Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

御社のSEOコンテンツ戦略では、キーワードだけでなく訪問者の意図も考えていますか?(前編)

実例を踏まえながら、「意図を考えたコンテンツ」について解説する。
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

SEOを意識するあまり、次のようなコンテンツ戦略があまりにも多すぎはしないだろうか。

  1. 人々が何を検索しているのかを調べる(キーワード調査)。
  2. できるだけ多くのキーワードが当てはまるランディングページを作る。
  3. キーワードに最適化したコンテンツ(無意味なものが多い)をたくさん書く。

典型的な旧式のSEO戦略だ。だが、オーディエンス(訪問者)の意図はどうするのだろうか?

コンバージョンのためのランディングページならば、SEOに多大な注力をしているだろう。最適化されたランディングページは、次のようなことを満たしているはずだ。

  • 狙いを絞ったキーワードと話題
  • 狙いを絞ったページタイトル
  • すっきりしたURL
  • 説得力のあるmeta descriptionタグ
  • 直観的なレイアウトとナビゲーション
  • 読み込みが速い
  • 見た目もすばらしい
  • スクロールしなくても見える場所にCTA(行動喚起)がある

一方で、ページの中心となるコンテンツは、単にランディングページの最適化のような方法論で感性するものではない。コンテンツは目的に寄与するものだ。コンテンツによって他社よりも優位に立てる。コンテンツは、コミュニケーションを築きオーディエンスとの交流を生む手段なのだ。

オーディエンスの意図は何か?

あなたが呼びこもうとしているコアオーディエンスは、何かを求めており、何らかの意図をもっている。あなたのサイトが旅行関係のものだったとすると、たとえばオーディエンスの意図には次のようなものがあるだろう。

  • 世界最高の休日ハイキングを調べているのかもしれない。
  • ユタ州でハイキングできる場所を知りたいのかもしれない。
  • ユタ州でハイキングを楽しむため、ハイキングを含むユタ州の休暇パッケージツアーを探しているのかもしれない。
  • あるいは、ボストンからパークシティへの旅行を予約したいだけなのかもしれない。

オーディエンスの意図というものは、きわめてあやふやなものから、ごく具体的なものまで、さまざまだ。ランディングページ用のコンテンツを考えるときには、オーディエンスの気持ちになり、本当に見たいのは何かをしっかり考える必要がある。オーディエンスの意図に関しては、次の点を検討する。

  1. 訪問者の意図を十分に満たすには、どんなコンテンツが役に立つか?

  2. 意図があやふやな場合は、その意図のバリエーションにどんなものがあり、どんなコンテンツが適しているのかを考える。

    たとえばヘアスタイルならば、次のようなものばあるかもしれない。

    • ヘアスタイルのハウツー動画
    • ヘアスタイルのカタログ本
    • ショートヘア、ロングヘア、カーリーヘアなどのヘアスタイル
    • 薄毛、縮れ毛、あるいはアップスタイルや編み込みといった特徴によるヘアスタイル
  3. オーディエンスが役に立つと思うものは?

  4. オーディエンスが興味深いと思うものは?

  5. オーディエンスが共有したいと思うものは?

うまくいくコンテンツ役に立ち、独自性があり、興味深いと思われるヒント――そのコンテンツをシェアした人が周りから「役に立ち、独自性があり、興味深い」人だと思われるようなコンテンツ。

「自宅でも楽しく過ごすほとんど無料の68のやり方」
「お金を使う代わりにやるべき121のこと」
「春の31日間お掃除DIY:台所の流し排水クリーナー」

うまくいかないコンテンツさほど役に立たず、独自性がなく、興味深くもないもの――そのコンテンツをシェアした人が周りから「役に立ち、独自性があり、興味深い」人だと思われることがないようなコンテンツ。

「400万円の借金をなんとかするのに私がとった5つの戦略」
「節電タイプの電球、どれが一番やわらかい光か?」
「キャリアとお金のために今月するべき決意」

コンテンツ戦略の基本要件

すばらしいコンテンツには(ホワイトペーパー、動画、ガイド、マップなどではない、実際のランディングページになっているコンテンツの場合)、すばらしいランディングページに必要なものがすべて揃っていなければならない。しかし、すばらしいコンテンツ戦略では、前もって検討しておくことがもう少しある。主なものを挙げてみよう。

  • このコンテンツの目標は何か?(作る理由)

  • ビジネスの目標は何か?(売上を得る方法)

  • 消費者のために解決しなければならないことは何か?(オーディエンスの意図)

そして、オーディエンスのニーズと競争環境を十分に調査したうえで、次の問題を考える。

ユーザーの意図を満たし(それを上回り)、同時にビジネス上の目標を実現するもの。それでいて、すでにあるほかのどれよりも優れたもの。それをどうやって作るか?

