ページ表示を高速化したらモバイル売上が80%アップした事例 などSEO記事まとめ10+2本
ページ表示を高速化したら、直帰率↓・閲覧PV数↑・滞在時間↑に加えて、モバイルからの売上が80%増加した事例が、今週のピックアップだ。
ほかにも、ヤフーの全面常時HTTPS化、スマホ版GooglebotのUA名変更、レビューをグーグルでたくさん集める方法などなど、SEO関連の情報をまとめてお届けする。
- 今週のピックアップ
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ページ表示を高速化したらモバイル売上が80%アップした事例
AMP開発者が教えてくれた成功事例 (The Wall Street Journal)
- 直帰率31%減少
- 1訪問あたりのページ閲覧数5.3%増加
- 滞在時間が19%増加
- 売上が80%増加
Webページ表示速度の改善によって、サイトのパフォーマンスとビジネス成果が、上記のように実際に伸びた成功事例がある。
グーグル日本でAMPの開発にたずさわっているダンカン・ライト氏が、ツイッター経由で教えてくれたものだ。
米Vox Media(ヴォックス・メディア)は約1年前に、パフォーマンス改善に集中して取り組むことにした。余分なコードをサイトから徹底的に削除したそうだ。
その結果、次のような高速化を実現できた。
ページ表示時間を54%短縮(2016年1月時点、2015年4月比)
とはいえ、高速化そのものが最終的な目的ではない。高速化によって何を得られたかが重要だ。同社では、次のような成果を得たとのことである。
- 食べものや食事をテーマにしたEaterでは直帰率が31%減少
- 一方、1訪問あたりのページ閲覧数が5.3%増加
- Vox Mediaが運営するサイト全体では、滞在時間が19%増加
- モバイルでの売上が80%増加
表示速度の改善がもたらした成功事例は枚挙にいとまがないが、あらためて思い知らされたと言っていいだろう。
ライト氏が従事しているAMPもまさしく高速化のためのプロジェクトだが、AMPに限らずに、パフォーマンス改善には最優先で取り組みたい。得られる成果はきっと大きいに違いない。
日本語で読めるSEO/SEM情報
ヤフー、全サービスを完全にHTTPS化することを決定
まさしく時代の流れ (Yahoo! JAPAN)
ヤフーは、2016年4月から2017年3月にかけて、運営するすべてのサービスを常時HTTPS(SSL)化することをアナウンスした。
ヤフーは検索サービスのHTTPS化を2015年8月から始めていたが、今後は、ヤフーのトップページやYahoo!ニュースも含めて全サービスがHTTPSになる。
驚くことではなく、まさしく時代の流れを反映している。
気がかりな点があるとすれば、次の注意事項だろうか。
今後、Yahoo! JAPAN(HTTPS)から外部サイト(HTTP)にページ遷移する場合、原則、HTTP Referer(リファラ)は送出されなくなります(※1)。
そのため、HTTP Refererを利用してYahoo! JAPANからサイトへの流入量を計測することはできなくなりますので、ご注意ください。
ヤフーのサイトからの参照アクセスがあっても、あなたのサイトが非HTTPSならば、アクセス解析ツールに情報として表示されなくなる。HTTPS→HTTPの移動ではリファラが送られないからだ。
HTTPS→HTTPSの移動ならばリファラは送られる。ヤフー関連のサイトからのアクセスが多いのならば、あなたのサイトもHTTPS化を検討するといいかもしれない。
3月版オフィスアワー開催、類似コンテンツの扱い・動画のリッチスニペット表示など質が高いQ&Aが満載
田中さん、お疲れさまでした (ウェブマスター オフィスアワー)
グーグルの社員がウェブマスターの質問に答える「ウェブマスター向けオフィスアワー」3月版が開催された。
グーグルの金谷氏と長山氏の2人が今回答えたのは、次の質問だ。
- 日本語版ウェブマスターブログのドメインとHTTPSの移行の時期
- 類似コンテンツの扱い
- HTTPS移行後のクロールの統計情報
- 地域による掲載順位の違い
- スマホサイトとPCサイト間のリンクの影響
- リライトの結果不要となったページの扱い
- 画像しかないページのベストプラクティス
- グーグル検索における「metaタグ+schema.org」
- 検索結果での動画のリッチスニペット表示
- 検索結果の日付情報
- 2種類のAMPの表示の違い
- Search ConsoleのAMPページの認識
筆者も勉強になる質が高いQ&Aが多かった。まだ視聴していない人のために、YouTubeに公開された録画を掲載しておく。
なお、金谷氏と長山氏とともにオフィスアワーでおなじみだった田中氏が、異動にともないサーチクオリティチームを離れることが、このオフィスアワーで発表された。これまでの情報提供に感謝したい。
グーグルにバレないリンクプログラムなど存在しない
いずれは必ず対策される (辻正浩 on ツイッター)
グーグルは、不自然なリンクを生み出す「リンクプログラム」を片っ端から無効化している。具体的には、そのリンクプログラムに属するページからのリンクは評価しないように内部的に処理をしているのだ。
そうした動きがあることをふまえて「うちのリンクはグーグルにばれない」「問題のないリンクだ」としてリンクを販売している業者が未だあるようだが、それは極論すると「嘘」「詐欺」だと考えてもいいようだ。
