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強調スニペットがSEO成功とは限らなくなる? グーグルが検索結果1ページ目の表示を変更【SEO情報まとめ】

Google検索で1位よりも上に表示される「強調スニペット」を獲得することの検索トラフィック価値が、グーグルの仕様変更によって変わりつつある。想定外なYahoo!検索への影響を含め、変更の内容を詳しくお届けする。

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Google検索で1位よりも上に表示される「強調スニペット」を獲得することの検索トラフィック価値が、グーグルの仕様変更によって変わりつつある。想定外なYahoo!検索への影響を含め、変更の内容を詳しくお届けする。

ほかにも、data-vocabulary.orgのパンくずリスト警告への対応、すご腕社長が答えるオウンドメディア27の疑問、隠しテキスト、JavaScriptリダイレクトなどなど、SEO担当者に役立つ情報をまとめてお届けする。

  • data-vocabulary.orgのパンくずリストへの警告がグーグルから届いた。どう対処すればいいの?
  • 競合が隠しテキストで上位表示している、許せない!
  • サイトURL変更時にJavaScriptリダイレクトを使っても大丈夫?
  • オウンドメディアによくある27の質問に、ウェブとマーケとビジネスの達人が回答
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強調スニペットがSEO成功とは限らなくなる? グーグルが検索結果1ページ目の表示を変更
ヤフー検索ではトラフィック激減の可能性あり? (金谷 武明 on ツイッター) 国内情報

「強調スニペット」は、グーグル検索結果1ページ目の最上部に表示される、検索キーワードに対する直接の回答を(リンクではなく文章や画像で)示す機能だ。

検索ユーザーの目につきやすいことから、「いかに自分のページが強調スニペットとして表示されるようにするか」は、最近のSEOでは重要度の高いことだとされてきた。

しかし、もしかしたら状況が少し変わるかもしれない。というのも、この強調スニペットが表示される検索結果にグーグルが変更を加えたのだ。

つまり、次のような変更だ。

  • 変更前 ―― 強調スニペットに表示されたウェブページ(URL)が、その下の通常の検索結果にもう一度表示されることがあった
  • 変更後 ―― 強調スニペットに表示されたウェブページは、1ページ目の通常の検索結果には表示されない

つまり、強調スニペットと通常検索結果の同一URLの重複を解消したのだ。

強調スニペット

強調スニペットとして表示されるのは、通常の検索結果で上位を獲得しているページであることが多い。

そのため、これまでは次のような状況が多かった。

強調スニペットを獲得したら、「強調スニペット+通常の検索結果」の両方で検索ユーザーに興味をもってもらうチャンスがある。

しかし今後は、次のような状況になる。

強調スニペットを獲得したら、検索ユーザーに興味をもってもらうチャンスは強調スニペットだけ。

※ただし、強調スニペットとして表示されていても、2ページ目以降であれば通常の検索結果に出てくることはありうる。

もちろん、強調スニペットが検索1位よりも上位の目立つ表示であることに変わりはない。そのためSEOでは引き続き重視する価値はあるだろう。

しかし、そうは言えど、掲載場所が2つから1つに減ってしまうのは事実だ。「検索トラフィックを増やす」という観点では、強調スニペットの獲得はこれまでに考えられていたほどの効果を発揮しなくなる可能性がある。

また、Yahoo!検索からのトラフィックが激減するかもしれないという懸念もある。

というのも、日本のYahoo!検索はシステムとしてはグーグルの検索エンジンを利用しているのだが、検索結果ページにどんな要素が表示されるのかは同一ではなく、強調スニペットが表示されない場合があるのだ。

そうなると、強調スニペットがあるからという理由で通常の検索結果1ページ目から除外されてしまうと、ヤフー検索ではそもそも表示されなくなってしまうのだ。

たとえば、「お米の種類」というクエリで検索すると、Google検索では、3284rice.com から引用した強調スニペットが出ている。

強調スニペット

ところが、Yahoo!検索では同じクエリでも強調スニペットが出ていない。(広告の下の)オーガニック検索1位は、グーグルで強調スニペットの下に出ていたページだ。

強調スニペットなし

グーグル検索で引用されていた 3284rice.com のページは検索結果2ページ目の先頭に出ている(グーグル検索でも、強調スニペットとは別に2ページ目に再度出ている)。

