リスティング広告4タイプ分析 | リスティング広告 成功の法則
今回は、第1章 「リスティング広告を始める前に理解しておくべきこと」 からの内容をお届けします。
リスティング広告の施策について、ショップの形態によってその方法が異なることは、あまり語られていません。そもそも「大型モール」と「専門ショップ」が同じやり方であるはずがないのです。
リスティング広告4タイプ分析
ネットショップコンサルティングの「コマースデザイン株式会社」の坂本悟史氏、川村トモエ氏が手掛けた書籍「売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則」(インプレスジャパン刊)の中で紹介されている内容に、「EC4タイプ分析」というものがあります。この書籍はネットショップへ関わるすべての方々へお薦めしたい良書です。
このEC4タイプ分析とは、取り扱う商品の購入経路や、最適な集客方法、成長パターン、ありがちな悩みなどによって、ネットショップ運営の成功パターンを4つに分類するものです。ネットショップに限らず、リスティング広告施策を行うWebサイトであれば、ほとんどの場合でこの「EC4タイプ分析」の考え方を利用できます。
これをリスティング広告4タイプ分析として置き換えると、次のようになります。
有名ブランドタイプ
主に有名ブランドを扱い、ブランドネームや型番でのコンバージョンが多い。また、知名度からなる信頼度も高く、比較的安いCPA(顧客獲得単価)を達成することが可能。ただし、仕入れが基本となるため利益率はさほど高くない場合が多く、(薄利)多売のケースが多い。利幅が低いので、CPAがいかに安くても利益がそれを下回るケースもある。
典型商品家電、海外有名ブランドバック、書籍など。
オリジナルタイプ
オリジナルブランド商品が主力。商品数は1点から、サイズ展開なども含めたものなどを扱った場合などは100点ほど扱う場合もある。ブランドネームでの獲得はほぼ皆無なため、競合の多く集まる「ニーズ」を表すキーワードでの顧客獲得が必要不可欠。そのためCPA(顧客獲得単価)は高騰してしまいがち。主な利益はリピートから生む場合が多い。
典型商品食品、健康食品、基礎化粧品、お悩み関連など。
ニッチタイプ
新規参入が難しい業界がこのニッチタイプ。ライセンスが必要な商品であったり、かなりの専門知識が必要とされる商品を扱っていることが多い。競合が少ないためCPC(平均クリック単価)が極めて安く、未だ最低入札価格等で入札が可能なジャンル。そのためCPA(顧客獲得単価)をかなり安く抑えることが可能な場合が多い一方、一部で競争が激しくなってきているジャンルも増加中(「表札」や「剣道具」などが好例)。
典型商品特殊な植物・趣味・特定スポーツの専門店など。
総合タイプ
商品数は非常に多い。有名ブランドタイプとオリジナルタイプ、更にはニッチタイプなど、すべてのタイプの要素を持ち合わせた、モール型店舗のような特性を持つのがこの総合タイプ。商品ごとに様々なキーワードで訴求が可能なため、広告予算は多く、施策自体も大規模なアカウント運営が必要となる場合が多い。
典型商品有名ブランド商品に限らず、さまざまなジャンルの商品を取り扱うお店など。
リスティング広告4タイプ分析にあてはめる
筆者の経験上、ほとんどの施策がこのリスティング広告4タイプ分析上にあてはまります。往々にして、リスティング広告の施策はどのようなECサイトでも同じように考えがちですが、実際はショップやサービスによって、適切な施策はまったく異なるのが事実です。このタイプ別を理解しないままリスティング広告に取り組むのは、広告費を無駄に使用してしまうことだということを理解しましょう。リピート性の強い1つの商品を売るタイプのECサイトと、アマゾンのような様々な商品を扱う大型モール式では、施策のやり方は全く異なるのです。
あらかじめ自社のポジショニングを理解し、どのような施策で取り組むのかを把握して、リスティング広告施策に臨みましょう。
この記事は、書籍 『Google AdWords&Yahoo!リスティング広告対応 リスティング広告 成功の法則』 の内容の一部を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。
本書は、リスティング広告にこれから携わる人、既に携わっている人、熟知している人など、リスティング広告に携わるすべての人に向けて書かれた、リスティング広告の「本質」を盛り込んだ書籍です。実際にいくつものリスティング広告アカウントを運用しているプロのSEMコンサルタントが、リスティング広告に携わるすべての方の参考書となることを目指して執筆しています。
初心者にとっては、これからリスティング広告を運用していく上での道しるべとなるべく、できるだけ具体的にキーワードの探し方から、アカウントの設定方法、リスティング広告マーケティングの大切な考え方等を重点的に解説しています。
経験者には、状況に合わせた様々なアプローチ手法を解説し、現在運用中の施策にプラスαの要素を加える書籍として仕上げました。
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