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話題を集めた「この男を信用するな」リンクベイトキャンペーンの良い点と悪い点

PlumberSurplus.comのSEOを請け負っているSEOmozの会員、VanessaHが、同社が試みている興味深いリンクベイトキャンペーンに関して連絡してきたの。基本的にPlumber SurplusのSEO作業は、同サイトへのリンクを増やし、できればツールバーページランクを5から6に向上させること。彼らはさまざまな方法とキャンペーンを試み、もっと多くのリンクを獲得するさらなる方法について、ブレインストーミングを続けてきたわ。

ほんの偶然なんだけど、PlumberSurplus.comを含むサイトグループのオーナーで、筋金入りの共和党支持者であるティモシー・ジャクソン氏が思いつきで作ったTシャツがあったのね。そのTシャツときたら、「Don't Trust This Man」(この男を信用するな)という言葉の下に、バラク・オバマ氏の写真の方を向いた矢印が書かれているというもの。ある日ジャクソン氏がこのTシャツを着てランチに出かけると、民主党員と共和党員の両方から同じように大きな反応があったそうよ。仕事熱心なマーケターであるジャクソン氏のチームは、さっそくこの一件をPlumber Surplusのマーケティング戦略へと導く方法について考え始めたの。

結果はどうなったかって? 保守派とリベラル派の両方を対象としたサイト、Don'tTrustThisMan.comの誕生よ。このサイトの眼目は、PlumberSurplus.comかOutdoorPros.com(ジャクソン氏が所有しているもう1つのサイト)に関するブログ記事を書くと、毎日開催されているコンテストに参加することになり、優秀なブログの執筆者はお好みのTシャツ(オバマ支持あるいはマケイン支持のTシャツ)が貰えるというものなの。もし自分には溢れる創造力がないという場合も、ブログで何を取り上げたらいいかアドバイスしてもらえるし、スパイダーに確実にリンクを見つけてもらえるようにするためのルール(たとえは「アクセスするためにログインを要求してはならない」とか)や、Don'tTrustThisManがGoogleからペナルティを科されないようにするためのルール(「GoogleのWebmaster Guidelinesに従わなければならない」)なども掲載してあるわ。

日本語記事の編集時点では、Don'tTrustThisMan.comはウィジェットの配布のみを行っており、ブログのコンテストやさまざまなルールについては記載がなくなっていた。

このサイトではまた、自分のサイト、ブログ、MySpaceのページなどに貼り付けられるバッジもいくつか提供しているの。

DON'T TRUST THIS MAN で配布されているバッジ

このバッジは非常によくできてると思うわ。リベラル派でも保守派でも、次期大統領選挙に向けて熱くなっている人たちなら、自らの政治的意見を表明し、自分が誰を支持しているかをアピールするために、こうした画像を使おうとするでしょうからね。唯一の問題は、バッジの画像にDon'tTrustThisManへのリンクを貼り、さらにDon'tTrustThisManではまったく異なる2つのウェブサイトをユーザーに宣伝させようとしている点。リンク構築の試みとしては、いささか回り道だということね。こういうバッジはPlumber Surplusの内容から外れすぎているために、Plumber Surplusを直接のリンク先にするわけにはいかないのが残念だわ。

このリンクベイトキャンペーンは見事だけど問題があるとも思う。良い点は、今のところ常に話題や注目を集めている最新トピック、つまり次期大統領選挙をうまく利用しているところね。「Don't Trust This Man」のコンセプトはきわめて巧妙だと思うわ。間違いなく注目度は抜群だし、情報にうといユーザーの好奇心を刺激できるし、政治に詳しいユーザーにとっては議論の的になる。どちらのグループにとっても目が離せないものでしょうね。

さて、次は問題点。前にも説明したとおり、リンクベイトのトピックとしての関連性が薄いわ。配管作業関連の製品を宣伝するのに政治的話題を取り上げるのは、検索エンジンの視点から見るといかがわしく映るかもしれないわね。それに、Plumber Surplusがこうした雑多なブログ記事から獲得するリンクの関連性と話題性についても、私は疑問を感じているの。そうしたリンクは、おそらく他のホームセンターや卸売業者からではなく、個人のブログやウェブサイトを運営する普通の人たちや、政治関連のサイトからもたらされることになるはずだわ。だとすると、テーマに合っていないのに、これらのリンクが大きな価値を持つかしら?

最後に、Don'tTrustThisManに載っている規定では、Plumber SurplusあるいはOutdoorProsにリンクを張らなければならないことを、ちっとも明確に示していない。私が思うに、無料Tシャツを獲得するためにブログ記事を書く人々の大部分は、サイトに言及してもリンクは張らないでしょうね。リンクを張ってくれる人も、おそらくアンカーテキストとして両サイトのドメイン名を使用するだけ。つまり、実際のところPlumber Surplusが最適化されたリンクを多数構築することにはつながらない。これはチャンスを逃してしまっているように思える。

それはそれとして、Vanessaは、このコンテストが現在開催中であること、そしてこの実験的キャンペーンの終了後、喜んでSEOmozの私たちにデータと結果を提供してくれるつもりだということを教えてくれたわ。このキャンペーンが成功するのか、失敗に終わるのか、注目していきましょう。どちらにしても、素晴らしいケーススタディになるでしょうし、きっと興味深い分析ができると思うわ。

あなたはこのリンクベイトキャンペーンについてどのような感想を持ったかしら? こうやればもっとよくなるっていうアドバイスはある? 同じような戦略を試したことがある人はいるかしら? もしそういう経験があるなら、その結果はどうだった?

用語集
SEO / relevancy / アンカーテキスト / キャンペーン / スパイダー / ドメイン名 / ページランク / リンク / リンクベイト / 検索エンジン
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