リンクビルディング戦略、A~Zの26か条(中編)
この記事は、3回に分割してお届けしている。「A」から「G」までの7か条をお伝えした前回に引き続き、今回は「H」から「R」までを見てみよう。
費用を出して助力を求める
Hire Help
アウトソーシングは誰でも使える選択肢じゃないけど、検討する価値は間違いなくある。誰か信頼できる人に(たとえ一部でも)キャンペーンを管理してもらうのもいいし、リンクビルディングのワークショップやトレーニングを訪れて人材を探してもいい。君がかなり前から自サイトのリンクビルディングを行っている場合は特に、新鮮な目が新しいアイデアや視点をもたらしてくれる可能性がある。
専門家に助言を求めるのも1つの選択肢で、助言を求めることが必ずしも高額の出費につながるとは限らない。たとえばAmazon Mechanical Turkは、単純な(また、時として面倒くさい)作業を外注するのに最高の手段になり得る。重要なのは品質に対する注意を怠らないことだが、これはどんな場合にも当てはまる。
業界内のオーソリティサイト
Industry Authorities
どの業界にも、「獲得が不可欠な」リンクが少なくとも2つ3つはある。それは、(ビジター数または検索順位において)最もオーソリティの高いWebサイト上のリンクで、獲得できればほぼ確実に検索順位が上がるものだ。単純にメールしてリンクを要請する、リンクターゲットとなるコンテンツを作る、人脈を駆使する、ゲストブログを書く(前編の「ゲストとしてブログを書く」の項を参照)など、どの手段を使うにせよ、これらのオーソリティサイトにはそれだけの時間を費やす価値がある。どのサイトがこうした重要なリンクターゲットとなるかを見極め、そこからリンクを獲得するために、相手に応じて個別の戦略を立てよう。そうして得たリンクの価値は通常、費やした時間や労力に十分見合うものだ。
就職情報サイト
Job Websites
リンクビルディングの話になるとつい忘れられがちなのが求人情報だ。しかし、比較的大きい会社の場合は特にそうだが、1件の求人広告がかなり多くのリンクを生むことだってあり得る。人事の担当者に、自社の最新求人情報が掲載されているWebサイトを訊いてみよう。その求人広告に張られたリンクを調べてみると、驚くような数になっているかもしれない。
こうしたリンクの多くは、(たとえばその欠員が埋まれば)時間の経過とともに消えてしまうが、求人ページは比較的高いPageRankを獲得していることが多い。したがって、「求人」ページでは、「私たちはこんなことをしています」というように主力製品の情報を忘れずに記載して、リンクの強さを収益につながるページに分配することが重要だ。
キラーコンテンツ
Killer Content
ああ知ってるよ、「とにかく良いコンテンツを作れ」なんて聞き飽きているよね。でも、これはまさに真実なんだ。ソーシャルメディアなどのソースを通じて自分のコンテンツを売り込むリンクベイティングを実施する場合だけでなく、通常のリンクビルディングにおいてもね。
もし君が、営利主義に徹したほんの数ページのWebサイトでリンクビルディングに取り組んでいるのなら、良質のリンクを獲得するのに相当苦労するはずだ。有益な情報を豊富に盛り込んだページを作成し、可能なら魅力的な画像や動画も添えてWebサイトに追加すれば、相手を説得するのも容易になり、リンクのコンバージョン率も大幅に向上するだろう。
過去にリンクを張ってくれた人
Linkers of the Past
過去に、自サイトのプレスリリースページや記事、ツールのページなどにリンクを張ってくれた人に連絡を取って、新たに追加した関連性の高いコンテンツを見てもらおう。もしそのページが本当に関連性が高ければ、またリンクを張ってくれるかもしれない。とても簡単で、とても効率的な戦術だ。
以前にリンクを張ってくれたことのあるWebサイトで、どうしてもまたリンクを張ってもらいたいというところが特にあるのなら、そういったサイトに狙いを絞り込んだコンテンツを作ろう。また、君がリンクを張ってほしいと思うWebサイトのオーナーやエディタに、君が今作成しているコンテンツに協力してもらえないかと依頼すると、その人から再度リンクを張ってもらえるチャンスが広がる。
マイクロサイトと別ドメイン名
Microsites & Other Domains
企業は通常、数十から数百のWebサイトを所有している。とりわけ、過去に従来型のマーケティング代理店を使ったことがある場合(そういうところは毎月のように新しいマイクロサイトを立ち上げるのが大好きなんだ)、たぶん君自身も知らないドメイン名がいくつか転がっているはずだ。また、中小企業でも2つや3つは別ドメイン名を持っているだろうし、大企業ならおそらく大量にあるだろう。
これらのWebサイトすべてからリンクを張ろう(慎重に!)。リンク先は、自社が所有する最も重要なドメイン名上の、関連性が高く収益性の高いページがいい。あるいは、最も重要なものや、関連性の高いドメイン名からメインのWebサイトにリダイレクトする。リダイレクトを選ぶ場合は、コンテンツはできるだけ類似性や関連性が高いものにすること。そうしなければ、301リダイレクトしてもリンクの強さを完全には受け渡せない可能性がある。
