グーグルがSEOスパムとみなすもの、みなさないもの/マット・カッツ氏インタビューから(後編)
前回に引き続き、マット・カッツ氏のインタビューから得たSEOに関するポイントをお伝えする。
(6) 相互リンクはNGなのか?
カッツ氏
(相互リンクについて)つまり、われわれが「過度な相互リンクは避けよう」と言った場合、「過度な相互リンク」とは、「相互リンクによって、検索順位を上げられるということをご存知ですか?」といった内容の自動送信メールを送りつけて獲得したリンクが、リンク全体のうち相当な割合を占めている状態を指しています。
われわれは過度な相互リンクを行わないように言っていますが、すばらしいことに、人々は何がやり過ぎかということをよくわかっています。
ポイント
みんな、相互リンクはしてもかまわない。ただし、リンク全体に占める割合は低く抑えておくこと。僕は、アンカーテキストに関してあまり堅苦しく考えすぎないようにして、アンカーテキストに使用する語句については、リンクを張ってくれる人に好きなものを選ばせる(そうすれば、より自然に見える)こともお薦めする。
コピー&ペーストするだけで済むリンク用のHTMLを提供するつもりなら、日によって、あるいは週ごとに変えるようにしよう(前編で述べたようにバリエーションを付ける)。動的ページを作成すれば、1週間ごとに(トラフィック量によっては毎日でも)内容を変更するのは非常に簡単なことだと思う。あるいは、Eメール自動配信システムでリンク用のHTMLを配布しているのなら、やはりコードの内容をときどき変更しよう。
断っておくが、別に相互リンクの必要性を宣伝しているわけじゃないよ。僕は、アフィリエイトプログラムを除けば、今までに手がけたあらゆるオンラインマーケティングキャンペーンで、相互リンクを利用したことはない。
(7) 外向きリンクを張るべきか張らざるべきか?
カッツ氏
外向きのリンクを張るべきかどうかについては、それをしない理由はない。
ユーザーが満足しているなら、サイトを再び訪れたり、ブックマークしたり、友人に教えたりしてくれる可能性が高くなります。そんなときに、サイト外へのリンクを張らないことで、これらのユーザーを自分のサイト内に抱え込もうとすると、多くの場合、相手はどういうわけか無意識のうちにそれを感じ取り、サイトを再訪問したり、友達に教えたりしてくれなくなってしまうのです。
ポイント
この説明では少し不十分だろう。カッツ氏は、人々が、最終的なランディングページではなく、他のページにリンクしているページをブックマークするものだと考えているようだ。だが、もしそうであれば、人々のブックマークは、ランディングページそのものではなく、グーグルの検索結果ページで一杯になるだろう。
僕の場合、情報自体はまあまあだがすばらしいコンテンツを持つ本当に優れたサイトにリンクしているサイトがあれば、すばらしいコンテンツを持つサイトの方だけをブックマークする。
その意見に同意できるかどうかは別として、カッツ氏自身は、サイトのページに外向けリンクがあるかどうかが、そのサイトの質の善し悪しを判断する要素の1つだと考えていることがわかる。
しかし、大きな疑問は、これらの外向けリンクにnofollow属性を使用するべきかどうかということだ。そして、Googlebotは、サイト上のリンクに関するカッツ氏の奇妙な考え方に同意するのだろうか? さらに、Googlebotがカッツ氏と同じように考えるとしたら、外部リンクにnofollow属性が使用されていても、品質の高いページだと見なしてくれるのだろうか? Wikipediaを見ると、どうやら見なしてくれているようだ。それとも、Googlebotは他の要素を見ているのだろうか? ふうむ、うやむやにされたままの謎だ。考えてみよう、グーグルからしたら、うやむやになっている疑問だろうか? 決してそうではない。(^_-)
(8) リンクしてくれる人に割り引きサービスを提供するのはOK? NG?
カッツ氏
(目的とするサイトにリンクしてくれるユーザーやアフィリエイターに、割引サービスを提供するという考えについて)結局のところ、その気になれば人間はどんなものでも悪用できるということを、常に忘れずにおかなければならないということです。そのことを心得ていれば、実際に何らかの悪用が目につき始めた場合、それについて調べることができます。これまでのところ、割引サービスで不正を行おうとしている人は、それほど多く見かけたことがありません。
ポイント
マーケターとして僕たちが割引サービスという方法を悪用しないのであれば、グーグルがそれを追跡することないだろう。このことを考えてほしい。結局のところ、グーグルの関心事は自分たちのサイトにおけるユーザー体験なのだ。こうした方法によって検索結果がメチャクチャになってしまうというのでなければ、グーグルが問題に対処するために自らの資源を浪費することはないだろう。
つまり僕らは、こうした方法をマーケティング戦略として使用できるし、それを理由にペナルティを受けることもない。ただし、誰かが調子に乗りすぎてしまったり、あるいはグーグルの検索結果をあまりにもメチャクチャにしたりするようなことが起これば、はい、おしまい。この方法が使えなくなるまであと60日といったところだろうか(いや、これは冗談だけどね)。
個人的な感想だが、カッツ氏から有益な情報を引き出すことに関して、エンゲ氏は、SEO業界最高のインタビューアだと思う。SMX Advanced 2008で僕はそのことを個人的にエンゲ氏に伝えたが、ここでもう一度公言するよ。エリック、今後もいい仕事を続けてくれ!
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