YMYL専用のアルゴリズムがグーグルにはある!?【SEO情報まとめ】
グーグルは、YMYL関連とそれ以外で処理をどう変えているのか? YMYLアルゴリズムやYMYLスコアは? ミューラー氏の発言を紹介し、現状を解説する。
それ以外にも、今回は(ちょっとテクニカルな)SEOの話題が多くておもしろい。
「GA4に直帰率が復活?」「日本にも商品レビューアップデート」「URLパラメータツール終了」「サイト移転」などなど、最新のグーグル情報をチェックして、明日からのSEOに備えよう。
- 日本語への導入も間近か? 商品レビューに関するアップデート第3弾
- URLパラメータツール終了のお知らせ
- meta refreshでのリダイレクトは処理時間と確実性が劣る
- サイト移転するときには旧URLをサイトマップに記述すべき?
- GA4に直帰率が復活するかも
- リッチリザルトレポートの問題がよりわかりやすく
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今週のピックアップ
YMYL専用のアルゴリズムがグーグルにはある!?
より厳格にクロール/インデックス/ランク付けする (Google SEO office-hours) 海外情報
検索品質評価者向けのガイドラインにあるように、たとえばYMYLジャンルのサイトでは、より厳格なアルゴリズムを用いてクロール・インデックス・ランク付けしていることもある。
グーグルのジョン・ミューラー氏が、オフィスアワーでこのようにコメントした。
YMYLとは、「Your Money, Your Life」つまり、「お金・資産や、人生・健康・生命」に関係するジャンルを示す言葉だ。検索ユーザーの人生に重大な影響を与えることがあるので、非YMYLジャンルと比べて、より慎重に検索結果を提供しているのだ。
グーグルは、YMYLジャンルの検索では、高いE-A-T(専門性・権威性・信頼性)を備えているコンテンツを検索結果で返すように調整している。だが、その実態はあなたが想像するものとは少し異なるかもしれない。
グーグルには、E-A-Tのアルゴリズムやスコアは存在しない:
- 「E-A-Tアルゴリズム」は存在しない
- 「E-A-Tスコア」も存在しない
実際にグーグルが行っているのは、次のような処理:
- 「E-A-Tが高いと人間が感じる度合い」を複数のアルゴリズムを用いて評価
ということは、YMYL系のクエリでは、次のようなことが発生している可能性もある:
- 非YMYL系のクエリでは使われないアルゴリズムが使われる
- 非YMYL系のクエリよりも評価基準を厳しくしている
こうしたことをミューラー氏が詳細に解説したわけではないのだが、おおむねの理解としては間違っていないだろう。
ちなみにミューラー氏のコメントは、もともとは、次のような質問に対する回答に含まれていたものだ:
ジャンルごとに異なるアルゴリズムをグーグルは使っているのか?
こちらに関しては、次のように回答している:
そんなことはない。たとえば、自転車のネットショップと靴のネットショップに別々のアルゴリズムを使っていたりはしない。どちらもECサイトに分類される。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報①
日本語への導入も間近か? 商品レビューに関するアップデートの第3弾をグーグルが実施
今から準備しておこう (グーグル 検索セントラル ブログ) 国内情報
商品レビューに関するアップデートの3回目をグーグルが実施した(英語名は「Product Review Update」)。
商品レビューに関するアップデートは、端的に言うと「高品質な商品レビューコンテンツをより高く評価する検索アルゴリズム」だ。
2021年4月に初めて導入され、同年12月には2度目のアップデートが実行された。3回目となる今回に関して、公式ブログのアナウンスで特に注目したいのは次の言及だ:
初回の変更で英語圏のエコシステムおよびオンライン ショッピング ユーザーに対する好影響を確認できたため、今後はより多くの言語で商品レビューのサポートを拡大する予定です。
商品レビューに関するアップデートは、これまでは英語で書かれたレビューコンテンツだけに影響するものだった(つまり日本語のサイトには無関係だった)。ほかの言語にもいずれは展開するだろうとは予想(期待)していたが、その可能性に明確に言及したのは今回が初めてだ。
レビュー記事を配信しているサイトは、品質が高いコンテンツになっていることを今のうちに確実にしておきたい。質の高い商品レビューを書くためのアドバイスが検索セントラルサイトに公開されている。参考にしよう。
元記事で示している次のFAQも把握しておきたい:
- 商品レビューの更新はランキング リストや比較レビューにも影響しますか?
- 「最も優れた」商品をおすすめするレビューを作成する際のおすすめの方法は?
- 複数の商品を対象とするレビューを作成する場合も、各商品のレビューを個別に作成する必要がありますか?
なお、ブログのアナウンスでは「今後数週間でロールアウト」とのことだった。4月12日(日本時間)に、ロールアウトの完了をアラン・ケント氏がツイッターで伝えている。
Sorry for the delay in response. It was almost... almost... almost.......
— Alan Kent (@akent99) April 11, 2022
Yes! The rollout is now complete!
