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マイクロソフトとヤフーの提携でSEOに起きる10の変化(後編)

この提携によってどのような変化が生じるのかを、10個のポイントで見ていこう。

この記事は3回に分けてお届けしている。これまで前編中編の2回にわたってマイクロソフトとヤフーの提携の背景、検索市場のシェアについて説明してきたが、今回はいよいよ、この提携によってどのような変化が生じるのか見ていこう。

SEO業者にとって何が変わるか?

さて、ここにあげるなかには推測段階のものもあるし、明白ですぐに利用できるものもある。ただし、僕がぜひ言っておきたいのは、マイクロソフトとヤフーの提携が実際に効力を持って、みんながアクセスできるようになる(これには規制当局の動きによってはかなり時間がかかる場合もある)までに、準備を整えておこうってことなんだ(そして、変化が現実のものになったらすぐ最大限の恩恵を確実に得られるよう、こういった対策を講じておこうってこと)。

ヤフーが言っているんだが、完全に実装を終えるまで、当局の承認(これにも数か月かかる)を受けた後、最長で24か月(つまり、2年)の移行期間が必要かもしれないんだ。これを忘れちゃいけない。まだしばらく時間はあるのさ。

#1 Bingを対象としたSEOは、最適化作業に組み入れる価値あり

市場調査で示されたシェアの最小値が実際の数字だったとしても、検索市場の15%を占めるとなれば、最適化作業に取り組む価値は十分ある。Bingのアルゴリズムは確かにLive.comのアップグレードではあるが、サブドメインやルートドメイン名におけるキーワードの使用に着目するといったような、注目すべき性能もある(グーグルは正確に一致するキーワードが好きだが、Bingはサブドメインやルートドメインに配置されたキーワードなら実際なんでも拾う)。

Bingのコアとなっている関連性は、グーグルやヤフーの場合よりも不正操作によるリンクパターンの標的になるおそれが高いんだが、新たなクエリ候補の提示や、結果表示の速さなどでは良い仕事をする場合が多い。

Bingの検索結果は、デフォルトで、ヤフーやグーグルの結果よりも「リッチ」だ。ヤフーはユーザーインターフェイスを自分たちで管理することになるけれど、ヤフーで表示されるBingの検索結果にも、その「リッチさ」が取り込まれることになりそうだ。Bingはまた、多くのクエリで上位5件の検索結果のみを最初に表示する。つまり、検索上位のページにクリックが集中する可能性が高くなる。

※Web担編注 Bingで上位5件の検索結果のみを最初に表示する検索とは、たとえばオバマを検索したときのように、検索結果に「Biography」「Library」「Timeline」といった複数クラスタで検索結果を表示する現象での表示のこと。この場合、通常の検索結果は5件に限定される。

また、Bingのトラフィックは概して、コンバージョン広告のクリックにつながりやすい。これがユーザー層の違いによるものなのか、検索エンジンの情報の見せ方によるものなのかはわからないけど、これについてはすぐにもっと詳しいことがわかるだろう。

僕らSEOmozは、Bingが検索結果をどう順位付けするか、またグーグルとどこが実質的に違うかについて、もっと情報を提供できるように取り組むつもりだ。検索結果の違いは、こことかここでいろいろ試せる。ほぼ間違いなく、研究開発でも実際の運用でも、BingにSEOの焦点が集まるだろう。

#2 ヤフーのリンクデータがなくなるかもしれない

現在SEOに提供されるリンク情報の情報源として1、2位の位置を占めるのがヤフーの高度な検索クエリYahoo!サイトエクスプローラーだ。これがなくなってしまうと、リンクに関する情報が非常に乏しい状態になってしまう。それなのに、マイクロソフトは1年ほど前に「link:」クエリ機能を削除してしまった(グーグルにいたっては5年以上前にこの機能を使えなくしている)ので、Bingになるとなくなる可能性はありうる。SEOmozでLinkscapeを提供しているのは知ってるだろうけど、そういう事態になった場合には、機能がグッと劣る無料版しか提供できなくなってしまいそうだ。Exalead.comがリンクデータを提供しているけど、ヤフーほど豊富ではない。

こういう変化が起きれば、プロプライエタリなリンクインデックスが増え、ヤフーのリンクデータに頼っていた社内ツールやサードパーティ製ツールの多くが使えなくなりかねない。それがいつごろになるかはわからないが、リンク調査の状況に大きな影響を与えるかもしれない。