こういった考えのうえに立って、コンテンツ戦略の実例を見ていこう。そうするなかで、単にランディングページを作り文章を書くことと、オーディエンスの意図とビジネス上の目標を満たす創造的なやり方を考え出すこととの違いが明確に示される。

コンテンツ戦略の実例1: コンテンツ VS ライフスタイル

この実例に出てくる企業は、今のところ純粋なECサイトだ。

設定(概略)

  • オーディエンス: 女性(22~55歳)。主に母親。
  • オーディエンスのニーズ/意図: 余分なお金をかけずに、なおかつステキな生活を送る、賢くて革新的な方法を見つける。
  • コンテンツの目標: 現在はECのみを行うブランドだが、それを広範かつ多元的なコンテンツプランを通じて拡張し、ライフスタイルを提案するブランドにする。
  • ビジネスの目標: オンラインで製品を販売する

この会社がこれまでコンテンツによって行った試みは失敗に終わっている(主な競合企業による同様の試みでも成功した例はない)。ブログはまったく読まれておらず、短時間で間に合わせ的に作ったコンテンツは(程度の差はあれ)たいした反応を得られていない。

こんなことになった大きな原因は、ECのみでしか実績のない会社が、だれにも発言を期待されていないのに発信による影響力を得ようとしたせいだ。

「発信力がないブランド」と「信頼できる専門家でもなくインフルエンサーでもないスタッフ」という組み合わせが、ささやかなコンテンツを行き当たりばったりに公開しても、うまく行く見込みはない。オーディエンスからすれば、共感するよりも疑問が先に立つ。

どうしてこんなコンテンツがここにあるのだろうか?
コンテンツはもっと増えるのだろうか?
何をもってこの発言が信頼できると思えるのだろうか?
ウェブサイトとライフスタイルのすべてを費やしてこのテーマに取り組んでいる、もっと信頼できる発言があちこちで見つかるというのに。

このケースでカギとなるのは、ライフスタイルだ。「コンテンツを作ること」と「ブランドにライフスタイルを浸透させること」は大きく違う。

コンテンツに含まれるもの
  • ランディングページ
  • 記事
  • ブログ投稿
  • 動画
  • スライドショー
  • ガイド
  • マップ
ライフスタイルの浸透に必要なもの
  • 自己表現
  • コミュニティ
  • 文化
  • アイデンティティ
  • つながり
  • 体験
  • 感情

コンテンツを通してライフスタイルを表現しているブランドと、そのコンテンツで示されているブランドメッセージ(と企業がその先に求めること)をいくつか紹介しよう。

GoPro: 創造的になる。カメラを買う
Be inventive. buy cameras.

Nike: ただスポーツをする。シューズを買う
Just do it. buy shoes.

Airbnb: かっこいい旅をする。宿を借りる
Travel hip. rent places.

Martha Stewart: 器用になる。製品を買う
Be crafty, buy products.

ブランドは製品を売るためのものだが、これらのブランドのコンテンツはオーディエンスを魅了し、オーディエンスは火に誘われる蛾のようにコンテンツに引き寄せられる。

これらのコンテンツが作られた背景にあるのは、キーワードやランディングページ最適化のノウハウではない。その根底にあるのは、オーディエンスが必要としているものを提供し、その中でオーディエンスの胸を躍らせたいという思いだ。

こうした実例を踏まえると、実例1のクライアントに提案するアプローチとしては、たとえば次のようなものがいいだろう。

予算内でステキな生活を。製品を買う。

大量のキーワードによるランディングページの最適化を行い、そこから製品を買ってもらおうとしていたアプローチとの違いがおわかりだろうか?

コンテンツ戦略には、たとえば次のようなものがある。

  • 週ごとの特集
  • ガイド
  • 毎日のコンテンツのための雑誌スタイルの取り組み
  • 古びないマーケティング資料
  • 休日向けの特別な取り組み

また、その分野で影響力のある人々に協力を求めて提携し、さらには「企業の声」としてブランドを代表する人物となってテレビ出演やPRを行い、コンテンツを広めてもらう可能性も探る。

もちろん、このようなコンテンツ戦略には何か月もの期間と多くの調査が必要だ。包括的なコンテンツ戦略をまとめる場合のプロセスとツールについて、後編の記事でさらに詳しく説明しよう。

この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回は、今回に引き続いてコンテンツ戦略の実例をもういくつか紹介する。→後編を読む

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