企業オウンドメディア成功の秘訣とは? 成果は? 指標は? 体制は?【SEO情報まとめ】
オウンドメディアで成功しているところは、どんな考え方でや体制でやっているのだろうか。「一石五鳥」以上の価値があるという企業ブログの編集長が語った良記事を紹介する。
さらにピックアップ2記事目として「そもそも企業のオウンドメディアはどうなれば成功だと考えるべきか」の住太陽氏のアドバイスも紹介している。
ほかにも、「301リダイレクト変更のリスク」「在庫切れページの404」「CWVの新指標INPに動き」「URLの階層構造」などなど、猛暑に負けずSEOを学ぶあなたの助けとなる情報を、今週もまとめてお届けする。
- 企業オウンドメディア成功の秘訣とは? 成果は? 指標は? 体制は?
- オウンドメディアの本当の価値とは? 上位表示やアクセス増加ではない!
- 301リダイレクトを逆にしたらSEOに悪影響が出るのか?
- 在庫切れの数百万ページは404? それとも301?
- CWVの新指標INPが悪いサイトにグーグルが警告メールを送信
- グーグルが20年言い続けている「SEOで本当に重要なこと」とは?
- 階層構造のURLはSEOに効果的⁉️ SEOの大御所がツッコミを入れる
- 手抜きコンテンツで上位表示しても必ずグーグルに見破られる
- グーグル vs. 寄生サイトの戦いは継続中
- Bing検索にはHTML5は効果的らしい
- シンジケーションの重複防止のためのnoindex推奨はGoogleニュースではずっと以前から
- Google Bardにいくつもの新機能がリリース:Googleレンズの組み込み、回答の読み上げ、トーン選択など
今週のピックアップ
企業オウンドメディア成功の秘訣とは? 成果は? 指標は? 体制は?
潜在顧客への知識の共有 (アナグラム株式会社) 国内情報
各種の広告運用を手がけるアナグラムの自社ブログの編集長である藤澤氏のインタビュー記事だ。オウンドメディアとしての自社ブログ運営の秘訣を藤澤氏が語っている。
アナグラムのブログは、自分のことを知らない人に信頼してもらおうとして創業者の阿部氏が開設したのが始まりだったそうだ。しかしそのブログも時間の経過とともに成長し、今では次のような価値を生むようになった:
- 営業
- 採用
- 執筆者自身のスキルアップ
- マネジメントにも好影響
- 教育
- 社内コミュニケーションのきっかけ
現在は、広告運用の経験者7名からなるマーケティングチームが編集担当としてブログを運営しており、社内5ユニットそれぞれに専属の編集担当をつけている(編集担当は運用型広告の経験者で、広告運用の案件も並行して担当)。
記事1本の企画から公開までの所要期間は平均で3週間~4週間程度。記事の編集時には、次のような点を特にチェックしているという:
- 正しい情報かどうか
- 自分で試して使った内容かどうか(ヘルプやリリースだけを鵜呑みにして表面だけをなぞった記事はNG)
オウンドメディアで重視している指標はPV数ではない。半年ほどのスパンで
- 採用への寄与
- 問い合わせへの寄与
を確認し、それに加えて、
- 読者からのポジティブな反応がでているか
- 読者からのコメントがどんなものか
といった情報を日々確認しているという。
マーケティングチームが大事にしていることとして、次の3点があるという:
- 1人でも誰かの役に立つなら発信するべき(0人でなければ、1人か10人か1000人かはそれほど重要ではない)
- 十分な知識をもったうえで発信できているか
- 「誰かを傷つけたり他を批判したりすることで、自らを相対的に正当化する」ような内容になっていないか
このすぐあとで紹介する住太陽氏の「オウンドメディアの価値」に合致した運用だ。自社がもつ知識や経験をブログで共有することにより、プレゼンスの強化と信頼の醸成に寄与している。自社社員の知識向上にも役立っているというのも、続けてきた価値だろう。
あなたの会社でもオウンドメディアを運用しているなら参考にしてほしい。
- オウンドメディアがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
オウンドメディアの本当の価値とは? 上位表示やアクセス増加ではない!
