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検索キーワードに頼らずSEOの価値を示す10の方法――(not provided) 100%時代に備えて(前編)

(not provided)が100%になってしまった後でも、SEO活動の価値を証明できる10の方法を紹介
この記事はもともとMozのYOUmozセクションに掲載したものですが、われわれのコミュニティにとって非常に興味深く、大きな価値をもたらしてくれるのでこちらのブログに格上げしました。筆者の意見は筆者独自のものであり、Mozの考え方を示すものではありません

アクセス解析で検索キーワードが「(not provided)」と表示されてしまうことへの不満はあるが、いつかすべてのキーワードが(not provided)になってしまうことだろう。そういう時代に備えて、SEOに価値があることを、Googleアナリティクスなどのサービスを使って示すやり方を10個、お届けする。

この2年間、僕のGoogleアナリティクスの「(not provided)」に対する僕の姿勢は、何度か変化した。

僕はずっとGoogleアナリティクスでキーワードデータが得られなくても不満を言うことは控えていた。「なぜそれほど(not provided)にこだわる必要がある?」と問いかけていたぐらいだ。

だがその後、2013年の秋に他のGoogleアナリティクス認定パートナーと話していたとき、みんなが「https:」検索のおかげで見られなくなったデータについて不満を述べているのを聞いているうち、僕も(not provided)への不満を、もっともだと思うようになった。

とはいうものの、それも一時的なものにすぎなかった。いずれは(not provided)が検索キーワードの100%を占めることになるのがわかったからだ。

(not provided)の傾向:(Not Provided) Countより

そうして僕は「Googleアナリティクスでキーワードが表示されない」という不満に対しては、また以前のように「なければないで仕方ない」という姿勢を取るようになった。

だが、仕方なければ、どうすればいいのか?

まず、問題をはっきりさせよう。

キーワードは、これまでずっと、SEOの力の源泉だった。リサーチに始まって検索順位やレポート作成に至るまで、検索アナリストとしての僕たちにとって、詳細なキーワードデータは人生そのものだ。

近年、最も効果的なSEO戦略は優れたコンテンツの作成を中心に展開されているが、業界の大部分で今なおキーワードを中心としている状況は変わらない。多くの人にとって、キーワードは世界そのものなのだ。

グーグルは、質の高いコンテンツを持つサイトが優先されるように検索の順位付けを変えてきており、現場担当者のほとんどは徐々にこの傾向に合わせるようになっている。しかし僕たちには、長年の間にキーワードデータを受け取ることに慣れてしまった多くの人々の意識を変えるという役割も課せられている。

Googleアナリティクスでキーワードデータが表示されなくなったことは、インターネットマーケターにとって頭の痛い問題になっている。僕たちの同僚も、上司や顧客も、レポートにこのデータが含まれているのを見慣れているからだ。僕たちはまるでパブロフのようだ。僕たちのレポートを受け取る人がパブロフの犬で、キーワードが反射条件だ。

「僕がパブロフに何をさせられるか見ていろよ。僕がよだれを垂らしたとたんに、パブロフはにやりとして、あの本に書き込みをするから」
画像提供:The Thinking Blog

キーワードデータに条件反応を起こしている人が、それを奪われると悲劇だ。何かを取り上げられると、僕たちは本能的にこれに抗おうとする。そう振る舞うよう条件付けられているのだ。

生き残る鍵は、パブロフの犬にもっとたくさん肉を与えることだ。もっと上等な肉を!

