Chromeがhttps/http混在コンテンツの扱いをどんどん変えていく予定
Web担当者に役立つ最新情報
Chromeがhttps/http混在コンテンツの扱いをどんどん変えていく予定
Googlebotのインデックスにも影響しそう (Google Developers Japan) 国内情報
あなたのサイトで、ページは https:
で配信されているのに、画像やJavaScriptなどのリソースが http:
で配信されている部分があるならば、少し注意したほうがいい。そうしたコンテンツがChromeでどう表示されるかが、今後どんどん変わっていく予定だからだ。
先に述べたような https:
ページ内に http:
リソースが含まれる状況を「混在コンテンツ」と呼ぶ(英語では“Mixed Content”)。
混在コンテンツが発生している状態では、セキュリティ面でリスクがある。HTML 自体がHTTPSで配信されていたとしても、画像やスクリプトが非HTTPSで読み込まれていたら、本来の内容から改ざんされている危険があるからだ(そして改ざんされたスクリプトを動かせられればHTMLの内容も自由に改ざんできる)。
そうした状況でWeb全体の安全性を高めるために、Chromeブラウザで混在コンテンツの扱いを段階的に厳しくしていくことをグーグルが発表した。次のような内容だ(いずれも混在コンテンツ状態にある場合の処理、Chromeのリリース予定は確定したスケジュールではない)。
現在(Chrome 78)
そのまま表示 | ブロック | |
---|---|---|
スクリプト | ● | |
iframe | ● | |
動画 | ●※1 | |
音声 | ●※1 | |
画像 | ●※1 |
第1段階(Chrome 80、2020年2月リリース予定)
そのまま表示 | 自動https化 | ブロック | |
---|---|---|---|
スクリプト | ● | ||
iframe | ● | ||
動画 | ●※1 | ||
音声 | ●※1 | ||
画像 | ●※2 |
第2段階(Chrome 81、2020年4月以降リリース予定か)
そのまま表示 | 自動https化 | ブロック | |
---|---|---|---|
スクリプト | ● | ||
iframe | ● | ||
動画 | ●※1 | ||
音声 | ●※1 | ||
画像 | ●※1 |
今まで読み込んでいた混在コンテンツをすぐさま一律にブロックしてしまうと、それまで見ることができていたページが見られなくなってしまう。影響が大きいことも予想されるため、段階的に進められる。しかも、http:
の混在コンテンツは Chrome が自動的に https:
で取得できないか試行するという親切具合だ。
混在コンテンツがサイト内にゼロの状態になっていることを確実にしておこう。「ページをHTTPS対応すればそれで終わり」ではない。
さて、ここまでで解説したのは、Chromeブラウザの混在コンテンツに対するセキュリティ強化だ。
しかしこの変更は、Googlebotにも影響しそうだ。なぜなら、Googlebotはレンダリングエンジンに最新のChromeを使うようになっているからだ。
Chromeが読み込まない混在コンテンツは、どうやらGooglebotも読み込まなくなりそうなのだ。つまり混在コンテンツはセキュリティを損なうだけではなく、検索にも悪い影響を及ぼす可能性がある。混在コンテンツの画像はインデックスされなくなるかもしれない。
実際に現時点でもGooglebotは、混在コンテンツのJavaScriptを読み込んでいないようだ。そのため、そうした状態のJavaScriptで生成しているコンテンツはインデックスされていないと考えるほうが自然だ。
検索の観点からも混在コンテンツはなくさなければならない。
デベロッパーサイトの混在コンテンツに関するドキュメントに目を通しておいてほしい。
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Search Consoleに「動画」のレポートが登場
動画コンテンツを公開しているならチェック (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ) 国内情報
Search Consoleに新しいレポートが追加された。動画の検索結果に関する次の2つの機能だ:
- 動画関連リッチリザルトのレポート
- [検索での見え方]フィルタでの「動画」項目
1つ目は、左のメニューで[拡張]グループに追加されたレポートだ。
動画コンテンツを動画の構造化データでマークアップしていると、その状態を拡張レポートで確認できる。
検索結果に動画がどれぐらい表示されてどれぐらいクリックされたかは、検索パフォーマンスおよびDiscoverパフォーマンスのレポートの「検索での見え方」フィルタで絞り込める。
動画のコンテンツをサイトで公開しているウェブ担当者にとって便利な機能になるだろう。
- 動画コンテンツを公開しているすべてのWeb担当者 必見!
