マジですか!? GA4に直帰率が復活するかも
グーグル検索SEO情報②
マジですか!? GA4に直帰率が復活するかも
でも従来の直帰とは異なる指標 (いちしま泰樹 on ツイッター) 国内情報
GA4では「直帰率」の指標がなくなったというSEO的には嬉しい(?)変更を前回紹介した。ところが、ひょっとしたら復活するかもしれない。
真摯のいちしま氏が発見した:
GA4でなくなったと思われた「直帰率 (bounce rate)」が復活するっぽい。えー
— いちしま泰樹🍎株式会社真摯 (@makitani) March 31, 2022
Dimensions & Metrics Explorerに追加されている。意味が従来と異なり「エンゲージしなかったセッションの割合」なので、実質は「エンゲージメント率」の逆の指標か
別の調べ物をしていて気付いたhttps://t.co/dzwuym1PmD pic.twitter.com/9a3c5sDUwl
Google アナリティクスのディメンションや指標を探索できるツールがある。
このツールでは、GA4で扱えるディメンションや指標をすべて一覧表示してくれるのだが、なんとそのなかに「Bounce rate」(日本語では「直帰率」)が含まれているのだ。
説明を読むと、このBounce rateは一般的な直帰(「他のページを見ることがなかった訪問」)とは少し異なり、「エンゲージメントがなかったセッションの率」を示すらしい。
GA4での「エンゲージメント」とは、そのページで何らかのアクションを起こすことを意味する。たとえば、次のようなものだ:
- 記事を読むためにページを(ゆっくりと)スクロールする
- ECサイトで商品の詳細を表示する、または商品ページで時間を費やす
- 動画を視聴する
したがって、そのページしか見なかったとしても、そのページでコンテンツに関わっていれば(それが計測されれば)、直帰とみなされることはない。
この Bounce rateは、次の式で算出している:
100% - Engagement rate(エンゲージメント率)
Engagement rateが72.39%なら、Bounce rateは27.61%になるというわけだ(100 − 72.39)。
UA時代でも、「インタラクション」イベントが計測されれば直帰ではない扱いとしていたので、考え方としては同じだとも言える。しかし細かな挙動は異なるので、「Disengagement rate(非エンゲージメント率)」とでも呼ぶほうが適切ではないかと筆者は考える。
整理すると次のとおりだ:
- 今のところ直帰率という指標はGA4には存在しない
- しかし、復活する可能性は否定できない
- ただし、復活しても少し意味が以前と異なる:
- 「1ページを見ただけで閲覧を終了したこと」ではない
- 「エンゲージメントがなかったこと」を意味する
- GA4でアクセス解析がんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
リッチリザルトレポートの問題がよりわかりやすく
具体的な場所を教えてくれる (グーグル 検索セントラル ブログ) 国内情報
Search Console でレポートされる「構造化データの問題」に、詳しい情報が提供されるようになった。
たとえば、商品の構造化データでは次のような警告を表示する:
推奨プロパティである「url
」と「availability
」がないために出ているエラーだ。
以前は、次のような表示だった:
- 項目「url」がありません
- 項目「availability」がありません
しかし、現在は次のように、「どのプロパティでその問題が生じているのか」を示してくれるようになっている:
- 項目「url」がありません(「offers」に含まれる)
- 項目「availability」がありません(「offers」に含まれる)
これは、商品の構造化データ(Product
タイプ)の offers
プロパティ(で指定しているOffer
タイプ)のデータで url
と availability
に関して問題があることを意味している。
以前は、「指摘されている url
は、いろんなタイプに定義されていて、どこの問題なのかがわからない」のように対処に困る場合があった。補足が付いたことにより、以前よりは多少わかりやすくなったのではないだろうか。
なおこの改良は、Search Consoleのリッチリザルトレポートに加えて次の2つのツールの結果にも適用される:
- URL検査ツール
- リッチリザルト テスト
- 構造化データがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
IPv6はSEOに有利に働くのか?
即答でNoと言える (John Mueller on Twitter) 海外情報
IPv6はSEOに有利に働くのか?
こんな質問があった。もちろん答えは「いいえ」だ。
グーグルのジョン・ミューラー氏は次のようにコメントしている(強調は筆者による):
IPv6にSEO効果はまったくない。同じサーバーに接続する別の手段にすぎない。
It has no effect at all, it's just a different way to get to the same server.
