学びを効率化する「ラーニングピラミッド」を使って、「リスキリング(学び直し)」にチャレンジ中
みなさん、こんにちは。村石怜菜です。
皆さんは仕事に関連して何か勉強していることはありますか?
世間では、「アンラーニング(unlearning)」や「リスキリング(Reskilling:学び直し)」などの言葉をよく耳にしますよね。かくいう私も2つの軸で勉強中です。この勉強がアンラーニングやリスキリングに該当するかは定かではありませんが、今後、将来時間がもっと取れるようになったら、大学院で学んでみたいなと漠然と考えています。
4月12日には、政府が労働市場改革の指針案をまとめたというニュースがあり、労働市場の「三位一体」改革の一つとして、「リスキリングによる能力向上支援」が挙げられていました。6月までには指針が策定されるようです(このコラム掲載時には、発表されているかもしれません)。学び直しをしたいけど、仕事のこと、お金や時間のことなど、悩みが多い働き盛りの30~40代にとって朗報になることを祈っています。
ということで、今回は「勉強の仕方」について書きます。
興味がないのに学ばなければいけない分野もある
私は常日頃から「人はなぜものを買うのか」「このサービスはなぜこのようなUX設計になっているのか」などを考えています。また、私は仕事柄、お金にまつわることを考える必要があるので、さまざまな金融サービスを調べます。
たとえば、キャッシュレス決済サービスやクレジットカード、証券会社、銀行といったさまざまなサービスの強み/弱みや利便性、アプリのUI/UXを調べるのが好きです。
余談ですが最近、私の中でアツいのはメガバンクのDX化の勢いと、「みんなの銀行」を筆頭とするデジタルネイティブ世代をターゲットにしたデジタルバンクの出現です。そのため、必然的に自分が好んで読む本は行動経済学やUXリサーチや設計についての本になってしまいます。
しかし、その知識だけで仕事が完結するわけでも、質やレベルが上がるわけでもありません。哀しいかな(?)、仕事をするにはたくさんの知識が必要になってきます。私でいうとITの基礎知識はもちろんのこと、金融に関係する法律(たくさんある上に難しい)、マーケティングに関連する知識、特に景品表示法などの法律や自社サービスの規約なども頭に入れておく必要があります。
学習定着率が高い手段とは? ラーニングピラミッドから学習戦略を立てる
冒頭でも記した通り、私も目下勉強中です。一つは英語、もう一つはIT領域です。
私が勤める会社ではグローバルな人材を採用しているため、日本語非母語話者が多く、英語でコミュニケーションをとっています。今後はより効率的に英語でコミュニケーションできるようになりたい、と継続して学んでいます。英語はオンライン英会話とテキストブックを活用していますが、何より効果的なのは同僚とランチやお茶をすることです。
IT領域に関しては、基礎的な知識から体系的に学び直し中です。私は大学で情報工学、電気工学、電子工学といった学問を専攻しなかったため、実務もしくは会社での研修で学んだだけで、体系的な学習経験がないからです(プログラミングなどは会社の制度を利用して学ばせてもらうなどしましたが)。
問題は、私のモチベーションです。全体のスケジュールから一日の学習時間にまで落とし込んで取り組んでいますが、やはり興味関心が低い分野は勉強効率も落ち、モチベーションの維持も困難です。仕事柄、プロジェクトマネジメント的側面は好きなのですが…。
最初は書籍から着手しましたが、1日ももちませんでした。「これではだめだ! 時間効率が良い勉強方法とはなんだろう?」と思いを巡らした結果、「ああ! ラーニングピラミッドがあるではないか!」と気付き、動画学習サービス「Udemy」(https://www.udemy.com/)で勉強することにしました。
ビジネスゲーム企業研修「マーケティングタウン」で出会ったラーニングピラミッド
皆さんは「ラーニングピラミッド」という言葉を聞いたことはありますか? ラーニングピラミッドとは、学習内容の定着度合いが学習手法によってどのように変化するかをピラミッドで示したものです。ピラミッドの上から下にいくほど学習定着率が増加します。
なぜ私がラーニングピラミッドの効能を知っているかというと、「マーケティングタウン」での副業がきっかけでした。「マーケティングタウン」は一言でいうと「“経営視点”を“体感”で学ぶビジネスゲーム企業研修」です。
見た目はボードゲームですが、マーケティングやビジネスを執り行う上で必要な基礎知識や戦略を、ゲームをプレイしながら学んでいくことができます。プレイヤーは経営者として仮想の街の中で自社を成長・拡大させなければいけません。プレイヤーは自分のターンがきたら、広告・仕入・販売・資金調達といった選択肢の中からアクションを選びます。
研修と侮るなかれ、一度プレイすると「勝ちたい」という欲望が湧き、自然と自身のなかでPDCAを繰り返し、戦略を練り始めてしまう中毒性のある研修です。
さて今回私が受講したUdemyのコースの定着率はどのくらいでしょうか?
マーケティングタウンでは、アメリカ National Training LaboratoriesによるThe Learning Pyramidを活用していました。最上位から、各学習方法による平均学習定着率は「講義5%」「読書10%」「視聴覚20%」「デモンストレーション30%」「グループ討議50%」「自ら体験する75%」「他の人に教える90%」となっています。
これをもとに私の受講したコースの学習定着率を考えてみると、Udemy自体は動画を視聴しますので、ラーニングピラミッドによると「視聴覚」の平均学習定着率は20%。私が最初に取り掛かった「読書」が10%なので、比較して10ポイントの差があります。
またさらに、私の受講コースは、データフローをアニメーションで可視化したり、受け入れテストの手法の違いごとを実際のプログラミング画面でデモンストレーションしたりしてくれています。ということで、「デモンストレーション」も含むとなると、平均学習定着率はなんと30%。この「デモンストレーション」こそが今回実に有益だと感じました。
本だと読み解き、整理し、理解するというステップが必要ですが、デモンストレーションがあると一足飛びで理解できるからです。必死にテキストにかじりついていないで、ラーニングピラミッドの存在を思い出して良かった! Udemyのおかげでその分野の楽しさも理解し始め、問題集を解くのも楽しめるようになりました。
学習に要する時間も半分以下になったような気がします。数年前に同じ領域の勉強にチャレンジしたのですが、その際は1章終わるのに1週間ほどかかり挫折しましたが、今回は順調に終わりそうです。
勉強する際にはラーニングピラミッドを思い出して
新聞やネットのニュース、本やSNSなどで、「日本の終身雇用制度は崩壊する」「ジョブ型雇用へ変わる」「テクノロジーの進化で残る職業とは」といったさまざまな予測・論調を見ない日はないでしょう。「アンラーニング」や「リスキリング」といっても、自分を変化させることの大切さは昔から語られてきたもの。
そして今はYouTubeやブログ、ポッドキャスト、もくもく会など無料でも有益な情報源や機会がたくさんあります。失敗しても昔より傷は浅く済む場合の方が多いのではないのかなと思います。ラーニングピラミッドを思い出しつつ、新たなことに挑戦してみてはいかがでしょうか。勉強の成果をここでご報告できるように私も頑張ります!
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