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検索エンジンやウェブのデータを使って競合ブランド分析する方法

検索マーケティング業界の熾烈な競争について一言述べたい。その分析を通して、検索に精通するアナリストが、数ある検索エンジンを利用して業界のいろいろなブランドについて考察する方法について、解説してみたい。

どうしてこんなことを思い付いたかというと、あるブログ記事を読んだからだ。どちらも読む価値がある。1つは、リー・オデン氏によるケビン・ライアン氏とケビン・ハイスラー氏とのインタビュー(ライアン氏はSearch Engine Strategiesの、ハイスラー氏はSearch Engine Watchの人だ)。もう1つは、マット・マクギー氏の「Search Engine Land対Search Engine Watch、勝つのはどっち?」だ。

インタビュー記事の方は、競合するカンファレンスをめぐって激しい攻防や自慢話、論争があることを教えてくれた。マットの記事は(このテーマに関するたくさんのスレッドにまつわる世間の噂話とともに)、検索業界が対立しあってばかりいることに気づかせてくれた(驚くなかれ、このニッチ業界人には劇的な事件を求める、どうしようもない衝動があるらしい)。

まず、マットの記事を取り上げると、彼はとても頭がいいが、1つの基準でブランドの認知度を比べるのはちょっとおかしいんじゃないかな。そう、Bloglinesを通じた長期的なフィード登録数の比較は、合理的なデータポイントではあるけど、アクセスの証跡を得るには、ほかにもいろんな情報が使えるんだから、使おうじゃないか。

僕が検索マーケティング業界の競合ブランドをどう分析・比較したかを解説しよう。

比較した4社11ブランド

まずは、対象となった検索マーケティング業界のブランドは次のとおりだ。

ブランドブランドのドメイン名商品ターゲット創立年
INCISIVE MEDIA
Search Engine Watchsearchenginewatch.comブログ、フォーラム、記事SEO/SEM1997
Search Engine Strategies(SES)searchenginestrategies.comカンファレンスSEO/SEM1998
ClickZclickz.com記事、ブログマーケティング1997
Info World Reviewiwr.co.uk登録制情報担当者1999
THIRD DOOR MEDIA
Search Engine Landsearchengineland.comブログ、コラムSEO/SEM2006
Search Marketing Expo(SMX)searchmarketingexpo.comカンファレンスSEO/SEM2006
Sphinnsphinn.com社会ニュース、フォーラムSEO/SEM2007
Search Marketing Nowsearchmarketingnow.comポッドキャストSEO/SEM2006
BRETT TABKE
WebMasterWorldwebmasterworld.comフォーラムSEO/SEM1996
Pubconpubcon.comカンファレンスSEO/SEM2000
SEOmoz
SEOmozseomoz.orgブログ、ツール、登録制SEO/SEM2004

まず、企業間で重複する領域がどこにあるかだ。

上の表では、Search Engine WatchとSearch Engine Landが直接のライバル関係にある。

Search Marketing Expo、Search Engine Strategies、PubConの3者もそうだ。

他のところもそれぞれに同じようなグループをターゲットにしているが、直接競合するというほどではない。

創立年は、成長もしくは衰退のスピードを推測するのに役立つから、とても重要な比較データだ。

ブランド調査①検索エンジンのインデックス状況

メディアG# (6m)G# (3m)G#Blog
(ALL)
G#Blog
(1m)
TBPR
Search Engine Watch102,00057,10010,0562,0148
Search Engine Strategies5,0003,0102,6572667
ClickZ86,10050,0006,9771,5217
Info World Review463237160177
Search Engine Land7,5904,42010,8463,2887
Search Marketing Expo2471657721816
Sphinn1,6201,2002,9474586
Search Marketing Now563616775
WebMasterWorld16,4009,7905,2152617
Pubcon3001949161906
SEOmoz58,60024,1005,5341,1146
  • メディア――各社のウェブ資産。
  • G# (6m)――直近の6か月間でドメイン名をGoogle検索したときのヒット数(TLDを含む)。該当のドメイン名自身は数えない。この検索方法の一例を示そう。searchenginewatch.comならこんな感じだ。
  • G# (3m)――上と同じだが、こちらは直近の3か月だ。
  • G#Blog (All)――ドメイン名をGoogleブログ検索にかけたときのヒット数。該当のドメイン名は除く。設定はデフォルト(期間指定なし)。
  • G#Blog (1m)――上と同じだが、過去1か月の記事だけ。
  • TBPR――Googleツールバーでわかる、そのドメイン名のトップページが持つPageRank値。