プレゼンスと信頼の獲得が目的 (住 太陽 on ツイッター) 国内情報
オウンドメディアに関連する情報をもう1つ紹介する。Web担での連載も始めた住太陽氏が、オウンドメディアの本当の価値について持論をツイッターで語った:
いま「オウンドメディア」って言ってるものの元は要するに「企業ブログ」で、2010年頃から言い換えが始まって2014年頃に逆転したもの。
— 住 太陽 (@motoharusumi) July 4, 2023
原点の「企業ブログ」に立ち返れば、自社の独自の知見や経験をネットに公開して、同業者や将来の取引先と共有し、プレゼンスと信頼を得るというものですよね。 pic.twitter.com/L1B3pdtrii
いま(というか2002年頃から)僕が自分のサイトでやってることもそれで、自分の知見や経験を再現可能なノウハウとして一般化して公開するというもの。
— 住 太陽 (@motoharusumi) July 4, 2023
すると「発信者のところに情報が集まる」とか「発信する人が知名度や信用を得る」とか言うとおりのことが起きるわけです。これも再現可能なこと。
自分の独自の知見を公開していくことに目標やKPIなんて当然ないわけですけど、もしPVとかリード獲得とかをKPIにしてたら、たぶん本来のメリットであるはずの「発信者のところに情報が集まる」とか「発信する人が知名度や信用を得る」とかの結果にはつながらなかっただろうな、と思ったりします。
— 住 太陽 (@motoharusumi) July 4, 2023
検索数の多いキーワードで上位を取ってPVを伸ばすことなんて考えなくても、独自の知見や経験をきちんと発信していれば、その情報を必要としている人にはきちんと届きます。
— 住 太陽 (@motoharusumi) July 4, 2023
その他方で、検索上位を得たところで発信している情報に独自性がなく他と似たり寄ったりなら、誰にも何も届いていませんよね。
そんなわけで僕は、自分の知見とか経験を一般化しつつ楽しくブログを書いて、プレゼンスを高めつつ信頼と情報を集める、みたいな原点に回帰しつつあります。
— 住 太陽 (@motoharusumi) July 4, 2023
調べて書いたような記事が増えてる今こそ、独自性のあるコンテンツの希少価値が上がってる気がします。一周回ってチャンスな気がしますよ。
ちなみに「独自性」って「コピペじゃない」って意味じゃないですからね、念のため。辞書通りの意味です。
— 住 太陽 (@motoharusumi) July 4, 2023
先日SEO界隈の記事を読んでて「Googleは独自性のある記事を好むからコピペはNG」みたいな驚きの説明に出会って悶絶したばかりなのでw
端的にまとめれば、次のようになるだろうか。
オウンドメディア(昔でいう企業ブログ)の価値の1つとして「自分の知見や経験を再現可能なノウハウとして一般化して公開できること」がある
こうすることで、情報発信する人が知名度や信用を得たり、発信者のところに情報が集まったりする
PVやリード獲得などをKPIにしてしまうと、こうした成果は得づらい
SEO的な「検索数の多いキーワードで上位すること」を意識しなくても、独自の知見や経験を発信していれば、その情報を必要としている人に届くものだ
ウェブでの情報発信によってその業界で権威と認められているコンテンツクリエイターは、「検索ボリュームが多いキーワードをいちいちリサーチして上位表示を目指す」ような動きばかりしていることはないように思う。アクセス数は意識しているとしても、それを最終目的にはしていないだろう。
純粋に自身の知見や経験を読者と共有したい想いでコンテンツを公開している人が、結局のところ存在感と信頼感を得られるのだ。
「紋切り型SEO向け構成の記事」や「生成AIが作った無難なコンテンツ」が増えていけばいくほど、住氏の言うような情報発信はさらに価値を増していくのかもしれない。
- すべてのWeb担当者 必見!
