【入門】SEO的 競合分析の4ステップ&便利ツール
優れた競合分析は、しっかりやれば何が同業他社にとって役に立っているのかに関する貴重な情報を得られる。しかしそれは、簡単なことばかりではない。今回のホワイトボード・フライデーでは、競合分析の本格的なやり方をサイラスが案内する。メニューは次のとおりだ。
また、競合分析に役立つツールの便利な使い方と、SEO的競合分析に関するMozの新しいガイド(無料テンプレート付き)も紹介してあるので見逃せない。ぜひ視聴してほしい。
Mozファンのみんなこんにちは。ホワイトボード・フライデーにようこそ。僕はサイラス・シェパード。今回は競合分析というクールなテーマについて話をする。競合分析の入門編だ。
SEOのための競合分析とは
簡単に説明すると、SEOのための競合分析とは、競合相手の検索トラフィックを奪うための分析だ。SEOを始めたばかりの人にとっても、ある程度の経験を積んだ人にとっても、トラフィックを増やしてサイトの順位を上げるためにとても大事な戦術だ。
競合分析は、対象をやみくもに調査するものではない。ほかの方法ではわからない次のような項目を高い精度で把握するのが、競合分析だ。
- どのようなキーワードを狙うべきか
- どのようなコンテンツを作成すべきか
- どのようにそのコンテンツを最適化すべきか
- どこでリンクを獲得すべきか
SEO的競合分析の手順
どうやればいいのか。
キーワードツールやリンクツールでやみくもに調査することはしない。そうではなく、競合分析では、競合相手にとって実際に役に立っているものに目を向けて、その戦術を使わせてもらう。
よそが実際にやっていることをさらに改良して自分の役に立てるわけなので、多くの場合、調査という旧来のやり方よりもずっとうまくいく。
1. 検索上位にいる競合相手を割り出す
競合分析を始める際の、最初の課題は、検索上位にいる競合相手の特定だ。
言うのは簡単だ。あなたは、
グーグルにキーワードを入力して検索すれば狙っているキーワードでどういうページが上位にいるのか目に見えるのだから、競合相手はわかるだろう
と思うかもしれない。たしかに間違いではないが、それだけで用が足りるというわけではない。もう1つやるべきことがある。
それは自分のサイトが上位に入っているキーワードに目を向けることだ。ただ難しいのは、おそらく考えているよりもはるかに多くのキーワードで上位に入っているだろうという点だ。
たとえば、Mozが検索上位に来るキーワードは何十万もある。もしかすると何百万もあるかもしれない。知りたいのは、そうしたさまざまなクエリで検索上位に入っている競合相手の全体像だ。手作業ではとても難しい。
幸いなことに、AhrefsやSEMrushなど、世の中にはいろいろなSEOツールがある。大量の検索結果ページ(SERP)から自分のサイトがヒットするキーワードをすべて教えてくれて、さらに、先進的な指標を駆使して真の競合相手を正確に割り出してくれるツールがたくさんある。
実は、Mozがまさにそのためのツールを公開したところだ。
そのツールの名前はDomain Analysis(ドメイン分析)。無料のツールで、だれでも使える。
ドメイン名を入力するだけで、サイトがヒットするキーワードをMozのデータベースで調べ、競合しているところをすべて教えてくれる。さらにそこから先進的なヒューリスティクス(発見的手法)を駆使して、真の競合相手がどこなのかを答えてくれる。
真の競合相手がわかれば、競合分析をさらに進められる。
2. キーワードギャップ分析を実施する
SEO的競合分析というと、ほとんどの人はこのキーワードギャップの解明にとりかかる。
この「キーワードギャップ」という用語を聞いたのは僕がSEOを始めたときだったが、当時はその意味がよくわからなかった。しかし実はとてもシンプルな話だ。
「キーワードギャップ」とは、競合相手がヒットするが自分のサイトがヒットしないキーワードのことだ。それが価値の高いキーワードや検索ボリュームが大きいキーワードならば、ギャップを埋めていきたいというわけだ。
このステップは、実は手作業でもやれる。先進的なキーワードツールを使って、自社がヒットするキーワードと、競合相手がヒットするキーワードを調べ上げ、できたリストをExcelでまとめる。時間がかかる退屈な作業だ。
これも、幸いなことにMozをはじめとする主要なSEOツールが、瞬く間に大規模にやってくれる。MozのKeyword Explorerにアクセスし、自社ドメイン名を入力し、ステップ1で判明した上位の競合相手のドメイン名を入力するだけで、相手がヒットするが自分のサイトはヒットしないキーワードのリストが手に入る。
これをスプレッドシートにインポートすれば、検索ボリュームが大きいキーワードや、自分のビジネスに関連する価値の高いキーワードを見つけられる。
重要なポイントは、競合相手が検索上位に入っているキーワードを手当たりしだい追いかければいいわけではないということだ。見つけるべきなのは、自分のビジネスに関連性のあるキーワードだ。
3. リンクギャップ分析を実施する
キーワードギャップの分析に続くのは、そのいとこにあたるリンクギャップの分析だ。
検索上位を獲得するにはリンクが必要なわけで、発想はとても似ている。ただ、リンクはどこで見つけられるのだろうか。そこで、次のように問いかけてみる。
競合相手にリンクしているが自分のサイトにリンクしていないところはどこか?