#3 PPC(クリック課金広告)が統合される

現在、グーグルのアドワーズだけを使っている企業や広告代理店は多い。思うに、マイクロソフトもヤフーも、主要な検索エンジンが2つだけになれば、最低でもその2大プラットフォームには出稿せざるを得ないという願ってもない状況となって、煩雑さが減り、利用するための障壁も低くなると期待しているんだろう。

僕は、MSN AdCenterで広告枠を購入する人が増えると踏んでいる。広告の関連性と品質、競争力が高まると見られているからだ。となると、(各キーワードの入札価格も今よりは高くなるので)AdCenterとYahoo! Search Marketingで低コストのトラフィックが得られる時代はもうすぐ終わるかもしれない(意味がほとんどなくなるほど市場シェアが落ちてしまったら話は別だが、そんなことは少なくとも短期的には起こりそうもない)。

#4 Bingのウェブマスター向けツールは重要

まだBing Webmaster Tools(WMT)のアカウントを持っていないなら、今がいい機会だ。まだグーグルほど充実してはいないが、Bing WMTは全力で追いかけているし、いくつかの機能ではライバルたちより優れているものさえあるから、どのプラットフォームでもウェブマスターにとって価値があることは明らかになるだろう。

また、Bing WMTから得られるデータは、BingでオーガニックなSEOキャンペーンを実施するときや、グーグルとBingでサイトの見方がどう違うかを知るためにも重要になるんだ。

#5 ヤフーとBingのローカル検索はいっそう重要性を増す

ローカル検索がどうなるかは、まだ100%の確信はない。ReadWriteWebによると、ヤフーはこれを「消費者サービス」の1つとみなしており、コア検索には含まないと考えているようだ。でも、Bingが(現在と同様に)地元の情報を検索結果に入れていくなら、Bingのローカル登録が地方企業にとって非常に重要なものになるだろう。気になる向きは、早いうちにBing LocalとそのLocal Listing Centerをチェックしておくといい。

#6 Bingへのスパムが増える

検索シェアが増えればスパムの標的になる公算も増える。不正操作を暴いて排除する点に関してはまだグーグルの方が先を行っているが、ヤフーももうかなり前から僅差で2番手につけている。当然Bingは、ヤフーの検索分野でこれに取り組んでいた多くのスタッフやアルゴリズム開発者を雇い入れるだろうが、同時に、スパマーの注目も大々的にBingに集まってくるのは覚悟すべきだ。

グーグルではふさがれた抜け道も、まだしばらくBingでは開いたままになっている可能性もあり、スパマーは合併後の混乱に乗じてその抜け道を利用しようとするだろう。

#7 Bingの収集するデータが一気に増える

Bingはもっとたくさん君のことを知るようになる。グーグルには及ばないかもしれないが、Yahoo! Web Analytics、Yahoo! Profilesのデータベース、Yahoo! Behavioral Targeting、さらに独自の研究を加えて、Bingは2番手としてグーグルに肉薄していくだろう。理論的には、これはコア検索の向上につながり、パーソナライゼーション分野にもより大きな進歩をもたらす道をつけることになる可能性がある。

#8 ヤフーの重要なサービスがなくなるかもしれない

ダニー・サリバン氏とReadWriteWebが指摘しているが、Yahoo! Directory(ヤフーカテゴリ)やDelicious(しばしば検索に代わるものとみなされてきた)、Yahoo! Maps、それにSearchMonkeyとBOSS(この2つは既存の検索アプリの双璧)などの強力なサービスが失われるおそれがある。まだ憶測段階にすぎないが、今後3~6か月ほどヤフー内部の動きから目を離さないようにしていれば、どの首が飛ぼうとしているかはっきりするだろう。

#9 ヤフーは検索体験のユーザーインターフェイス管理を継続

つまり、ヤフーの検索結果の順位やレイアウト、サイドバー、検索者のフォーカスなどはBingとは異なった形のままになるかもしれないということだ。となれば、SEOはまだ2つのエンジンの違いを意識しながら、それに従って最適化に取り組まなければならない。Bingの統合の度合いは実施後でなければ把握しがたいが、かなり幅が考えられるので、SEO業者にとっては厄介な状況だ。

#10 ヤフーはコンテンツ面での競争力を強める

ヤフーがコア検索事業から手を引くことで、コンテンツ事業の方によりいっそう注力するようになると考える人は多い。僕もその1人だ。つまり、Yahoo! NewsやMedia Groupのサイトが注目され、投資を集めることになる。君がヤフーのコンテンツと競合しているなら、この先競争はもっと熾烈になるかもしれない。

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