もしも、「札幌ドーム」を解析するなら(後半)[第59回(最終回)]
誰もが知っている有名サイトをエキスパートレビューしながら、「もし、アクセス解析するなら」どのポイントに着目するかを第三者的な視点から解説。アクセス解析を用いてサイトの改善を行うための仮説構築力を身につけて、自社サイト、クライアントサイトをアクセス解析する際に役立ててほしい。
毎週・木曜9時は「かってに解析!」。誰もが知っている有名サイトをかってに取り上げ、「もしもアクセス解析をするならば、どこに目をつけるか?」という視点で、サイトの問題点やチェックポイントにあたりをつける方法を解説していく。
今回も「札幌ドーム」のWebサイトを取り上げる。前回と今回、2回にわたり、イベント施設のWebサイトを取り上げ、課題の抽出や考察を行うのだが、筆者はイベント施設にかかわる各企業やサイトが直面している課題や戦略・戦術を十分に理解しているわけではない。あくまでもどのような点に着目したらよいのかを重視して読んでいってほしい。
長らくご愛顧いただいたこの連載だが、今回が最終回となる。では、最後の「かってに解析!」を進めていこう。
「札幌ドーム」の閲覧シチュエーションを想定
前回説明したが、念のため、繰り返しておこう。サイト利用シナリオは、「アマチュアサッカーチームのマネージャーが、サッカー練習場、あるいは試合場として札幌ドームを使えないか調べたい」という目的で訪問した、というものだ。
誰が | 草サッカーチームのマネージャー |
---|---|
何の目的で | 札幌ドームのサッカー施設を利用してみようと調査しにサイトを訪問 |
具体的には | 施設の詳細、利用できる日、利用料金を調べたい |
「札幌ドーム」をエキスパートレビュー!
前回のおさらい
前回はまず、検索サイトで「札幌ドーム」と検索し、自然検索結果ページで1位に表示されていたリンクをクリックして、「札幌ドーム」のトップページを訪れるところから始めた。
トップページは総じてコンパクトな作りとなっていて、英語版、韓国語版、中国語版へのリンクが設置されていた。
グローバルナビゲーションのラベルを見れば、サイト全体の構成がだいたい想像できる作りだったが、「ドームスケジュール」と「イベントカレンダー」の違いだけが、ピンと来なかったので、順番に見てみた。
「イベントカレンダー」は、当月を含めた3か月間のイベントが一覧できるページで、もう一方の「ドームスケジュール」は、当日の営業時間と開催イベントの案内で、要するに「本日の札幌ドーム」のことだった。
前回はここまで。今回は閲覧シナリオに沿って、施設の設備情報や、利用料金などを見ていくことにしよう。
トップページの「主催者様へ」をクリックしてみた
今回の閲覧シナリオは、「施設をイベント開催者(マネージャー)として使ってみたい」という目的なので、グローバルナビゲーションの上にある「主催者様へ」(図3の紫枠で囲んだ部分)か、グローバルナビゲーションの「施設利用・見学」(図3の黄枠で囲んだ部分、右から3つ目)が該当しそうだ。
まず「主催者様へ」をクリックしてみた。表示されたのが「主催者様へ」のページだ(図10)。
こちらのページは、どうやらアリーナを使うような巨大イベントが対象のようだ。「利用料金表」を見ると、「観戦・鑑賞型イベント」が1日800万円、それ以外のイベントが450万円となっている。どちらも数百万円単位で、1日(7時から24時までが基本)利用というのが原則だ。とても小さな団体や組織が使える金額感ではない。このページには、今回の目的とする情報は掲載されていなかった。
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