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2024年のSEO/コンテンツをプロ27人が予測 ❰中編❱ E-E-A-Tとソートリーダーシップ

中編となる今回は2024年のSEOとコンテンツのトレンドの、E-E-A-Tとソートリーダーシップについて解説している。今後を予測し、早めにSEO戦略を立てよう。
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

E-E-A-Tとソートリーダーシップに関する予測

11. ソートリーダーシップによって善し悪しを区別するチマ・メジェ氏 - Mozのシニアコンテンツマーケティングマネージャー

2024年には、ウェブ上で低品質なAIコンテンツが増え、オーディエンスの不安と不信を招くことは避けられないだろう。それに対し、人々は信頼できる情報を求めて自然とソートリーダーに引き寄せられることになる。

ソートリーダー独自の確かな洞察は、Googleのコンテンツ品質評価で重要な要素であるブランドの評判と信頼性を高める:

ブランドをソートリーダーとして位置付けることで、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を高める6つの方法
  • 社内の専門家らをプラットフォーム化し、ブログでコンテンツを公開することを奨励する

  • 業界の専門家らと協力し、コンテンツの権威的価値を高める

  • 特定のトピックに関する深い知識と経験を紹介するコンテンツを定期的に公開する

  • オンラインセミナー、ポッドキャスト、ソーシャルメディアを利用してオーディエンスとの関わりを深め、信頼を築く

  • AIには真似できない独自の調査、研究、データに基づく洞察を生み出して共有する

  • 量より質を重視し、業界で信頼される情報源としての評判を築く

12. 2024年には、検索順位を決定するシグナルに経験が大きく影響するゾーイ・アッシュブリッジ氏 - Forankの共同創設者兼シニアSEOストラテジスト

2022年12月、ChatGPTの公開からわずか15日後に、GoogleがE-A-TにExperience(経験)の「E」を追加してE-E-A-Tとしたのは偶然ではない。

Googleは検索結果ページに最も信頼できる情報源を表示したいと考えており、2024年には検索順位を決定するシグナルに「経験」が大きく影響すると予想できる。

「経験」を効果的にアピールするために、次の戦略を検討しよう:

  • スキーママークアップを導入し(リンク先は日本語記事)、資格や学歴を含む自分の経験をGoogleに伝える

  • 「SameAs」スキーマを使用して、自分のソーシャルプロフィールやウェブ上のエンティティにリンクする

  • 1人称でコンテンツを書き、個人的なストーリーや洞察を共有する

  • ケーススタディやユースケースを通して自分の専門性を強調し、実際のシナリオにおける能力を示す

生きた経験は、競合他社と差別化するのに最適な方法であり、これはAIにはできないことだ。

13. 実体験とソートリーダーシップがSEOの成功に不可欠となるケリー・カンピオン氏 - God Save The SERPの創設者兼SEOコピーライター

AI生成コンテンツの登場により、ユーザーは信頼して利用するコンテンツの種類をより意図的に選ぶようになっている。これを、Googleの新しいE-E-A-Tガイドラインやヘルプフルコンテンツアップデート(HCU)と組み合わせよう(リンク先は日本語記事)。2024年には、特に賢明なブランドが業界内の著名なソートリーダーとのパートナーシップに対する投資を増やして、E-E-A-Tシグナルを強化しようとするだろう(リンク先は日本語記事)。

加えて、「スカイスクレイパー」コンテンツ(多くの被リンクを集めているコンテンツより優れたものを作成することで、被リンクを獲得できるようにするためのコンテンツ)を大々的に制作するトレンドは、SERPでの効果が低下するかもしれない。今や焦点は、実体験と独自性を提供するコンテンツに移りつつある。

各ブランドは、より製品主導のSEOアプローチを採用し、コンテンツにケーススタディや独自のカスタマーストーリーを取り入れる可能性が高い。この戦略は個々の製品体験やナラティブ(物語)に深く根差しているため、独自性が確保され、競合他社がコンテンツを複製するのも難しくなる。

14. Googleは、AIに勝る実体験を重視するクリス・ロング氏 - Go Fish Digitalのマーケティング担当バイスプレジデント

僕は、Googleが検索結果で「実体験」に基づくコンテンツの順位を引き上げると予想している。「実体験」には、フォーラムでの議論や動画、そしておそらくはソーシャルメディアコンテンツを含むさまざまな形態が含まれる可能性が高い。

この戦略の原動力は、Googleの検索結果を、ChatGPTなどのAIプラットフォームが生成する回答とは区別することにある。こうした動きは、本物の人間による洞察や経験に基づくコンテンツの価値が高まっていることを浮き彫りにしている。

15. ワークフローへのAIの統合が深まり、E-E-A-Tに沿ったコンテンツが重視されるスクジンダー・シン氏 - I Do SEOのSEOコンサルタント

新たな年に向けた僕の予測は、2つの重要な分野に焦点を当てている。それは次のものだ:

  • オーディエンスをターゲットにしたコンテンツ
  • ワークフローへのAIの統合強化

Googleが「ヘルプフルコンテンツシステム」と「E-E-A-Tガイドライン」で新たに「経験」の要素を導入したことで、人の共感を呼ぶコンテンツを作成する重要性が高まっている。

