前回のQ&Aから時間が空いてしまって申し訳ない。1週間ストックホルムに滞在し、戻ってきてからここ数日は、できるだけじっと腰を落ち着けて仕事をしようと思ったのだけれど、これがいつにも増して(ここ重要なとこ)忙しい日々になってしまった。
でも、ちょっとだけ嬉しいお知らせがあって、明日と今度の木曜日(15日)、僕らはすごくエキサイティングな発表を2つ用意している。それから、この何日かでYOUmozにすばらしい投稿が何件かあった。どしどし投稿してね!
記憶に残ってないという人のために書いておくと、僕は以前このブログで、みんなに質問を寄せてほしいとお願いしていた。そして前回の記事「SEOmozの有名人Randがみんなの質問に答える その1」で数多くの質問に回答したけど、まだたくさん質問が残っている。それをこれから取り上げるよ。じゃ、始めようか!
【Q】Third Door MediaとSEOmozの関係は?(これは、スレッドに書きこまれたものではないが、メールで質問されたり、直接会ったときにしょっちゅう聞かれることなので、ここで答えておく)
【A】Third Door Mediaは、Search Engine LandやSphinn、Search Marketing Expo(SMX)、およびSearch Marketing Now(一連のポッドキャストを扱ったウェブサイト)をプロデュースしている会社だ。SEOmozの読者なら大半の人が、Third Doorを率いる人物が、ダニー・サリバン氏とクリス・シャーマン氏という2人のライターだってことくらい知っているだろう。SEOmozとThird Doorは8月、両社の間で何か相互プロモーションをやろうと話し合った。それ以来、SEOmozはSMXカンファレンスのプロモーションを行っているし、これからも継続していく。そして一方のThird Doorは、SEOmozのプレミアム会員製品の販促活動に協力してくれている。
両社間に金銭のやり取りはなく、純粋に互いのビジネスに協力し合っている関係だ。1つ重要なのは、互いの編集責任が及ぶコンテンツの領域にまでは、この相互プロモーションを適用しないということだ。たとえば、誰かがSearch Engine LandでSEOmozについてすばらしいことを書いたり、SMXイベントの講演者としてSEOmoz関係者を招いたり、あるいはSphinn上でSEOmozに肯定的な記事を書いたりすることはあっても、それと、この相互プロモーションとは一切関係ない。
実際、眼識の鋭い読者なら気づいているかもしれないが、ここ数か月の様子を見ていると、Sphinnで上位を取るには、SEOmozに対して否定的なことを書くのが最も有効な方法の1つになっている(笑)。どちらの会社も、ビジネス上の協力関係が編集方針にまで影響を及ぼさないよう、非常に神経を使っている。見てのとおり、義務から張ったサイト間のリンクは(ブログや記事中に)存在しない。そんなことより両社は、コンテンツの執筆者が、読者にとって有用だと考える情報を大きく取り上げていきたいんだ。
今のところ、相互プロモーションやめる予定はない。というようなわけで、読者の皆さんはおそらく、以下のようなことを多く目にすることになるだろう。
- Third Doorのサイトから、SEOmozのプレミアム会員に割引価格で加入できる。
- SMXのイベントで、SEOmozのプレミアム会員に割引価格で加入できる。
- Third DoorのサイトにSEOmozのバナー広告を掲載。
- SEOmozのサイトにSMXイベントのバナー広告を掲載。
- SMXカンファレンスを一部、SEOmozが後援する。
- SEOmozの配信メールに、SMXイベントの宣伝が入る(SEOmozの初のニュースレター配信はまもなく!)
