Webのコト、教えてホシイの!

【マンガ】SEO研究で博士号を取得、大学准教授になったって本当ですか?/武蔵大学 宇田川敦史さんに聞いた

楽天のマーケ担当者から大学教員に転職した、異色のキャリアについて聞きました。
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四谷さん いつもマンガしか 読まないのに 何を 読んでいるん ですか? 失礼な 『Google SEOの メディア論』? 難しそうな 本ですね このマンガを描いている星井↑ この本は 「Web担」が 分析対象に なって いるんですよ ↑Web担編集長・四谷さん 著者の 宇田川さんは 元楽天で SEOを担当 していたんだけど 大学の 准教授に 転職したという キャリアが 面白いのよ へぇ そんな人が いるん ですね Web担・内藤さん↑ 大学教授… かっこいい… というわけで 著者の 宇田川敦史 さんに お話を聞きに 行きましょう 話を聞いたら 僕も 准教授に なれますかね なれると いいですね
「Web担」から 取材を受ける なんて 緊張しますね 武蔵大学 社会学部メディア社会学科 宇田川敦史 准教授 こちらこそ 「Web担」を 研究して いただき ありがとう ございます SEO研究を 極めて 大学准教授に なったって 本当ですか? え あ はい 星井さん 早すぎるっ まず 『Google  SEOの メディア論』 の内容を 簡単に 教えてください 簡単に ですか… すみません 無茶ぶりして
90年代から 2020年までの SEOの変遷を 分析し Googleの アルゴリズムが どのように変化 してきたかを 明らかにしました その背後には SEO担当者や 実務家たちの 試行錯誤、抵抗 適応の積み重ねがありそうした努力と対話が 現在の Googleを 形作ってきたのです しかし こうした 複雑な過程や 人々の関わりについて 一般ユーザーは 意外と知りません そうですね Googleが どのように私たちの 日常に溶け込み 社会のインフラとして 機能するように なったのか 歴史的・社会的な 構築のプロセスを メディア論の視点から 解釈してみました 対象読者は マーケター よりも むしろ 一般ユーザー なんですね
俄然 興味が 出てきました♪ 宇田川さんは 現在 武蔵大学の 准教授ですが ここまでの キャリアに ついて 教えてください 京都大学を卒業後 2001年 日本IBMに 入社して Webシステムの 設計や開発に 携わりました 従来の 基幹系システムを Webベースに 移行したり データベース マーケティングの システム開発などを 担当したりしました そこから 楽天に? はい 2009年に 入社しました
BtoCの マーケティングに 携わりたくて 楽天に転職し 楽天トラベルに 配属 されました そこでは CRMや メールマーケティング アフィリエイトや パートナーシップなどを 担当 その延長で SEOと UXデザインも 担当することに なりました 当時は ガラケーから スマホに シフトする タイミングで スマホサイトの UX構築や サイトの情報設計 コンテンツ マーケティングを カバーしつつ SEOも スマホサイトと PCサイトでは 異なる対応が 必要で かなり大変でした あらゆることを やって いたんですね… そもそも SEOは 得意だったん ですか? いえ 最初は SEOとは いったい何なのか わかりませんでした そうなん ですかっ 施策を 実施するにも 判断軸がなくて 「Web担」で勉強していましたよ
ただ… それらの経験を ベースに 博士論文を 執筆し SEOの実態を 書籍として 世に出せたのは 良かったと 感じています 楽天での スキルを活かせば 今でも企業の マーケターとして 活躍できそうですが なぜ研究の道に? 儲からない 世界に 行ってしまったん ですね? 身も ふたもないっ 私は 「数を打って 成果を追求する マーケティング」を 続けていくことに 限界を 感じていたんです それに 企業の外から マーケティングや メディアの問題を 考えていきたいという 思いも ありました たしかに… 学問の世界は 儲からない産業 ですが その分自由と やりがいも あります。 そうですか…
SEOを テーマに 博士論文を 書こうと 決めたのは どんなきっかけが あったんですか? 最初から SEOを 研究しようと 考えていた わけじゃ ないんですよ え 楽天でコンテンツ マーケを 担当していた時に 「ランキング」 という形式に 何か メディア特有の 力があるんじゃ ないかと 感じたのが 始まりでした どういうこと ですか? たとえば 観光スポットの まとめページ であれば ただ情報を 10個並べるより ランキング形式に した方が 圧倒的に アクセスが集まる それは なぜだろうと 考えました
Googleも ランキング形式を 採用していますが 検索結果の 上位にあるページでも それが 「正しい情報」とは 限りません にもかかわらず メディアとして 機能しているのは 問題ではないかと 考えるように なったんです WELQ問題の 事件も ありましたね 情報の非対称性が 検索結果という ランキングを介して ユーザーの思考に 影響を 与えてしまう それが 現代の社会問題にも つながるテーマなのに まだあまり 研究がされていない 分野だと 気づきました なるほど 確かに 気に なりますね Googleの SEO研究を 研究するにあたり 「Web担」を 分析対象に 選んだ理由を 教えてくれますか? 「ホシイノ」が 面白い からじゃない ですか それは ない ひとつ大きいのは アーカイブが きちんと 残されている という点ですね
「Web担」だけでなく その前身となる 「インターネット マガジン」 時代からの コンテンツが しっかり 連続性をもって 保存されている これは 意図的に 設計・運営して きたんだろうと 感じますし 本当に すごいことです 雑誌の休刊や リニューアルで アーカイブが 保存されていない サイトも 多いですからね 歴史を 分析する上で メディアの 連続性は 非常に 重要なんですよ また 編集部が 書いた記事 だけでなく 実際に業界で 活躍する人たちが 執筆した記事も多い ですよね コミュニティの 多様な視点が 盛り込まれている それが 研究者としては とても ありがたい
「Web担」って 大学生の時に ネットに触れて 自分で ホームページや リンク集を 作るような 「ギークなオタク」 が多いという イメージです 好きが高じて 仕事になった 人たちが 集まるような だからこそ 外から見ても コミュニティとして 一体感があるし メディアとしての 厚みが 違うと 感じています 嬉しい お言葉です 「Web担」の 名前を変更する案も 出ましたが 前編集長の安田が 「Forumは コミュニティ としての 場所を 意味している コミュニティ として 機能させたいので 名前は変えない」 と主張したんです 「Web担」は 今も コミュニティの 場所 という原点を 忘れないように しています 安田さん 久しぶり ですね 少し ドキドキ したよ
研究者に なってみて 気づいたことは ありますか? 現場を 〝外〟から見る 必要性ですかね 外? マーケターとして 働いていた時は ある意味 〝内側〟にいる 感覚でした 企業で働いていると 普段接する人が 同業種の人ばかりなのに 〝世の中を知っている〟 という感覚になりがちです でも実際は 企業という 枠組みの中で 〝自社の利益〟を 最大化するために 動いているに すぎない 短期的な KPI向上や 自分の担当領域の 最適化に 意識が 集中しがちに なります そういう時こそ 一歩引いて 自分たちの仕事が 社会に どう影響しているのかを 考える機会が 必要だと思います 仕事として 携わっている領域を 社会という視点で 研究してみたいと 考えている マーケターや Web担当者に メッセージを お願いします
現場の仕事は もちろん大事ですが 時には 一歩引いて 〝社会との 接点〟を 考える その視点を 持つだけで 見える世界は 変わってくると 思います 意識が 変わると 行動が 変わりますよ! 気になったら ぜひ 宇田川さんの本も 読んでみて ください! 広告マンガの 経験で 准教授に なれますかね… まず 論文を 書きましょう

次回は7月25日(金)公開予定

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