ベテランのSEO担当者にとって、これは新しい概念ではない。Googleのウェブマスター向けガイドラインが公開された当初から、ユーザーを重視するコンテンツの重要性は知られていたからだ。しかし、Google検索セントラルのリソース拡大、公式アルゴリズムのアップデート、Googleのダニー・サリバン氏やジョン・ミューラー氏といった人物からの発信は、経験の浅いコンサルタントをこの方向に導くうえで非常に貴重だ。

AIについては、社内やクライアント関連のタスクに関する高度なプロンプトがより一般的になりつつある。Googleは「機械学習」をめぐる指針への姿勢を緩めているため、アウトプットが独創的かつ有益で、E-E-A-Tのフレームワークに沿ったものである限り、AIツールは受け入れられつつある。

16. SERPでは特定の分野の専門知識が優先されるヒマニ・カンカリア氏 - のMissive Digitalの創設者

2024年には、SEOとコンテンツの相乗効果として、次の3つの重要な領域が重視されるだろう:

  • 非常に有益なコンテンツ
  • ビジュアル要素の重視
  • コンテンツの作成を支える専門知識

コンテンツ制作において、特にAIで生成されるコンテンツに関しては、スピードが質に勝る時代は終わった。SEOとコンテンツチームは今や、特定分野の専門家(SME)と協力して、すべてのコンテンツに真の価値を注入しなければならない。このアプローチは、Googleのヘルプフルコンテンツアップデート(HCU)とそのウェブサイトへの影響から得た教訓に沿ったものだ。

さらに、コンテンツを拡充し、検索エンジンの結果ページ(SERP)におけるビジビリティを高めるうえで、状況に応じたビジュアルを重視する傾向が強まるだろう。ソーシャルメディアチームと協力してこうしたビジュアルを活用することで、SERPでの直接的なビジビリティを高め、コンテンツのインデックス化を促進できる(リンク先は日本語記事)。

最後に、2024年には、ソートリーダーシップを通して書き手の信頼性を確立することがもっと重視されるようになるだろう。君のコンテンツが信頼できる業界の人物に支持されており、それゆえに有用性と関連性が確保されていることを、検索エンジンに認識してもらう必要がある。

17. リンクされている書き手の経歴と独自の洞察が、コンテンツのオーソリティを高めるジョシュア・ジョージ氏 - ClickSliceの創設者

AIコンテンツの急増を受けて、GoogleはE-E-A-Tとオーソリティの高いコンテンツへのリンクを重視するようになるだろう。そのため、有益なコンテンツに重点を置いたアップデートが増えると予想される。

このアップデートに対しては、次のように対応できる:

  • ブログ記事に書き手の経歴を含めて、Googleに対してコンテンツの作成者を明確にする

  • 専門性強化のため、ゲスト投稿で書き手の経歴のURLにリンクを張り、他のサイトからの支持をシグナルとして伝える(信頼性とオーソリティを高める)

また、コンテキストの観点から、他のいかなるサイトとも同じ内容になっていないか必ず確認してほしい。ユーザーにできるだけ多くの価値を提供するには、独自の洞察をもたらすことに重点を置こう。たとえば、エージェンシーを運営していて、最新のアルゴリズムアップデートの狙いに関するブログ記事を作成する場合は、実際のプロジェクトでクライアントサイトで目にした内容を挙げて、他では見つけられないような貴重な洞察をユーザーに提供しよう。

18. 2024年は、加速するGoogleアップデートとアジャイルなSEO戦略に適応せよジョー・ジュリアナ・ターンブル氏 - Turn Globalの創設者兼デジタルマーケティングコンサルタント

2024年には、2023年の最終四半期に見られたように、Googleアップデートのペースが加速すると予想している。また、ローカルビジネスの場合を除いて、スキーママークアップはこれまでほど重視されなくなるかもしれない。

E-E-A-Tは、YMYL業界だけでなく、あらゆるセクターで重要性が高まるだろう。そのため、ウェブサイトの信頼性を高めるには特定分野の専門知識が不可欠であり、そうした専門知識がなければ、競争上不利になる。

また、動画のSEO(リンク先は日本語記事)はマーケティング戦略の重要な一部となり、動画を取り入れない企業は大きなチャンスを逃してしまうかもしれない。さらに、ChatGPTなどのAIツールは、たとえ小規模でもマーケティング戦略に不可欠な要素となるだろう。

最後に、Googleアナリティクス4(GA4)は進化し続けるため、マーケターは適応し続ける必要がある。GoogleのBIツールLooker Studioも変化し、データ分析とSEO戦略のアプローチがさらに具体化されるかもしれない。

前中後編の3回に分けて2024年のトレンドに関する専門家の予測をお届けしているこの記事。後編となる次回は、「SEOとコンテンツマーケティングにおけるAI」と「サステナビリティ(SDGs)とSEO」に関する専門家の予測をお届けする。

→後編を読む

用語集
BI / E-E-A-T / Googleアナリティクス / SDGs / SEO / SERP / インデックス / コンテンツマーケティング / ソーシャルメディア / リンク / 検索エンジン / 被リンク
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