中国の物流会社ツァイニャオ社は、128の倉庫、4万のサービスセンター、170万人の配達人員を抱え、1日に6億件もの出荷情報を処理しています。
中国浙江省に本拠を持つ物流事業者ツァイニャオサプライチェーンマネージメント社は、シンガポールのGICプライベート社とテマセクホールディングス、マレーシアのカザナナショナル社、中国のプリマベラキャピタルグループなど、複数の投資会社から資金を調達しました。
ツァイニャオ社が資金調達をするのは今回が初めてのこと。金額は明らかにしていませんが、中国の「i黒馬網社」のデータによると、今回の調達額は15億ドルに上ると見られます。
アリババグループホールディングスと複数の運送会社で2013年に共同設立されたツァイニャオ社は、迅速な配達を確立するためのオープンプラットフォームをめざしています。
物流はビジネスの需要なインフラであり、今後10年、中国経済発展の機動力になるでしょう。我々のミッションは、販売元、配送業社、そして消費者の効率を改善するための、オープンかつリソースをシェアできる物流プラットフォームを提供することです。
と、ツァイニャオ社のトン・ウェンホン社長は語っています。
ツァイニャオ社は、中国国内なら24時間以内、世界では3日以内の配送をめざしています。
ツァイニャオ社は配送業社による情報入力や情報交換の時間を短縮するため、デジタル配送伝票を開発しました。配送業社が販売元から荷物を受け取る前に配送ルートを決めることができる機能があり、デジタル配送伝票は大変役に立つようです。
ツァイニャオ社は以前のオペレーションに比べ、フルフィルメントの効率が30%向上。2014年のシングルズデー(独身の日)では、7日間で2億5000万個の荷物を出荷しましたが、2015年には同量の荷物を1日半で出荷しています。ツァイニャオ社によると、取り扱う荷物の60%がデジタル配送伝票を利用しているそうです。
ツァイニャオ社は先日、中国語で“荷物”を意味する「Guoguo」というアプリをリリース。そのアプリを利用すると、配送業社と消費者がより簡単に情報のやり取りができるようになります。
配達員が配達中に、近隣の消費者から返品を受け取ったり、発送用の荷物を受け取ることも可能になります。消費者は「Guoguo」を通じて配送サービスを評価レビューできるので、オペレーションの問題をより早く解決できるようになったそうです。
中国で取り扱われる荷物の約70%に、ツァオニャオ社のネットワークが使われており、128の倉庫、4万のサービスセンター、170万人の配達員を駆使して、1日に6億件もの出荷情報が処理されています。
ツァイニャオ社は中国の20の都市で当日配送を実施。150の都市で翌日配送を行っています。また、海外でも49の倉庫を管理し、越境出荷も1日400万件まで対応可能です。中国の大都市で、生鮮から大型家電まで、注文から2時間以内に配達するサービスも展開しています。
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オリジナル記事:デジタル革命が進む中国EC物流 6億件の出荷情報を1日で処理するアリババ子会社の進化 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ
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Googleが次にモバイルフレンドリーアップデートを実施するときには、ページの表示速度がランキング要因に組み込まれる可能性がある。豪シドニーで開催されているSearch Marketing Summit Australia 2016で、GoogleのGary Illyes氏が明らかにした。ただしまだ計画段階であり詳細は不明。
- Googleの次のモバイフレンドリーアップデートでは表示速度がランキング要因になる可能性あり -
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モバイルページのスピードは、現在モバイルのランキングに影響を与えていない。しかし、Googleのゲイリー・イェーシュ氏によれば、間もなく影響を与えるようになるかもしれないということだ。
*リンク先は全て英語となっています。