ランキングの変動に関しては、展開が始まって1週間ほどたってから観測できるような変化が現れたそうだ。しかし、過去2回と比較すると変動幅は小さ目とのことである。また、展開完了間際にも関連が疑われる変動が発生していたようだ。
- 商品レビュー記事を書いているすべてのWeb担当者 必見!
URLパラメータツール終了のお知らせ
もう必要なし (グーグル 検索セントラル ブログ) 国内情報
Search Consoleの「URLパラメータ」ツールの提供を終了することをグーグルは告知した。現在はまだSearch Consoleの「以前のツールとレポート」から利用できるが、2022年4月26日以降は利用できなくなる。
廃止の理由をグーグルは次のように説明している(強調は筆者による):
数年の年月を経て、サイトで有用なパラメータと役に立たないパラメータを推測する Google の能力は大きく向上しました。実際、URL パラメータ ツールで現在指定されているパラメータ設定のうち、クロールに役立つのは約 1% のみです。URL パラメータ ツールは Google にとっても Search Console のユーザーにとっても価値が低いため、Google はこのツールを 1 か月後に廃止します。
つまり、URLパラメータを使わせる必要がほぼなくなったのだ。新しいバージョンのSearch Consoleにいっこうに移行されなかったのも納得がいく。
なお、URLパラメータの既存の設定は自動的にリセットされる。設定が引き続き有効なままにはならないし、明示的に削除する必要もない。
もし問題が発生するようならば、次の手段で対応するようにグーグルは指定している:
- robots.txtを使う
- hreflangを指定する(複数言語向けの場合)
あなたのサイトがグーグルのいう「1%」に該当してしまっていて、クロールの問題が表面化しないといいのだが。
- URLパラメータを利用していたすべてのWeb担当者 必見!
meta refreshでのリダイレクトは処理時間と確実性が劣る
サーバーサイドでのリダイレクトのほうが確実 (John Mueller on Twitter) 海外情報
URLの変更に際しては、次のどちらの方法でもグーグルは許容している:
- 301や302などのサーバー側でのリダイレクト
- HTMLの
meta refresh
タグによる転送
グーグルが推奨しているのはサーバー側でのリダイレクトだが、meta refresh
タグによる転送もサポートしている(詳細は技術ドキュメントを参照)。
とはいえ、グーグル側の処理では違いがあるようだ。グーグルのジョン・ミューラー氏は次のように説明している:
通常は、meta refreshのほうがURLの正規化に長い時間がかかるし、ほかの正規化シグナルの助けも必要とする。
Usually its more about canonicalization taking longer, and needing more support from the other canonicalization signals.
— 🦝 John (personal) 🦝 (@JohnMu) March 29, 2022
処理時間と確実性においてはサーバー側で301や302のリダイレクトを返すほうが有利なようだ。
それでも、サーバーにリダイレクトを構成できないときの代替手段としてmeta refresh
転送を使って問題があるというわけではない。途中経過をしっかりと観察してじっくりと待ち、うまくいっていなければ対処すればいいだけだ。
実際にグーグル自身が、検索セントラルのブログを移転するときに、meta refresh
よりも推奨順位が下のJavaScriptリダイレクトを利用した。それでも首尾よくサイト移転できたことを誇っていた。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
- 技術がわかる人に伝えましょう
サイト移転するときには旧URLをサイトマップに記述すべき?
今は記述しなくてもいい (John Mueller on Twitter) 海外情報
サイトマップにはインデックスさせるURLだけを記述するのが原則だ。
しかし、サイト移転でURLを変更したときは、次の処理を(一時的に)行うことで、より早くリダイレクトをグーグルに検出させる手助けになる場合がある:
- 旧URLのサイト(のSearch Console)から、次のサイトマップを送信する:
- 移転元のURLを記載したサイトマップ
- 移転先のURLを記載したサイトマップ
これは、サイト移転のドキュメントにも書かれている推奨事項だ:
元のサイトで、元の URL と新しい URL を含む、事前に用意した 2 つのサイトマップを送信します。これにより、Google のクローラが元の URL から新しい URL へのリダイレクトを検出しやすくなり、サイトの移転がスムーズに進むようになります。
だが、「サイト移転では必ずこれを行うべき」というものではないようだ。今のグーグルはリダイレクトを早期に検出できるようになっているからだ。
移転前のURLをサイトマップに記述する推奨について次のような懸念をグーグルのジョン・ミューラー氏に相談したサイト管理者がいた:
大規模なサイトで複雑なCMSを使っており、サイトマップを増やすとさらにややこしくなります。それに、サイトマップはなるべく簡潔にしておきたいし、301とcanonicalタグだけで十分だと信じています。
ミューラー氏は次のように返信した:
それなら(両URLを記載したサイトマップの送信は)省いてもいいだろう。リダイレクトによってサイト移転が検出されたときは、最近は、以前よりも速くグーグルは再クロールするようになっている。
I'd skip it then. Google recrawls faster nowadays when site moves are detected through the redirects. Don't forget your image redirects too :-).
— 🦝 John (personal) 🦝 (@JohnMu) March 30, 2022
リダイレクトを正しく設定できていればサイトマップの手助けなしでもサイト移転には十分なようだ。サイトマップ利用の効果は薄れているのかもしれない。
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