※Web担編注 この記事は米国のSNS「Facebook」の公式ブログに関する「勝手にリニューアル提案」の記事だが、その内容はFacebookに限らず参考になるものなので、翻訳してお伝えする。「なんだ、Facebookは自分に関係ない」と思わず、目を通してみてほしい。
人が自分のブログをどうしようと勝手なのはわかってる。所詮は私のではないし、他人のブログをわざわざ改良してあげる必要もない。たとえ私のアドバイスがまずくても、結果に対する責任を取る必要もない。そんなことを言いつつ私は、お気に入りのソーシャル・ネットワーキング・サイト「Facebook」に首を突っ込んでいる。そして、Facebookのオフィシャルブログのこととなると、絶対改善の余地があると信じている。
人気サービスであるがゆえに
ユーザーからの反発をうけることも
Facebookは、米国で非常に人気が出ているSNS。ここでいうトラブルとは、登録している友人がFacebook内でどんな行動をしたかがわかる「News Feed」や、自分がFacebook内でどんな行動をしたかが自分のページにまとめて表示される「Mini Feed」という機能が追加されたが、これらの欄に自分の行動がどれだけ表示されるかをユーザー自身でオン/オフ設定できなかった。そのため、自分が何をしたかすべて友人にわかり、プライバシーがすべて漏れてしまうとして多数のユーザーによる猛烈な抗議を引き起こしてしまったもの。Facebookがこの問題に対してミスを認めて設定機能を追加するとしたのは騒動の3日後だった。
ほかにも、学生向けだったFacebookをだれでも登録できるようにルールを変更したときや、プライバシーを漏らすような新しい広告システムを導入したときにも、同様にユーザーの強い抗議を引き起こしている。
ブログを成功させることで得られるメリットの1つは、評判管理だと思う。Facebookの友人たちは、以前、その側面で小さなトラブルに遭遇したの。
Facebookで起きたさまざまな広報上の問題点に関して、あなたがどんな意見を持っているか知らないけれども、「News Feed」を開始した直後に起きたあの激しい抵抗は覚えているでしょ。ほかにも、学生向けだったFacebookをだれでも登録できるようにしたときや、最新のソーシャル広告プラットフォームを採用したときの騒動も。
でも、FacebookはNews Feedに対する抵抗が起きていた最中にも、きちんと仕事をしていたわ。問題となったNews Feedのトップにお詫びを掲載して、大慌てでセキュリティ機能を追加したの。そうしたら、怒りはすぐに忘れ去られてしまった。Facebookは、ユーザーへのお知らせ、お詫び、説明を同じように扱った。つまり、ホームページのトップに「ワンボックス」で記載したの。
ユーザーに見てもらえないオフィシャルブログ
少しの間Facebookから離れて(私にとってそれはすごく難しいことだし、あなたもにとってもそうだと思うけど)、われわれの業界のウェブサイトや企業では、評判管理の危機をどう扱っているかについて考えましょう。私たちのほとんどは、ホームページに謝罪を掲載する必要はないわよね。だって、みんなが実際に読むブログを持っているんだから。良いニュースも悪いニュースも、ブログ投稿に行き着く。読者がコメントして、私たちは返事を書く。
もう一度繰り返してみましょう。「読者がコメントして」。Facebookのブログで一番びっくりすることって、絶対と言っていいほど、コメントがないってこと。Facebookのユーザーはコメント好きな人がほとんどなのに! 写真を見たら何も書き込まずにクリックして通り過ぎることなんかできない。私たちが利用しているまさにこのサービスを作り出して保守している人たちと交流しあうチャンスが与えられているのに、恥ずかしがりやの5歳児みたいに、何もしないでただ突っ立っているだけだというの?