Googleのゲイリー・イェーシュ氏がシドニーで行われている、Search Marketing Summitにて本日発言した。Googleは、ページスピードのランキング要素をアップデートするつもりのようだ。モバイルフレンドリーアルゴリズムに関して、モバイルページのページスピードを考慮することになる。
この情報は、ジェニファー・スレッグ氏によってもたらされた。ジェニファー氏によると、ゲイリー氏は、”数年後”ではなく、”数か月後”に起こりうると述べたということだ。
今日における問題として、Googleがモバイルのランキングに使用しているシグナルの多くが、モバイルページではなく、デスクトップページを元にしていることが挙げられる。そのため、デスクトップページのスピードが非常に速ければ、モバイルページがとても遅かったとしても、モバイルのランキングに悪影響を与えることはない。
モバイルフレンドリーアルゴリズムが導入された際、Googleはデスクトップページではなく、モバイルページのスピードをランキング要素に組み込むことを望んでいた。
2010年4月にページスピードはランキング要素となった。2013年6月に、マット・カッツ氏はスピードの遅いモバイルページに悪影響が起こることをほのめかした。昨年には、ゲイリー氏がモバイルページのスピードをランキング要素にすることに取り組んでいると述べていた。そして、今回ゲイリー氏は、数か月後になることを示唆している。
しかし、ゲイリー氏はTwitterにて、まだ計画段階であるとも述べている。
他の要素についても言えることではあるが、デスクトップページではなく、モバイルページのシグナルを考慮することは、理に適っていることだ。これが、私だけの考えではなく、Googleの計画でもあるのだと思う。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google says page speed ranking factor to use mobile page speed for mobile sites in upcoming months」を翻訳した内容です。

カタログ通販のアイケイは6月、中国人客をターゲットとしたクルーズ船訪日客専門カタログ「八仙倶楽部」を創刊する。日本の記事や習慣などの情報や人気のある商品などを掲載。運営している天猫国際のECサイトで掲載している商品を購入できるようにし、中国向けEC事業の拡大につなげる。
2015年にビザの規制緩和で手軽にクルーズ船で訪日できるようになった背景もあり、クルーズ船による来日外国人観光客は過去最高の約111万人を記録。その大半が中国人が占めている。
クルーズ船の中で配布したり、乗船券を郵送する際に一緒に同封する無料通販カタログを、中国クルーズ船専門旅行代理店の青岛朝日国际邮轮旅游有限公司と日中経済交流協会と共同制作する。
カタログは季刊紙として発行。A4でサイズで44ページ。発行部数は15万部。九州を中心とした店舗を紹介する準広告のほか、通販ページでは化粧品や食品などの商品を販売する。
アイケイはクルーズ船専門カタログでインバウンドの潜在需要を取り込む。帰国後のリピート購入にもつなげていくとしている。

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オリジナル記事:配布は訪日クルーズ船内、アイケイが中国人向け通販カタログ「八仙倶楽部」を創刊
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スポーツ用品やアウトドアグッズのECを手がけるeSPORTSは5月から、PCやタブレットなど利用していつでもどこでも10分からプロトレーナーによるマンツーマンレッスンが受けられるオンラインフィットネスサービス「ポケジム」の提供を開始した。
マンツーマンによるフィットネスサービスが人気を集めているが、eSPORTSはネットで手軽に利用できる環境を整備。利用の促進を図りながら、スポーツ用品ECとの相乗効果も狙う。
「ポジム」は、体幹トレーニング、ストレッチ、ヨガ、エアロビクスなどのメニューから目的のレッスンを選択すると、プロのトレーナーがスカイプを通じてレッスンするサービス。
いつでもどこでも10分から手軽に予約することが可能。仕事終わりや家事の合間などの隙間時間を上手に使い、場所を選ばず本格的なレッスンを受けられる。
レッスン終了後にもプロトレーナーがレポートやアドバイスを届けるなど、悩みや不安を解消して理想のカラダ作りをサポートする。
