国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
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Z世代はめっちゃ検索してる! 「若者は検索エンジンを使わない」は偏見だった!?【SEO情報まとめ】

「日本のZ世代は検索エンジンを使わない、SEO嫌いだから」「ソーシャルの検索やタグしか使っていない」というのは事実ではなかった、それどころか、Z世代は30代よりも検索エンジンを使いまくっているらしい

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「日本のZ世代は検索エンジンを使わない、SEO嫌いだから」「ソーシャルの検索やタグしか使っていない」というのは事実ではなかった、それどころか、Z世代は30代よりも検索エンジンを使いまくっている。そんな調査データがあった。

一部の言説にまどわされず、正しくユーザーを把握してマーケティングを行えるようになりたいものだ ―― SEOに限らず。

さらに今回は要注目記事がもう1つ。「グーグル検索が、IE 11の公式サポートを終了した」という話題だ。

もしまだあなたの担当するサイトがIE 11を正式にサポートしていて、デザインや開発で涙を流しているのならば、ぜひチェックしてほしい。

ほかにも、コンテンツマーケ、CWV改善、ECのSEOや、技術的な話題など、あなたのSEO力を底上げするのに役立つ情報を、今週もまとめてお届けする。

  • アクセスほぼゼロのサイトにコンテンツを追加しても意味なし
  • リクルートサイトのCWV改善事例
  • ECサイトのウェブ担当者が大喜び!? ECサイト専用のSEOをグーグルが公開
  • URLの大文字と小文字を検索エンジンは区別するのか?
  • 著名な医師と一般的な医者の監修でE-A-Tに差が出るのか?
  • サイトの統合は少しずつ? それとも一気に?
  • 今さら聞けないPWA
  • 9月のオフィスアワー: リダイレクト、MFI、インデックスされない問題など
  • MUMとGoogleレンズを連携した革新的な検索機能👕🌺🧦をGoogleが導入予定
  • MUMを使って関連トピックを提供する3つの新機能がGoogle検索に導入

今週のピックアップ

Z世代はめっちゃ検索してる! 「若者は検索エンジンを使わない」は偏見だった!?
むしろ検索数は増えているという事実 (生活総研) 国内情報

現代の若者は、検索エンジン離れが進んでいる。

  • SEOで検索結果が操作されている(から正しい情報が手に入らない)
  • SNSのハッシュタグで調べれば間に合う

だから検索エンジンを使わない。

こんなまことしやかな若者の検索行動の話を聞いたことが一度はあるはずだ。

果たして事実なのだろうか?

博報堂生活総合研究所が、ヴァリューズが保有するスマホの利用ログをもとに独自の手法で分析した。すると、「若者は検索エンジンで検索しない」は必ずしも事実とは言えない結果が出たそうだ。

まず、20代のブラウザ検索回数が増えていることがデータから見えてきた。2016年と2020年の、ブラウザでの1か月の検索数平均は次のようだった。

  • 2016年: 約30回
  • 2020年: 約40回

30代や40代よりも、20代のほうがブラウザによる検索を多く行っている(しかも2016年時点から)ことがわかる。

さらに、若者特有の興味深い行動が明らかになった。

  • 20代の約2人に1人は、ブラウザ検索をしているときに、同時にTwitter、Instagramも使っている
  • 約4人に1人は、ブラウザ検索と同時にLINE, YouTubeを使っている

どうやら、SNSで出会った言葉を即座に検索で調べているようだ。そしてまたSNSに戻る。つまり、SNSの利用頻度の増加が検索エンジンの利用頻度の増加にもつながっているらしいのだ。

こうした行動データがあれば、

若者は検索エンジンを使わない傾向があるので、SEOよりもソーシャルメディアマーケティングに舵を切るべき

なんて主張を聞いても、「そんな考えもあるよね」くらいに軽く受け流せるようになるだろう。

もちろん、時代の変化に合わせてソーシャルメディアも上手に使ってマーケティングしていくことはもちろん重要なことだ。そもそもの話で言えば「SEO」「SNS」などのメディアだけで考えるのではなく、「ユーザー」のカスタマージャーニーをもとにマーケティングを考えられるようになっていきたいものだ。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

グーグル検索がIE 11のサポートを終了
あなたのサイトもそろそろ打ち切るタイミングかも (Malte Ubl on Twitter) 海外情報

グーグル検索でのInternet Explorer 11(IE 11)のサポートを終了した

グーグルのソフトウェアエンジニアであるマルテ・ウブル氏がツイッターでアナウンスした。いつからか時期は明確にはしていないし、あくまでも個人のツイッターアカウントからの投稿であり、グーグルとしての公式な発表はまだ確認できていない(9to5Googleでは「グーグルに確認した」と記載している)。

ただし「IE 11ではグーグル検索をまったく利用できなくなった」わけではない。「モダンブラウザと同等の体験をIE 11にも提供するのではなく、場合によっては代替の機能・体験を提供する」という形だ。

マイクロソフト自身は、IE 11のサポートを2022年6月15日に終了することを表明している。加えて、多くのサイトがすでにIE 11をサポートしなくなっている。もしくは非推奨にしている。一例を挙げる。

B2Cのサービスならば、すでにIE 11でアクセスしてくるユーザーはかなり少ないはずだ。サポートを終えても大きな問題は発生しないだろう(グーグルもこれが理由でサポートを終えたとのこと)。