Facebookのブログに注目が集まらない第1の理由は、まったくもって明白。その存在が外からまったく見えないこと。前はサイトのフッターにブログへのリンクがあったんだけど、今はなくなってしまった。Facebookについてのリンクには「Facebookブログの最新記事」っていうセクションがあるけど、ほとんどのモニター画面では下の方に隠れている。だから、ブログのメインページへのリンクは目立たず、使われているのかどうかが見えないの。
実際の話、ブログも埋もれてしまっていて、本当は隠そうとしてるんじゃないのって思うぐらい。ブログを読もうと思ってFacebookを訪れる人はいないんだから、私だったらもう少し目立たせる工夫をするわ。だって、Facebookが取った行動が元で物議を醸した出来事の中には、近々それを実施するとブログで明かした直後に起きているものもあったから。ユーザーからのフィードバックを、変更の実施後じゃなくて実施を決定する前に聞いていれば、Facebookはそれをもっと生かすことができたはずよ。
多すぎるブログ執筆者
ブログのアピール不足を引き起こしているもう1つの理由は、執筆者が多すぎること。Facebookブログでは、開始以来、これまで41人のスタッフが記事を投稿している。でも、自分が知ってるブログの書き手1人1人の名前を落ち着いてリストアップしてみれば、きっと41人以上いると思うの。でも、1つの会社で41人の書き手がいるのは、かなり多いほう。読者はそんなに多くの書き手とつながることはできない。それに、うまくいってるブログのほとんどは、読者と書き手の間に築かれた信頼関係の上に成り立ってるの。
SEOmozでは、中心となって活躍してる書き手は4~5人しかいない。でもこれぐらいの人数でないと、通常の読者は、書き手の名前とこれまでの投稿内容を覚えられないと思う。あなたがSEOmozをしばらく読んでいるなら、少しは私たちのことや私たちの執筆スタイルがだいたいわかっているでしょ。
もし私がFacebookのブログの刷新を任されたなら、Facebookのさまざまな部門からベストな書き手を5~6人見つけてくるわ。広報担当、開発者、役員、広告プラットフォームのプロダクトマネージャ(あるいは類似の役職)、プライバシーの専門家、サービス利用規約(TOS)か品質管理部門の人をまず探してくる。次に、彼らにはブログを定期的に書いてもらうわ。
ちょっとバカな批判をしているような気もするけど、Facebookが書き手に定期的に書かせていないなんて、信じられない。だって、記事と記事の間隔が何日も、場合によっては2週間以上も空いていたりするのよ。もしSEOmoz関係者が2週間もの間ブログをまったく更新しなかったとすると、毎日サイトを訪れて、新しいブログが投稿されているかどうかをチェックする読者はほとんどいなくなると思う。結局、ブログの更新が不定期になると、ブログを更新したときの告知手段としてRSSリーダーに頼らざるを得なくなってしまう。でもそれって、読者がRSSリーダーを使うほどウェブに精通してることを前提で成り立ってる期待でしょ。Facebookのメンバーは全員ブログのフィード購読登録をしているの? とてもそうは思えない。でもこれだけは言えると思うの。もっと目立つように工夫をすれば、読者はブログを読むってこと。
見てもらうためには更新情報を掲載
それと、私だったら、ユーザーのNews Feedsの項目に「Facebookブログ更新履歴」を新設するわ。今、News Feedsでは、友人がどのグループに参加しているか、誰が誰のプロフィールに書き込んだか、誰が誰の写真にコメントしたか、などがわかる。ここにオフィシャルブログの更新情報を簡単に、でも定期的に載せるのはとっても簡単でしょ。
ブログ自体へのリンクもしっかりと
あと、ブログへのリンクをサイトの至る所にあるナビゲーションにも載せるわ。
干渉を最低限度に抑えながら露出を最大に引き上げる効果を狙うならば、ページの上部の、小さ目のリンクの中のどこかにするわ。こういう風にすれば、貴重な「ページ内不動産」の場所をあまり占めることなく露出を増やすことができる。特に、「ホーム」へのリンクを探している人に対してね。
フィードのリンクもわかりやすく
フィードの問題に戻りましょう。ブログにはフィード購読登録リンクがある。でも、普段はサイドバーの下の方にあって見えないし、それが何かの説明もない。SEOmozの読者の大半には、RSSフィードの説明は不要だと思うけど、興味を持ったFacebookの読者のために、フィードのリンクのそばに「What is this?(これって何?)」ってリンクを小さく追加しても害はないと思う。
記事のテーマ別にカテゴリ分け
次にカテゴリを追加するわ。会社が大きくて多面的な事業を展開していると、ブログは得てして、スタッフがたくさんの異なるテーマについて書いた「メモ書き」のようになってしまいがち。でも、たとえばFacebookの安全性についてだけ知りたいとき、あるいは検索機能の変更箇所についてだけ知りたいときはどうかしら? 現状では、カテゴリが分けられていないので、41人の書き手のだれが自分の知りたいテーマを扱っているかを判断して、彼らの投稿をかき分けて自力で探さなくちゃならない。でもカテゴリを導入すれば、自分の興味がある記事を見つけやすくなる。
せっかくの新機能紹介はわかりやすく
あとね、サイドバーの下のほうに、「Facebookの新しい点(New on Facebook)」っていう素敵な小さいセクションがあるでしょ。ここにはサイトに新しく追加された機能名が紹介されているの。
実はFacebookには、私みたいに、生まれたときにつけられた名前と今の名前が違う場合(私の場合は好きじゃなかったから変えたんだけどね)、以前の名前を登録できて、昔の名前で検索している人に対し、現在のプロフィールを表示する機能があるの。でも、何人がその機能を知っているのかしら? しかも、その古い名前は新しいプロフィールに一切出てこないってことは?
