実録:Googleスピードアップデートで遅いサイトの検索順位が本当に落ちた!【SEO記事12本まとめ】
SEOの専門家のなかでは「グーグルのスピードアップデートで順位変動がほとんどなかった」というのが一般的だ。しかし、実際に「遅いサイト」の順位が下がっていたという報告があった。
ほかにも、
- インデックス送信ツールをグーグルが廃止!(ただし……)
- グローバルサイトのSEO、今はIPアドレスを気にする必要なし
- 画像検索のリファラーURLをグーグルが変更
- Chromeが「保護されていない通信」ラベルを常時表示開始
- HSTSを構成していればHTTPからHTTPSへのリダイレクトは不要か?
- AMP対応した大手ECサイト――滞在時間27%⬆、PV24%⬆、直帰率30%⬇
などなど、SEOに役立つ情報をまとめてお届けする。
今週のピックアップ
実録:Googleスピードアップデートで遅いサイトの検索順位が本当に落ちた!
ユーザーがイラつく遅さは影響を受ける (Glenn Gabe on Twitter) 海外情報
ページの読み込み時間をモバイル検索のランキング要因に用いるGoogleのスピードアップデートが約1か月前に導入された。「本当に遅いページだけが影響を受ける」とグーグルが説明しているように、順位変動はほとんど発生していないようだった。
とは言っても、本当に遅いページは実際にスピードアップデートで順位が落ちる影響を受けていたようだ。
スピードアップデート実施直後にモバイル検索で、目に見える形でランキングが下落したサイトの状況がツイッターで共有されていた。
Here's a site hit by the mobile speed update showing a big drop in mobile search visibility. I can confirm ranking drops *just in mobile*. It still ranks well in desktop. Checking via lighthouse reveals some big performance problems. And the drops are heavy. Not just a few spots. pic.twitter.com/fnqNFFs8kF
— Glenn Gabe (@glenngabe) 2018年7月18日
このツイートをTwitterサイトで表示し、ツイートに含まれる2つの画像を見てほしい。
1つ目の画像は、そのサイトでのモバイル検索順位を示したものだ。スピードアップデート後に急落している(実際には「Visibility Index」という指標だが)。
2つ目の画像は、そのサイトのモバイルパフォーマンスの評価だ。Chromeデベロッパーツールで利用できるLighthouseのパフォーマンス検証結果なのだが、確かに遅い。何らかのコンテンツが最初に表示されるのに4秒近くかかり、ページが表示されユーザー操作が可能になるまで41秒もかかっている。これではユーザーは間違いなくイライラするだろう。
スピードアップデートは、激遅サイトに対しては確かに効果を発揮しているようだ。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報
インデックス送信ツールをグーグルが廃止!(ただし……)
SCからサイトマップ送信していれば影響ゼロ (Google Webmasters on Twitter) 海外情報
グーグルのインデックスにURLを送信するツールが廃止された。といっても、Search ConsoleのFetch as Googleではない。廃止されたのは、だれでも使える一般公開版のツールのほうだ(Fetch as Googleを使うにはSearch Consoleにサイトを登録しておく必要がある)。
今後グーグルにURLを送信してクロール・インデックスしてもらうには、Search Consoleにサイトを登録したうえで、Fetch as GoogleまたはサイトマップでGooglebotのクロールをリクエストすることになる。
Search Consoleの登録はサイト管理に必須だから、ほとんどのサイトには影響ないはずだ。何らかの事情でSearch Consoleに登録できないサイトには不便になったかもしれないが、それでもサイトマップをSearch Consoleではなくrobots.txtで送信することもできる。
そもそも、こうしたURL送信ツールを日常的に使っていたのならば、そちらのほうが問題だ。なぜなら、インデックス送信の基本はサイトマップだからだ。
Fetch as Googleは日常的に使うツールではない。金谷氏は次のようにアドバイスしている。
Fetch as Google は日常的に使うのではなく、重要なファイルを更新した時や何か問題が発生した時のために取っておくことをお勧めします。上限数は以前より減っていますし、更新のお知らせはサイトマップを活用して下さい!
