基本だけど重要なWebコンテンツ掲載前後のチェックリスト#1:事前プラン&アウトリーチ、オンページSEO
コンテンツの準備が整い、あとは公開するだけ――そんな人にアドバイスしたい。
いったん立ち止まってほしい。そう、今そこで。
念のため言っておくと、私たちの業界は進化してきた。SEO担当者には、技術者、アナリスト、クリエイティブ、マーケターのすべてを兼ね備えた役割が期待されている。仕事を俊敏にパキパキとこなすことは不可欠で、優良なクライアントの関係を獲得したり維持したりしたければ、あらゆる努力をして自分の価値を認めてもらわないと契約は貰えないだろう。
たぶんあなたはこれまで、結構な量のコンテンツをクライアントのために定期的に公開してきたはずだ。SEO、ソーシャルメディア、コンバージョン、計測、そして解析などを考えると、成功するにはやらなくてはならないことが山ほどある。
チェックリストを使おう
今回の記事で紹介しているチェックリストは、コンテンツをリリースする前の簡単なリマインダーとして使えることを目指したものだけれど、オンページSEO以外の要素も考えてもらいたいという意図もある。
コンテンツを空いたスペースの単なる穴埋めにするのではなく、コミュニティやブランド価値の構築と認知度の向上に役立て、質の高いトラフィックとコンバージョンを呼び込めるよう、あらゆる角度から検討を重ねるためにこのリストを利用してもらいた。
注意: この記事は、私が書く多くの記事と同様に、腰を据えて読む必要がある。お気付きのとおり、普通のチェックリストと書き方が異なっている。これから順を追って各項目を説明し(これはガイダンス部分)、それから(最後まで読んでくれた人に)実際のチェックリストをTrello形式で提供する。
事前プランニングと事前アウトリーチ
このチェックリストは、コンテンツ作成後に、すべてがきちんとできているかを確認するものだ。ただし、次の2つに関しては、コンテンツ開発前にチェックしておくべきものだ。
アイデアとキーワードはGoogleサジェストから
どんなにすばらしい戦略があったとしても、ユーザーが望んでいるものを作り、それをユーザーに見つけてもらえるよう最適化するには、そのコンテンツに合わせたアイデアが必要だ。
コンテンツに取りかかる前に、Googleサジェストが何らかの方向性を示してくれないか調べてみよう。
思い描いたアイデアはもう固まっているかもしれない(ただし上出来というほどではないはず)ので、もっとユニークな切り口で優位に立てる方法を考えてみよう。その手段としてGoogle Suggestはたいへん役に立つ。
勝負に勝つための事前アウトリーチ
アウトリーチ(組織外への働きかけ)の取り組みから最大限の成果を上げたい? それなら、コンテンツ開発に取り掛かる「前に」、コミュニティや対象オーディエンスと連絡を取ろう。そうすればリンクビルディングが楽になるし、オーディエンスが本当に求めているコンテンツを確実に開発できる。作成するコンテンツの規模によって、予備アウトリーチには2通りのやり方が考えられる。
大規模なコンテンツの場合
検索エンジン最適化の初心者ガイドのように大掛かりなコンテンツを考えている場合は、Launchrockを使ったキャンペーン(日本語によるLaunchrockの解説記事)のようなものを利用して予備的アウトリーチを行うのがいいだろう。
こうすれば、実際に作る前の段階でコンテンツに興味を持ってもらえるかどうかを判断する助けになるし、コンテンツ公開の準備が整ったときにマーケティングを行うべきフォロワーのリスト(メールアドレス)も手に入る。DistilledではDistilledUの時にこの方法を使い、24時間もかからずに1000を超すメールアドレスを集めた。コンテンツがうまく受け入れられて大掛かりなコンテンツを作った努力が報われることが事前にわかるなんて、実にすばらしい方法だ。
シンプルなコンテンツの場合
簡単なブログ記事、インフォグラフィックス、くだけた動画などをまとめる場合でも、事前に何らかの予備アウトリーチを実施すべきだが、労力はずっと少なくて済むはずだ(Launchrockを使ったキャンペーンなどは必要ない)。
アプローチ方法と対象オーディエンス(中でも影響力のあるインフルエンサー)がはっきりしたら、実際に連絡を取って、これから作成しようとしているコンテンツが役に立つと思うかどうかを聞いてみよう。基本的な概要を説明し、どのようなフィードバックが得られるかを調べてみよう。
インフルエンサーや対象オーディエンスの一部を巻き込むことでコンテンツの作成に着手する前から評価がわかるので、成功の可能性も高まるというわけだ。
オンページSEO
言うまでもなく、基本的なSEOは常にしっかりやっておきたい。
ページタイトル内のキーワード
ページタイトルは、多分オンページSEOにおいてとりわけ重要な要素だろう。以前は半角70文字以内に抑えるべしとされていた。しかし今では、グーグルがクエリとの関連性を高めようとして勝手にこのルールを変更したらしく、HTMLソースに書き込まれたtitle要素の代わりにURLがタイトルとして使われるケースも見受けられるようになった。
結論としては、コンテンツとの関連が高く、キーワードを多く盛り込んだタイトルになっていることをしっかり確認しよう。私は個性的なページタイトルの方が好きだが、タイトルが長くなりすぎることもある。
SEOのすべての作業に加えてこの部分もテストし、何が最も効果的なのかを見極めよう。
見出し内のキーワード
見出しにもキーワードを入れてみよう。ただし、強引ではいけないが、自然な形で馴染ませることができるならば、だ。
私は、AJ Kohn氏がまとめた実践的なアドバイスが気に入っている。見出しそのものについて、それから見出しによって読者をスムーズにコンテンツへと導いていく方法についての解説だ。これを踏まえて、記事を書き終わったらちょっと後戻りして見出しをじっくり読み返してみるといい。
もし話題をスムーズに移行できる方法を思いついたら、読者の読みやすいように修正しよう。こうした事に注意を払えば、読者の心を長期間にわたってつかみ、滞在時間もコンバージョン(もしくは共有)の可能性も増えるはずだ。
本文内のキーワード
本文内にちゃんとキーワードが入っているかどうかを確認すること。また、トピックに関連するキーワードのバリエーションがあるかどうかもチェックしよう。
目標は、ページが適切なクエリに合致するよう関連性を持たせることだ。
とはいえSEOを適切に行うことはとても重要だが、コンテンツを読みやすく構成することも同じくらい重要だ。つまるところ、読者には読んでいるものを共有してもらいたいのだから、キーワードやそのバリエーションだらけにするのではなく、ちゃんとした価値のあるコンテンツにしよう。
的確なalt属性値(テキスト)と画像
画像はコンテンツの良し悪しを左右するから、活用しよう。画像がメッセージをどう補強(もしくは邪魔)してくれるのか、よく考えてほしい。
SEOを進めていくうえで、画像が記事の内容に合っていることを確かめよう。画像のファイル名にもalt属性値にも、適切なキーワードを埋め込むこと。
ただし、画像のファイル名とalt属性値は、その画像が何であるかを検索エンジンが判断できるようなものにすること。画像をきちんと説明してないようなキーワードをただ詰め込むのは避ける。そんなことをしても、何もいいことはない。
やりたいことは、関連性のあるトラフィックを集めて、満足できるユーザー体験を提供することなのだから。
この記事は、3回に分けてお届けする。2回目となる次回は、「読みやすさ」「コンバージョン」「計測設定」に関するチェック項目を紹介する。
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