— 🦝 John (personal) 🦝 (@JohnMu) April 6, 2022
あるサーバーホスティングサービスのサイトに、IPv6がSEOにもたらすメリットが説明されている。これを読んだサイト管理者が真偽のほどを確かめるためにミューラー氏に質問したのだ(しかも、リンクネットワークにはIPv6が有利だとこのホスティング会社は説明している。リンクネットワークはガイドラインに違反する行為だ)。
IPv6でサーバーに接続しているかどうかは一般ユーザーにはまったく重要ではない。IPv6のサーバーでホストすればコンテンツが「関連性があり高品質」になるわけでもない。合理的に考えれば、検索エンジンの評価にIPv6が関係ないことは明白だ。
IPv6にSEO効果があると煽っているサーバー会社が日本にあると聞いたことはないが、もしそんな勧誘を受けても無視しよう。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
SCのインターナショナルターゲティングによくある誤解
地域性があるクエリに関係してくる (John Mueller on Twitter) 海外情報
ジオターゲティング(Search Consoleの「以前のツールとレポート」にあるインターナショナル ターゲティング)機能は、検索結果で優先的に出したい国を設定するものだ。
この機能では、次の点が誤解されやすい:
- 指定した国でのランキングが上がるわけではない
- 指定した国以外の検索結果に絶対に出なくなるわけではない
この設定の影響について、グーグルのジョン・ミューラー氏が次のように説明した:
ジオターゲティングは、地域性があるものを人々が探しているときに関係してくる。情報コンテンツでは常にそうなるとは限らない。
たとえば、次の検索フレーズでは違いがある:
- 「機械修理」 ―― 地域性がある
- 「機械修理 マニュアル」 ―― 情報コンテンツであり地域性がない
ジオターゲティングを設定しても他の国の検索結果に出なくなることはない。
また、HTMLの
lang
属性※は検索では使われていない。
Geotargeting is relevant when folks are looking for something local - which isn't always the case for informational content. Eg [machine repair] vs [machine repair manual]. It won't remove the visibility in other countries. Also, html lang attribute is not used for search.
— 🦝 John (personal) 🦝 (@JohnMu) March 31, 2022
ミューラー氏が言っているのは、「検索ユーザーの物理的な場所に関わってくる検索クエリのときにジオターゲティングが影響する」ということだ。「機械修理」は少し漠然としているので、「iPhone 修理」で考えてみよう。
「iphone repair」の検索(iPhone 修理)
この検索をする人は、次の状況にあると考えられる:
iPhoneが故障したので、直してくれるスマホ修理サービスの店舗を探している。
米国で検索したユーザーに英国の店舗を検索結果で提供しても役にはたたないだろう。こうしたケースを防ぐために、スマホ修理サービスのサイトではインターナショナルターゲティングを米国に設定しておく。そうすれば米国以外のグーグルの検索結果(たとえば英国のグーグルなど)に表示されるミスマッチを防げる。
「iphone repair manual」の検索(iPhone 修理 マニュアル)
こちらの検索では、「スマホ修理サービスの店」ではなく「修理マニュアル」を探しているはずなので、地域性を加味する必要はないだろう。米国ユーザーに英国サイトのコンテンツを見せても役に立つはずだ。
サイトでインターナショナルターゲティングを米国に設定していても、クエリとの関連性やコンテンツの品質によっては、英国のグーグルの検索結果に出てくる可能性がある。
日本語のサイトが他の国の検索結果に出てくることは稀なので、インターナショナル ターゲティングを設定する機会は少ないだろう。それでも複数の国で使われている言語でサイトを公開していて、この機能を利用するときには動作を理解しておきたい。
- 他地域向けサイトを運営しているすべてのWeb担当者 必見!
グーグルの言語理解を人間に近づける支える4つのAI技術
RankBrain/ニューラルマッチング/BERT/MUM (Google Japan Blog) 国内情報
検索を支えるAIについて、グーグルはコーポレート公式ブログで紹介した(検索関係のブログではない)。現在、検索で重要な役割を担っているのは次の4つのAIだ:
- RankBrain(ランクブレイン) ―― より賢いランキングシステム
- ニューラルマッチング ―― より高度な取得(情報検索)エンジン
- BERT(バート) ―― “意味”と“意図”を理解するためのモデル
- MUM(マム) ―― 言語理解から情報理解への移行
それぞれのAIの具体的な特徴はブログ記事を読んでいただくとして、大切なのはこうしたAI技術の発展により、グーグルの
- 人間が普段使う自然な言葉を理解する
- 検索の本当の意図を判断する
ための能力が飛躍的に向上したという点だ。また、打ち間違いによるスペルミスや、初めて検索されたクエリ(毎日目にする検索の 15% はまったく新しいクエリだそうだ)への対処も格段に改善されている。
「SEOに重要なのはユーザーのためのコンテンツ」は正しい考え方だ。しかしこれまでは、その執筆やページ作成において「検索エンジンにも理解できるように」するための調整が必要なことがあった。
だが、AIの進歩によりグーグル検索の言語理解がいっそう人間に近づいてきている。本当にユーザーファーストでコンテンツを提供すれば、それをグーグルが適切に解釈できる時代が、確実に近づきつつあるように思える。
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