキーワード単体でクリックされる件数がより多いのはどちらのページかを確認する必要がある。その後、その特定のキーワードへの対応を改善するために、SEOのもう一方の要素を変更する価値があるかを判断しよう。

たとえば、/boots/all(ページA)のtitle要素とページ内のテキストから、キーワード「ankle boots」を削除したら、どうなるだろうか?

ページURLtitle要素キーワード「ankle boots」に対する掲載順位
ページA/boots/allWomen's Boots - Chelsea Boots & many more types | Distilled Shoes
(女性用ブーツ - チェルシーブーツほか、豊富な品揃え)
テストして判断

グーグルが代わりに/boots/ankle-boots/(ページB)を優先してページBが上位に表示されれば文句なしだ! そうならない場合は、最悪のシナリオとして変更を元に戻し、SERPの1ページ目に両方のページが表示される状態を維持できる。

シナリオ2
片方がSERPの上位に表示されていて片方は上位にない場合

SERPの1ページ目の上位にページAが表示され、ページBがどこにも見当たらない(上位15~20位以内に入っていない)場合は、必ずしも緊急事態だとは限らない。となると、それへの対応に時間やリソースを投じる価値があるかどうかを判断するのは君だ。

もし対処する価値があると判断した場合は、次の対応を推奨する。

  • 今後グーグルが反応を変える可能性に備えて、2つのページが検索上位に表示されると思われるキーワードのモニタリングを続ける。
  • 特に重要な問題を解決してから、この小さなカニバリゼーション問題に戻ってきて対処する。

シナリオ3
両方のページがSERP上位に出てこない場合

SERPの2ページ目か3ページ目に両方のページが表示されている場合は、カニバリゼーションによってどちらかのページ、または両方のページの順位が下がっている可能性がある。

その場合は、次の対応を推奨する。

  • Google Search Consoleで、そのキーワード単体に対してクリック数がより多いページはどちらかを確認する。また、類似のキーワードについてもチェックしてみるべきだ。というのも、SERPの2ページ目や3ページ目に表示されるキーワードは、Google Search Consoleで見るとクリック数が非常に少ないからだ。

    その後、どちらのページを第一に優先するかを決め(コンテンツの観点から、より相応しいページを選ぼう)、両方のページのオンページSEO要素を積極的に変更してテストする。

  • 「title要素」「見出しタグ」「ページ内のテキスト」を見直して、両方のページで重複していそうな箇所を探す。重複の程度が非常に高い場合は、ページ間で統合や正規化、リダイレクトする価値があるかもしれない(これについては後述する)。

②同じキーワードで検索しても、ウェブサイトにある複数のランディングページの掲載順位が頻繁に変わる

問題発生パターン①は恒常的な状態だが、こちらは一定しないという問題だ。

たとえば、キーワード「ankle boots」で時間を変えて検索すると、検索上位にくるページが入れ替わっていることがあるかもしれない。グーグルは、そのキーワードに対してどちらのページを選ぶべきか迷っているように思われる状況だ。

ページURLキーワード「ankle boots」に対する1月1日の検索順位キーワード「ankle boots」に対する1月5日の検索順位
ページA/boots/all6位表示されない
ページB/boots/ankle-boots/表示されない8位

「ランディングページがきわめて大きく変動するように見え、あるグループのキーワードに対して掲載順位が一貫しない」という状況はよくある問題で、遭遇した人は多いはずだ。

そうなった場合は、次の問いに答えられるようにしておこう。

  • その変動はいつ始まったか?

    こうしたことが始まった時期を具体的に特定できれば、そもそもどうしてこの問題が起こるのかを理解する助けになるかもしれない。canonicalタグが追加されたか、あるいは削除されたのかもしれないし、オンページ要素の変更やアルゴリズムのアップデートによって、混乱が生じたのかもしれない。

    サイトの更新や変更を記録してきた日誌と付き合わせれば、何か原因があるならばそれを突き止められる。

  • 同じキーワードに対して検索順位が入れ替わるページは、何ページあるか?

    変動の影響を受けるページが少ないほど、よりうまく対処できるし、対処しやすくもなる。

    どのページが関わっているかを特定して、この不安定な状況を引き起こした可能性のあるすべての要素を調査してみよう。

  • これらのページの検索順位が入れ変わる頻度は?

