SEOの神でも解読できないほど、今のグーグルは複雑怪奇なアルゴリズムなのか など10+3記事
検索エンジンのアルゴリズムは、もう常人には追い続けられないほど複雑怪奇になっているのかもしれない。そうしたことを感じられる、辻氏のつぶやきを紹介する。ほかにも、「サイトの更新状況と順位」「ウェブマスター向けモバイルガイド日本語版」「レスポンシブウェブデザインと順位」「ペンギン」など、SEOの情報をお届けする。
SEOの神でも解読できないほど、今のグーグルは複雑怪奇なアルゴリズムなのか
アルゴリズムを追いかけるSEOはもはや不可能 (辻正浩 (@tsuj) on ツイッター)
SEOの作業を徹夜でやっていた株式会社so.laの辻正浩氏の、朝のツイートを2つ紹介する。
どうやら、「SEOの神」と呼ばれる辻氏ほどの実力の持ち主でさえも、昨今のグーグルにおける順位変動やアルゴリズムの分析は、難しいようだ(ちなみに、「SEOの神」というのは、周りの人間が勝手にそう呼んでいるだけで、本人が自称しているわけではない)。
最近は少し変動してもほぼスルーしますが、関わっているサイトに無視できない影響が+でも-でも出たり、充分にアクションに繋げられるようなものもあったり、何より自分の常識とは違うレベルの動きになるとひと通り把握できるまで気になって気になって…… そしてこの時間なわけでorz
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2014, 12月 9
今の状況だとアルゴリズムをしっかり把握しようというタイプのSEOをやるのは全くおすすめできないなあ。アルゴリズムと向き合わないSEOで価値を出せるなら、そちらに注力するべきかと。
それから離れられない、やらないといけない人もいますけどねorz……
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2014, 12月 9
やはり、検索エンジンのアルゴリズムを追いかけるのは、SEOを直接のビジネスとしているのでなければ、やめておいたほうがいいだろう。そうしたことは以前から言われていたのだが、昨今のグーグルの動きをみるに、それがかなり強くなってきているようだ。
いまのSEOというものは、そうしたアルゴリズムを追って対応するのではなく、コンテンツの充実だったりユーザビリティの向上だったり、全体としてのユーザーエクスペリエンスの改善だったりと、そうしたことに注力するべきだというのを、改めて理解しておいてほしい。
辻氏のツイートを「今週のピックアップ」として紹介するのは先週に続いての連続になるが、「いまのSEO」を端的に表している内容なので、チョイスした。
日本語で読めるSEO/SEM情報
「Googlebot がサイトにアクセスできません」は検索順位に影響するか?
その状況が続くならありうる (グーグル ウェブマスター向け公式ヘルプフォーラム)
毎月数回、Googlebotがサイトにアクセスできないというエラーが届きます。
3ヶ月ほど前から検索トラフィックが減っています。関係があるでしょうか?
こういった趣旨の質問が公式ヘルプフォーラムに投稿された。
関係性は否定できない。アクセスできない状態が短時間でほんの1、2回くらいであれば、心配はいらない。しかし断続的ではあっても続くようであれば、クロールやインデックス、ランキングに支障が現れ、結果として検索トラフィックの減少に繋がることは十分にありうる。
もしこうした状況にあったとしたら、サーバーの構成を調査したり、サーバー会社に問い合わせたりしたほうがいい。解消しないようなら安定したサーバーへの移行も考えたほうがいいだろう。
ちなみに、この質問ではDNS関連のエラーが出ている点が、特に問題だと思われる。次のようなメッセージが届いているのだ。
Googlebot がサイトの DNS 情報の取得を試みましたが、過去 24 時間で 21 件のエラーが発生しました。このサイト全体での DNS クエリのエラー率は 24.7% です。
「DNS」とは、ネットワークを通じてサイトにアクセスする際に、アクセス先の場所を調べる、非常に重要なものだ。具体的には、「www.example.jp」のようなサーバー名に対応する「192.168.0.1」のようなIPアドレスを調べるためのものだ。
ここに不具合があれば、Googlebotがサイトにアクセスできなくなる。
質問者は、自分でサイトを見ても問題ないようだとしているが、DNSの場合はそれでも他の人(やGooglebot)には問題となることがある。というのも、DNSはアクセスごとに毎回確認するものではなく、サイト管理者としてある程度定期的にサイトを見ているのであれば、以前にDNSから得た情報を使い回しているはずだからだ。
DNS関連の問題が指摘されていて独自ドメイン名を使っている場合は、サーバー会社ではなく、ドメイン名を取得した会社に問い合わせる必要があるかもしれない。
大切なのは、ドメイン名に対して登録した「DNSサーバー」を管理しているところに確認することだ。
サイトの更新がストップすると順位は下がる? それとも変わらない?