事前にポイント(1ポイント=1円)を購入し支払う形式。なお、ポイントはECサイト「eSPORTS」で獲得したポイントを利用することができる。余ったポイントをECサイトで利用可能。
10分あたり1500ポイント程度で利用できるとしており、友達などと一緒に受講することも可能としている。
今後もトレーニングメニューの追加やサービスの拡充を継続し、より多くのユーザーのライフスタイルへのマッチングを図る。また、法人向けには福利厚生の一環としても活用できるサービスレベルをめざすとしている。

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オリジナル記事:オンラインフィットネスサービス「ポケジム」の提供を開始、eSPORTS
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今回は当コーナー初の関西出張! 猫好きなら知らない人は多分いないフェリシモ猫部さんに突撃です! フェリシモは1965年創立のカタログ通販大手ですが、猫部の商品は抜群のSNS映えが特徴。見かけたら思わず「いいね!」したくなる、ビックリして人に教えたくなる、もっと言うと「こんな面白い商品ばっかり作っていてホントに大丈夫? 」と心配になってしまう。そんな商品はどうやって生まれるのでしょうか? 兵庫県神戸市の本社におじゃましました。 記事の最後にプレゼントのお知らせがあります。
猫好きなら知らない人はいないと書きましたが、猫好きじゃない人にも読んでもらいたいので、まずはフェリシモ猫部の商品をいくつかご紹介します。
まずは「にゃんそうこう」。愛猫に引っかかれた名誉の傷に貼るための絆創膏、それが「にゃんそうこう」。SNSで爆発的に拡散し、第2弾も好評発売中です。

お次は「猫の肉球の香りハンドクリーム」。猫用ではありません。自らの手も猫の肉球と同じ香りにしたい……そんな重度の猫好きの欲望がハンドクリームになりました。

「猫まみれまくら&布団カバーセット」と「猫のウォールシール」があれば、こんな風に猫まみれの部屋にすることも可能です。ここはどこのパラダイスでしょうか。

みなさん、付いて来てますかーー?
こんなユニークな商品の数々を生み出したのがフェリシモ猫部なのです。
フェリシモ猫部は社内の部活動から始まりました。フェリシモでは毎週水曜日の午前中を、所属部署に関わらず好きなテーマで集まって部活を作り、事業化を目指して活動するための時間に割り当てられています。猫部もその中の1つ。部員6名でスタートした部活でした。
部長がこの方。フェリシモ 生活雑貨事業部 猫部グループ グループリーダーの松本 竜平さん。

もともとはフェリシモのWeb担当者だった松本さん。2010年9月に猫部が結成されると、業務のかたわら累計200の猫関連商品の企画をまとめ、WebサイトやSNSの運営なども手がけてきました。すごすぎです。成果が実を結び、この3月からは猫部専任になりました。
フェリシモでは1年間に数万種類の商品を開発しています。顧客が欲しい商品を作るために「どういう商品がほしいか」という意見を聞くことは以前からずっと行ってきました。でも、元Web担当の松本さんの商品作りはさらに一歩踏み込んでいます。
SNSを使ってユーザーさんと商品開発をしていくということを大事にしています。例えばこの「猫ふせん」の猫の写真は、すべてユーザーさんから送ってもらった写真なんです。
TwitterとFacebookで「こういう写真を送ってください」って募集したら、1週間くらいで約2,400枚集まりました。その写真で試作品を作って厳選したんです。

企画中に仕様で迷ったとき、前は社内で聞いて回っていたんですけど、最近はSNSで「どっちが良いですか?」って直接聞いちゃうんです。そうすると「こっちがいい」とか「こういうところも考えて」とかってご意見をいただけるんです。買っていただく人に聞いた方が良いかなと思って。発売されると「待ってました!」って言ってもらえるんです。
「猫のおでこの香りのファブリックウォーター」も、最初にTwitterで「猫のおでこの香り」についてアンケートを実施。多かったのが「焼きたてのパンの香り」だったため、それをベースに何パターンか作り、猫カフェに行っていろんな猫を嗅いだり、デパートでたくさんパンを買って来てみんなで嗅いだりして決めたそうです。……無茶苦茶楽しそう!

