ユーザーインサイトは今までのアクセス解析とはちょっと違う
今日は、いつも紹介しているタイプとはちょっと違うアクセス解析サービス「ユーザーインサイト」を紹介します。その名のとおり、自分のサイトを訪れている人がどんな人で、どんな動きをしているのかを知ることが得意なツールです。
ユーザーインサイト(User Insight)は、サイトにどんな組織の人がアクセスしているのかを調べる簡易サービス「なかのひと」や携帯サイトのアクセス解析サービス「うごくひと」を運営する株式会社ユーザーローカルが昨年末から開始したアクセス解析サービスです。
Web担でテスト用に使わせてもらったので、しばらくデータを蓄積して使ってみた感想としては、「こいつはすごい」でした。どこがすごいのか、お伝えします。
ユーザーをさらに深く知るための解析
アクセス解析の種別でいうと、JavaScriptビーコン型のASPサービス。でも、このサービスは、ちょっと今までのアクセス解析ツールとは違います。何が違うかというと、他の手法ではわからない「訪問者を深くを知る(ユーザーインサイトを得る)」ことを中心においている点。
これまでのアクセス解析のフォーカスは「Webサイト」であり、サイトのアクセス状況がどうか、ユーザーのサイト上での動きがどうか、といった解析が中心で、解析対象のデータはプログラム的に直接取得できるデータでした。しかしユーザーインサイトでは、さらにユーザーを理解するための情報を提供してくれるのです。
具体的には、次のような情報を提供してくれます。
- 性別――男性/女性
- 年齢――10代/20代/30代/40代/50代以上
- ユーザーのインターネット利用度――超初心者/初心者/普通/ネット好き/マニア
- 利用シーン――通勤・通学/仕事中/昼食/夕食/深夜
- アクセス地域――都道府県別に加えて、関東や東海などのエリア別も
- アクセス組織――組織名に加えて、情報通信/メーカー/マスメディア/金融・商社/サービス業/官公庁/大学/ほか学校/その他の分類も
性別、年齢、ネット利用度、利用シーンなどは、統計的な推定によるものであるとのこと。100%正確ではないものの、データを見る限り、かなり精度は高いようです。地域や組織はこれまでのアクセス解析でもわかる点ですが、分析しやすいようにグループ化した分類で示してくれる点が便利です。これらのデータは、サイト全体の統計として見るだけでなく、ページごとにも確認できます。
また、それ以外にも、次のような解析ができるのも特徴。
- ページごとに、CGM系サイトからの訪問者をソーシャルブックマーク/ブログ、/RSS、SNS、その他クチコミに分類して表示
- 特定の組織の人がどれくらいサイトにアクセスしていて、どのページを見ていったか、どんな検索キーワードで訪問したかを確認
- 検索キーワードごとに、どのページへのアクセスがどれだけあったか、ヤフーとグーグルの比率、男女比率、どの分類の組織が多いのかを確認
これらの情報は、今までのアクセス解析ツールよりもさらに一歩突っ込んで、「サイトの訪問者はどんな人なのか」を理解する手がかりとなります。たとえば、Web担ならば、
- 「やっぱり30代が中心か」
- 「もうちょいIT系以外の人、初心者にもわかりやすいコンテンツを用意したほうがいいな」
- 「でも学術系とか官公庁からのアクセスも結構あるんだね」
- 「調査統計の記事は大学のアクセス多いなー」
- 「やっぱりRFPとかの記事は官公庁のアクセスが多くなるんだね」
といったところ。
ヒートマップでどこが読まれたかどこまで読まれたか確認
さらに、「ヒートマップ」機能もひと味違います。ヒートマップとは、実際のサイト画面に重ねてアクション状況を表示する機能。どのリンクがクリックされたかのヒートマップを表示するツールはありますが、ユーザーインサイトでは次のような情報をヒートマップで確認できる点で優れています。
- ユーザーがページのどこまで読んだか(終了エリア)
- ページ内のどのあたりをよく読んでいたか(熟読エリア)
ほかにもヒートマップで確認できる項目はあるのですが、この2つが秀逸。ヒートマップの表示は、前述のユーザー情報(年齢や性別など)のほか、時間帯、どの検索エンジンから来たか、再訪問頻度(一見さん/何度かアクセス/たまにアクセス/巡回ユーザー/常連)などの条件で絞り込んで確認できます。
もちろん、これもスクロール状況やマウスの動きなどから推定しているものではありますが、「ユーザーがサイト上でどういった行動をしているのか」をさらに理解するヒントとなります。
Web担ならば、「これくらいの長さの記事なら、ちゃんと読んでもらえるんだね」「ニュースは記事下のリンクまで見ない人が多いんだね」「常連さんはトップページは上のほうしか見てないのね」といったところ。
サイト訪問者のことを深く知りたいならオススメ
もちろん、通常のアクセス解析ツールが備えている解析項目(PV数、訪問者数、平均閲覧PV数、参照元、滞在時間など)も確認できます。
それだけに、解析できる項目や表示される情報が非常に多く、「何を知りたいのか、分析したいのか」が明確になっていないと使いづらいツールだともいえます。この記事で紹介したような、「全体の数字じゃなくて、うちのサイトを訪れている人のことをもっと知りたい」という強いニーズがなければ、「ヒートマップおもしろいね」で終わる猫に小判になってしまいます。
利用料金は月額5万円からで、すでに大手各社が導入しているということ。あなたは、サイトの訪問者のこと、サイト上での行動のこと、どれくらいちゃんと理解していますか?
- ユーザーインサイト
→ http://nakanohito.jp/userinsight/ - なかのひと
→ http://nakanohito.jp/ - うごくひと
→ http://nakanohito.jp/stage/ugokuhito/
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