- その他、意義がありそうな分野で協力し合っていく。
僕らは、Third Door Mediaのチーム全体と一緒に仕事ができることに、本当にわくわくしているんだ。
【Q】私は、小さなEコマースの設計開発部門で1年働いています。ところが最近になって、彼らはあくまでも自分たちの仕事の範囲内にとどまって、積極的なSEOを提供するつもりがないということに気づいたのです。
つまり私が言いたいのは、えっと……、あとで大金を請求できるのに、クライアントと契約を交わすにあたって、なぜ積極的なSEOやSEMを持ちかける必要があるのか、ということです。こうした今の会社のやり方は、ビジネスという点で見て、誠実さとか積極性を求める私の考え方に合いません。そこで、私はこの会社を辞めることにしました(笑)。私はこの会社を辞めて、コンサルタントという形で、自ら実践してみようと思っています。
新米SEOコンサルタントに何かアドバイスはありませんか? それとも、こんなことを考える私はバカで、もっと別の地に足の着いた仕事を見つけたほうが良いでしょうか?(笑)キーワード分析やマーケットリサーチを十分に行って、オーガニック検索結果に焦点を合わせた正直で率直なSEO屋にとって、市場はあるでしょうか? 私は、間違った予測に基づいてクライアントを得る仕事をしたくないのです。
【A】これはまぎれもなく僕の信念なんだけど、正直なSEOサービスの市場はある。それこそ、僕がこの業界に足を踏み入れてから戦ってきたものだ。
ただし、君が新しくビジネスを始めるという話は、手放しで祝ってあげられない。それは、長くてしんどい、上り坂の戦いだ。まあそれも君自身が決めたことだから、僕は賛成するしかないんだろうけど。
ただし幸いなことに、まだ利益はほとんどないよね。それなら、事業方針を決めるのは君で、君が君自身のボスで、いずれにせよ成功するも失敗するも君次第ということになる。
この問題を議論するには、どうしてももう1本別に記事を書かなくちゃならないと思うんだけど、近い将来には実現させたいと考えている。それまで、Cre8asiteなどの良質なフォーラムで尋ねてみてもいいかもしれない。
【Q】私たちのサイトでは、オリジナル版だとページランク値を3から5は獲得できているのに、翻訳版ページの大半でページランク値が付かないことに気づきました。それで、そうしたページのうちのいくつかは補足インデックスに入っているのでは、と疑っています。そうです、それらのページは相互リンクが非常に少ないのです。そこで、私たちは今リンクを増やす作業に取り組んでいるのですが、これで十分でしょうか? 英語以外の言語については、URLにパラメータ(たとえば「?lng=fr」など)を使い、サブドメイン名やディレクトリは使っていません(私自身はウェブ開発者じゃないので、説明がこれで正しいかどうかわかりませんが。理解してもらえるとありがたいです)。
【A】ちょっとわかり難いところもあったけど、君の質問の意味は概ね理解できたと思う。
僕の答えを言うと、それはイエスだ。適切に内部リンクを設ければ、ページの可視性が上がり、ページランクも上がる可能性が出てくる(君が言っているのは、ツールバーにあるページランクのことだと僕は理解した)。ただし、そもそものリンクジュースをそのサイトがまだ持っていなければ、わずか1オンスのバターを1マイルのパンに塗り伸ばすようなものだと言えるだろう。1オンスじゃ、いくら頑張ってもたかがしれてるよね。この問題を完全に解決するには、外部リンクと、それを引き寄せることのできるコンテンツが必要だろう。
【Q】私たちのサイトは複数言語の翻訳版があって、それぞれの言語についてドメイン名を購入し(たとえば、oursite.ruやoursite.plなど)、これらをメインのサイト(oursite.com)の別名として使っています。英語以外の言語でも可視性を上げたいのですが、(a) 他の言語のドメイン名を推進する、(b) メインの.comドメイン名上の翻訳ページとして推進する、のいずれの方法が良いのでしょう?
【A】一般的に言って、単一のウェブサイトから複数の国の複数言語をターゲットにするのは信じられないくらい難しいことだ。これは、「規模は大きいほうが好ましい」という僕の哲学に完全に反するのだけれど、おそらくは、別々のドメイン名として充実させていかなければならないだろう。それらを相互リンクさせる(英語以外の言語版を必要とする訪問者には、そうしてあげるのは意味のあることなので)こともできるが、同時にそれぞれのドメイン名も独自に人気を集める必要がある。
【Q】私は今、改訂版でないほうの検索エンジン最適化ビギナーズガイドを読んでいて、ビジター追跡の話のあたりまで来ました。私のウェブサイトでは、実際にビジターがどのブラウザを使っているか、ビジターが来たのは何時なのかわかるようになっているのですが、その情報がどう役に立つのかわかりません。改訂前のビギナーズガイドではこのあたりの説明を展開していないので、ここでこの質問に答えてもらうか、改訂版で説明してほしいと思います。実際、ビジター追跡のデータについて一般的な使い方があれば、非常に役に立つと思います。「ああ、ここを訪問する人たちは本当にポケットチャートが好きなんだな。それならば、今月はそれを私のサイトの目玉にしよう」とか、「遊具を探している人たちに、ここのサイトは見つからないんだな。だったら、その方面をもっとアピールしなくちゃ」といったことが言えるものなのでしょうか?
