ブログ3年間の統計あれこれ - SEOmozでブログを書いた3年間の経験から学んだこと(後編)
この記事は3回に分けてお届けしている。前編と中編に続いて最終回となる今回は、レベッカのブログに関するさまざまな統計を見ていこう。
投稿本数の多いブログカテゴリ
まとめ記事(53本程度):横着なみんなは、まとめ記事が本当に大好き!
イベントとカンファレンス(約42本):ブログで書いたことがあるのは、SES Latino、SES San Jose、SES Chicago、SES London、SEMpdx's Searchfest、SES New York、SMX Advanced、SES Toronto、SES Travel、Shop.orgのイベント、SMX Social Media、SMX West、eCommerce Summit、それから地元シアトルの会合。
SEOmoz自身のニュース(15本):当社は成長中の企業だから、私が折りを見て会社に関連するニュースをみんなに伝えるのも当然。
グーグル(16本):これに比べて、私がマイクロソフトとヤフーをブログで取り上げたのはそれぞれ2回ずつ。さあ、悲しいトロンボーンを鳴らしましょう。
ソーシャルメディア(13本):これも私の好きな話題。
検索コミュニティ(12本):私たちの業界には、ブログに書きたくなるおもしろい話題が常にある。
ウェブのデザイン/ユーザビリティ(11本):あまり考えたことはないけど、どうも私は自分で思っていた以上にユーザビリティに関心があるみたい。
その他(23本):このカテゴリにはSEOから外れた話題や、くだらなくて役に立たない記事が入っている(^^)。
マット・カッツ氏に関する記事(10本):そのうち7本はビデオ講演の要約。そのすべてで、何らかの形で彼を笑いの種にしている。
私以外の人が書いた文章を私の名前で掲載したもの(6本):SEOmozの求人に応募してきた6人が書いた。
支持票が特に多かった記事(支持・不支持システムの導入後)
「史上最高のスパムメール」(SEOmoz全体でも人気ランク4位)現在、支持96票、不支持4票
「投票を呼びかけるスパムなんか止めて」(支持81票、不支持2票)
「顧客のタイプ10種」(支持67票、不支持0票)
どうやら私はグーグルで働いてることになってるみたい(支持49票、不支持0票)
お気に入りの記事:
往々にして、ふと思いついて大した調査もせずに書いたものが、上出来の記事になっていることがある。この記事はミシガン州の実家で退屈していた日に書いたもので、読者に好評だった(そして共感してもらえた)のを目にして本当に嬉しかった。
「こんなメールでリンクが獲得できると思ってるの?(前編、後編)」
「投票を呼びかけるスパムなんか止めて」
「検索業界に対する涙がチョチョ切れるような2つの都市伝説」
「フォーム作成時に心がけること ——ユーザーは直感的に理解してくれない」
「事例:Twitterを使ったカスタマーサービスと評判管理(前編、後編)」時として、遭遇した状況から突然記事のアイデアが降ってくることがある。これらの記事は、会話や変なメール、サインアップの手続き、カスタマーサポートに対する不満から思いついたもの。それぞれの体験を、コミュニティと共有できそうな教訓に昇華させることができた。
「『ダークナイト』から学んだコンテンツとマーケティングの教訓」
「顧客のタイプ10種」
「11月以降収集した普通じゃない検索語句」前項の記事とは違い、これらは長い時間をかけて構想を練ったものだ。全力を注いで取り組んだ記事(またはプロジェクト)が突然中止になったり、完全に失敗したりするのではないかという危惧や心配は常にあるけれど、幸運なことに私にはいつも逆のことが起きた。懸命に取り組んだ仕事が好評を博して報われる――それを目の当たりにするのは気分がいい。
「余計なクリックをさせてイライラさせてない? ユーザビリティ設計4つの原則(前編、後編)」
「ニュースレターのニュース価値は?」
「検索トレンドを分析して、ホリデーを賢く早めに計画する」
「ソーシャルメディアで成功するタイトル&説明文と、失敗するタイトル&説明文」これらの記事では、多様な実例を見つけて分析することを心底楽しんだので、まとめるのがとても楽しかった。
学んだこと
日々の状況から価値あるものを見つけるよう心がけよう。どうしたら自分の体験を読者にとっておもしろく有用なものに仕立てられるか、考えてみよう。
すべての記事を前もって計画しておく必要はない。突然すばらしいアイデアを思いつくこともあるし、偶然の出来事から着想を得ることもある。
たくさんの時間と労力を注いでも結果が出ないのではないかと不安になるなら、気にしないように。単に失敗の妄想にとらわれているだけで、たいていは成功するものだから。
記事の中で実例を活用しよう(Webサイト、スクリーンショット、動画など何でも)。実例は本当に役に立つ!
