リンクビルディング戦略、A~Zの26か条(後編)
この記事は、3回に分割してお届けしている(前編、中編)。最終回となる今回は、「S」から「Z」までを見ていこう。
取引業者(サプライヤー)
Suppliers
顧客の場合(前編の「顧客」の項を参照)と同じように、取引業者を自分のリンクビルディングキャンペーンに巻き込むという手もある。推薦文がその一例だ。多くの企業が次のような推薦文を自社のサイトに載せたがる。
「当社は5年前からSEOmozの顧客ですが、失望させられたことは一度もありません。驚くほど検索順位が向上し、サービスも優れています」
××社の◎◎氏より
そこで、重要な取引業者に、喜んで掲載してくれそうな推薦文を書いてあげよう。
君がリンクビルディングを手がけているのが運よく大手ブランドなら、「××社の公式サプライヤー」というロゴを作ってもいい。君の会社の知名度が高い場合は特に、多くの取引業者が喜んでそうしたロゴをサイト掲載してくれる。再販業者の場合や何らかの認定企業、あるいはグーグルの企業認定資格を持つ企業などの場合もこの手が有効だ。
Twitterの活用
Twitter
Twitterは広く普及しており、ツールの選択肢も豊富なことから、多様な場面で利用可能な媒体に成長した。そうした場面の1つがリンクビルディングだ。
Twitterが影響力のあるジャーナリストやブロガーを見つけて人脈を築くのに有効だという話は前にしたが(中編の「ニュース」の項を参照)、コンテンツのブレインストーミングやトレンド調査の際にもTwitterを活用できる。たとえば、Twitter上にある人気の高いURLを追跡するTwitturlyや、Twitterにおける現在のトレンドを示すTwistなどのツールは非常に便利だ。
Twitterを活用できそうな例には、ブランドのモニタリング、キャンペーン開始の告知、従業員の募集などがあり、さらには直接売買にも使えるかもしれない。そのほかにも、ニュースがあるということを、そのニュースへのリンク付きの記事をTwitterに投稿してフォロワー全員に告知するというシンプルな使い方もできる。
大学
Universities
時として、猫も杓子も「.edu」ドメイン名からのリンクを欲しがっているように見えるのは、検索エンジンからの評価が高いリンクだからだ。僕自身は、デフォルトで「.edu」リンクが他のTLDより高い価値を持つとは思わないけど、「.edu」ドメイン名から張られたリンクの大多数は、比較的多くのリンクジュースをもたらしてくれる。
「.edu」ドメイン名からリンクを獲得する方法はたくさんあるが、関連性が重要な要因であることは念頭に置いておくべきだ。だから、大学やカレッジのリンクが手に入るからといって、むやみに追い求めるのではなく、最も関連性の高いものに的を絞るようにすること(これは「.gov」や「.mil」のドメイン名でも同じ)。
「.edu」ドメイン名からのリンクを獲得する方法のいくつか挙げるとすると、大学における(たとえばインターネット・マーケティングについて)講演、インターンシップ、就職説明会、大学祭、学割販売、学生新聞からのインタビュー(または学生新聞への寄稿)などがある。他のTLDと同様、とにかく良識を働かせること。
動画サイト
Video Websites
写真共有サイトがリンクの獲得やトラフィックの誘導に役立つように、動画サイトも活用できる。利用者層を拡大するために、YouTubeやVimeoをはじめ、自分が有用だと思う動画サイトに、関連性が高い優れた動画を定期的にアップロードしよう。関連タグを付けて、自サイトへのリンクを添えておけば、動画サイトで見つけてもらいやすくなり、自サイトにトラフィックを呼び込める。これらの動画は、驚くほどスリリングなものや、特別おもしろいものである必要はない。時には驚くほどシンプルな動画でも十分有効だ。また、TubeMogulなどのツールがあれば、複数の動画ホスティングサイトに作品をアップロードする作業が若干容易になり、時間も節約できる。
ウィジェット
Widgets
ウィジェットを利用したリンクビルディングは、正しく行わないと逆効果になりかねないが、正しく行えば非常に効果的な戦法にもなり得る。これについては、ランドがWhiteboard Fridayのビデオで非常にうまく説明していたが、突き詰めると、スパム扱いとの分かれ道は「意図」「リンク先のURL」「透明性」の3つだ。
ウィジェットの良いところは、たいていの業界に何かしらウィジェット化できるものがあるので、ほぼすべての企業がこの戦略を使えるという点だ。しかし、僕が知るかぎり最大の過ちは、企業が「さあウィジェットを作って、ネットユーザーたちがカッコいいと思う当社の商品を表示できるようにしよう」なんていう風に考えることだ。君なら自分のサイトにどんなウィジェットを置きたいかを考えよう……。
