私は今朝、ジョギングから戻るなりシャワーに飛び込み、髪も濡れたまま、走ってSMX Westの会場へ向かったわ。10時45分から始まる「グーグル世代:最近のティーンとの対話(Generation Google: A Talk With Today's Teens)」というパネルセッションを見逃したくなかったからよ。
16歳のアフィリエイト・マーケター、ハリソン・ギバーツ君や、Netconceptを創設したステファン・スペンサー氏のお嬢さんで、ブロガーとしてアドセンスでかなり稼いでいるというクロエ・スペンサーさんについて、いろんな話を聞けると楽しみにしていたの。2人のほかに、エバン・フィッシュキン君とアンドリュー・サザーランド君がパネリストとして参加し、司会を務めたのは、Search Engine Landの編集責任者であるダニー・サリバン氏。
ここでこぼれ話を1つ。アンドリュー君は「Democracy」というWordPress用のアンケートプラグインを作成したんだけど、2008年2月末現在、グーグルで「democracy」を検索すると、このプラグインが検索結果の7番目に登場するの。すごいと思わない?
ところが、このセッションは私が想像していたような展開にはならなかったんで、とっても驚いちゃったわ。私は、ハリソン君やクロエさん、アンドリュー君がマーケティングに関わるようになった経緯なんかを詳しく聞きたかったし、自分のプロジェクトや仕事にだいたいどの程度の労力を費やしているのかとか、そもそも何がきっかけでこの分野に興味を持ったのかとか、いろんな話を聞けると思っていたの。でも実際には、4人の若くて知識豊かな新進のウェブ専門家たちについて、聴衆にとって耳新しい話などは聞けず、どちらかというと、日常的な検索の使用法やウェブ全般に対する考え方など、大づかみな質疑応答に終わっちゃったわ。
最近はこういう非凡な若者たちがどんなことに取り組んでいるのか知りたがっている40代の大人なら、おそらくこのセッションはとてもおもしろくてためになったでしょうね。でも、まだ24歳の私からすると、インターネットや検索に対するこの子たちの意見には、まったく驚きを感じなかった。今回の記事では、いくつかの質問を掘り下げて、私なりの解説をしてみるわね。
検索のやり方は誰に教わりましたか?
エバン君は、母親(名前はGillian……つまり、エバン君はSEOmoz社長のご令息ってわけ)から検索の方法を教わったと言っていたわ。新鮮さのかけらもないこんな質問をどうしてするのかしら? 私には理解できない。
私の場合は、一番上の兄から検索のやり方を教わったけど、中学、高校時代のコンピュータの授業も役に立ったわ。「実は、フィル・コリンズから教わったんだ。これにまつわるおもしろい話があって……」ぐらいの答えじゃなきゃ、おもしろくもなんともないわね。
有料の検索広告をクリックしますか?
ハリソン君は、いつも自分の競合相手の広告をクリックして、どんなサービスを提供しているのか確認するのが好きだと答えたわ。これに対して、アンドリュー君は「これをクリックすれば、こいつは80セントを無駄にすることになるんだ」と考えるっていうから、やっぱり、こういう検索結果に対する意識は高いのね。平均的な検索マーケターに同じ質問をしても、同じような答えが返ってきそうよ。
この4人の子たちのうち3人は、年が若いとはいえ確かに検索/インターネットマーケターなんだから、それも当然と言えば当然なんだけど。ショッピングモールに行って、無作為に選んだ複数の若者に聞き取り調査したのとは話が違うから、4人の回答がこの年代の若者の意見を代表するものだとは思えないわ。
実際の話、有料検索とそこで行われている「詐欺行為」について友人が文句を言っているのを聞いたことがある、とハリソン君は言っていたけど、有料検索が何なのか、その友人たちが正確な知識を持っているかどうかはわからないんですって。たぶん、このセッションのパネリストよりも、ハリソン君の「普通の」友人たちの方が、この年齢層に関するもっと正確な情報を提供してくれるんじゃないかな。
検索結果の2ページ目以降を見ることはありますか?
エバン君は、いつでも検索結果の2ページ目以降にも目を通して、姿を消したサイトや、順位が上がっているサイトを確かめるのがおもしろいそうよ。
これも、一般的なティーンエージャーらしい回答じゃなくて、インターネットマーケターの回答だわ。
どのくらいの頻度で学校の宿題に検索を使用しますか?
エバン君が英語の宿題にしか検索を利用しないって言ったのに対して、ハリソン君の方はいつも検索を利用してて、宿題のほとんどが検索で片付いちゃうと答えたわ。クロエさんは、自由研究などの課題について何か調べなくてはならないことがあれば、情報を得るために検索を使用するけれど、宿題にはあまり使わないと言っている。
アンドリュー君の場合は、Wikipediaから多くの情報を仕入れているそうよ。先生たちは生徒にWikipediaを使うべきでないと言っているけど、課題の大半はWikipediaで事足りてしまうとも言ってたわ。普通の「ティーンエージャー」的回答と「たまたまティーンエージャーであるにすぎないマーケター」的回答との違いを浮き彫りにしたという点において、この質問はなかなか上出来だったわね。
だけど、Wikipediaに関する部分を除くと、「はい、私たちは宿題のために検索をよく利用します」という答えは、意外でも何でもないのよね。私はいろんな自由研究のためにインターネットを利用したわ。中学のころから少しずつ使い始めて、高校時代を通じて利用頻度が増え、大学ではかなり使ってたの。誰がどう見ても、子供が宿題や研究課題なんかにインターネットを使用するようになったのは、私たちの世代からだと思うわ。
あなたの先生は検索エンジンをどの程度理解していますか?
ハリソン君は、検索結果の最初のページに載るにはお金がかかるのだと主張する図書室の先生と口論になって、学校で困ったことがあるそうよ。これも、検索に詳しい人がやりそうなことね。そこらにいるティーンエージャーが、すべての検索結果は有料で登録されたものだなんていう誤解の持ち主と、ランキングを決定する要素やアルゴリズムについて議論するとは思えないもの。
モバイル検索を利用していますか?
ハリソン君はイエス、アンドリュー君はノー、クロエさんは着信音をダウンロードするときだけと答えている。
正直な話、ティーンエージャーのうち、優れたウェブ機能を備えた携帯電話(「iPhone」や「Blackberry」など)を持ってる子がどれくらいいて、それに対して、Motorolaの「RAZR」みたいに、ウェブにアクセスはできても機能面で劣るベーシックな携帯電話を持っている子がどれくらいいるかわかればおもしろいのにね。と言うのは、ハリソン君ったら携帯電話をなんと4台も(iPhone、T-Mobileの「Sidekick」、Verizonの「Juke」、それからNextelの端末も)持っているのよ。
だけど、ハリソン君の話だと、モバイル検索を使ってみたり頻繁に利用したりしている友達はあまりいないらしいわ。これについてはあまり驚かなかった。だって、モバイル検索が実用化されてからまだ日が浅いんだもの。現時点で(年齢や性別、職業にかかわらず)利用者が多いとは思わないわ。
この記事は前後編の前半だ。長めの記事なので、今回は前半のみで、続きは次回お届けする。→「グーグル世代の若者は……何を考えているの?(後編)」を読む
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