SNSウケは意識してます。商品を発表したときにすごくリツイートされて拡散されていくとか、いろんなメディアに取り上げられるということも気にして作っています。あと、どうやって商品を認知してもらうかということで、Webサイトに商品以外のコンテンツも用意して毎日見に来てもらえるようにするっていうのも1つです。
とはいえ、成果が出なければ事業としては続きません。
実はあまり成果は考えずにやってきましたが、運が良かったところもあって、結構どれも売れました。他の商品の平均よりも上なんです。
部員はそれぞれ自分の部署でやらなくてはいけない仕事もあるんですが、猫部で楽しみながら息抜きみたいな感じで企画したものが、ゆるくて逆に伝わって売れるっていうのが最近のパターンです。
その肩の力が抜けた感じや、企画段階からオープンに顧客に飛び込んでいく、そんな姿勢が愛されてファンを増やし、成果につながっているんでしょうね。
オムニチャネルにも取り組んでいます。「フェリシモ猫部・期間限定ショップ」と称して2015年の2月に渋谷ヒカリエに出店したのを皮切りに展開数を増やし、現在は新宿、銀座、浦和で開催中。
初めてヒカリエで開催したときは夜中まで設営に加わった松本さん。開店したら想定以上に売れたそうです。当時はちょうど初代「にゃんそうこう」が話題だった時期で、開店3時間でその日の分が完売してしまいました。
ずっとWebだけをやっていたので、ポップアップショップを出してみるまで、こんなにブランド力があることに気付いてなかった。
店頭にいるとお客さまのテンションとか肌感覚が分かってきます。「こういうのが好きなんだな」とか。Webの運営に生きますね。
それまでも他の部署で洋服のリアルショップを出すことは時々行っていたフェリシモ。しかし、猫部ほどの結果につながったことはなかったそうです。今後は常設化することも検討中とのこと。
部活を作る目的は殺処分をなくすための基金活動だったんです。なので、最初の商品からすべて基金付きで販売しています。
もともとフェリシモには、商品購入で貯まったポイント「フェリシモメリー」を、各種団体に寄付できる仕組みがあります。寄付先には動物愛護団体もあり、その反響の大きさからこのテーマへの関心の高さ、また、ビジネス的なマーケットの大きさも感じていたそうです。
いま全国で約50の動物愛護団体が支援先としてありまして、お客さまの声を見ていても「殺処分をなんとかするために活動しているんです」っていうところに共感をいただくし、口コミが広がる原動力にもなっているなと思っています。
寄付だけでなく、本社ビルや須磨区の物流センターで2か月に1度、地元のNPO団体と協力して譲渡会も行っています。毎回20匹くらいの猫たちが新しい家族と巡り会っているそうです。
こうした猫部の活動の背景には、フェリシモの企業風土が欠かせません。フェリシモは企業理念に、永続的、発展的な活動を支える「事業性」、オリジナリティを追求する「独創性」、人や社会への貢献を追求する「社会性」の3つを掲げており「この3つが交わる領域での事業活動を目指す」としています。
ただ掲げているだけではなく、松本さんも入社時に「この理念に共感できる人だけ入社してください」と念を押され、入社後も折に触れてこの理念に沿っているかどうかを確認するそうです。
継続するために利益を出すことは必要だけど、ただ儲かれば良いってわけじゃない。そして、絶対に他社の真似をしてはいけない─。このポリシーは、そのままフェリシモ猫部の商品作りに反映されているではありませんか!
今後の目標は、とにかく長く続けるということ。猫の殺処分ゼロという目標があって基金があるので「今年でやーめた」ってわけにはいきません。
もう1つ、企業が動物愛護に取り組むことがもっと当たり前になってほしいと思っているんです。
「フェリシモはペットの会社でもないのになんで愛護活動をやるんですか?」ってたまに聞かれるんですが、今、普通に家族として犬や猫と暮らす家庭が増えて、ペットとか動物愛護も一般的な暮らしのテーマの1つなので、フェリシモのように「生活」を領域にしている企業が、当たり前に取り組むテーマだと思うんです。
そういう感覚をもっと広めたいと思っています。その部分だけは真似してほしいですね、商品は真似されたらめっちゃ怒ります(笑)

フェリシモ猫部の商品には、「猫と暮らしを楽しみたい」という前向きな明るさと、「どうせだったらもっと面白くしたい」というサービス精神を感じます。「企画した商品はわりとなんでもすぐ作れる」というフェリシモだからこそできることなんですね。これからも楽しみにしています!!