2ページ目の結果

1ページ目の先頭と2ページ目では検索トラフィックに著しい差が生じても不思議ではない。

※2020年1月30日現在、強調スニペットに抽出されたURLは検索2ページ目以降にも表示されなくなってしまっているようだ。一時的なものかもしれないが、現状としておしらせしておく。

なお、この変更による検索パフォーマンスレポートへの影響はないとのことである。検索パフォーマンスレポートには上に出ている結果(=強調スニペット)のインプレッションとクリックが計測対象になっていたからだ。

邪推だが、モバイル表示では強調スニペットと通常検索結果がどちらも枠で囲まれていて区別しづらいため、ほぼ同じ内容が1ページ内に2回表示されることに違和感があったのかもしれない。

モバイル版強調スニペット
上が強調スニペット、2つ目以降が通常の検索結果。要素の順序は違うが、角丸カードの影響で似たように見える。
★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

グーグル検索SEO情報

data-vocabulary.orgのパンくずリストへの警告がグーグルから届いた。どう対処すればいいの?
schema.orgに更新する (金谷 武明 on ツイッター) 国内情報

リッチリザルトのための構造化データとしてdata-vocabulary.orgを使用できる。しかしながら、data-vocabulary.orgのサポートを2020年4月6日で終了することをグーグルは事前告知した。この日以降は、data-vocabulary.orgでマークアップしていてもリッチリザルトが検索結果に表示されなくなるだろう。

まず、「data-vocabulary.org」が何かを軽く説明しておこう。構造化マークアップは「ここにあるデータはこういう意味」だということをグーグルに伝える仕組みだ。それを実現するために、次の2種類のルールがあり、それぞれのルールで利用できる仕組みが複数ある。

  • HTML上にどんな形で記述するかのルール(マークアップ形式) ―― JSON-LD、microdata、RDFa

  • 各情報がどんな種類や役割のものかをどう記述するかのルール(ボキャブラリ) ―― schema.org、data-vocabulary.org

今回話題になっているのは、後者のルールに関する変更だ。要は、「商品ならこういう項目を利用できる」「イベントならこれらの情報をこう書く」「人の情報を表すにはこういう情報をこういう書き方で記述」というルールを定めているものだ。

グーグルは、古いdata-vocabulary.orgの仕様に基づいて記述している構造化データを認識しなくなりますよ、ということだ。

data-vocabulary.orgでマークアップしていると、Search Consoleに警告が出る。

data-vocabulary.org schema deprecated

メール通知でも警告が届く。

data-vocabulary.org schema deprecated

警告の内容が「data-vocabulary.org schema deprecated」となっており、多くの人には意味がわからないに違いない(筆者はフィードバックしたが改善されるかはわからない)。

対策

引き続きリッチリザルトを表示したいのであれば、schema.orgを利用したマークアップに更新する必要がある。

警告が届くサイトの大半は、パンくずリストの構造化データとしてdata-vocabulary.orgを使っていたようだ。ほかの一般的なリッチリザルトと比べて schema.org のパンくずリストをグーグルがサポートするのが遅かったため、以前から普及していたdata-vocabulary.org を利用していたからではないかと筆者は推測する。

いずれにしても、パンくずリストで警告が出ていたらschema.orgのマークアップに書き換える。具体的な技術仕様はデベロッパーサイトで確認できる。WordPressなどのCMSのテーマやプラグインで実装していた場合で自分での修正が難しければ、その開発者に依頼してアップデートしてもらうといいだろう。

★★★★★
  • data-vocabulary.org を使っているすべてのWeb担当者 必見!
  • 技術がわかる人に伝えましょう

競合が隠しテキストで上位表示している、許せない!
お怒りはごもっともだけど隠しテキストが理由とは限らない (Reddit) 海外情報

海外のSEO掲示板にこんな投稿があった。

2つの競合サイトが隠しテキストをやって自分より上位表示している。10万本のバックリンクを集めているサイトもある(この業界では無理な数だ)。HTTPSも導入していない。

自分のほうが良いサイトなのになぜ競合が上位にいるのか理解できない。

スパムレポートを何度も送ったがまったく変化が見られない。いったいどうなっているのか?

