もしも、「川崎市」を解析するなら(後半:転入届の届け先を確認する) [第8回]
誰もが知っている有名サイトをエキスパートレビューしながら、「もし、アクセス解析するなら」どのポイントに着目するかを第三者的な視点から解説。アクセス解析を用いてサイトの改善を行うための仮説構築力を身につけて、自社サイト、クライアントサイトをアクセス解析する際に役立ててほしい。
木曜9時は「かってに解析!」ということで、毎週連載「有名サイト、かってに解析!」では、毎回1つの有名サイトを取り上げ、アクセス解析で実際に解析データを見る前に、あらかじめサイトの問題点やチェックポイントにあたりをつける方法を解説していく。
今回は「川崎市」の後半(以下、カギかっこ付きで「川崎市」と書くときは、自治体名ではなく、サイト名を指す。他の自治体、企業も同様)。前回の指摘内容を簡単にまとめておこう。
前回のポイントと想定閲覧シチュエーションおさらい
- トップページにはユーザビリティやアクセシビリティへの配慮がある
- 「ライフサイクル」や「暮らしのインデックス」のようなカテゴリー分けは、分かりやすい
- 一方、左上のエリアにはもう少しアクセス頻度の高いコンテンツなどを配置するとよいのではないか
改めて今回の分析に当たっての想定シチュエーションだが、次のようなものだ。
今回想定したサイト閲覧シチュエーション
誰が | 新規訪問の個人ユーザー |
---|---|
何の目的で | 川崎市転入に際しての手続き |
何をしに | 転入届の方法と、手続きする場所を確認する |
どこへ | 川崎市を指定してサイトトップへ |
アクセス解析視点の仮想目標
- 参照元が検索エンジン
- 検索語が「川崎市」あるいは「川崎市 住民票」
- ランディングページがサイトトップあるいは「住民票・戸籍・年金・税金・相談 ・環境情報」のページ
- コンバージョンページは「住所の届出」ページ及び「公共施設一覧」
では、上記の想定シチュエーションでのエキスパートレビューを、前回に続いてお届けしよう。
「川崎市」をエキスパートレビュー!
前回は「川崎市 住民票」というキーワードで検索した際に、比較的容易にコンバージョンページである「住所の届出」にアクセスできた、という話までだった。今回は最初に、もう1つのキーワード「川崎市」で検索し、サイトのトップページに来た人が、どのように進んでいくか見ていこう。
転入方法を調べるページを探す
「川崎市」のトップページ(図1)に来た人は、「暮らしのインデックス」のカテゴリーの「住所の届出・戸籍・年金・税金・相談」のところにあるリンク(黒枠の部分)を比較的容易に発見し、このリンクをクリックして進んでいくものと思われる。しかしクリックした先の「住所の届出・戸籍・年金・税金・相談」ページはどうだろう(図2)。
一見して、あまり重要そうでないお知らせが上部を占めていて、肝心の届出のページへのリンクは下から4番目にあり、一番下までスクロールしないと発見できない。またこれだけのコンテンツへのリンクが並列に扱われているため、すべてを上から順番に見ていかなければならない作りは、目的が明確なユーザーには酷というものだ。この下から4つ目のリンクをクリックすると、目的地の1つである「住所の届出」ページ(図3)に到達できる。
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