読者プレゼントのお知らせ
フェリシモ猫部の「猫ふせん」をプレゼント! 詳しくはこちら!
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オリジナル記事:フェリシモ猫部が人気を集める理由。カタログ通販大手が生んだ「顧客に愛される部活」 | ネッ担ネコノミクス研究所
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日本郵便は6月1日から、郵便の大口利用向け割引率を引き下げる。実質的な値上げであり、DM送付など大量に郵便物を差し出す通販企業のコストアップに直結する。通販企業にとって売り場、販売促進手段となるDMは不可欠なツールのため今回の値上げの痛手は大きく、コスト吸収策も限られていることから対応に苦慮するところが多いと見られる。引き下げの理由は労働力不足による賃金の上昇などから見直しが必要なためと説明しているが、郵便の減少が続いている中での今回の値上げは郵便の利用の一層の減少をもたらすことになりかねない。

今回の割引率の引き下げで通販企業へ大きく影響を及ぼすのは、バーコード付郵便物と広告郵便物。バーコードはDMを差し出す際、事前に付加して住所情報を区分機で読み取り可能にするもので、従来の5%から3%へと2%引き下げる。広告郵便物は宣伝用の文書など同一内容のものを大量に差し出す場合に適用されるもので、従来の割引率を2%引き下げる(割引率は差出数などにより異なる)。
この2種類の割引率の引き下げの合計は5%になり、つまりバーコード付した広告郵便物を差し出す場合、従来と比べ正規料金の5%分がコストアップになってしまう。仮にハガキ(第2種=正規料金52円)のDMは1通当たり2.6円、定型郵便は重量25グラムまで(第1種=同82円)のDMが同4.1円の料金が増えることになる。
仮にそれぞれのDMを10万通差し出すとすると、26万円、41万円のコストアップ。これらのDMを定期的に年4回差し出しているとすると、100万円以上も費用が増えることになる。
このように今回、割引率を引き下げ実質値上げとなることに対し、通販企業はコストアップを受け入れるか、DM差出数の削減、郵便以外での手段による配達などで対処していかなくてはならなくなる。
通販新聞社が大口利用の割引率引き下げに関し一部通販企業へ行ったアンケートの結果によると、既にDMの差し出し計画が決定していることなどから、変更せずに従来通りに行っていくと回答した企業が多かった。ただ差出数を削減する予定はないとするものの「事業の施策に影響がない範囲で可能な限りまとめて差し出すようにする」(専業大手)ことでコストアップを極力抑えていく考え。そのためにも「都度割引率や月間割引率が少しでも高まるように差し出すよう心掛ける」という。
別の専業大手もは計画通りにDM発送を進めていきながら「一部差出数を見直す可能性はある」との見解を示す。また「郵便ではない宅配便(メール便など)へ変更しコスト吸収を少しでも図れるようにしていく」との対応策を打ち出しているところも見受けられる。
いずれにしても値上げは大きなコスト増につながり、その対応策として差出数を削減するとなると事業計画の進捗へ影響を及ぼしてしまう。それを避けながらの事業運営を通販企業は迫られることになる。
通販企業はカタログなどをメール便で届けるケースが増えているが、同時に定型郵便(封書)でのDMでもメール便を利用するのが一般化しつつある。これらに対しハガキによるDMは依然として利用を続けるところが比較的多く、今回の割引率引き下げではハガキDMを大量に差し出す通販企業からの不満が多く見られる。その理由のひとつは、ハガキが日本郵便の独占と言えるものであり、他に代替できる手段もほぼないためだ。
ある専業大手は「ハガキDMの種類や発送数を増やしにくくなり、新たな販促背展開の足かせになり得る」と指摘。別の専業大手も「ハガキDMはカタログのリマインドを促すツールとして有効な販促手段と捉え積極展開を行っていただけに、今回の値上げは手痛い」という。
