基本だけど重要なWebコンテンツ掲載前後のチェックリスト#2:読みやすさ、コンバージョン、効果測定
この記事は、3回に分けてお届けしている。2回目となる今回は、「読みやすさ」「コンバージョン」「計測設定」に関するチェック項目を見ていこう。
読みやすさ
書き手の意図が伝わる読みやすさ(もちろんSEOも)を確保するためにチェックすべき重要なポイントは多岐にわたる。記事が読みやすく書けているかだけではなく、読者にこちらの望むことをきちんと実行してもらえように誘導しなくてはいけない。
大見出しと小見出し
これはつけるべきだ。内容を的確に説明し、記事の冒頭から最後まで流れに沿ったものにしよう。
見出しというものは、ただ区切るだけでなく、読者がその続きを読み進めたくなるような表現をするように気をつけるべきだ。辞書や百科事典の見出しではなく、雑誌の見出しをイメージするといい。
フォントと行間
残念ながら、「こうすれば100%読みやすいコンテンツができる」という正解は存在しない。そのため、いろいろ試してみて、最適なフォントサイズと行間でコンテンツを作っていこう。
これも非常に重要なポイントなので、読みやすさの最終チェックリストに必ず入れること。
短いパラグラフと画像の使用
読者はたいていの場合、ページ上の文字が多すぎると読む気を失ってしまいがちだ(かくいう私も、記事の長さに問題があることは自覚している)。
人と共有したい情報がたくさんあるにせよ、コンテンツを魅力的なものにしたいはずだ。それならば、次のことを心がけよう。
パラグラフは短めにして、読者が内容を消化しやすくすること。
メッセージを補う情報を含む画像を、テキストと併せて使用すること。
アクセスできること、共有しやすいこと
記事ページを公開したら、実際にクロールされてインデックスされていることを確認しよう(これはブログとの統合に関するチェックリストに入れるべき項目かもしれない)。
私たちのクライアントのなかには、robot.txtファイルで変なことをした結果、コンテンツへのクロールをブロックしてしまった経験がある人もいる。みんなは同じ失敗を犯さないように。
また、自分が読んでいるものを共有したいと思った読者が苦労しないように、記事には(リンクだけでなく)ソーシャルメディアの「シェア」ボタンをつけよう。
あなたのコミュニティに入ろうとする新しい読者のためにも、あなたのソーシャルメディアアカウントをフォローするボタンもあるといいだろう。
コンバージョン
ターゲットを絞り込み、行動を喚起する工夫をすることで、コンテンツを最大限に活用しよう(そして何よりまず、公開に値するものかどうかを確認すること)。
以下に、公開に先がけて考慮すべきことをいくつか紹介するが、これらのコンバージョン関連の項目は、コンテンツ作成の前から考えてもいいものだ。
価値と目的を検討する
コンテンツの効果を最大限に発揮させるためには、自分が戦略として目指すものを達成し、クライアントが描いている事業目的のさらに大きな全体像を完成させることに向かって、コンテンツが機能する必要がある。
そのために、公開する個々のコンテンツに特定の目的やタスクを割り当て、コンテンツとのやり取りを通じてユーザーにしてもらいたいことを完結できるようにすべきだ。だから、コンテンツの公開前に、以下を自問してみるといい。
このコンテンツはビジネス目標の達成に役立つか?
答えが「ノー」なら、「イエス」になるように必要な手直しを加えること。アイデアを出す最初の段階から、この質問をする習慣をつけよう。
このコンテンツは読者に価値を提供するか?
この質問をこのリストに入れるなんてバカバカしい気もするが、私は以前、あることを確認するためにこの質問をチームの仲間にぶつけてみたことがあった。あなたがすることはすべて、何らかの価値を持つべきだ。そうでないのなら、価値あるものの作成を先延ばしにしていることになる。量は重要だが、その取り組みに「質」が伴わなければ意味がない。
このコンテンツを通じて、読者にどんな行動をしてほしいか?
行動を喚起するためのものを、メッセージの中に潜ませたり視覚に訴えるかたち(図表やアイコン、ボタンなど)にしたりして設置し、目的とする行動を読者が簡単に実行できるようにしてあるだろうか? このことは、後述の「計測設定」で説明するGoogleアナリティクスによる目標設定にも深く関わってくるはずだ。
他の記事へのリンクを組み込む
コンテンツには、信頼できる外部の関連リソースからのリンクを獲得するだけでなく、関連する他サイトの記事へのリンクを張ることも忘れずに(もちろん自分のサイト内にある記事へのリンクも)。それによって、コンテンツの価値が増し、あなたがこれまでにどんな記事を読んできたかをオーディエンスに知ってもらえる。
注意: 自分のブログの中でもとりわけ強い説得力を持つ記事へのリンクを提供するコラムを書いてみるのもいい(これは電子メールマーケティングを実施する場合にも有効な戦術だ。詳しくは後述)。見にきた読者がそのコラムに関心が持てない場合でも、リンク先の記事が注意を引き、彼らを引き留めてくれるかもしれない(そうすればコンバージョン率の上昇にも役立つだろう)。そのコラムを読むのをやめて他の記事を探しに行く読者が多いようならば、その記事で設定した目標まで遡って追跡し、必要な変更を施すのが理想的だ。
meta descriptionタグを最適化する
meta descriptionタグはおろそかにされることが多い。検索順位に影響しないとはいえ、コンバージョンに貢献することは間違いない。読者にその記事を読みたいと思わせる決め手となるような、説得力のあるmeta descriptionタグにしよう。
ユーザーが関連性に気づけるよう、使っているキーワードが入っていれば完璧だ(そうすれば、ユーザーが探しているものと記事の説明が完全にうまく一致しているということが分かってもらえる)。
また、関連するものとして、OGP(Open Graph Protocol)のタグを適切に設定することも忘れてはいけない。そのコンテンツをシェアする際に適切なタイトルや画像が使われるようになるからだ。
計測・効果測定の設定
コンテンツが公開されても、その効果をデータで計測できなければ何の意味があるだろう? 以下に紹介する項目をきちんと実行して、取り組みの成果を追跡できるようにしよう。
トラッキングコードを埋め込む
冗談ではなく、忘れてしまうことがよくある。だからこそこのチェックリストに入れておいた。ブログ記事でも、インフォグラフィックスでも、動画でも、マイクロサイトでも、作成しようとしているコンテンツが何であれ、そこにトラッキングコードをつけておこう。
目標を設定する
効果を測定するためには、ただデータを見るだけでは意味がない。事前に設定した目標(ゴール)を達成できているかどうかが重要なのだ。
クライアントはみな、自社の投資利益率(ROI)がどうなるかを知りたがる。目標設定をしなければ、これに答えることはできない。
我々のようなコンサルタントは「目標を達成すること」を保証することは無理だが、少なくとも、クライアントが現実的な目標を立てる手助けをし、その達成に向けて努力し、奮闘の結果である指標を報告することはできる。そのためにはGoogleアナリティクスが利用できる。Googleアナリティクスで目標設定をして、追跡できるようにしよう。
その他のツール類を設定する
計測に利用するツール類をすべて正しく設定し、データを受け取れるようにする。
ここでいう「その他のツール」とは、たとえばSEOmoz、Raven、Sprout Social、KISS Metricsなどのことだ。SEOからソーシャルメディア、コンバージョンにいたるまで、こうしたツール群を実際に活用できる状態にしておこう。
3回目の次回は、「アウトリーチとソーシャルメディア」「分析、レポート、テスト」に関するチェック項目を説明する。
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