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繰り返し出現する定型文をグーグルは適切に扱える

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繰り返し出現する定型文をグーグルは適切に扱える
★★★★☆ これは助かる (Google Webmaster Central Help Forum)

グーグルのジョン・ミューラー氏が米国版の公式ヘルプフォーラムで次のようにコメントしている。

免責事項のようにすべてのページに同じ文章が繰り返し掲載されていたとしても、グーグルは適切に扱うことができネガティブな影響は与えない。

テンプレートの一部として組み込まれ全ページに出現する定型文的なコンテンツ部分を「ボイラープレート」と呼ぶことがある。サイドバーやフッターもボイラープレートの一部だ。オリジナルコンテンツに対してボイラープレートのコンテンツが多すぎると、類似しているページだとして重複コンテンツ扱いされる危険がある。また、書かれているテキストによってはキーワードの乱用として受け取られてしまうかもしれない。

しかし今のグーグルは多くのページに出現するボイラープレートをきちんと認識してくれるようだ。

各ページに共通した支払い・配送説明を載せているネットショップがある。重複コンテンツ扱いされないように1枚の画像にして貼り付けるといいと筆者はアドバイスすることがある。ミューラー氏によれば、この手法は“あり”だが、普通はそこまでする必要はないだろうとのことだ。

最新のグーグル向け内部リンク施策
★★★★☆ ユーザーを第一に考えれば評価も上がる (WebmasterWorld)

グーグルのPageRankは、「ランダムサーファー・モデル(Random Surfer Model)」という理論に基づいている。ユーザーがページに存在するどのリンクをクリックするかはランダムであり、そのためPageRankはリンク先ページへ均等に渡される。しかしこれはオリジナルのPageRankの仕組みであって、その後出願した特許では、リンクの出現場所やアンカーテキスト、フォントの大きさや色、リンク先ページのURLなどさまざまな要因に基づいて受け渡すPageRankに差を付ける仕組みを著している。ランダムサーファー・モデルに対して「リーズナブルサーファー・モデル(Reasonable Surfer Model)」という通称でこの理論を呼ぶことがある。現在のPageRankは、少なくとも一部はリーズナブルサーファー・モデルに基づいているはずだとSEOのプロフェッショナルの間では考えられている。

これ以上の難しい話は控えるとして、リーズナブルサーファー・モデルでは、要はユーザーがクリックするリンクにより多くのPageRankが渡されると理解していいだろう。言い換えれば、ユーザーがクリックするだろうリンクの先にあるページがより高く評価されるということだ。誰もクリックしないようなページの下部にあるフッターのリンクよりもメインコンテンツの中に埋め込まれた参照先としてのリンクの方が高評価なのはそのためだと考えられる。

具体的な応用例として、こうした評価を前提とした内部リンク施策がある。内部リンクはSEOにおいて重要な要因である。内部リンクを張るときには、ユーザーにとってわかりやすく役に立つことを心がけてほしい。なぜならユーザーがクリックするということはそのリンクに対するグーグルの評価も上がる可能性が高いからだ。

内部施策だけでページビュー数を驚くほど伸ばすことに成功したpixivのSEO事例がWeb担で紹介されていたが、そこでも内部リンクに力を入れていた。ユーザーに対して価値のある関連ページへのリンクを増強していたことが紹介されている。

グーグルはiframe内のリンクをたどることが判明!?
★★☆☆☆ 実験した人が問題だったりして (High Rankings Forum)

検索エンジンはiframe内のリンクをたどらないとされている。ところがiframeのリンクのアンカーテキストをグーグルが評価しているようだという実験結果がHigh Rankingsフォーラムに投稿された。

すでにインデックスされていてクロール頻度も高いと思われるがアクセスがほとんどなくユーザーの目に止まらないページ内に設置したiframeから、実験用のアンカーテキストで別のページへリンクを張った。するとそのアンカーテキストでの検索で対象ページが検索結果に出てきたのだ。iframe内のリンクがアンカーテキストの評価を渡した証拠になる。