また他の代替手段がないため「これまで販売促進に利用してきたのは『ハガキDMのみ』と言っていいくらいであり、代替案もなく打つ手がない状況」(専業大手)という。印刷費用などの値下げを要請し対応するものの、郵便料金増分をそこで吸収することもできず大幅なコストアップを余儀なくされてしまうようだ。
限られたスペースでの販促しか行えないものの、手頃な料金で差し出すことができるハガキはコミュニケーションツールとして通販企業にとって非常に重要なだけに打撃が大きいと言える。
当面は封書にしてもハガキにしてもDMの種類や差出数を変更しないものの、今後立てていく事業計画でDM戦略を見直すところは増えると見られる。インターネットやスマートホンが普及し、郵便自体の利用が減っている状況だが、依然重要な販促手段としているところは多い。
特にシニア層の顧客が多い通販企業にとって、コミュニケーションツールとして郵便はなくてはならいものになっている。コストが増えるという面だけでなく、郵便が公共性を有したサービスであるという側面も見逃せない。
今回は労働力不足に伴う人件費の上昇を理由のひとつとしてあげているが、実質値上げとなることで大口利用が将来的に減る可能性もある。毎年利用が減っている郵便が、一層減少に拍車がかかり、再度の値上げ、あるいはサービス内容の低下も懸念される。
大口利用向け割引率の引き下げは、日本郵便によると郵便物が減少傾向にある中で労働力不足による賃金の上昇などが背景にあり見直しが必要になったためという。またバーコード付郵便物に関しては割引制度の設定当時、バーコード区分機の活用によりコスト削減効果が高かったが、新型区分機の性能向上などによりバーコードがない場合でもほぼ同様に区分処理が可能になったことが理由としている。
ところで、現状の郵便事業の収支は厳しいのだろうか。日本郵便の16年3月期決算によると、郵便・物流事業(郵便事業のほか、ゆうパック、ゆうメールなどの物流事業を含めた実績)の営業利益は74億円と黒字化している。郵便事業単独の実績は7月末に発表する予定で、直近の郵便事業だけの収支は不明だ。一方、15年3月期決算は郵便・物流事業が103億円の営業損失を出したが、郵便事業単独(郵便の業務、印紙の売りさばき業務などの「郵便業務等」)では営業利益が123億円だった。
今回の割引率引き下げは今年1月末に発表したものであり、15年3月期決算との関連性は不明だが、16年3月期は郵便・物流事業では黒字転換と収支が改善しており、早急な引き下げは必要ないように見える。
また大口でない通常の郵便料金を値上げせず、事業者の利用が大半を占めると見られる大口利用向けだけを今回ターゲットにした理由も定かではない。日本郵便が引き下げの目的として「安定的なサービス提供を維持できる収支な確保が困難な状況」にあるとしている。そのため、このままでは経営努力だけで将来の「安定的なサービス提供」が難しいとの見解だろう。
郵便は事業者、一般ユーザーを含めて多くが利用している。また事業者から送られてくる郵便で一般ユーザーも何らかの利益を得たりすることもあるだろう。そのような視点から、安定的なサービス提供のために今回のような大口利用者だけに負担を強いるのは「拙速では」(通販専業)との声も聞かれる。
今回の実質値上げにより、大口利用する通販企業の郵便離れも懸念される。一層の郵便物の減少を加速することにもなり兼ねない。その対策というわけではないかもしれないが、DM関連業務を行う企業によると「ゆうパック、ゆうメールでの利用拡大を勧め、その料金をある程度低額に抑えて郵便のコスト増分を多少なりとも吸収できるような提案を日本郵便側が行うようなケースも出てくるのでは」との見方を示す。拡大に乗り出しているゆうパック、ゆうメールを餌に郵便離れを回避する施策のようだ。