このデータを見ると、該当ブランドのドメイン名に対する言及の広がり具合について、詳しい見識が得られ、ドメイン名とブランドの全体的な人気についてある程度結論を出せる。個々のブランドの普及率や飽和率だけでなく、どこが勢いを増しているか、どれくらいのスピードで伸びているかをつかめる。

ブランド調査②リンク数/フィード購読者数

メディアMSリンク数Y!リンク数TオーソリティGフィード
購読者数
Bフィード
購読者数
Search Engine Watch3,580,0001,770,0003,4796,6453,300
Search Engine Strategies1,210,000410,000n/a340265
ClickZ2,460,0001,210,0002,8752,3621,209
Info World Review1,170,000430,000171n/a225
Search Engine Land8,890,000462,0005,3976,1801,772
Search Marketing Expo204,000161,000n/a17263
Sphinn248,00025,3001,622566189
Search Marketing Now37,40046,400658524
WebMasterWorld795,000269,0001,8802,207781
Pubcon940,000258,000n/an/a67
SEOmoz1,300,0002,620,0005,4586,6312,362
  • URL――前の表と同じ。
  • MSリンク数――Liveは、数週間のうちにリンク検索をまた閉じてしまうそうだ。だからデータを取れたのはラッキーだ。検索の書式は+linkdomain:searchenginewatch.com。さらに、-site:searchenginewatch.comで内部リンクを切り捨てている。注意:ヒット数が多過ぎて、あまり意味はないなあ。searchenginewatchドメイン名について検索を3回やったけど、ヒット数は60万から350万件になってしまった。
  • Y!リンク数――このリンクデータはYahoo! Site Explorerから頂戴したものだ。該当ドメイン名内のページに対する外部リンクだけを抽出する形で検索する。ここの数値は、Microsoft/Liveのリンクデータよりずっと信頼できるだろう。
  • Tオーソリティ――Technoratiのオーソリティの数。これは最近90日以内にサイトにリンクを貼った個別・固有のブログの数だ。
  • Gフィード購読者数――Googleでのフィード登録数。Google Reader内部でドメイン名を検索すればわかる。
  • Bフィード購読者数――Bloglinesでのフィード登録数。上記と同じく、Bloglines内部で検索すれば出てくる。

このデータは少しドメイン名とSEOに偏っているが、ウェブマーケティングの観点から、ドメイン名の成功をよく物語っている。リンクデータとフィード登録数は、ニュース元になるサイトと人気ブログにおいて、最も多くなるようだ。しかし、二次サイトでも互いの比較を行うなら役立つ。