【A】こりゃまたかなり幅の広いトピックだな。この話は間違いなく改訂版のビギナーズガイドに入れるよ。それはそれとして、僕はアヴィナッシュ・コーシック氏のStandard Metrics Revisitedシリーズ(#1、#2、#3)を読むよう薦めたい。少なくとも出発点としては有益だ。
【Q】1件別に質問をしていますが、それよりも僕はこの質問にどうしても答えてもらいたい。ダレン・ロウズ氏にいったい何が起こったんですか? あなたはたしか「僕とMattは『ステキな』関係にある」と言っていましたよね。さあ、彼に電話して、何があったか聞いてください。
【A】うーん……。たしかにそう言ったけど、あのときは完全に冗談半分だったんだよね。けど、何が起こったか、ここでは僕の意見を言わせてもらうね。Googleはダレンが、ページランクの価値を受け渡すリンクを売っている、と見なしたんだ。だからGoogleは、自分たちがそうした行為に気づいていて、彼(と彼のリンク購入者)に受け渡せるリンク価値が以前より下がったのだ、ということをわからせようとしたんだと思う。
【Q】meta descriptionが持つ価値については、いろいろ矛盾する情報があるようです。meta descriptionが優れていれば、検索トラフィックを引き込めるのは間違いありません。他のSEOソースでも、その多くはmeta descriptionの記述について、確実にページのコンテンツに関連させることの重要性を訴えています。こうしたSEOソースは、ランクを上げるための方法として、title要素とmeta descriptionの記述、そしてページ内コンテンツ間におけるキーワードの関連性を重視しています。これはつまり、サイトにランクを付けるとき、検索エンジンのアルゴリズムは実際にこれを考慮に入れている、ということを示しているのでしょう。私の経験で言うと、やはりキーワードの関連性はランキングに良い影響を及ぼすようです。これについてあなたの意見は?
【A】ラッキー。meta descriptionの記述については、もうすっかり記事に書いてるよ。確信をもって言えるほど十分なテストをしたわけではないけれど、title要素とmeta descriptionの記述、そしてページ内コンテンツの意味的な関係は、ランキング決定の大きな要因になっている。だからそうだとわかっても僕は驚かないね。これは訪問者にとっても意味のあることなので、ここでこれ以上SEO手順を示す必要はないね。ラッキー。
【Q】SEOmozにリンクを張っていて、なおかつ検索エンジンがまだ見つけていないサイトの一覧ページを作るのは、良いアイデアじゃないですか?(このサイト上でもいいし、別ドメイン名でも)
【A】追跡したりモニターするためなら、良いアイデアかもね? たぶん、そうだと思う。でも、あなたの解析ツールは自分のために使うべきだ。参照元のリンクやドメイン名情報を通して、これをやるといい。ただ、SEOの観点から尋ねているのならば、検索エンジンが見つけられないようなコンテンツのページを作る正当な理由を、僕は思いつかない。たぶん、僕はあなたの質問の意味を完全には理解できていないんだろう。
【Q】ドメイン名とサブドメイン名の関係性における、SEO的な利点とペナルティについて教えてください(悪いドメイン名はサブドメイン名にペナルティをもたらす可能性があるけど、その反対はないと聞きました)。それらは個別のウェブサイトとして扱われるからだと思いますが、他に何か利点はありますか? たとえば、サブドメイン名に1000件のリンクを持っていたとして、それがメインのドメイン名に影響を及ぼすといったようなことがあるでしょうか? そのあたりのことについて、詳しく教えてもらえたらと思います。
【A】サブドメイン名が悪くても、それ自体が何か悪影響を及ぼすことはないとは、絶対の自信をもって言えない(特に、メインのドメイン名からたくさんのリンクを張っていればなおさら)。僕が推測するに、サブドメイン名とドメイン名は、それらがスパムを含んでいるとか、信頼性が低いとかいった場合や、検索エンジンからペナルティの対象と判断された場合に、互いに傷つけ合う可能性がある。そしてメインのドメイン名からサブドメイン名に1000件ものリンクを張っている場合、メインのドメイン名にも影響を及ぼしてしまい、検索エンジンの目から見て、サブドメイン名がメインのドメイン名の一部のように扱われる可能性が高くなるのではないかと思う。けれども、検索ランキングを見るかぎり、たくさんのリンクを張ったサブドメイン名が、主ドメイン名の完全な「一部」として扱われず、信頼もされないという例はある。あなたが、何を詳しく説明してほしいと言っているのか正確なところはよくわからないが、僕の一般的な経験則では、特にこれといった理由(たとえば、検索結果を独占して評判を築くとか)がない限り、サブドメイン名ではなく、サブディレクトリだけを使うべきだ。
【Q】Googleはなぜ、SEOmozのSEOmoz推奨SEO事業者のページにあんな仕打ちをしたのでしょう? それがもし、あなたがリストに入れた事業者のどこかに関係することだったとわかった場合、あなたはその事業者を一覧から外し、何があったか私たちに説明してもらえますか?
