コストがかかるキーワードへの対処方法 | リスティング広告 成功の法則
今回は、第2章 「キーワードの展開方法」 からの内容をお届けします。
BIGキーワードでの対処法は解説しましたが、BIGキーワード以外の複合キーワードで、コストがかかるキーワードも存在します。高コストキーワードは削除してしまいがちですが、安易な削除はビジネスの可能性を奪う危険性があることを認識しましょう。
コスト高のキーワードは、いきなり削除しない
一般に、コストがかかるキーワードは早々に削除してしまいがちですが、いきなりキーワードを削除してしまっては、可能性をつぶすことにもなりかねません。
コストがかかるキーワードということは、それだけ「ユーザーの需要がある」キーワードであると仮説を立てることができます。まずは入札価格を下げることで下位広告表示させ、一定のクリック数の間は様子を見てみましょう。キーワードを削除するのは、それからでも十分間に合います。広告出稿はあくまで「集客を増やして売り上げを伸ばす」ことが目的です。コストに敏感過ぎて出稿を控えるあまり、集客できなくなってしまうのは明らかに目的を逸しています。コストは下げることができるのです。
可能性をなくす方がよほどリスキーであることを忘れないようにしましょう。
コスト高でも構わない場合もある
キーワードごとのCPA(顧客獲得単価)で評価してしまうと、多くのキーワードがコスト高に見えてしまい、目標のCPA以内ですべてを抑えようとしてしまいがちです。しかしながら、それでは利益を最大化することはできません。
キーワードA 現状=CPA 3,000円 ×コンバージョン数1
キーワードB 現状=CPA 6,000円 ×コンバージョン数1
= 合計:コンバージョン数2
この例の場合、キーワードBは目標の「CPA5,000円」を超過しており、良いキーワードではありません。担当者によっては削除してしまうかもしれません。
しかし、上で解説したように、コスト高のキーワードは「ユーザーの需要が高い」キーワードである可能性があります。そして、コスト高のキーワードは最適化によりコストを下げることが可能であるケースがあります。そのため、一定基準を上回ってしまうからと言って、すぐに削除するのは問題です。
この場合アカウント単位で考えてみたら、目標CPAをクリアできます。キーワード単位でしか見ることができない場合は、このように可能性をつぶしてしまう場合があり、実は非効率であるケースがあります。
キーワードA 現状=CPA 3,000円 ×コンバージョン数1
キーワードB 現状=CPA 6,000円 ×コンバージョン数1
=平均CPA 4,500円 合計=コンバージョン数2
キーワード単位ではなく、アカウント単位でみることで目標CPAをクリアし、なおかつコンバージョン数は2となります。
アカウントで管理するキーワード数は1つや2つではなく、数百から数千、中には数万にのぼるキーワードを管理しているケースもあるでしょう。ある一定のキーワードが目標CPAを超過してしまったからといって、即座にそのキーワードを削除するのは浅はかです。まずはCPAの高騰しているキーワードをもっと費用対効果良く獲得できるように最適化しなければいけません。
それらは品質インデックスや品質スコアを向上することで解決するかもしれませんし、入札単価を引き下げることで叶うかもしれません。「木を見て森を見ない」のではなくて、「木を見て森を見る」施策を心がけることで、経験上、さらにビジネスに加速をつけることは間違いありません。
この記事は、書籍 『Google AdWords&Yahoo!リスティング広告対応 リスティング広告 成功の法則』 の内容の一部を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。
本書は、リスティング広告にこれから携わる人、既に携わっている人、熟知している人など、リスティング広告に携わるすべての人に向けて書かれた、リスティング広告の「本質」を盛り込んだ書籍です。実際にいくつものリスティング広告アカウントを運用しているプロのSEMコンサルタントが、リスティング広告に携わるすべての方の参考書となることを目指して執筆しています。
初心者にとっては、これからリスティング広告を運用していく上での道しるべとなるべく、できるだけ具体的にキーワードの探し方から、アカウントの設定方法、リスティング広告マーケティングの大切な考え方等を重点的に解説しています。
経験者には、状況に合わせた様々なアプローチ手法を解説し、現在運用中の施策にプラスαの要素を加える書籍として仕上げました。
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