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【Google公式】英語版SEOオフィスアワーの最新TIPS特集: ページ分割・サイトマップ・title・リダイレクトなどなど【SEO情報まとめ】

今回は「英語版SEOオフィスアワー特選情報スペシャル」だ。2022年12月に公開された英語版SEOオフィスアワーが、役立つ情報が満載だった。そこからQ&Aを5つ、ピックアップして紹介する

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今回は「英語版SEOオフィスアワー特選情報スペシャル」だ。2022年12月に公開された英語版SEOオフィスアワーが、役立つ情報が満載だった。そこからQ&Aを5つ、ピックアップして紹介する。

「ページネーションとXMLサイトマップやtitle要素」「リダイレクト」などの質問のほか、head内要素の並び順、ユーザー行動の改善などなど、SEOのコアな部分から技術的なこと、マーケティング的なことまで幅広い情報を紹介する。あなたのSEO力アップに役立ててほしい。

  • XMLサイトマップにページネーション2p目以降のURLを追加すべき?
  • ページネーションしているカテゴリページでtitle要素を一意にするのは重要?
  • リダイレクトが多いとクロールやランキングに悪影響?
  • 開発中のサイトをSearch Consoleに登録する方法は?
  • 日本語サイトに英語ページを追加したらSEOにマイナス?
  • headセクション内SEO要素の正しい記述順をグーグル社員が指南
  • GooglebotはIf-Modified-Sinceをサポートする
  • ユーザー行動の改善はSEOの改善に繋がる
  • 2023年1発目のオフィスアワー: サブディレクトリを他メディアに貸す評価、サイト移転時の過去記事の公開日時、学習サイトの練習問題ファイルの取り扱いなど
  • グーグル検索の2022年を振り返る
  • AIコンテンツはSEOに利用できるのか? ユーザーファーストか? 検索エンジンファーストか?が境目
  • ショート動画の専用セクションが日本のGoogle検索にも導入

今週のピックアップ

XMLサイトマップにページネーション2p目以降のURLを追加すべき?
どちらでも構わない (Google SEO office-hours) 海外情報

最初に取り上げるのはこちらの質問だ:

/category?page=2 のようなページネーションしたページをXMLサイトマップに追加しておくほうがいいですか?

グーグルの検索リレーションチームでECサイトのSEOに精通するアラン・ケント氏がこの質問に回答した。

こうしたURLをサイトマップに追加して送信することには、意味があるように思える。しかし、ほとんど見たことはない。

実際のところは、各カテゴリのページが次のカテゴリのページへリンクしているなら、サイトマップに含めてもさほど利点はないかもしれない。なぜなら、こうした2ページ目以降のURLを(Googlebotは)自動的に発見するはずだからだ。

さらに言えば、2ページ目以降を発見したとしても、最初のページしかインデックスしないと決定するかもしれない。こうした挙動は「2ページ目以降も同じカテゴリで、検索結果で別々に表示するほどの十分な違いはないだろう」と想定した場合に発生する。

ページネーションしているすべてのページをサイトマップに追加しても技術的には問題ない。だが、たいして役に立たないかもしれないとのことだ。理由は次の2つだ:

  • サイトマップがなくてもページネーションしているページをリンクで発見できる
  • コンテンツの内容に目立つ差異がなければ、1ページ目しかインデックスしないことがある

ようは、追加しても追加しなくてもどちらでも構わない。

とはいえ、次の両方が該当する状況ならば意味があるかもしれない(特にカテゴリページではなくコンテンツページの場合):

  • 2ページ目や3ページ目の内容が、1ページ目とかなり異なる
  • Googlebotが1ページ目はクロールするが2ページ目以降をクロールしていない
★★★★☆
  • ページネーションしているサイトのすべてのWeb担当者 必見!