たった1回の実験結果であるので真偽のほどはわからない。Search Engine Roundtableがこの実験結果を紹介したところ、そんなはずがないと読者からの反論がコメント欄に多数書きこまれている。単純に、iframe内に表示しているHTMLページが単体ページとしてクロールされ評価されたのではないかという考えもある。

ちなみに実験を行ったマイケル・マルチネスという人物はあちらこちらのブログやフォーラムでコメントを残すが、そのほとんどが否定的な意見ばかりで「変わり者」だという印象を筆者は持っているが、話題として取りあげてみた。

世界中のSEOコンサルタントの料金形態を調べてみた
★★☆☆☆ 日本ではどうなのだろう? (SEOmoz)

SEOmozのランド・フィッシュキン氏が、世界中のSEOコンサルタントやSEO代理店を対象に料金体系を調査するアンケートを行った。600以上の回答があり、そのうち10以上の回答があった国のデータを計490個まとめて公開した。データに含まれる国は、米国と英国、カナダ、オーストラリア/ニュージランド、ドイツ/フランス/イタリア/オランダ、インドである(「/」で区切った国は1まとめで集計)。

フィッシュキン氏は、この調査からわかった重要ポイントを個人的な視点から9つ紹介している。

※金額は1米ドル77円で換算
  1. 時間単位の金額は国によってまちまちだが、1時間あたり76~200ドル(5,800~14,000円)がもっとも多い

    インドが例外だったものの50%以上が76~200ドルの範囲だった。

  2. プロジェクト単位の課金が一般的で、もっとも多かったのは1,000~7,500ドル(77,000~577,000円)

    70.1%がプロジェクト単位の課金システムを提供していた。

  3. 月額報酬がもっとも幅広い分布

    時間単位・プロジェクト単位の報酬も範囲が広かったが月額報酬がもっとも幅広かった。いちばん多いのは、1月あたり251~500ドル(19,000~38,500円)で13.8%、次いで2,501~5,000ドル(193,000~385,000円)で11.3%だった。

  4. 実務までやるSEOは終わったというのはかなりの誇張

    コンサルタントや代理店はSEOの実務作業までは援助しないと過去数年言われてきたが、そんなことはなく、88.5%はクライアントのサイトに直接変更を加えているし79.1%はリンク構築を手伝っている。

  5. インバウンド・オーガニック > 純粋なSEO

    純粋なSEOだけのコンサルタントや代理店は姿を消しつつあるようにも見え、SEOの他にソーシャルやコンテンツ、コンバージョン、解析なども援助するようになっているところが増えている。

  6. ウェブデザイン・ホームページ作成会社が多くのSEOを行う

    SEOサービスを手がける業種で3番目に多かったのがウェブデザインやホームページ作成会社だった。

  7. コンサルタント1人あたり1か月に1~2クライアントを担当

    所属するコンサルタント数と受け持つクライアントの数をクロス分析したところ、1人あたり1~2社の担当となった。

  8. 大多数のコンサルティングは中小企業が相手

    回答者の41%が、小さな会社や街角の飲食店のような極めてローカルなビジネスを相手にしている。

  9. プロジェクト単位の課金がもっとも一般的だが、大多数のコンサルタント企業は月額報酬と時間単位の課金も提供

    いちばん多いのはプロジェクト単位の課金で70%が提供し、2番目に多いのが月額報酬で60%が提供し、3番目に多いのが時間単位の課金で55%が提供していた。

ウェブ担当者以外に、SEOサービスを提供する職に就いている人もこのコーナーの読者にはいることと思う。日本のデータは含まれていないし、SEOmozは専門の調査会社ではないので必ずしも信頼のおけるものはないが1つの参考データとして見てほしい。

SEO JapanSEO Japanの掲載記事からピックアップ

2012年に特に意識しておきたいSEOについての記事と、有料リンクを購入してしまったGoogle Chromeブラウザのサイトにグーグルが自らペナルティを与えた記事を今週はピックアップ。

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