また、今回のような大口利用向け割引率の全般的な引き下げは、消費税引き上げ時を除くと1994年以来という。ただ12年4月にはハガキの広告郵便物の基本割引率を4%引き下げている(15~40%から11~36%に)。つまり、ハガキだけに関して言えば4年前に続く改定。あるDM関連事業者は「ハガキは値上げの格好の餌食」と、競合のないハガキの割引率をこの4年ほどの間で2度引き下げる理由を推測している。ある通販企業は「ハガキなど独占している事業については効率化だけでなく、公共性の維持も重要な役割であることを認識していただきたい」と訴えている。

今回の大口利用者向け郵便料金割引の改定は、区分機により自動で読み取れるバーコードを付けた郵便物に対する基本割引率を2%引き下げた3%にする。同様に広告郵便物(ダイレクトメールなど各種宣伝を用途とし同一内容で大量に差し出す郵便物)と区分郵便物(事前に郵便区番号ごとに区分した郵便物)に加算する場合のバーコード付郵便物の割引率も3%へ引き下げる。
区分郵便物では基本割引率を3%引き下げる(ただし従来の割引率が4~6%のものは2%に、2%のものは1%に引き下げる)。広告郵便物は基本割引率を3%引き下げ、第1種が15~40%だったものが12~37%、ハガキ(通常ハガキ、往復ハガキは半分の比率)は11~36%が8~33%になる。
このほかに、郵便区内特別郵便物(郵便物の引き受けおよび配達が同一地域)は1通当たり5円あるいは6円引き上げると同時に、1000通以上を差出郵便局の指示で並べるなどして差し出した場合の特別料金を廃止する。また一般書留、簡易書留、特定記録郵便といった特殊取扱料に対する大口利用へ適用している割引額も引き下げるほか、簡易記書留の「特別年割」を廃止する。
また、同時に国際郵便物の料金の一部も値上げする。値上げは海外の郵便事業体へ支払う費用や国内処理コストが増加しているための措置という。越境通販の進展で需要が増えているEMS(国際スピード郵便)は300~500円引き上げるほか、300グラムの重量区分を廃止して500グラムからの区分に変更になる。
EMSはアジア宛てと南米・アフリカ宛てが300円、北中米・オセアニア・中東宛てが500円、欧州宛てがでは400円の値上げとする。各地域宛てとも300グラムまでの重量帯が廃止されることで、これまで300グラムまでの荷物として送ることが可能だったものは500グラムまでの重量帯に該当することになり、大幅な料金アップになる。
従来と比べると、アジア宛ては500円、北中米・オセアニア・中東宛てでは800円、欧州宛てと南米・アフリカ宛てでは700円の値上がりとなる。
EMSは各国の郵便事業体と連携し迅速・確実に配達できる手段として認識され、通販企業の利用も多く、越境通販に取り組む企業にとっては同サービスでのコストアップを余儀なくされる可能性が高い。
EMSのほかに国際船便小包郵便物の東アジア向けの料金も100~1550円値上げる。従来の1500(1キログラムまで)~7750円(30キログラム)が1600~9300円になる。国際船便小包も越境通販などの利用で増えているようだ。
「通販新聞」掲載のオリジナル版はこちら:
日本郵便が大口利用を値上げ、通販各社のコスト増避けられず(2016/05/26)
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オリジナル記事:日本郵便、値上げの衝撃。通販企業はコスト増に直結、あなたの会社は大丈夫? | 通販新聞ダイジェスト
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iOS向けのGoogleアプリがAMPをサポートするようになった。SafariやChromeだけではなく、Googleアプリで検索したときにもAMPコンテンツが検索結果に表示される。GoogleアプリのAMPサポートにより、AMPページへのiOSからの検索トラフィックの増加が期待できる。
- iOSのGoogleアプリがAMPをサポート開始、iPhoneからの検索トラフィック増加に期待 -
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