ニュース
News
たいていのニュースサイトは、常に新しいコンテンツを求めている。しかし、自分の会社、自社の製品、Webサイトなどにたびたび言及してもらうのは、かなり難しいかもしれない。それなら、プレスリリースを送りつけるといった古典的な営業手法にばかり頼るのではなく、自分の業界で影響力のあるジャーナリストを見極めて、彼らと人脈を築くのが賢明だろう。
WeFollow.comやTweepGuideといったジャーナリストのソースサイトを利用すれば、地域的または業界的に近いジャーナリストが容易に見つかる。手始めに、Twitterを利用して人脈を築くのもいい。ただし、こうしたジャーナリストたちの大半は、それぞれ個人のブログも持っていて、通常はTwitterの自己紹介ページに記載してある。したがって、そうしたブログが、彼らの注意を引きつける別の入り口になるかもしれない。
ニュースサイトに取り上げてもらうのが難しい場合、夏期休暇や年末年始など、全体としてニュースの量が比較的少なくなる時期にプレスリリースを送ってみるのも1つの手だ。こうした時期に行動を起こせば、通常は言及してもらえる可能性が高くなる。
オフラインのメディア
Offline Media
リンクビルディングのキャンペーンを展開する場合、オフラインのメディア(そう、テレビやラジオといった「オールド」メディア全般)のことを検討材料に入れない人が多いが、オフラインのソースは間接的ながら毎日膨大なリンクを生み出している。オフラインで開始し、URLを流しただけで何百ものリンクを引き寄せたキャンペーンを僕は何度か見てきた。こうしたキャンペーンの大半は最適化もされていなかったので、可能性はまだまだ大きい。
この場合の秘訣(と同時に最も難しい部分でもある)は、オフラインの情報発信が引き金になってネットユーザーをあるURLに向かわせ、そこからさらにリンクを張って知人や友人に広めてくれるような道筋を作ることだ。こういったやり方は通常、リンクベイト的キャンペーンで最もうまく機能するので、リンクベイトキャンペーンを展開するときには、たまにはこうしたオフラインのメディアも検討しよう。
自分がすでに言及されている場所
Places Where You're Already Being Mentioned
美味しい果実は、実は、手の届く本当に低いところにぶら下がっているものだ。自社の名称、URL、または君の個人名にすでに言及していて、まだリンクを張っていないWebサイトを検索してみよう。ヤフーならこんな風に「自社名 -linkdomain:あなたのドメイン名」と検索してみるとうまく見つかる(100%絶対ではないが)。Webサイトのオーナーか編集者に連絡して、リンクを追加してもらうことは可能かと頼んでみよう(「そのほうがユーザーフレンドリーですよ」と言い添えて)。たぶん、説明的なアンカーテキストを頼んでみてもいい。
Q&Aサイト
Q&A Websites
Yahoo! AnswersやMahalo、またはいくぶん分野が偏るが、LinkedInなど、質問のできるサイトは、ブランド化やコンテンツ調査、リンクビルディングに優れた力を発揮する(日本ならばマス消費者向けが中心だがOKWave、人力検索はてな、Yahoo!知恵袋)。自分のビジネスに関連のある質問にしょっちゅう回答していれば、フォーラムに参加しているのと同じく、(個人の)ブランドを構築するのに役立つ。
こうした質問に答えていると、たびたび繰り返されるのはどんな質問なのかがはっきりわかってくる。検索エンジン経由のトラフィックを集めるために、自分のWebサイトのFAQページでそうした質問に答えるよう心がけるといい。また、そうしたQ&Aサイトの利用者を、自サイトのFAQページに誘導するという手もある。そうすれば、さらにトラフィックとリンクを増やすことにつながる。ただし、この手を使うときは慎重に。僕はこれまで、Q&Aサイトでスパム的手法を使ってリンクを構築しようとする人を少なからず見てきた。これは、ブランドを構築する上であまりうまい方法だとは言えない。
業界団体など
Relevant Organizations
(地元の)商事改善協会や商工会議所、その他の業界団体は通常、サイトに会員企業すべてのリンクを置いている。ここに自社のリンクも忘れずに置こう。こうしたリンクの中には、nofollow属性のものや、Webサイトの深いところに埋もれている場合もあるが、やはりこれも低いところで収穫を待つ果実、すぐに成果が得られる手だ。
また、こうした団体の中には、ブログや調査レポート、記事データベースなど、業界関連のコンテンツを提供しているところもある。そこに協力できるかどうかを調べて、もし可能なら、自サイトへのリンクを添えられる記事や画像などのコンテンツを提供しよう。
この記事は、3回に分割してお届けしている。最終回となる次回は、「S」から「Z」までお伝えする。→後編を読む。
ソーシャルもやってます!