グーグル検索SEO情報①
301リダイレクトを逆にしたらSEOに悪影響が出るのか?
最終的に何がしたいのかを明確にする (Reddit) 海外情報
Reddit(レディット)のSEO掲示板に、こんな質問があった:
2週間前に数件のページを新しいURLに301リダイレクトしました。
でも元のURLに戻そうと思っています。
もし、リダイレクトを逆にして、新しいURLを以前のURLに301リダイレクトしたら、悪い影響が出るでしょうか?
何らかの事情があって、URLを元の状態に戻したいようだ。次のような状況を試みようとしている:
- 昔: 旧URL
- 2週間前: 旧URL →301リダイレクト→ 新URL
- 今後: 新URL →301リダイレクト→ 旧URL
実行したら検索に悪い影響が出るのではないかと質問者は心配している。
グーグルのジョン・ミューラー氏がコメントを残した:
長期的に何がしたいのかを考えて、直接それを実現することを勧める。リダイレクトを元に戻す(削除または反転させる)人は実際にいるが、そのせいで世界が終わることはない(そうしても問題はない)。
だが、安定した状態を保てば、あらゆることがずっと簡単になる。つまり、戻したいならリダイレクトを変えてもいいが、1週間後にまた変えるのはやめておくほうがいい(頻繁にそうした変更を加えるのは良くない)。
思い付きで方針をころころ変えるのではなく、最終的に何がしたいのかを明確にしたうえで、それを実現するやり方を選ぶよう、ミューラー氏は諭している。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
在庫切れの数百万ページは404? それとも301?
状況に合わせてどちらでも構わない (Google SEO office-hours) 海外情報
2023年7月の英語版オフィスアワーで次の質問が取り上げられた:
ECサイトで在庫切れになった商品の数百万ページを処理する場合、次のどちらのほうが問題を起こしにくいですか?
- 404エラーページを返す
- トップのカテゴリページに301リダイレクトする
グーグルのゲイリー・イリース氏は次のように答えた:
404のステータスコードは完全に無害だ。301も同様に無害だ。自分の状況に照らして。どちらが適切かを判断する必要がある。
数百万ページが対象になるということで、質問者は不安を抱いたのだろう。結論としては、404でも301でもどちらでも構わないということになる。
存在しないページが404を返すのは、ウェブの標準仕様に従った適切な処置だ。クロールやインデックス、ランキングに悪影響を及ぼすことはない。
301も数が多いからといって悪影響が発生することはない。しかしこのケースでは、おそらくソフト404としてグーグルには処理されのではないだろうか。リダイレクト元とリダイレクト先のページが内容的に一致していないからだ。もっとも、ソフト404もそれだけで問題になることはない(であれば、素直に本来の404を返せばいいとも言える)。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
CWVの新指標INPが悪いサイトにグーグルが警告メールを送信
コアウェブバイタルへの採用に先駆けて改善を (FG on Twitter) 国内情報
コアウェブバイタルの新しい指標として、INPを採用してFIDを廃止することをグーグルは決定している。置き換えは2024年3月の予定だ。
これに先立ち、Search Consoleの「ウェブに関する主な指標」レポートにINPが加わった。約1か月前からのINPの状況をSearch Consoleで確認できる。
INPの改善が必要な場合には「お客様のサイトで検出された Core Web Vitals の INP の問題」という件名の通知メールが送られてくる場合がある。
お客様のサイトで検出された Core Web Vitals の INP の問題 pic.twitter.com/CubJC3uXAK
— FG🐡 (@fuguti) July 13, 2023
通知を受け取ったからといって、直ちにランキングに悪影響が出るわけではない。それでも、ユーザー体験向上の取り組みの一環として改善に取り組むのは悪いことではない。
改めてコアウェブバイタルのINPとはどんな指標なのかを把握し、対策を検討していこう。
- UX改善がんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
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