サイトのタイプによるのか? (パシのSEOブログ)
サイトの更新が止まるとグーグルの評価が下がり、結果として検索順位が下がり検索トラフィックが減るのだろうか?
こちらの記事では実例をいくつか挙げて分析しているが、次のようなものではないかと、状況証拠から結論づけている。
ブログやニュースサイトのように更新性が関わるタイプのサイトでは、更新しなくなると評価が下がるようだ。
更新性がさほど問われないタイプのサイトでは、更新を止めても影響を受けないようだ。
更新性が問われるサイトと問われないサイトをグーグルのなかではひょっとしたら区別しているかもしれない。
あるいはそういったことではなく、より関連性があり質の高いページを他のサイトが新たに公開したために、相対的に順位が下がっただけかもしれない。
また更新がストップしていたとしても、古びることがない有益なコンテンツに対して継続して被リンクが付き、評価を保ち続けていたとも考えられる。
実際のところは、どうなのだろうか。
毎日3記事を更新するとグーグルにペナルティを受けてしまうのか?
それはないが低品質記事ばかりなら評価は下がる (グーグル ウェブマスター向け公式ヘルプフォーラム)
もう1つ、サイトの更新に関する話題を。次の質問が公式ヘルプフォーラムに投稿された。
毎日一定のページ数を更新し続けていたらペナルティの対象になる、ということはあり得ますか?
……(中略)……
毎日欠かさず3ページ更新しております
結論としては、「毎日3記事ずつ継続的に更新し続けたこと」が原因でペナルティを受けることはない。
もちろん、1日あたり1万記事も2万記事も公開し続けていたら、何か疑わしいことがあるかもしれないとしてチェックが入るかもしれない。
しかし、常識的な範囲で記事を増やし続けることが理由で評価を下げられることは、絶対にないと断言できる。もしそういったことがあるなら、Web担当者Forumや新聞社サイトのようなメディアサイトが生き残れるはずがない。
ただし、この質問に付けられた次のようなコメントが鋭い。
毎日3ページ更新することが目的になってしまい、
他のサイトからコピーしたり中身のないコンテンツを作成していないかどうかには気をつける必要がありそうです。
たしかにそのとおりだ。
価値に乏しい、低品質なコンテンツを“コツコツ”と増やしたとしても、ユーザーの役には立たないとしてグーグルの評価は当然下がるだろう。
質問者のサイトがそのような更新をしていて低品質なのかは、わからない。そういうことではなく、一般論として、「有益で質が高いコンテンツだけを増やしていくことに価値がある」ことを、ここで改めて認識してほしい。
ついに公開! ウェブマスター向けモバイルガイド日本語版
必ず目を通すこと (ウェブマスター向けモバイルガイド)
スマートフォン向けに最適化されたページを対象に「スマホ対応」というラベルをモバイル検索結果でグーグルは表示するようにした。
この新しい仕様を発表した際に、モバイル向けサイトの構築に役立つドキュメントとツールをあわせて公開していた。英語版だけだったが、ついに日本語版が登場した。ドキュメントもどちらも日本語で利用可能だ。
次の3つのカテゴリで、Webサイトをモバイルに最適化するための情報を得られる。
- サイトがスマホ対応かどうか確認する
- ウェブサイトのソフトウェアをカスタマイズする
- モバイル SEO を正しく実装する
特にありがたいのは、「WordPress」「Joomla!」「Drupal」などのCMSごとに、モバイルでも使いやすいサイトにするための簡易的な解説が容易されていることだ。
“モバイルフレンドリー”なサイトを設計、運用するために必ず目を通しておくようにしてほしい。
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