X-Robots-Tag、robots.txt、および404エラー
X-robots Tag, Robots.txt & 404s
検索エンジンはウェブ上にあるたいていのページを見つけられるが、検索エンジンのロボットがアクセスできないページも少なからずある。noindexタグやrobots.txtを使ったアクセス制御はその代表例だ。
どのURLが検索エンジンのアクセスを禁止しているか調べ、そのURLに張られている被リンクを、Yahoo! Site Explorerを使って調査しよう。そして、アクセス禁止を解除するか、「noindex, nofollow」を「noindex, follow」に変えるか、またはリンクを張ってくれたWebサイトに連絡して、リンク先URLの変更を頼むといい。404エラーページについても同じ。これについては、グーグルがウェブマスターツールで詳しい情報を提供している。
また、検索エンジンのクローラが巡回できないページからリンクされている場合があるかもしれない。僕はかつて、ある人からリンクを獲得したことがあるんだが、その人は、X-Robots-Tagで「noindex, nofollow」を指定して、自分のブログに一切検索エンジンを近づけないようにしていた。それで、先方にメールでそのことを伝えると、自分で気づいていなかったと言って、「noindex, nofollow」タグを外してから、お礼のしるしとしてまた僕にリンクを張ってくれた。人はいつだってミスを犯すものだから、それを指摘することが価値を持つ場合もある。
自サイト内リンク
Your Own Website
もし手っ取り早く簡単で、安上がりなのに非常に効果的なリンクビルディング戦術を探しているなら、まず自分のサイトから始めるのがおそらく最良の選択だろう。アンカーテキストやリンクを設置する場所、ターゲットURLなど数多くの要素を決めるという点では、(通信部門やIT部門から特に指示されていないかぎり)君が最も望ましい立場にいる。
たとえば、君のWebサイトが開設されてからある程度時間が経っているなら、すでに何百何千というリンクを獲得しているかもしれない。サイト内でも特に人気の高いページを調べて、そのページに、関連性の高い、重要なURLからのサイト内被リンクを追加しよう。また、自サイトを利用した取り組みでは、ナビゲーション、Webサイトの構造、および適切なalt属性も、それぞれリンクマーケティング機会を生み出す。
戦略
Ztrategy
ああ分かってるよ、本当は戦略は「Strategy」だけど、Zが思いつかなかったので強引に「Ztrategy」としてみた。でも、戦略を通じて賢く考えることは非常に重要なので、これを外すわけにはいかなかったんだ。周囲の状況をよく見極め、その状況に自分のリンクマーケティング戦略を合わせることが成功の決め手だ。
しょっちゅう目にする大きな間違いは、無計画に、あるいは非現実的な目標を掲げてリンクビルディングを始めることだ。計画もなしにリンクビルディングを始めるのは、両手を後ろ手に縛られたまま目隠しをして自転車に乗るようなもので、最初の1メートルぐらいは持ちこたえられるかもしれないが、その後はどこに行くかも知れず、そのうち顔面から地面に激突してしまうだろう。また、開設したばかりの比較的新しいWebサイトを、極めて競争率の高いキーワードで、数か月以内に検索順位のトップ3に押し上げようなんていう目標を立てても、そんな成果は得られず、あっという間に信念もモチベーションも失ってしまうはずだ。
アルファベットは26文字でおしまいだけど、君のリンクビルディングキャンペーンがこれで終わるわけではない。リンクビルディングは(SEO)マーケティングの1つの形であって、マーケティング活動に「終わり」なんて絶対にないのだから。
僕は今回、多くの人が自分のWebサイトに使えそうな26か条の戦術をリストアップしてきた。これとは違う26か条がリストアップできるという人がいたら、それをコメント欄に書いてほしい。SEOmozの読者なら、きっと別のリンクビルディング戦術26か条を考え出してくれるはずだ(^-^)。
ヴィープ・クノール氏はオランダのリンクマーケターで、自身のブログ「link building blog, Wiep.net」で定期的にリンクビルディングについて書いている。
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