もしも、「ドクターシーラボ」を解析するなら(前半:検索から広告ランディングページまで) [第9回]
誰もが知っている有名サイトをエキスパートレビューしながら、「もし、アクセス解析するなら」どのポイントに着目するかを第三者的な視点から解説。アクセス解析を用いてサイトの改善を行うための仮説構築力を身につけて、自社サイト、クライアントサイトをアクセス解析する際に役立ててほしい。
木曜9時は「かってに解析!」ということで、毎週連載「有名サイト、かってに解析!」では、毎回1つの有名サイトを取り上げ、アクセス解析で実際に解析データを見る前に、あらかじめサイトの問題点やチェックポイントにあたりをつける方法を解説していく。
ドクターシーラボのファーストインプレッション
今回は化粧品通販の「ドクターシーラボ」を取り上げる。(以下、カギかっこ付きで「ドクターシーラボ」と書くときは、企業名ではなくサイト名を指す。他のサイト、企業も同様)。
今回は通販サイトを対象に、課題の抽出や考察を行うのだが、筆者はあらゆる企業やサイトが直面している課題や戦略・戦術を十分に理解しているわけではない。あくまでもどのような点に着目したらよいのかを重視して読んでいってほしい。
図1は「ドクターシーラボ」のトップページのファーストビューだ。まずは全体的に視認性が弱い感じがする。toyota.jpを取り上げた第1回でも話をしたが、白黒画像に変換してみるとそれが分かるだろう(図2)。
基本的に白の背景の上に、灰色の文字か淡い色の画像化された文字が多用されている。
ロゴを見ると、コーポレートカラーは赤と灰色の2色。「IR/企業情報のページ」(図3)を見ても、やはりこの2色に対するこだわりが見て取れる。しかし灰色の文字、あるいは灰色の背景に白抜きした文字は、視認性が低い。
「ドクターシーラボ」のユーザー属性は分からないが、化粧品サイトは主力商品のカテゴリーによっては20代~60代くらいまで非常に幅広いのではないかと想像できる。40代以上のユーザーのシェアがそれなりにあるのであれば、視認性や文字の大きさといった点を気に掛けるべきだろう。
文字サイズを変更する機能はトップページ上部にあるので(図2の赤枠で囲った部分)、大きな文字で見たいユーザーに対する配慮はしてある。ただ、せっかくなので、この表示自体をもう少し大きくする方がよいと感じた。
ちなみに「IR/企業情報ページ」の「What's New」はそれぞれPDFファイルへのリンクになっており、それをクリックすると新しいウィンドウが開く。これはユーザビリティの教科書的に言えば、正しい方法だ。普通にページ遷移させてしまった場合に、PDF用のアプリケーション(Acrobat Readerなど)が立ち上がったと間違えて、ブラウザを閉じてしまうという行動を起こさせてしまうためで、原則としてPDFへのリンクは別ウィンドウを開かせるのが正解であると覚えておこう。
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