    キーワードに対するページの検索順位がどの程度の頻度で入れ変わっているかを調べよう。頻度は低いほどいい。他の調整に起因する場合も考慮して、変動のタイミングとサイトの情報を相互に参照しよう。

    1回だけ変化して止まったように見える場合は、何も心配する必要はないだろう。SERPが1度変化しただけの可能性が高いからだ。

    いずれにしても、グーグルは毎日のようにテストを実施しており、日々変化していることは頭の片隅に入れておく必要がある。

カニバリゼーションの犠牲になっているページの見分け方

ここでは、カニバリゼーションの大きな変化を検出するのに僕が普段使っているツールについて説明する。もちろん、これが唯一の手段ではない。同じ結果を得るにはいくつかの方法があるはずだ。情報をお持ちの人は、コメント欄で教えてほしい!

タイプ①のカニバリゼーションで利用するツール
同じキーワードをめぐって複数のランディングページが競合している状況の見つけ方

時間のかかる作業をスピードアップするのに役立つツールはだれもが大好きだが、僕のお気に入りの1つはAhrefsだ。「共食い」しているページを数分で見つけてくれる、この素晴らしい方法を使ってみることをおすすめしたい。

使い方は、この5分ほどの動画を見てほしい。

SEMrushやSEOMonitorなど類似のツールも、同じようにこの種のデータを取得できる機能を備えているはずだが、ただ、上で挙げたAhrefsのやり方ほど高速ではないかもしれない。自由に使えるツールがない場合は、Google Search ConsoleやGoogleスプレッドシートを利用できるが、どちらかというと手作業の処理になる。

タイプ②のカニバリゼーションで利用するツール
同じキーワードで、複数のランディングページの掲載順位が入れ変わる状況の見つけ方

理想をいえば、ほとんどの検索順位追跡ツールは、時間の経過とともにキーワードによってURLの掲載順位が変わった場合に、これを機能として発見できるようになるだろう。僕は以前、まさにそのためにLinkdexPi Datametricsなどの追跡ツールを使っていた。

STAT

DistilledではSTATを利用している。STATでは、メインのKeyword(キーワード)タブ内のHistory(履歴)の下にこのデータが表示される。たとえば、以下のスクリーンショットを見てほしい。

サイト
キーワードのリスト
検索結果に表示されるすべてのURLを日付別に列挙したリスト

この種のランキングツールで注意するべきことが1つある。データの多くがキーワード軸でしか分類できないため、それなりのデータ分析が必要になるということだ。つまり、このカニバリゼーションに関わっているすべてのキーワードを確認するには少々時間がかかる場合があるということだ。

もちろん、それによって得られる知見を考えれば、手間をかける価値は十分にある。

Googleデータポータルのダッシュボード

もっと迅速に作業できるアプローチを探しているなら、Googleデータポータル(旧Googleデータスタジオ)でダッシュボードを作成してGoogle Search Consoleに結合するいい。リアルタイムでデータが得られるため、カニバリゼーションの問題が生じていることにすぐ気づける(これは同僚のドムのアイデアだ)。

僕たちのダッシュボードの例は、2つのテーブルで構成されている(次のスクリーンショットを見てほしい)。

  • 問題のあるキーワードのリスト

    まずは、Googleデータポータルで選択した期間に問題のあったすべてのキーワードのリストを表示するレポートだ。

    たとえば、テーブルの1行目にあるキーワードでは、対象の期間にGoogle Search Consoleから生み出されたオーガニック検索クリック数は13件(total_clicks)だったが、そのキーワードで表示されたURLは約24種類(num_of_pages)あった(それだけ順位が変化している可能性があるということだ)。

  • 問題のあるキーワードのリスト
キーワードによって掲載順位が入れ変わる個別のURLのリスト

    このテーブルでは、選択した期間において、各キーワードに対して表示された個別のページを示している。

    ここで示した図では、1つ目のレポートで見たキーワード(選択した期間にURLが24回変わっていた)に対して、掲載順位が変化したURLを一覧表示している。

    図では隠してしまっているが、キーワードを「query(クエリ)」列に、URLを「path(パス)」列に示している。

3回に分けてお届けしているこの記事も、次回が最終回となる。後編となる次回は、カニバリゼーションに対して、もっと包括的なアプローチで、どのようなソリューションを利用できるか説明する。→後編を読む

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