【A】はっきりした理由は、僕にもわからない。でも強いて言うなら、それはリンク先に関係したことではなく、CSS(リストをクリックしたときに出るドロップダウン)を通じて、大量の隠しテキストを使っていたからではないかと思う。あれはひどすぎる。あんまりだ。だって、そのページはCSSの隠し属性を、この上なく正当に使っていたんだからね。
【Q】主にビデオコンテンツを扱っているサイトにおいて、どのような戦略を使いますか?
【A】僕なら、そうしたビデオコンテンツはすべて別のページに置くようにして、独自に(Comedy Central式の)埋め込みシステムを作る。それから埋め込んだ部分で、個々のビデオページに戻るリンクを作成する(YouTubeは、絶対これをやるべき)。また、ブロガーが使ったり掲載してくれそうなビデオコンテンツを作り、DiggやRedditやStumbleUponなどのソーシャルメディアや口コミサイトを活用し、評判になるように仕向けるね。
【Q】私がFacebookであなたに友人のリクエストを出したら、承認してもらえますか??
【A】僕は、2~3週間に1度しかFacebookにログインしないし、これまで友人のリクエストも何百件と断ってきた。原則的に、直接会ったことのない人からのリクエストは受けないことにしてるんだ。でもそれは、絶対に絶っっ対にあなたのことが好きじゃないからという理由ではないよ(笑)。それは単に僕が、ある程度好きなように断る自由度を求めているからに過ぎない。それから、僕はFacebookを決して利用しないので、僕と友人になっても得なことは何もないよ(笑)。
【Q】あなたはコードを書いたことがありますか? 書いたことがあるとして、最後に書いたのはいつですか? そのときは、どんなコードを書きましたか?
【A】うーん。いい質問だね。たしか最後にコードを書いたのは、僕個人のウェブサイト用にテンプレートをいじっていたときだと思う。あのときは書いてて嫌になったよ。僕はつくづくコードを書く才能がなくてね。基本的に僕は、どこかよそ(フォーラムなど、誰か他人のサイト)からコードを取ってきて、それがうまく機能するように格闘するんだ。でも、たいていはうまくいかない。ありがたいことに、うちには今優秀なプログラマが3人いるから、彼らが手伝ってくれるよ。
【Q】規模という点で(残念ながらブログのオーディエンスではない)、僕らはあなた方がつい最近までいた位置にいます。僕らのような位置から現在のSEOmozの立場に至る過程で学んだことで、前から知っていたらよかったと思う教訓はありますか?
【A】参ったね……。こりゃ驚くべき質問だ。事業の経営者が行う中で、おそらく人材の雇用が最も重要で、最も力を注ぐ価値のある部分だろう。僕らは運良く、雇用した人の大半がよく働いてくれているけど、何度か失敗もあって、払った代償も小さくない。信頼できる人、一緒に仕事をしたくてたまらない人、そして自分より意欲も野望も知性も優れた人を雇いなさい。その人たちには十分な給料を支払い、やる気を起こさせるすばらしい動機のほか、自由と責任を与えて、成功に至る原動力とすること。最後に、彼らだって自分と同じように失敗することもあるということを忘れず、必要なときは必ず休養させなければだめだよ。
【Q】ウイスキー派ですか、ブランデー派ですか?
