グーグル社員が力説する“SEOに成功する最大の秘訣” など10+4記事
SEO、さらにはモバイルでのSEOに成功するために最も大切なことは何だろうか。グーグルの社員が発した強いメッセージは、ぜひチェックしてほしい。
ほかにも、「更新を停止すると検索トラフィックは減るのか(事例)」「SEOの必要なユーザーコンテキスト理解」「スマホ対応で必要なこと」「1か月でサイトをモバイルフレンドリーにしよう」などなど、今週もSEOの情報をお届けする。
グーグル社員が力説するSEOに成功する最大の秘訣
「ユーザー体験」を高めること (SEO Garden)
イタリアのグーグルのウェブスパムチームで働いているルベルタ・レミジ氏が、インタビューを受けた。
テーマは、品質とユーザー体験だ。
「この手順に従えば、完璧なサイトを作ることができて、検索エンジンに対して最高のパフォーマンスを獲得し、ものすごいコンバージョン率を達成できる」と言って手渡せるような、“高品質なサイトを作るためのレシピ”があったらいいと思います。私の仕事は、ずっと簡単になるでしょう。
でも残念ながらそういったレシピは存在しません。
“質”というのは主としてユーザーによる体験によって決定される要因で、手順書にまとめることはできません。ウェブサイトはユーザーのために作るものであり、質というのは、ユーザーに気に入ってもらえる体験を提供できる力です。
必要とされることは時とともに変化します。でも今もっとも優先すべきなのは次のことです。
- 高品質なコンテンツ
- 信頼できるサイト
- 安全なサイト
- 速いサイト
- どんなデバイスでも目的の情報にたどり着きやすいサイト構造
質とはユーザーを満足させることです。残念なことに、ユーザーのことがますます忘れられるようになり、一方で訪問数やページビュー、クリックといった数字にますます目が向けられています。数字はたしかに重要でアクセス解析で計測できます。しかしクリックの数で必ずしも質を計測できるとは限りません。
こんな例があります。あるイベントで私は次のように参加者に頼みました。
スマートフォンで自分のサイトを表示させて、隣の人とスマートフォンを交換して見せ合ってください。
その場にいた全員がスマートフォンを持っているにもかかわらず、モバイル対応していないサイトがどんなに多かったことか。サイトに満足したユーザーはほんの少数でした。
意地悪なことを私はわざとやらせたのです。
同じことをやってみることを勧めます。自分のサイトを友だちに見せて満足するかどうか聞いてみてください。真のフィードバックを得られるし、想像とは違った行動をするかもしれません。
こうした生の声を聞いて初めて、クリック率や直帰率を理解しやすくなるのです。サイトでクリックしてどの経路でユーザーが進んでいくのかというところから考え始めなければなりません。
SEOでの成功とは、訪問者に「顧客」「クライアント」「会員」などになってもらうことです。「あなたが望むことを訪問者にやってもらうにはどうすればいいか」を考えることを、私は推奨します。
だれかが必勝法を教えてくれるのを待っていてはいけません。やってみて、失敗して、またやってみる。仲間と協力しましょう。グーグルの公式の最新情報を入手してガイドラインに従いましょう。
最終的に重要になるのはユーザーだということを忘れてはいけません。ユーザーのニーズを調べて理解し、かなえましょう。質問することや知らないことを怖がってはいけません。これは、ユーザーが私に教えてくれたことです。
とても複雑で進歩が速い世界に私たちは生きているのだからすべてを知ることは不可能です。
レミジ氏が言うことを端的にまとめると次のようになるだろう。
ユーザーを理解しユーザーに満足が行く体験を提供する。それが高品質に通じる。
ユーザー体験を向上させることをとにかく主眼してサイト運営に取り組もう。モバイル対応やHTTPS化もユーザー体験を高めるための1つの施策だ。ユーザー体験に優れたサイトをグーグルは上位表示しようとしている。
そして、そのためにはユーザーを理解することを怠ってはいけない。自分は顧客を理解していると思っている人でも、その本当の気持ちやニーズを把握していないというのは、よくあることだ。
極端な言い方をすれば、ユーザー理解なしにはUXもCXも向上させられず、結果としてSEOも大きく成功させることはできにくくなっているのだ。
日本語で読めるSEO/SEM情報
更新を1年8か月サボったサイトの検索トラフィックは減少したのか?
減らなかった (SEOのホワイトハットジャパン)
このコーナーで以前に何度も記事をピックアップしたことがある「SEOのホワイトハットジャパン」ブログさんが更新を再開した。実に約1年8か月ぶりだ。
この長期に渡る更新停止期間を利用して、更新が止まったサイトのアクセスが減るのかどうかを検証した記事が、更新再開後の初記事になる。
結果からいうと、検索エンジンからトラフィックに目立った減少は見られなかったそうだ。更新を停止したことで3割~4割ほど検索トラフィックが減少した時期もあったにはあったのだが、全体を通してみると、結果として更新停止の前後では極端な違いはなかったとのことだ。
記事では、次のように結論付けている。
一生懸命作ったコンテンツであったからこそ、更新を停止したことによりアクセスが下がったこともありましたが、アルゴリズムの影響で競合ページの検索順位や検索需要が下がった変動に巻き込まれなかったとさえ言えるでしょう。
実際、更新を停止したことにより、アクセスは下がったと思われますから、その後に発生したアルゴリズムの変動のお陰でアクセスを増やすことに成功したとも言えます。
以前にも同じように、それまで定期的に更新していたサイトの更新を止めると検索トラフィックが減るのかどうかを検証した記事をピックアップしたことがある。
その記事の執筆者さんは、次のように推測していた。
- ブログやニュースサイトのように更新性が関わるタイプのサイトでは、更新しなくなると評価が下がるようだ。
- 更新性がさほど問われないタイプのサイトでは、更新を止めても影響を受けないようだ。
今回ピックアップしたSEOのホワイトハットジャパンさんは、最新性や更新性が問われないコンテンツ記事を主に投稿していた。不変的なことを扱っているサイトで品質がしっかりしていれば、更新をストップしても、検索エンジンからのアクセスが極端に減ることはないのだろうか?