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) 2018年7月26日
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グローバルサイトのSEO、今はIPアドレスを気にする必要なし
もはや使われていない (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報
グローバルWebサイトにおけるSEOの話題だ。ウェブサイトがどの国や地域のユーザーを対象にしているかを判断するための情報の1つとして、サーバーの物理的な場所をグーグルは利用しているとされてきた。もっと具体的に言うと、サーバーのIPアドレスだ。
しかしながら、現在のグーグルは、対象地域の判断にIPアドレスを利用していないとのことだ。ジョン・ミューラー氏は次のように説明している。
ジオターゲティング(どの国や地域をサイトが対象にしているかの判定)には、初めのころは情報が少なかったから、サーバーのIPアドレスは非常に役に立つ情報だった。そのサーバーが設置されている国のユーザーを対象にしているだろうと想定できたからだ。
しかし今はいろいろな手段でジオターゲティングの情報を手にできる。たとえば、ccTLDだ。gTLDの場合はSearch Consoleのインターナショナルターゲティングを設定できる。hreflangの情報も利用できる。
グローバル化が進んだし、CDNが利用されるようになり、IPアドレスによる判断は必要性が薄れてきた。
このような背景から、ジオターゲティングにIPアドレスをまったく使わなくなった。
昔は、対象とする国のサーバーを利用することがグローバルサイトのSEOには望ましかった。だが今は気にする必要が全然なくなったということだ。
- グローバルサイトを運用するWeb担当者 必見!
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
画像検索のリファラーURLをグーグルが変更
一部の解析ツールでは要修正 (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ) 国内情報
画像検索からのリファラーURLを変更することをグーグルはアナウンスした。数か月かけて、次のリファラーに切り替わっていく。
これまでのリファラーURL:https://www.google.com
これからのリファラーURL:https://images.google.com
ただし、ユーザーが利用したGoogle画像検索のサイトのccTLDがリファラーURLのドメイン名に使われる。そのため、日本のユーザーは次のようなリファラーURLになることもある。
これからのリファラーURL(日本のGoogle画像検索):https://images.google.co.jp
Googleアナリティクスは自動で対応するので何らかの操作は不要だ。Search Consoleのレポートにも影響しない。GAとSC以外の解析ツールでリファラーを基にして画像検索のトラフィックを計測していたとしたら、修正が必要になる。
- リファラーで画像検索の検索トラフィックを計測しているすべてのWeb担当者 必見!
- アクセス解析担当者に伝えましょう
クロールできているのにレンダリングのFetch as Googleに失敗するのはなぜ?
タイムアウトが疑わしい (John Mueller on Twitter) 海外情報
コードを取得するだけのFetch as Googleは正常に完了するが、レンダリングさせるFetch as Googleに失敗する。
こうしたケースについて、グーグルのジョン・ミューラーは次のように説明した。
一定時間内にページ(と埋め込みコンテンツ)をクロールまたはレンダリングできないときに、こうしたこと起きる(その場でのテストは、すばやく結果を出すためにタイムアウトの時間が短くなっている)。あるいは、まったくレンダリングできないかだ。
実際のインデックスはもう少し時間を長く確保している。こちらのスピードテストツールでも検証してみるといい。www.webpagetest.org
Usually, this means we can't crawl/render the page (render w/embedded content) within a reasonable time (live tests have a low timeout to bring results quickly), or we can't render it at all. We're more patient for indexing; you could also check with https://t.co/s55K8LIOKY
— John ☆.o(≧▽≦)o.☆ (@JohnMu) 2018年7月25日
CSSの読み込みやJavaScriptの実行に時間がかかりすぎると、Googlebotはレンダリングをあきらめることがある。いわゆる“タイムアウト”だ。Fetch as Googleやモバイルフレンドリーテストのようなツールはその場で結果を返す必要があるため、本当のGooglebotよりはタイムアウトまでの待ち時間が短くなっているようだ。
とはいえ、Googlebotがレンダリングできたとしてもユーザーに対する表示速度が遅いのは好ましいことではない。タイムアウトが原因でFetch as Googleでレンダリングに失敗していることが疑われたなら、まずはスピード改善が急務だ。
ちなみに、元の質問者は「ページHTMLの<head>要素内にiframeがいくつかあるんだけど」ということを後ほど明かしている。うまくいかなかった原因はそこにあるのかもしれない。
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