具体的なキーワード展開方法 | リスティング広告 成功の法則
今回は、第2章 「キーワードの展開方法」 からの内容をお届けします。
リスティング広告は「キーワード探し」から始まります。「自社サービスの見込み客は、どのようなキーワードで検索をかけているのか」を想像しながら、できるだけ購買意欲の高いユーザーが検索で使用するであろうキーワードを探し出せれば、よりビジネスに加速をつけることが可能となるでしょう。 ここではChapter1.8~1.12で解説した「リスティング広告4タイプ分析」の中の、「ニーズ系」ショップのキーワードの探し方を中心に解説します。
キーワード展開は「連想ゲーム」
リスティング広告のキーワード探し(キーワード展開)で欠かせないのが、連想ゲームを行うような単語の連想力です。自社の見込み客になり得るユーザーは、どのようなキーワードで検索を行いアクションを起こしているのかを、ユーザーの思考を追うように展開することが重要です。今回は、無農薬野菜を取り扱うECサイトを例に考えてみましょう。
キーワード展開の基本は、「ターゲットとなるユーザーの立場になって考える」ということです。「どのような思考を持っているのか」「どのような悩みを抱えているのか」など、このような「ユーザーの気持ちを理解すること」は、キーワード展開に限らずマーケティングの基本でもあります。
まず、ターゲットとなる「ユーザー像」を軸にして考えます。無農薬野菜を扱うECサイトの顧客なので、「無農薬野菜」が欲しいと考えているユーザーを想定します。「無農薬野菜」が欲しいと考えているユーザーは皆、「無農薬野菜が欲しい!」と最初から考えているでしょうか。
この場合、「無農薬野菜が欲しい」ユーザーが、どんな動機から「無農薬野菜が欲しい」と考えるに至ったかを考えていく必要があります。例えば「健康になりたい」「子どものいる家庭(家族に安全なものを食べさせたい)」「アレルギー体質」など、様々な「ユーザー像」が想像できます。「無農薬野菜が欲しい」と考えるユーザーはこのような動機で、最終的な思考(「無農薬野菜が欲しい」)にたどり着いているのではないかと「仮説」を立てるのです。
すると次の展開は、「健康になりたい」と考えているユーザーは、どのような発想から「健康になりたい」と考えるようになったのかを、再度洗い出します。
「健康になりたい」と考えているユーザーは、様々な動機から「健康になりたい」と思うに至ったと、再度ユーザー像を膨らませることが可能です。
この作業を繰り返し行うことによって、様々なカテゴリーのキーワードを探し出して展開できるようになります。キーワードの展開のコツを掴めたでしょうか。もちろん、この「仮説」はすべてが適切であるわけではありません。しかし、リスティング広告は即座に結果が出やすく、キーワード入札の一時停止、再開などが簡単にできる広告です。仮に、ある仮説に基づくキーワード入札が外れているようであれば、そのキーワードの入札は停止して、新しい仮説を立てれば良いだけのことです。
ターゲットを忘れない
大事なのは、「ターゲットとなるユーザーの立場になって考える」ことです。「誰に何を売っているのか」このことを忘れない限り、競合の少ない素敵なキーワードを探し出せるようになるでしょう。
多くの視点を持つ
キーワード展開に限らず、様々なターゲットを想定していくには「多くの視点を持つ」ことが大事になります。それを容易にするには、次の2通りの解決方法が存在します。
- 時には視点を変えてみる
- 一歩引いて見てみる
① 時には視点を変えてみる
自社のサービスに没頭してしまうと、一つの物事しか見えなくなってしまう場合があります。そうなると、当たり前のことにも気づかないことも多いものです。
そんなときは原点に立ち戻り、今一度自社のサービスを見直してみましょう。自社のサービスを必要とするユーザー(ターゲットとしているユーザー)は…
- 「なぜ」そのサービスが必要なのか?
- そのサービスを必要とする状況はどんな時か?
- そのサービスを利用して、どのようになりたいのか?
このように、ターゲットとするユーザーの気持ちに歩み寄ることで、新しいカテゴリーを作成し、キーワードを新たに展開することが可能となります。
② 一歩引いて見てみる
「視座を広げる」という言葉でも言い換えられます。視野は広い方が、様々な目線で物事を見られるようになります。「視点を変える」のと同様に視野が狭くならないよう、一歩引いた目線で自社サービスを見返す必要があります。
自社のランディングページを確認するだけでなく、他社のサイトを見て「競合他社はどのような視点で施策を行っているのか」を確認してみたり、いつもの作業から一歩引いた目線で物事を見ることができれば、新しい訴求対象が見えてくるかもしれません。地図は、近い距離から見れば詳細に見えますが、少し距離を置いて遠目で見るとより幅広い地域を見られるようになります。
筆者の場合、リスティング広告やアクセス解析以外の書籍も多く読みます。それらは自分のためでもありますが、異なるジャンルの書籍を読み、様々な情報に触れることで「異なる視点」を手に入れられるからであり、実際にリスティング広告の施策やキーワード展開に役立つことが多々あります。
人は「知らないものは見ることができない」と言われています。そのため多くの視点を手に入れて、より優れた施策を目指しましょう。
この記事は、書籍 『Google AdWords&Yahoo!リスティング広告対応 リスティング広告 成功の法則』 の内容の一部を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。
本書は、リスティング広告にこれから携わる人、既に携わっている人、熟知している人など、リスティング広告に携わるすべての人に向けて書かれた、リスティング広告の「本質」を盛り込んだ書籍です。実際にいくつものリスティング広告アカウントを運用しているプロのSEMコンサルタントが、リスティング広告に携わるすべての方の参考書となることを目指して執筆しています。
初心者にとっては、これからリスティング広告を運用していく上での道しるべとなるべく、できるだけ具体的にキーワードの探し方から、アカウントの設定方法、リスティング広告マーケティングの大切な考え方等を重点的に解説しています。
経験者には、状況に合わせた様々なアプローチ手法を解説し、現在運用中の施策にプラスαの要素を加える書籍として仕上げました。
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