ページネーションしているカテゴリページでtitle要素を一意にするのは重要?
SEO効果を期待するな (Google SEO office-hours) 海外情報

2つ目に取り上げる質問はこちらだ:

  • ECサイトで
  • ページネーションしている
  • 商品カテゴリページ

という状況で、titleタグを各ページで一意にする(全ページ異なる文字列にする)のは、どのくらい重要ですか? titleタグのなかに現在のページ番号を入れることは役立ちますか?

この質問にもアラン・ケント氏が対応した。

ページに関する情報としてページ番号を含めても、検索エンジンに対してはほとんど効果がないだろう。

人間のユーザーが現在いる場所を理解するのに役に立つという観点では、ページ番号をtitle要素に含める意味があるだろう。

しかし、検索エンジンで順位アップの助けになったりページのインデックスの可能性が増したりすることを期待するなら、入れる価値はない。

ページ上で現在のページ番号を示すのは、人間のユーザーにとっては、次の2点で親切だろう:

  • 続いているページの一部だと理解できる
  • 全体のどの位置にいるか理解できる

グーグルにも同じように手助けになると期待したいのだが、あまり意味はないようだ。

さらに言えば、イマドキのブラウザは、標準ではtitle要素を確認しづらいUIが多い。そのため、ユーザー利便の意図でページ番号などの情報を記載するならば、title要素だけでなくh1見出しなどに記載して、ページ上で視認できるようにしておかなければ意味が薄いだろう。

★★★★☆
  • すべてのECサイトのWeb担当者 必見!

リダイレクトが多いとクロールやランキングに悪影響?
ホップ数に気をつける (Google SEO office-hours) 海外情報

3つ目に取り上げる質問はこちらだ:

リダイレクトが多すぎるとクロールやランキングに何らかの悪影響が出ますか? たとえば、100個のURLをクロールするために、Googlebotが数百リクエスト処理しなければいけないような場合には?

この質問には、このコラムでおなじみのゲイリー・イリェーシュ氏が回答した。

サイト全体で好きなだけリダイレクトできる。問題は何にも起きないだろう。

ただし、個別のURLがリダイレクトチェーンしているなら、ホップ数が多くなりすぎないように気をつけなければならない。そうでなければ問題ない。

サイト内でいくつのURLをリダイレクトしても検索には悪い影響は出ないということだ。ただし、リダイレクトを何度も繰り返す、いわゆる「リダイレクトチェーン」には注意が必要だ。リダイレクトチェーンとは次のような状態を指す:

URL①
 ⇩️(リダイレクト1回目)
URL②
 ⇩️(リダイレクト2回目)
URL③
 ⇩️(リダイレクト3回目)
URL④
 ⇩️(リダイレクト4回目)
URL⑤
※ここで200を返す

リダイレクトチェーンには、主に次のような問題を生じさせる恐れがある:

  • リダイレクトの際に遅延が発生し表示速度が遅くなる場合がある

  • Googlebotは最大10回のホップまでしかリダイレクトを処理しない(リダイレクトの実行を「ホップ」と呼ぶ。robots.txtは最大5回のホップ)

リダイレクトではこうしたことには注意しよう。

★★★☆☆
  • ホントにSEOを極めたい人だけ

開発中のサイトをSearch Consoleに登録する方法は?
Googlebotを許可リストに含める (Google SEO office-hours) 海外情報

4つ目に取り上げる質問はこちらだ:

特定の開発者のIPアドレスからのアクセスだけを許可している開発サイトをSearch Consoleでサイト確認するにはどうしたらいいですか? 確認用HTMLファイルをサイトにアップロードしたら、Search Consoleはそのサイトを確認できますか?