キーワードのレポート作成よりもっといい仕事を、僕たちはできる

キーワードは、SEO世界の中心を常に成してきたが、キーワードデータに重きを置きすぎたレポートのせいで、長年にわたり、独創性に欠ける貧弱なマーケティング活動がていよく支えられてきた。

オーガニック検索マーケティングの成果を計測するには、もっといい方法がある。しかも、その多くはすでにGoogleアナリティクス内で利用できる。

取るに足らない少数のキーワードにこだわるのではなく、今こそビジネスにとって本当に重要なこと、つまりオーガニック検索がどれだけ組織に売上(ひいては利益)をもたらすかという点を重視するよう、経営者たちに教え込むべき時期だ。

幸い、キーワードデータだけに基づいて検索の成果を測定する方法に代わるやり方は、いくつもある。そして、(not provided)の世界でSEO活動の価値を証明できる方法も、いくつもある。

僕は、2014年1月にハンガリーで開催されたカンファレンスSuperweekで初めてこのテーマでプレゼンテーションを行った。スライドに目を通すことが最も勉強になるという人は、以下から全スライドを参照できる。このスライドの内容についてもっとちゃんとした説明が欲しい人は、この記事の続きを読んでほしい。

では、(not provided)が100%になってしまった後でも、グーグルのツールを使用してSEO活動の価値を証明できる10の方法を、1つずつ解説していこう。わかりきったことのように思えるものもあるかもしれないが、「なるほど」と思ってもらえるものもあるはずだ。

#1オーガニック検索のトラフィック全体を、長期間にわたって測定する

「特定のキーワードで高い検索順位を確保する力」――これこそが自分の評価になると考えている検索マーケターも多いことだろう。しかし、組織があなたを評価するのは、次の2点についてだ。

  • 全体のトラフィック
  • コンバージョン

幸い、あなたのサイトが13か月以上存続していて、Googleアナリティクスで目標を設定しているならば、あなたが組織にもたらした最近の成長を示すことで、あなたの価値を証明できる。

これは、Googleアナリティクスの日別比較ツールを使用して簡単に行える。

あなたの組織の幹部は、個々のキーワードに関する情報を盛り込んだレポートに慣れているかもしれない。しかし、あなたがオーガニック検索のトラフィック全体を前年比で200%増加させたことを示せれば、さらに言えば売上が前年比で150%増加したのを見せれば、キーワードのことなど完全に頭から消えてしまうだろう!

幹部たちは多くの場合、まさにこの売上増加と利益に基づいて報酬を受け取る。あなたが組織にとって成長や利益の源泉である点を示すことが、チームのためにさらに多くのリソースを獲得し、社内で昇進し、全体的な報酬を押し上げる鍵を握るのだ。

詳細なキーワードデータがないことを、報酬の増加につなげられるとしたら、すばらしいではないか。

#2オーガニック検索のトラフィックを、ランディングページで分類する

「最終的な成果への注力」こそが、上司との間で、そのまた上司との間で、重視するべき最高の領域であることを理解した。僕たちは次に、「海」を最適化するのは非常に難しいという現実に対処しなければならない。

膨大な数のアクセスがあるのに、検索結果からあなたのサイトにどういう動機で訪問したのかについて何の手掛かりもないとなると、それはまるで役に立たないデータの海のようなものだ。これが、僕たちがキーワード欄に(not provided)と表示された画面を見つめるときの状況なのだ。

役に立つものではない

上記の表は、役に立たないものとして完全にスルーすることだってできるだろう。

しかし、ここで朗報がある。Googleアナリティクスのレポートには、こうした問題を回避するやり方がいくつかあるのだ。

Googleアナリティクスである程度の詳細なデータを見つける最も手軽で簡単な解決策は、オーガニック検索レポートで「ランディングページ」のプライマリディメンションを見ることだ。そうすると、あなたのサイト上でオーガニック検索のトラフィックが最も多いページが表示される。

僕のサイトでは、オーガニック検索のトラフィックを引き付けているページがサイト上に複数あるのを確認できる。これらの記事は僕が書いたものなので、記事のURLを見るだけで、それぞれがどんなページなのか正確にわかる。

たとえば、僕にとって最もトラフィックを稼いでいるのは、コンテンツをソーシャルメディアに自動投稿することについて書いた記事だ。以前グーグルで検索したとき、このトピックに関する情報が見つからなかったことに猛烈な苛立ちを覚えたことが、この記事を書いたきっかけだった。

