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検索業界に対する涙がチョチョ切れるような2つの都市伝説

以前、身内に私の職業を説明する際のフラストレーションについて話をしたわね。でも今は、知らない方が幸せというのは本当かもと考えるようになってきているの。最近、検索業界外の人が検索エンジンの仕組みをどう認識しているのかに関して2つの話を聞いたのだけど、本当に検索業界がそんなものだと考えている人たちがいると思うと、もどかしく感じてしまう。

検索エンジンから来る人なんていないし
だれもオンラインで買い物なんかしない

最初の話はRandが教えてくれた。小売企業に勤める彼の知り合いに、検索エンジンが本当にトラフィックを発生させるなんて信じられないと話す人がたくさんいるらしい。また「消費者は購入を決めるほど入れ込んではいない」のだから「だれもオンラインで買い物しない」と言っているんだって。私たち検索マーケティングに関わる人間には、どちらの主張もまったく話にならないことがわかっている。解析プログラムを設置すれば、検索エンジンが実際にサイトへのトラフィックを生みだしていることをだれだってはっきりと理解できる(SEOmozの場合、9月はこれまでのところトラフィックの約20%が各種検索エンジンからきている)。

オンラインで買い物する人はいないという思い込みに関して、ClickZが2006年3月に発表した調査では、検索クエリに関連した商品を実際に購入した検索ユーザーのうち、少なくとも37%はオンラインで該当商品を購入していた。63%はオフラインで製品を購入しているのだけど、その人たちだって、少なくともオンラインで若干の調査を行って、それがオフラインでの商品購入に影響したということよね。

検索した製品カテゴリと購入コンバージョン(2005年11月1日~12月31日)
検索したカテゴリ購入コンバージョン率うちオフラインでの
コンバージョン比率
うちオフラインでの
コンバージョン比率
平均、全体カテゴリ25%63%37%
衣料品とアクセサリ43%65%35%
おもちゃ42%88%12%
音楽、映画、ビデオ28%83%17%
家電製品18%84%16%
ビデオゲーム17%93%7%
宝飾品、時計15%75%25%
Source: comScore Networks, 2006

それから、8月にiProspectが発表した調査では、オフラインの媒体をきっかけに検索エンジンで検索した人の39%が商品を購入したとわかっている。

明らかに人々はオンラインで買い物をしているし、そうでない人も、オフラインで購入する前にオンラインで調査を行っている。あるいは、オフラインで影響されてオンラインで購入に至るケースもある。オンラインで購入まで持っていけるウェブサイトがないなんて考えるのは、あべこべだし馬鹿げている。それが事実なら、AmazonもeBayもなくて、「カートに入れる」という行為なんて幻想で、PayPalもなくて、当然、たくさんの小売サイトもない、どれもこれも存在しないことになる。でもそうじゃない以上、だれかがオンラインで買い物をしていると想定するのが必然でしょ。

Googleはオーガニック検索の順位をオークション方式で決めている

さて、もう1つの話。信じられないかもしれないけどこちらはさらにひどい。私のとある友人が勤める会社は、従来型ラジオの販売から、ラジオ局も所有しているインターネット企業へと事業の中心をシフトしようとしている。その友人と同僚が最近、地域管理部門のある上層部メンバーと会合を持ったのね。そこでこの上層部メンバーは、Googleとの提携によって、会社がいかにして「Googleのオークションモデルを活用」できるようになるか、そして、取引を行えるほどの資金がなかった企業から、いかにして新たな広告収入が期待できるのかを説明した。

「Googleのオークションシステムっていったい何?」って考えるべきところよ。そしてこの上層部メンバーは次のように説明した(この人物は会社のお偉方だということを覚えておいてね。彼はチーム全体に以下のように語ったの)。

この上層部メンバーによると、Googleは全員に課金するオークションシステムを使うことで、ロングテールのモデルを活用できているらしい。このシステムは完全に蚊帳の外になる人が出るような値段のつけ方はしない。システムは自動化されていて、Googleは50ドル(5ドルまたは10ドル)の取引で利益をあげている。なにしろGoogleは何百万もの各検索語に対し何百もの結果を表示する巨大検索エンジンだ、というのが理由らしいわ。Googleの「オークションシステム」の仕組みとしてこの人が挙げた例によると、Googleに自分のページを表示させたい場合、たとえば検索結果の200番目のページに掲載するためには、たとえば30ドルを支払う必要がある。入札額を増やすと7ページ目、8ページ目への掲載が可能で、さらに支払いを増やして最初の検索結果ページに自分のページを掲載することもできる。ただ、この地域管理部門の上層部メンバー氏が明言したのだけど、Googleの検索結果の第1位だけはお金で買うことができないらしい。それは「Googleも検索エンジンの品位を守り、検索結果の妥当性を保つ必要がある」からなのだという。

参ったなあ。映画館のスクリーンに向かって「ドアを開けちゃだめ! 向こうには殺人鬼がいる!」と叫ぶ映画好きの気分ね。この人は、アルゴリズムによるオーガニック検索のランキングがGoogleが承認した賄賂システムで調整されているのだと本気で考えている(そう、キーワード広告ではなく、オーガニック検索によるランキングの話を彼はしているの)。そんなことがあれば、検索結果ページの上位を独占するPPC(Pills、Porn, Casino:ドラッグ、ポルノ、ギャンブル)サイトがいくつ登場するかわかってるのかしら(おっとごめんなさい。1位以外だった。Googleには守るべき評判があるのだったわね)。とにかく多額の資金があればどんなサイトでも上位にランクすることになる。これは検索エンジンがランキングを構成する上で無条件かつ全面的にひどいやり方なのだけど、この人にはそれがわからないのかしら。現金と引き換えに、検索結果の妥当性が吹き飛んでしまうのよ。そんなプラットフォームで運営していたら、ユーザー体験はひどくネガティブなものなって、Googleは確実に超一流の検索エンジンではなくなっていると私は思うわ。

◇◇◇

この2つの話の最悪な点は、組織内で情報のない人たちを「教育する」有力なビジネスピープルがこうした思い違いをしているということ。彼らは間違ったひどい情報を自分たちのスタッフに広めていて、スタッフのほとんどは検索について教育を受けておらず、知識が不足しているものだから、言われたことに対して疑問をもたない。

こんな話を耳にすると、私はフラストレーションがたまってしまう。少なくとも私の身内に関しては、検索エンジンのアルゴリズムの仕組みや、検索した際にその検索結果が表示される理由を、基本的にだけど正確に私が説明できる。誤った情報を教えられた人たちに関しては、なんとか「リハビリ」を試みて、検索エンジンは実際にトラフィックをもたらしている、人々は実際にオンラインで買い物をしている、Googleは基本的にお金で自分を売る検索エンジンではないと、1つひとつ納得させていかなきゃダメ。苦しい戦いばかりになるわね。ほんと、どこでこんな馬鹿げた考えを仕入れてくるのかしら。MTVがいけないのよ。

あーもう、バットマンのBruce Wayneの気持ちがわかる気がする。Gotham Cityを危機から救ってもありがとうなんて感謝されることもない。そればかりか、精神病院兼監獄のArkham Asylumからは別の大馬鹿野郎が脱獄して暴れ回るから、また、街を窮地から救わなきゃいけない。

要するに私が言いたいのはね、検索業界にも市警本部長のGordonが必要だと思っているってこと。

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