Search Consoleでインターナショナルターゲティングを指定しても、それ以外の国からのアクセスをブロックしない
関連性をグーグルに伝えるだけ (John Mueller on Twitter) 海外情報
Search Console の「インターナショナルターゲティング」機能を使うと、サイトを特定の国に関連づけるようグーグルに伝えられる。たとえば、オーストラリアで営業しているレストランのサイトが「このサイトはオーストラリア向け」とSearch Consoleで設定しておけば、グーグルは正しくオーストラリア向けのサイトだと認識し、同じ英語圏でも米国や英国の検索結果には表示されづらくなる。
ただし、インターナショナルターゲティング機能は、設定した国以外の国での検索結果に出ることを完全にブロックするものではない。あくまでも関連性を示すに過ぎない。クエリとの関連性が高いとグーグルが判断すれば、指定外の国の検索結果に出ることもある。
Geotargeting doesn't restrict a site to only be shown in that location.
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) November 12, 2019
インターナショナルターゲティングは、日本語でサイト運営している限りはほとんどお世話になることがない機能ではある。だが、英語やスペイン語にように複数の国で使われている言語でサイト運営しているなら、その機能を知ったうえで、本当に使う必要があるかどうかを判断してほしい。
なお、インターナショナルターゲティング機能は新しいSearch Consoleにはまだ移行されていない(移行されるかどうかも不明)。だが、新Search Consoleの「以前のツールとレポート」メニューからアクセスできる。
余談だが、このツールのURLは次のようなものだ。
https://www.google.com/webmasters/tools/i18n
このURLの最後にある「i18n」は「internationalization」を意味する。最初の「i」と最後の「n」の間に18文字あることからこの表記になっている。豆知識として知っておくといいだろう。
- 多地域サイトを運営するすべてのWeb担当者 必見!
AMP for Emailでメールも動的でインタラクティブに
トラベルサイトの成功事例 (Google Developers Japan) 国内情報
「AMP for Email」という手法がある。「ダイナミック メール」とも呼ばれ、メール内で動的でインタラクティブな機能を実現するものだ。HTMLメールとは異なり、メール表示時に内容を更新したり、ユーザーが操作してフォームを送信したりということも、メール内で可能だ。セキュリティにも優れている。
AMP for Emailの名前が示すとおり、AMPのテクノロジーを使ってメールコンテンツを表現する仕組みだ(AMPはもはやモバイルページの高速化のためだけの仕組みではないのだ)。
さて、そのAMP for Emailの成功事例をグーグルの開発者向けブログが公開した。Goibibo(日本語読みでは「ゴイビボ」か?)の事例だ。Goibiboはインドを拠点とする、フライトやホテルなど旅行関連サービスの予約や手配をするトラベルサイトだ。
ホテルのレビューを促すメールにAMP for EmailをGoibiboは利用したところ、開封率は 14%で良好な結果を残したとのことである。
参照先の記事には、AMP for Emailを導入するまでの一連のフローにも言及している。ウェブマーケティングとメールマーケティングを連動させているなら参考になるだろう。
- SEOだけじゃなくメールマーケティングもがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- 技術がわかる人に伝えましょう
11月のオフィスアワー ―― 重複コンテンツになりやすいコンテンツや信頼性を高める方法、品質評価ガイドラインの使われ方など
質問は随時受付中 (ウェブマスター オフィスアワー) 国内情報
11月のオフィスアワーが開催された。今回、金谷氏とあんな氏が取り上げた質問は次のとおりだ。
- 混合コンテンツブロックに対する SEO 的影響
- Chrome のセキュリティ強化は Googlebot にも影響
- 重複コンテンツと扱われやすいサイト
- インデックス内容が突然 SP 版になった
- 信頼性を高める方法を教えて下さい
- クローキングスパムへの対処法
- リンク先がハッキングされた場合の措置
- セールスコンテンツに FAQ 構造化データ
- 別々の URL から RWD へ移行するときのリダイレクトの種類
- サイトマップのクロスサイト送信
- ページがインデックスされない
- URL 検査ツールでインデックス認識されない
- 品質評価ガイドラインの使用用途
録画を埋め込んでおくので、まだであれば視聴しておこう。
なお、オフィスアワーでの質問は次回開催日時の発表前でも随時受け付けている。疑問に思ったことや困ったことがあれば、質問フォームから投稿しておくといい。
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掲載記事からピックアップ
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グーグル社員によるセッションのレポート記事。
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