ブランド調査③ブランド名検索のヒット数

検索に使ったブランド名G# (6m)G# (3m)G#Blog
(ALL)
G#Blog
(1m)
"Search Engine Watch"63,10044,10023,8374,958
serchenginewatch27,90015,1008,8471,612
"Search Engine Strategies"27,00017,50012,4121,881
searchenginestrategies5,1303,080396144
Clickz49,0030,80033,4474,274
"Information World Review"24,90018,6002,27043
"Search Engine Land"36,40022,50018,1514,844
searchengineland11,0006,2702,112284
"Search Marketing Expo"11,9007,9502,5851,316
searchmarketingexpo4082855216
Sphinn41,50028,0008,2124,982
"Search Marketing Now"5,1903,13010389
searchmarketingnow654161
WebMasterWorld30,00017,40018,7812,245
"WebMaster World"57,60036,5002,270261
Pubcon147,000112,0004,8181,766
SEOmoz101,00045,90027,7303,409
  • 検索に使ったブランド名――実際に検索に使った語句。たとえば「search engine strategies」とか「information world review」など。検索結果からは、多くの言及は一般用語で、特定のブランドを指してはいないことが伺えたが、分け隔てなく表に入れた。
  • G# (6m)――ブランドの語句をGoogleで検索。直近6か月に限定。
  • G# (3m)――上に同じ、ただし直近3か月に限定。
  • G#Blog (All)――ブランドの語句をGoogleブログ検索で検索。設定はデフォルト(期間設定なし)。
  • G#Blog (1m)――上に同じ、ただし直近1か月のブログ投稿に限定。

ウェブサイト測定も有益だが、ブランド名自体からもっと深い洞察が得られることもある。結局のところ、一連のカンファレンスやブランドについて話をするときに、ドメイン名をみんなが使うわけではないし、全員がリンクするわけでもない。だから、ここ数か月でブランド名に触れた記事などがどれくらいあるか調べることで、有益な競合分析ができるわけだ。

ブランド調査④登録メンバー数

ブランド名メンバー数ユーザーの関与ブランド認知度
SEW Forums9,150中程度非常に高い(SEWatch)
Spinn5,800非常に高い中程度
WebMasterWorld300,000非常に高い非常に高い
SEOmoz55,692高い中程度

この最後の表の数値は投稿したメンバー数だ。調査に使ったのは、Search Engine WatchのフォーラムメンバーリストSphinnのメンバーリスト、WebMasterWorldについての根拠のある推測、それにSEOmoz内部で持っている数値だ。「ユーザーの関与」のデータは全部、サイトでのユーザー作成コンテンツや活動の量をもとに僕が推測したものだ。最後の「ブランド認知度」の列も完全に推測だ。検索業界の人との話やメールや会合で得た経験がもとになっている。

このデータが有効なのは、ユーザーがこれらサイトにおいて、定期的にどれくらいの活動を行うのかわかるからだ。こういうデータは、どのサイトについても手に入るわけではないが、ユーザーが関与できる競合ドメイン名を分析する場合は、この情報をおろそかにはできない。

一連の分析からわかること

  • Third DoorのSearch Engine Landのウェブ資産は明らかに急上昇している。先の表のほとんどから、Search Engine Landは、Search Engine Watchが10年かかって築いた規模まで成長するのに1年しか掛かっていないことがわかる。
  • Search Marketing Expoは、規模から言えばPubConやSESにまだ及ばないが、やはり、この6か月での成長率(第1回のSMXは2007年6月だ)を見ると、このレベルの成長をあと2〜3年続ければ、両ライバルを追い抜く可能性がある。
  • Third Doorのウェブ資産とSEOmozは、どちらも両者以外に比べて速いスピードで成長を遂げている(SEOmozはどのサイトとも直接競合していないけど)。しかし、両者を比べれば、Third Doorの方が明らかに成長率が高い。
  • この数値を6か月ごと、1年ごとに調査していけば、きっととてもおもしろいに違いない。

この分析が「X対Yの戦い」に興味を持つ検索マーケティング業者の知識欲を満足させるだけでなく、ドメイン名とブランドをしっかり競合分析する方法の参考になれば幸いだ。

ついでに――当然ある反論に対する先制攻撃として、僕にはAlexa、QuantCast、Competeのデータが信用できない十分な根拠があることを指摘しておきたい。ブランド分析に精通した人には、それらのデータの精度が上がったと実証されるまで、サービスを利用しないことを勧める。

洗いざらい白状する: SEOmozは、ここで取り上げた一連のカンファレンスや事業から直接利益をあげていないけど、以前はその展示会運営者3社と専門的・金銭的関係を結んでいて、現在ではPubConとThird Door Mediaのウェブ資産に積極的に関与している。

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