SEOに必須なのは検索ユーザーのコンテキスト理解
海外カンファレンスのセッションをヒントに (アユダンテ コラム)
米サンノゼで先日開催されたSMX Westカンファレンスに参加したアユダンテ社の社員さんたちが、セッションで得た情報からアイデアを練って作った記事を公開している。
ユーザーの状況による検索キーワードの種類や検索の意図などを詳細に解説している内容だ。「SEO」「リスティング広告」それぞれと両方について、ユーザーがどんな状況でどんな意図で検索するのか、企業は各段階のどういったニーズにどういう手段で応えるのか、といった全体像を整理して示している。
ユーザーのニーズに合致したコンテンツを作り、適切なタイミングで適切なコンタクトポイントをもち、購買プロセスを進んでもらうプランを作るためにも、この内容はぜひ押さえておきたい。ボリュームのある記事なので、じっくりと集中して読んでほしい。
後半はリスティング広告(PPC)に関して触れているが、「自分はSEOの担当だから」と思わず、こちらも理解しておくことは、あなたのSEO担当者としての顧客コミュニケーションに役立つはずだ。
グーグルのスマホ対応アルゴリズムをあなたは正しく理解できていますか?
パニックにならない、誇大解釈しない (SEO HACKS公式ブログ)
モバイルフレンドリーかどうか(スマホ対応しているかどうか)をランキング要因として4月21日から使用することをグーグルが発表した。
非常に話題になり、なかにはパニックに陥ってるウェブ担当者もいるようだ。また事実以上のことを誇大に解釈している人もいるらしい。
こちらの記事は、このアルゴリズム更新をきわめて冷静に分析している。
- なぜモバイル対応がランキング決定要素になるのか
- SEOの世界にとって驚くべき変更なのか
- どのように対応すべきか
スマホ対応が必須なことに変わりはない。だが「グーグルで順位が下がるから」慌てて対応するのではなく、環境の変化と何が起きているのかを正しく認識したうえで、適切にスマホ対応に取り組んでいくことが大切だ。
GooglebotがJavaScriptを実行している新たな証拠を発見
「検索エンジンはHTMLしか読まない」は今は昔の話 (F.Ko-Jiの「一秒後は未来」)
現在のGooglebotは、JavaScriptを解釈して実行できるようになっている。このことを裏付ける発見を以前にピックアップしたことがある。
ここでピックアップする記事も、GooglebotのJavaScript実行を確認している。
JavaScriptによって表示するブログパーツで生成されるコンテンツ(キーワード)をグーグルが認識し、ウェブマスターツールのレポートに反映しているのである。
少なくともグーグルにおいては、「検索エンジンはHTMLしか読むことができず、JavaScriptを解釈できない」という認識は、もう完全に昔の話になったようだ。
元記事について1点補足しておく。
最後にこのように書かれている(強調は筆者による)。
Google が JavaScript を解釈できるようになったことで、ウェブマスターツールのコンテンツキーワードにこれまで表示されなかったキーワードが表示されていたということになるわけですが、このコンテンツキーワードは Google がそのサイトにおいて重要とみなしている単語なので、「users」といったサイトに関係のないワードが重要とみなされるのは好ましくありません。
ウェブマスターツールのコンテンツキーワードに表示されるキーワードは、重要なキーワードでは決してない。単に出現回数が多い順に表示されるだけだ。確かにヘルプ記事にも「最も重要なキーワード」とあるが、これは誤解を招く表現だ。
コンテンツキーワードのレポートは通常は気にする必要はない。ハッキングにあったときによく埋め込まれるキーワード、たとえば「viagra(バイアグラ)」や「cialis(シアリス)」などの、身に覚えがないキーワードが検出されていないかどうかを知るときに利用できる。
1か月でサイトをモバイルフレンドリーにしよう
さまざまなヒントを提供してくれるキャンペーン (Google ウェブマスター コミュニティ on Google+の)
グーグルは、“モバイルフレンドリー”をランキング要因に使用することを予定している。そこで、4月21日の期日までにサイトの対応が間に合うように、モバイル向けサイトの構築に役立つヒントを発信する #MobileMadness キャンペーンを実施することにした。
英語をはじめ、日本語を含む複数の言語で実施している。
筆者がこの原稿を書いている時点で公開されている2つをまずは紹介しよう。
なお画像はGoogle+の投稿へリンクしている。投稿中のURLは元の投稿からたどってほしい。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
App Indexingのケーススタディとドメイン移転のTIPSを紹介する記事を今週はピックアップ。
- App Indexingの成功事例、Etsyはモバイル検索からのアプリへのトラフィックが11.6%増加
モバイルフレンドリーとともにApp Indexingにも注目したい - ドメイン名変更をともなうサイト移転では、すべてのURLを一度に転送したほうがいい
一度に移転するとメリットが多い
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