Facebookのブランドとファンページの存在は知っているかしら? 知っていたとして、それがあるのに気づくのにどのくらい時間がかかった? 自分の写真ストックの中から1つ選んで、その写真をプロフィールにすぐに載せられる機能をどう思う? そう、Facebookはこの機能をBeboから拝借したんだけど、すばらしいアイデアね。
でも、これらの新機能に関する説明は、ブログ上でしか見ることができない(「Facebookについて」のページにさらに深く隠されているリンクは勘定に入れていない)し、新たにリリースされた機能へのリンクはまったく存在しない。
「新機能をもっとみる(See More New Features)」のリンクにはがっかり。それぞれの機能の項目を詳細な説明にリンクさせてほしい。きっと、私の中のSEOの血が騒いじゃったのね。だって、役立つ情報にリンクさせないっていうことが大嫌いだから。
まずはスタッフがコメントを付けることから
参加ということに関しては、まずFacebookのスタッフに、他人の投稿にコメントすることから始めてもらいたい。また、彼らには、Facebook内のページを自分の主要なネットワークとして位置づけるのは控えて、と言いたい。彼らが書き込んだコメントが、スタッフからではなくサイトの常連からだと思わせるために。
よく知られていることだけど、人って「真面目な」コメントには気恥ずかしさを感じるものなの(有名人のゴシップに関するブログのコメントとは対照的)。このことと、Facebookにコメントするときは必ず本名を使うっていう事実を組み合わせてみると、読者参加が促されるのは明らかよ。
ブログのトップページに出すコンテンツの量も
次に、いつも論じられていることだけど、ブログのトップページにはどれぐらいの分量のテキストを表示させるかっていう話。
SEOmozでは、ログインしていないユーザーに対しては掲載記事の一部しか表示しない。ログインしたユーザーにだけ、記事の全文を表示するの。Facebookでは、ブログのホームページに記事の全文を掲載している。でも、ブログに来てくれたユーザーの中には、最新記事の内容にあまり興味がない人もいるはずでしょ。だから、私だったら、トップページでは、記事の一部分だけを掲載して、なるべく多様なコンテンツを提示し、もっと多くの読者を留めておくようにするわ。
どんな風にニュースに載ったか
サイドバーの話に戻るわね。Facebookの新着情報(What's New)ページでは、サイドバーに、最新ニュースのヘッドライン(ニュースサイトに掲載されたFacebook関連記事の見出し)と、同社の求人募集のリンクがある。これをどうしてブログのサイドバーにも載せないのか理解に苦しむわ。だって、ニュースのヘッドラインって特にブログと関連性があるでしょ。
ニュース記事を注意深く選別して、Facebookの良い点をうまく書いているニュースだけにリンクさせれば、評判管理に役立てることもできると思う。ブログはすでにインデックスされているのだから、リンクが外部サイトに飛ぶ場合は、とっても美味しいリンクジュースを受け取るようになるわ。
でも、この考えで唯一気に入らない点は、サイドバーがごちゃごちゃしそうなことかしら。
私が実際に実行する項目は何もないから、ただの生意気な話にしか聞こえないってこともわかってる。だから、私のアドバイスに合うようにブログの構成を変えた画面を作ってみたわ。言っておくけど、私はデザイナーじゃないし、全部、すでにページにあるものをコピーして、ペーストして、テキストを変えただけなの。でもね、Facebookは今よりもずっと上手にブログを活用できるって本当に思う。言ってみれば、最適化できるはずよ!
さっきも言ったけど、私が試しに作ってみた方のサイドバーはごちゃごちゃしすぎね。だけど、実際のページは今までのより少し長くなってる。もう少し時間があれば、そしてブログ投稿があれば、もっとずっと包括的なカテゴリが作れたと思う。でも、少なくとも、Facebookのブログは、今よりずっとおもしろくできると思う。
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