2016年4月2日に甲府市で開催された「Googleノウハウ 2016」で、グーグルの金谷氏がライブQ&Aを行った。
その際にリンクプログラムについての金谷氏の発言を、辻正浩氏がツイートしていたので紹介する。
※ツイート中の「2月のリンクプログラム制裁」はこちらの出来事のことだと思われる
2月のリンクプログラム制裁の件「皆さんが思っているよりも大きなリンクプログラム」との言及が。あー、あー、あー #wly_g
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2016年4月2日
金谷さん「今のアルゴリズムに対応したリンク」という営業をする会社もいると聞いているがそういうのはありえない」 #wly_g
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2016年4月2日
某SEO会社が「うちのリンクは絶対にバレませんので御社のような上場企業には最適です!」とか営業をしている話を聞いたので、調べて対策キーワードをリストアップして順位取り始めたら翌月には全部叩き落とされてたりしたなあw
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2016年4月2日
一切効かない、ということではないのは確かですけど、大規模にやっているSEO会社のリンクはまずいのが増えましたねえ……
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2016年4月2日
グーグルに絶対に対策されないリンクプログラムなど存在しないし、効果があったとしてもそれは一時的なものにすぎない。いずれは必ず対策される。
Web担の読者は、甘い言葉にそそのかされて有料リンクや怪しいリンクプログラムに手を出すことのないように、これからも注意してほしい。
「グーグルが存在しなくても、それは自社の顧客に価値をもたらすか」を自分に問えば、ほとんどの場合は、不正なリンクに手を出さずに済むはずだ。
グーグル、スマートフォン用Googlebotのユーザーエージェントを間もなく更新
ほとんどのサイトでは対応不要 (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)
グーグルは、スマートフォン用Googlebotのユーザーエージェント(User-Agent、UA)名を変更することをアナウンスした。4月18日以降は、新しいUAでのユーザーエージェントがアクセスし始めるだろう。
これまでのスマートフォン用GooglebotのUAは次のようであった。
Mozilla/5.0 (iPhone; CPU iPhone OS 8_3 like Mac OS X) AppleWebKit/600.1.4 (KHTML, like Gecko) Version/8.0 Mobile/12F70 Safari/600.1.4 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)
4月18日からは次のようになる。
Mozilla/5.0 (Linux; Android 6.0.1; Nexus 5X Build/MMB29P) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/41.0.2272.96 Mobile Safari/537.36 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)
UA名が変わっても、ほとんどのサイトで特別な対応は必要ないはずだ。グーグルは次のように予測している。
Google の評価によると、今回のユーザー エージェントの変更は 99% のサイトで影響がない見込みです。
もし“Googlebot”の文字列を指定して何らかの処理を実行しているなら、Fetch as Googleのレンダリングで今のうちに検証しておくといい。新しいUA名でクロールをテストできる。
ただし“Googlebot”を指定してページの表示を変えている場合、クローキングとしてみなされる可能性がある。状況によってはなんらかの対策が行われることもあるので注意が必要だ。
Googleアナリティクスに個々のユーザーの行動を自動で追跡する機能が登場
名称はユーザーエクスプローラー (カグア!Googleアナリティクス解説Blog)
Googleアナリティクスに、個々のユーザーがサイト内で「どのページを見て、次にどのページを見たか」の行動を追跡できる機能が追加された。名称を「ユーザーエクスプローラー」という。一部のアカウントで利用可能になっているようだ。
Googleアナリティクスが「ユニークユーザー」(実際には多くの場合はユニークブラウザの意味)の判定に使っている「クライアントID」という情報をもとに、ユーザーごとの行動を分析できるらしい。User-ID機能とは異なり、特別な設定が不要な点が使いやすい特徴だ。
ユーザーエクスプローラー公開の公式アナウンスは今のところないようだ。詳しい公式情報が入ればまた取り上げたい。
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筆者が独ミュンヘンで先日参加したSMX Munichでグーグル社員に聞いてきた質問とその回答をまとめた記事を2本、今週はピックアップ。
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