ゲイリー・イリェーシュ氏が回答した。

結論から言うと、不可能だ。

Search Consoleでサイトを確認するには、Googlebotが実際にそのサイトに確実にアクセスできるようにする必要がある。

GooglebotのIPアドレスは、検索セントラルサイトで公開している。サイトで許可するIPアドレスのリストにGooglebotが利用するIPアドレスを追加すれば、Googlebotは確認ファイルにアクセスできるようになる。

Search Consoleでサイトの所有権を確認するのに確認用HTMLファイルを使う場合、Googlebotがその確認用HTMLファイルにアクセスできなければいけない。

しかし、確認用HTMLファイルのためにGooglebotのIPアドレスを許可すると、それはクロールも許可したことになる。そのためかイリェーシュ氏は、削除ツールや404について触れている(もしかしたら、元の質問が「意図せずに開発サイトがインデックスされてしまったためにSearch Consoleの削除ツールから削除する」方法を聞いていたのかもしれない)。

その後、削除ツールを使って開発サイトを検索から削除できる。

開発サイトのインデックスされないように404や410のステータスコードを返すようにしておくことも忘れないように。

アクセスにIPアドレス制限をかけている環境でSearch Consoleにサイトを登録するには、Googlebotも許可リストに追加すればいい。グーグルは、GooglebotのIPアドレス範囲を記載するファイルを検索セントラルサイトで公開している(GooglebotのIPアドレスは変わることがあるので、最新ファイルを自動的に取得する仕組みを構築しておいたほうがいいだろう)。

また、イリェーシュ氏は404や410のステータスを返すよう指示しているが、開発用サイトやテストサイトでは、Webサーバーの設定ですべてのHTTPレスポンスにHTTPヘッダーでX-Robots-Tag: noindexを返すよう設定してしまうのも良い手だろう(そのまま本番サイトでもnoindexを外し忘れる事故には気をつけよう)。

ちなみに、GooglebotがアクセスできないサイトをSearch Consoleで所有権確認する方法は、ほかにもある。「ドメイン プロパティ」でサイトを追加し、「ドメイン名プロバイダ」で確認するやり方だ。

「URLプレフィックス プロパティ」でのサイト追加では利用できないし、DNS設定を変える権限がないと無理だが、アクセス可能なIPアドレスや他の設定を変えなくてもいい。知っておくといいだろう。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
  • 技術がわかる人に伝えましょう

日本語サイトに英語ページを追加したらSEOにマイナス?
問題なし、ただし別ページにすること (Google SEO office-hours) 海外情報

5つ目はこちらの質問だ:

全体としては英語のサイトですが、そのなかにスペイン語の記事を1記事だけ追加すると、ランキングに(悪い)影響が出ますか?

この質問には、検索セントラルサイトのドキュメントを作成、管理しているリッズィ・サースマン氏が回答した。

まったく問題なし。ランキングに悪影響を及ぼすことはない。

複数の言語でコンテンツを発行することを考えているなら、他言語サイト管理のドキュメントもチェックすることもおすすめする。このドキュメントはもっと多くの情報をカバーしている。

同様に、日本語のサイトに英語だけのページを追加しても害を及ぼすことはないだろう。ただし、同じコンテンツを複数の言語に翻訳して展開するのであれば専用の設定をすべきだ。サースマン氏が言及したドキュメントを参照するといい。

また、日本語ページと英語ページがサイト内に別々のページとして混在するのは問題ないが、同じページに日本語と英語の両方で記事を書くのはよくない。どちらの言語を対象にしたコンテンツなのかグーグルは判断に迷ってしまうからだ。

◇◇◇

今回は5つのQ&Aを紹介したが、オフィスアワー全体では全部で50個もの質問に回答している。知っておいて損のない回答ばかりだ。最後に動画を埋め込んでおく(動画ではあるが音声だけ)。文字で読みたい場合は文字起こしが検索セントラルサイトにあるのでそちらを参照するといい(残念ながら文字起こしは英語のみ)。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
用語集
CSS / DNS / Googlebot / HTML / JavaScript / SEO / SNS / Webサーバー / XMLサイトマップ / meta description / metaタグ / robots.txt / アップロード / インデックス / クロール / コンバージョン率 / ディレクトリ / ドメイン名 / リンク / 検索エンジン / 直帰率

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