初代編集長ブログ―安田英久

アクセス解析データなんて飾りです。偉い人にはそれがわからんのです ~Web担/日経BP/MarkeZine連動コラム

Web担と日経ネットマーケティングとMarkezineの連動コラム。今回のテーマは「Webのデータ活用で大切なこと」。
Web担のなかの人

このコラムは、Web担当者Forumと「日経ネットマーケティング」「Markezine」各誌の編集長が、毎回共通のテーマでネットマーケティングを語るコーナーです。

第9回のテーマは「Webのデータ活用で大切なこと」です。

他誌編集長のコラムも同時に公開されていますので、併せてご覧ください。

タイトルは(結果として)釣りです。すいません。各誌の記事からお互いにリンクを張るために、本文を書く前にタイトルを決める必要があり、当初思っていたネタからちょっとずれてしまいました。

アクセス解析、アンケートによる顧客分析、市場調査など、あなたは日々さまざまな「データ」に触れていることでしょう。しかし、データに負けていませんか?

今日は、Web担当者もマーケティング担当者も注意すべき、「データの扱い方」の心得4つをお届けします。特にネット慣れした人に。

  1. とれるデータ/見えるデータに振り回されない

    アクセス解析ツールは標準でさまざまなデータを提供してくれますし、市場調査データも世の中にあふれています。しかし、そのデータは本当に必要なデータなのでしょうか?

    あるネットショップの担当の人が、こんなことを言っていました。

    アクセス情報、個人情報、商品情報などいろんなデータを組み合わせてレコメンデーションをテストしていったんですが、結果として良いレコメンデーションとなったアルゴリズムで使ったのは、わずか数個のデータだけでした。

    たくさんのデータを使うのが大切なわけではなく、目的を達成するのに必要なデータだけが大切なデータだということですね。アクセス解析でも同じです。広告効果を測定するにしても、直接誘導数を見るのか、コンバージョン数を見るのか、コンバージョン率を見るのかによって、必要なデータは違うはずです。

    解析ツールはいろんなニーズに対応するために多くのデータを見られるようにしています。いまざっと確認したところ、Google Analyticsで47項目、SiteCatalystでは121項目ものアクセス解析データを提供してくれています。でも、あなたがその全データをチェックする必要はないはずです。何らかの目的を達成したくてデータを扱っているのならば、それに対して必要なデータだけ確認すればいいのです。

    「入手できるデータ」を使うのではなく、「必要なデータを入手」して使うようにしましょう。

  2. 仮説をたてて検証するためにデータを使う

    前の項目とも意味的にはかぶるのですが、何の準備もなしにデータを見ても仕方ないのです。データを見る・使う目的を明確にしましょう。

    たとえば、こんな感じでしょうか。

    • 先週行ったページ下アイコンの変更により、ページ閲覧後のFAQページへの誘導が増えているはずだから、FAQページへのアクセスのうちリファラーがサイト内の他ページであるものの率が上がっているか確認する。
    • キーワード広告のクリック数だけでなく、キーワードごとに総広告費÷コンバージョン数でCPA(顧客獲得単価)をみて、効果の高いキーワードを探す。
    • 長いページでも画像が多いテンポの良い記事と文字ばかりの記事ではどこまで読まれるかは変わるはずだから比較してみる(「ユーザーインサイト」というツールではこの情報をとれます)。

    あちこちで言われる「仮説を立てて」データで確認するのも重要ですが、仮説っていわれても難しいですよね。なので、少なくとも、データを見る前に、どんなデータが出るのか自分なりに予測をしてから見るようにするといいかもしれません。そういう癖をつけると、データが自分の考えの一部になっていくかもしれません。

  3. 必要なデータをとるための仕組みを工夫する

    データはたくさん入手できるのですが、本当に欲しいデータは意外と入手できないものです。だから、必要なデータを入手するためのアクションを検討しましょう。

    • 前述の「ユーザーインサイト」というアクセス解析ツールは、アクセス者の男女比やネット習熟度、ページをどこまでスクロールしたかなどの推定情報を確認できます。

    • 多くのアクセス解析ツールはデスクトップの解像度を情報として提供してくれますが、SiteCatalystは、ブラウザの表示エリアのサイズの情報をとれます。ページの幅をどれくらいにするべきかを知りたい場合、どちらの情報が重要になるかは考えなくてもわかりますよね。
    • アクセス解析の管理画面から直接得られない情報は、いったんデータをExcelに落として処理するべき場合もあります。Web担では、曜日別や時間帯別のアクセスはそういった形で処理しています。
    • SiteCatalystを使えば、「カスタム変数」という形で、アクセスごとに自由にデータを追加できます。
      たとえばWeb担では、CMSからアクセス解析タグを動的に出すことで、ページ公開からどれくらい時間が経過した時点の閲覧かのデータをとっています。これで、新しい記事を求めている読者さんと、ストック記事にアクセスしている読者さんの比率などを確認しているのです。ほかにも、記事のIDをアクセス解析データに埋め込んでおくことで、記事を企画した編集者や担当した編集者の情報、さらには原稿料などの情報をまとめた別データベースと突き合わせたりもできます。
      Google Analyticsでも、ユーザー定義データを使う_setVar()を使えばカスタムデータを埋め込めますが、1種類のデータにしか使えないのが残念なところです。
  4. 目立つ情報が本当に大切だとは限らない

    アクセス解析ならば、たとえば検索キーワード。上位の項目ばかり見ていては、既知の情報ばかりになります。100番目くらいに出てくるような検索キーワードにこそ、サイトを改善する価値のある情報があるものです。

    アンケートや定性調査、さらにはお客さまから寄せられる意見でも同じです。サイトをリニューアルすると、「今度のデザインは使いづらい!」という声は必ず来るものです。でも、そこに引っ張られては正しい判断ができなくなることも多いのです。

    さらにいえば、アンケートやアクセス解析では出てこないデータが大切な場合もあります。たとえば、「大切なのに見られていないページ」「効果が高いはずなのに誘導できていない検索キーワード」「顕在化していないニーズ」などは、データ中には「ない」ものです。

Webの良いところは、データをとれるところ。でも、そのデータも扱い方を間違えると判断を誤ります。ここで挙げたどの項目も、データ処理をあくまでも目的を達成するための手段として考えることがポイントとなっています。

Web担の連載にあるデータをざくざく処理するためのグラフの読み方、使い方の連載にもあるように、人間とはそもそも大量のデータを読み解くことは得意ではないものです。データに踊らされるのではなく、データを活用するためにも、こういった点に注意してください。

◇◇◇

前回「このコーナー、打ち切りになるかも」とお伝えしましたが、結論として、継続になりました! 読者のみなさんからの声もあり、また、メディアとしての役割もあるということで、今後も引き続き、3誌連動コラムをお届けして参ります。

ただ、「このご時世、毎月は厳しいっ!」という(私も含めた)担当者の声により、とりあえず四半期に一度というペースとなります。次回は6月となりますので、お楽しみに!

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