理屈はこうだ。取り扱うテーマが似ている競合相手にリンクしているところは、そうしたコンテンツにリンクを張るつもりがあるのだから、その分、自分のサイトにリンクしてもらえる可能性が高い。
さらに上級者向けのコツがある。たいてい2つ以上の競合相手を調べるほうがいい。複数のソースにリンクしていながら自分のサイトにリンクしていないところは、競合相手より優れたコンテンツを用意すればリンクしてくれるはずだ。
こうした取り組みにもSEOツールが使える。自分のサイトや競合他社への被リンクは、自力でリスト化してスプレッドシートでまとめることもできるが、ツールを使うほうがずっと簡単だ。
MozのLink Explorerなら、競合他社と自社のドメイン名を入力していくだけで、競合相手にリンクしているが自社にリンクしていないところをすべて見つけてくれる。
僕が気に入っている上級者向けのコツがある。以上のことをページのレベルで実施するのだ。つまり、競合相手にリンクしているドメイン名ではなく、競合相手にリンクしているページを見つけるということで、これはLink Exploreで実施できる。この点は、記事の最後にリンクを貼ったガイドでもう少し詳しく説明をしている。
4. トップコンテンツ分析を実施する
リンクはわかったし、キーワードももわかった。しかし、どんなコンテンツを作成すべきのだろうか。
トップコンテンツ分析は、最近ではとても簡単にやれるようになった。競合相手に多くのトラフィックやリンクをもたらしているコンテンツを探していくのが基本だ。
リンクを獲得しているコンテンツが他サイトにあるのなら、それに似た、しかし質で上回るコンテンツがあればリンクを獲得できる可能性が高いということだ。
つまり、Link Explorerのようなツールを使うことになる。検索上位のページでソートして、競合相手に特に多くのリンクをもたらしているコンテンツを見つけ出す。そして、そのコンテンツを真似するのではなく、さらに良いものを作る。うまくいっているコンテンツを見つけて改良するこの手法は、「スカイスクレイパーテクニック」(摩天楼技法)と呼ばれている。
コンテンツを改良したら、リンクギャップ分析の結果に戻り、元のコンテンツにリンクしているところの連絡先をみつけて、改良したコンテンツにリンクしてもらえないかお願いするのだ。
SEOの競合分析をもとにした改善の概要は以上だ。これらを組み合わせれば非常に有用なプロセスになる。個々のページに立ち戻り、競合相手の上位のページを調べてもいいだろう。それが済んだら、自分のページに実際に手をつけられる。キーワードギャップを調べ、そのページが検索上位を獲得しているキーワードをすべて把握する。
最初のキーワードギャップ分析ではドメイン名に目を向けたが、今度はそのページがどういったキーワードで検索上位を獲得しているかを知りたい。それを自分のページに盛り込めば、自分のページをさらによいものにできる。そして同様に、元のページにリンクしている人に連絡し、よくなったコンテンツを見てもらうという手順になる。
Mozの新しいガイドと無料テンプレート
ふう、疲れたな。膨大なプロセスをかなり駆け足で説明した。幸いなことに、少し駆け足すぎたという人にはMozが公開したばかりの「The Guide to SEO Competitor Analysis」(SEO的競合分析ガイド)がある。
今回紹介したプロセスをさらに詳しく説明してある。利用は無料だ。ぜひ活用してほしい。
今回の動画作成は本当に楽しかった。得るものがあった人にはよい評価をお願いする。ソーシャルメディアで紹介してほしい。それではまた次回。みんなありがとう。
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