僕のブログではよくあることだが、僕は、現在オンライン検索で出てくる情報に苛立ちを募らせると、そのトピックについて長い記事を書くことがよくある。10ページもの検索結果を見ないと疑問に対する答えをまとめられないなら、もっと包括的な記事を書くことで、既存の記事より上の順位を獲得できるチャンスはきわめて大きい。

僕がJeffalyticsで掲げているSEO戦略は、「自分自身が最近苦労した問題に対して、ベストの答えを提供すること」だ。キーワードについてほとんど心配しない。なぜなら、僕が力を注いでいるのは答えを提供することであり、キーワードに固執しているわけではないからだ。サイトに来るトラフィックの多くがロングテール経由だということもわかっている。

個々のキーワードではなく、ページの成果についてレポートを作成すれば、どのコンテンツがうまく機能しているかが一目瞭然だ。機能しているコンテンツの拡充が、将来の成功に影響を与える鍵になる。

あなたが自分のサイトを調べてみた場合、サイトで最も検索トラフィックの多いランディングページは圧倒的にトップページかもしれない。確立されたブランドではこれが一般的で、トップページはブランド名によるクエリを示す場合が多い。

レポート作成で先を行きたいなら、URLを基にして、各ランディングページへのトラフィックがブランド名を含むクエリによるものか、それとも含まないクエリによるものかを推量し、別々にレポートを作成するようにしよう。

注:キーワードをもっと重視すれば、僕のブログにとってメリットがあることは間違いないが、僕にできるのは、執筆を趣味とする1人のブロガーとしての範囲だけだ。

#3ランディングページをセカンダリディメンションとして使用する

Googleアナリティクスでオーガニック検索キーワードのレポートを見慣れている人や、(not provided)でもその数がやはり有益なデータとなる人なら、このレポート内でセカンダリディメンションとしてランディングページを参照するといい。

これは、キーワードレポート内のセカンダリディメンションで「ランディングページ」を選択すれば簡単に見られる。

#4フィルタを使って、(not provided)をもっと意味のあるものにする

(not provided)の対処法として挙げた最初の3つの提案は、Googleアナリティクスアカウントがあればすぐに実行できる。次に紹介するのは、少し高度なやり方だ。

自分のウェブサイトを通じて入ってくるデータのフィルタリングを試そうという勇気ある人は、Googleアナリティクスのビューでフィルタを作成し、オーガニック検索キーワードとランディングページを組み合わせて1つのフィールドにすることができる。

親切にも、Econsultancyが、Googleアナリティクスのアドバンスフィルタを使用してキーワードデータをいくらか取り戻す方法について、すばらしいガイドを提供している。

注意!Googleアナリティクスのデータにフィルタを適用する場合は、必ず新しいビューで行うよう強く推奨する。サイトの既存のビューにフィルタを適用してはならない理由は、次のとおりだ。

  • フィルタを台無しにしてしまうかもしれず、そうなるとサイトからデータを収集できなくなる可能性があること。
  • フィルタは過去のデータには適用されないため、同一条件での比較ができず、メインのプロファイルに適用する利点はほとんどないこと。

以下に示す設定のフィルタを新しいビューに適用すると、キーワードの(not provided)は、より意味のあるものになる。

(not provided)の場合に、キーワードのデータにランディングページのURIを含めるフィルタ(「NP」は「not provided」の略)

見ての通り、これでキーワードがより意味のあるものになるだけでなく、セカンダリディメンションも自由に使えるようになり、他の方法では不可能だった詳細な解析ができるようになる。新たに可能となった、ありとあらゆるすばらしい解析について考えてみてほしい!

この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。前編ではキーワードに頼らずSEOの価値の証明する10の方法のうち4つを紹介した。後編となる次回は、残る6つの方法を見ていく。→後編を読む

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