反省すべき記事
努力不足の記事(「グーグルがYouTubeで私を幸せにするためになすべきこと」「本気の討論でウィキペディアとブリタニカが激突」「お馬鹿な言葉を創作したい? それならソーシャルメディアサイトを作ろう!」)――これらの記事に可能性は十分あったと思うけど、私は怠けて、自分の不満を裏付ける有効な論点をほぼ欠いたまま悪態をつく手段として使ってしまった。
無知をさらけ出した記事(「ウィキペディア:さあ、みんながIMをやっているときに言葉の意味を教えてあげよう」「グーグルアドワーズで頭が痛い」「Diggが私のシャウトをブロックしてる」)――適切な調査をせずに記事を出してしまった後すぐに、私の間違っている点や、当該の機能がかなり前からあることを指摘するコメントが返ってきた。
さえない記事(「Diggから閉め出される方法」)――そう、この記事は駄目(私だって痛いほどおもしろくないときもあるんだから!)。
学んだこと
「的を射た愚痴」と「ただの愚痴」にははっきりとした違いがある。あなただって不平屋だと思われたくないでしょ。
また、ある話題についてブログを書くときは、前もって少し調査しておけば、馬鹿なことを書いて笑われたりしなくなる(意図的にやる場合を別にして)。
それから、知的、利口、優秀であろうとがんばりすぎしないこと。往々にして失敗するし、恥ずかしいくらい読者には見え見えだ。ありのままの自分であれ。
賛否が分かれた記事
「女性ブロガーのみなさん、こんにちは!……もしも~し? ご婦人方はいませんか?」
この記事はうかつにもちょっとしたジェンダー闘争になってしまった。キム・クラウス・バーグ氏が女性の技術系ブロガーの認知度が低いことをブログに書き、私はその理由として、数が少ないから認知されることも少ないのだと書いた。この記事は、それほど大きな怒りを買ったというわけでもなかったが、それでも私がある話題について取った立場に反対意見をもらったのはこれが初めてだった。
これは私の記事で初めて不支持票が入るというありがたくない栄誉を得た。どうやら読者やブロガーの一部は私に目立ちたがり屋と言われても気にしていないようだった。結構。私は今でもブロガーは目立ちたがり屋だと思っている(私も含めて)。そういうものだと割り切ってね。
この記事は、支持17票に対して不支持が13票、差し引きで支持がプラス4票というところが気に入っている。なかなか印象的。私は今でもこの記事で言いたかった主張を譲る気はない。アルファブロガーは実在するし、誰もが3か月やそこらでアルファブロガーなれるわけでもない。ジェイソン・カラカニス氏に釣られてちょっと閉口したけど、それでも彼は注目を集めるのが(いい意味でも悪い意味でも)とてもうまい。それもずっと前から(ところで最近は静かなようだけど——人力検索エンジンMahaloを何とかモノにしようと忙しいのかも)。
政治を話題にすると必ず論争になる。百発百中、外れなし。特に、有名な政治家とハワイ発ロサンゼルス便に積まれた毒蛇を描くB級映画を比較すれば。
「グーグル世代の若者は……何を考えているの?(前編、後編)」
これはちょっと曲者の記事。パネルはあれよりずっと良いものになり得たという主張は今でも変わらないけど、見直して気づいたのは、ダニー・サリバン氏とランドとその弟のエヴァンに対して厳しすぎたということ。遅ればせながら謝罪したい……あんなにトゲのある表現をしなくても言いたいことは伝えられたはずなのに。というわけで、ごめんなさい(遅くても、謝らないよりはいいでしょ?)。
「ソーシャルメディアマーケティングでスパム扱いされないために——オーディエンスを知れ」
反発を招いたのは、ひとつには元のタイトルが厳しすぎたから。それに、実際のユーザーアカウントから実例を引いたので、相手が名指しされたように感じて困惑したからだ。繰り返しになるけど、そんなにきついことを言わなくても言いたいことを伝えられたはずで、今後は必ず気を付けなくちゃいけない。それでも、私は今もこの記事が気に入っているし、ソーシャルメディアマーケティングを実施するときに覚えておくべき重要なことを書いたという思いは変わらない。
学んだこと
論争は耳目を集めるが、良いことにも悪いことにも備えておく必要がある。人の批判することはできても反発を受け止められるほど面の皮が厚くできていないのなら、そういう厳しい立場は取らない方がいい(幸いなことに私は面の皮が厚い。これも兄2人にいじめられながら育ったおかげだ)。
自分の意見を主張したり立場を守ったりするのを恐れることはないけど、間違いを認めるべきタイミングも知っておくこと。上に挙げた記事のいくつかを読み返してみると、私が最後の一線を越えたポイントや、自滅する前に自分を抑えるべきだったポイントがよくわかる。
仕事で書いているブログならなおのことだけど、誰かの意見に反対するときでも礼儀正しくしよう。私はこの数年間でゆ~っくり学習して、数年前よりは丸くなった。今ではブロガーやマーケターとのばかげた争いで感情的になったり争いに巻き込まれたりすることもなくなった。その結果、従業員として、ブロガーとして、そして人間としても向上することができた。
SEOmozでブログを書いてきた3年間を振り返ってまとめてみた。この会社でのブログ執筆が私の現在のキャリアとイメージをほぼ形作ってきたんだし、私にプロとして向上するための扉を数え切れないほど開いてくれた。
自信を持って言えるのは、ブログへの取り組み方を知れば、ブログが非常に貴重な財産になるということだ。この3年間で私はブログと自分自身について多くを学んだし、私の披露した教訓が少しはみんなの役に立つことを願っている。それと、これからも映画、マーケティング、ランドの癇癪についてブログを書いていくつもり(^^)。
ソーシャルもやってます!