IE 11のサポートために余分なコストが発生していたり使いたい機能が使えなかったりしているなら、打ち切るタイミングだとみなしていいのではないだろうか。アクセス解析ツールでIE 11の訪問数を調べてみるといい。

そして「いやいや、今でもIEを使っている企業ユーザー向けにサポートは切れないよ」という上司には、この記事を見せながら、

  • グーグル検索もサポートを終了した。ほかにもこんな企業が同じ判断をしている
  • 表示が少し違ったり補足的な機能が使えなかったりしても問題ないならば、公式サポート終了でいいのではないだろうか

と説明し、さらに「IEでこのサイトにアクセスしようとした場合、そのPCでEdgeを利用できるのならば、自動的にEdgeでサイトを開く」ように指示する「IE互換性リスト」に自分のサイトを登録してもらうのも良いだろう。

★★★☆☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

グーグル検索SEO情報

アクセスほぼゼロのサイトにコンテンツを追加しても意味なし
根本的な原因を解消することが重要 (John Mueller on Twitter) 海外情報

過去に作ったコンテンツにほぼアクセスがないなら、「がんばって新しいコンテンツを作ればSEOに成功する」と考えるのは、おかしなアプローチじゃないだろうか。

米国のSEOコンサルタントのリリー・レイ氏がこんな持論をツイッターに投稿した。

SEOをがんばっている人にとっては、もしかしたら耳が痛い言葉かもしれない。しかし、ある意味では究極の正論ではある。

しかしそうなると、こう聞きたくなるだろう:

わかってはいるんだよ、でも、どうしたらいいのさ?

そんな風に尋ねるコメントに対して、レイ氏ではなくグーグルのジョン・ミューラー氏が反応した。

  1. まず問題を特定することが先決だ。

  2. それからその問題を解決する。

すべてのサイトに効果があるシンプルな解決策があるとは思わない。同じことをもっと繰り返せば違った結果が出るだろうと単に期待するのは、やや非戦略的に思える。

ユーザーに支持されないコンテンツを作り続けても、そのコンテンツを検索エンジンが高く評価する可能性は低い、そう考えるのが順当だろう。

ラーメン店にたとえてみると、こんな状況だろうか:

客が来ないラーメン店がある。

実際のところ、スープも麺もチャーシューもおいしくない。繁昌しなくても何の不思議もない。

しかし店主は、スープや麺のことは放置して「トッピングを変えたり、見た目を変えたりすれば、客が来てくれるはずだ」「新メニューだ!」とがんばっている。

こんなやり方では、ラーメンが劇的においしく生まれ変わることはないだろう――そもそものベースがまずいのだから。まず地域の客層を把握し、客層に合った方向性でスープや麺という根本の部分を改善しなければならない(突飛な新メニューならば物珍しさで話題にはなるかもしれないが)。

SEOにおいても、うまくいっていないことには何か根本的な原因がある。その原因を見付けて改善することが重要だ(もちろん簡単なことではないが)。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

リクルートサイトのCWV改善事例
大規模サイトならではの問題点と基本的な最適化漏れ (リクルート メンバーズブログ) 国内情報

リクルートのエンジニア、古川氏がリクルートグループのウェブサイトにおけるコア ウェブ バイタル改善の事例を共有した。次の3サイトに関して、具体的な分析から改善までの動きを解説している:

  • ホットペッパービューティーコスメ
  • ホットペッパービューティー
  • TOWNWORK

分析の結果、コア ウェブ バイタルを悪くする次のような問題点を発見し、改善していったのだという:

  • 最新の画像フォーマットを使っていない
  • 画像の読み込みに時間がかかる
  • Web Fontをダウンロードしている
  • サーバサイド(CDN)からレスポンスに時間がかかっている
  • サードパーティサイトへのリクエストが多い
  • キャッシュが効いていない
  • CSSを@import経由で読み込んでいる

大規模サイトならではの問題が浮かび上がっている一方で、画像のフォーマットやCSSでの@import利用などシンプルな最適化が徹底されていなかったことが意外に思えた。サイト規模の大小にかかわらず基本的な最適化を確実に実行することがまず重要だ。

改善事例の具体的な内容は元記事を参照してほしい。大規模サイトでの具体的なデータを示した事例は非常にありがたい。ブログ記事で共有してくれたことに感謝したい。

★★★★☆
  • CWV改善がんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
  • 技術がわかる人に伝えましょう

ECサイトのウェブ担当者が大喜び!? ECサイト専用のSEOをグーグルが公開
売上アップに役立てよう (グーグル 検索セントラル) 国内情報

グーグル検索でのEコマースに関するおすすめのSEO情報を、グーグルが検索セントラルの上級者向けSEOカテゴリで公開した。

次の内容を含んでいる:

ECサイトには特有のSEO施策もある。ECサイトのウェブ担当者は熟読しよう。

★★★★★
  • すべてのECサイトのWeb担当者 必見!
用語集
CSS / HTML / PageRank / SEO / SNS / robots.txt / アクセス解析 / インデックス / キャッシュ / クロール / ソーシャルメディア / ダウンロード / ドメイン名 / ナビゲーション / リンク / 検索エンジン / 構造化データ / 被リンク / 訪問

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