質問者はかなり憤っているようだ。

グーグルのジョン・ミューラー氏が現れて次のように説明した。

上位表示しているサイトが隠しテキストをやっていたからといって、ランキングの要因として隠しテキストが大きく影響しているとは限らない。グーグルは、とてもたくさんの指標を使って検索順位を決めている。

反対に、ページに隠しテキストがあったからといってそれだけが理由でグーグルからインデックス削除されることもない。たくさんのサイトが間違ったことをやっていて、誤って隠しテキストをやってしまうサイトもたくさんある(UI的にユーザーのアクションがあるまで意図的に隠している場合もある)。

完璧なサイトというものはない。だから、私たちのアルゴリズムは合理的なやり方で、そうした不完全さを処理している。このようなわけで、ユーザーのクエリに合致したと現状でアルゴリズムがみなす1位のサイトでも技術的に多くの間違いがあることもある。

実際のサイトとクエリを見ていないので断言はできないが、筆者が推測するに、質問者が指摘している「隠しテキスト」「不正なリンク」といった要因はグーグルによってすでに無効化されている可能性もある。つまりプラスにもマイナスにも働いていない。

スパムに思える施策をやっていたとしても、それが実際に効果を発揮しているとは限らないとは中古ドメイン名利用のリスクに関して金谷氏も指摘していたことだ。

そのサイトが上位に表示されている理由が中古ドメイン名であるとは限らない。まったく別の要因が影響して上位表示しているだけかもしれない

自分のサイトが1位にふさわしいと信じることは当然のことであり、不正行為を働いているサイトに追い抜かれたらたしかに心穏やかではないだろう。

それでも、あなたが取り組めることは、検索ユーザーとサイト訪問ユーザーのニーズやペインに応えるために粛々とサイトやコンテンツを改善していくことしかない。同じ手を使おうとは決して考えてはいけない(明らかに悪質なウェブスパムであればもちろん通報すべきだが、それが即座に対処されるとも限らない。残念ながら)。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

サイトURL変更時にJavaScriptリダイレクトを使っても大丈夫?
時間が可能 (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報

URLを変更する際のリダイレクトとしてJavaScriptを用いると、グーグル検索にもそのリダイレクトが正しく反映されるのだろうか?

グーグルのジョン・ミューラー氏によれば問題ないとのことだ。最終的には、301リダイレクトなどほかのリダイレクト方法と同じように処理される。ただし、JavaScriptの処理が入ることから完了までに時間がかかることがあるそうだ。

ベストなのはHTTPステータスコードで301を返すリダイレクトだ。しかし、301リダイレクトが使えない状況ではJavaScriptリダイレクトを利用できる。

グーグルのヘルプページでも、次のように「JavaScriptを使っても大丈夫」だと書かれている。

JavaScript を使用したリダイレクトが正当な行為にあたる場合もあります。たとえば、ユーザーのログイン後に内部ページにリダイレクトする場合は、JavaScript を使用しても問題ありません。JavaScript やその他のリダイレクト手法を使用したサイトが Google のガイドラインに沿っているかどうかを確認する際には、その目的を確認してください。サイトの移転にあたっては 301 リダイレクトを使用するのが最善ですが、ウェブサイトのサーバーにアクセスできない場合は、この目的で JavaScript によるリダイレクトを使用することもできます。

なお、待機時間を0秒に設定した meta refresh タグでリダイレクトする手法もあるが、こちらはグーグル検索的には推奨されない。リダイレクトとして処理されることもあるが確実性に欠ける。

★★★☆☆
  • ホントにSEOを極めたい人だけ

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