【A】ここは、ウイスキー派だと言うべきだろうなあ。特にスコッチがいいね。スコッチは僕の大好きな飲み物だ。
【Q】ワイン党ですか、ビール党ですか?
【A】そのときの食事によるかな。僕はワインが好きだ。料理に使ってよし。それに合う料理といっしょに飲んでよし。また、ワインについていろいろ勉強するのも楽しい。でも、NFLのゲームを見るときは、ワインではダメだね。
【Q】シャンペンとカクテルでは?
【A】暑い日に飲む最高にうまいモヒート(mojito)やトム・コリンズ(Tom Collins)は最高だけど、それ以外ならシャンペンだな。
【Q】検索エンジンの技術で、次に起こる大きな進歩は何だと思いますか? そして、それはどのようにSEOに影響を及ぼすでしょう?
【A】あんまりこの問題に固執したくないんだけどな。僕がこれまで行ってきた検索の未来予想の成績は、あまり好ましい物じゃないんだ。それでも僕は、MSN/Liveが彼らの製品検索結果に加えた改良に関連することには、目を光らせていきたいと思っている。彼らはどうやって、そのコメントが良いか悪いかを判断するんだろうか? 僕の予想では、そのうち生の人気が、部分的あるいは完全にMSN/Liveの分析に置き換わるんじゃないかと思う。つまりMSN/Liveは、あるサイトやページに言及したリファレンスやリンクが、良いことを言っているか悪いことを言っているか(と、それらがソースをどれだけ重要と感じているか)を判断して、生の人気度と置き換えてしまうんじゃないか、という推測だ。それには、膨大な量の自然言語処理が必要だけど、検索エンジンがすでにその方向に進んでいるのは明らかだ。
それから、それはどのようにSEOに影響を及ぼすか、だっけ? 今からSEOを始めるなら、今以上にリンクベイトが困難になるということはないが、良い伝達チャンネルを獲得するのは、おそらく今より困難になりそうだ。生の注意を引けばいい現状のマーケティングと違って、主流メディアでもブログ界でも、良い伝達チャンネルの獲得がより難しくなるだろうね。
【Q】私にはSEOに費やせる資金が5,000ドルあります。5,000ドルでは皆さんに仕事を依頼するのに足りないでしょう。そこで、その5,000ドルはどのように、あるいはだれに仕事を依頼するのに使えばいいですか?(もちろんSEO目的で)
【A】それは、なんと言っても断然、あなたがどんなことを必要としているかによる。サイトの審査と、その問題点を修正するアドバイスを求めるなら、推薦できる良い会社はいくらでもある。そして、彼らのうちの少なくとも30%は、単純な審査とアドバイスなら5,000ドル以内でサービスを提供している、と言っておくよ。
ただし、まだ計画に着手したばかりならば、WordPressやDrupalで見栄えのするサイトを作ってくれるすばらしいデザイナや開発者にすべてのお金を投じ、あなた自身がすばらしいコンテンツをまとめれば良いと思う。
【Q】なぜあなたは、SEOmozのサイトに.orgドメイン名を使おうと思ったのですか? 想定し得る範囲内の将来において、ドメイン名を.comに変更する可能性はありますか?
【A】Seattle Timesの記事でも、だれかが同じ質問をしていたなあ。あのとき、Brierは実にうまく答えを出していたと思うね。彼が記事に書いていることはその通りで、僕らがSEOmozを始めたとき、それは単にSEOに関する記事やツールのリポジトリでしかなかったんだ。そこにはビジネスモデルなんてものもなかった(僕らは、自分たちがSEOを実行するのに足る知識を持っているとも思っていなかったので、SEOについてクライアントと話をしたこともなかった)。今では、明らかにもっとずっと良くなってるけど、僕は本当に.orgが気に入ってるんだよね。だから、特に.comに移りたいとも思わない。僕らは今なおこの場において、ブログ、YOUmoz、たくさんの無料ツール、無料記事、そしてリソースなど、すばらしい無料コミュニティを提供している。僕らが正真正銘の「オープンソース」でないことは自覚しているけど、ビジネスの活力のために、できるだけ多くのものを提供する能力を維持したいと思っている。
【Q】どうしてYahoo!の検索結果は、Googleの検索結果と違うのか、私は納得のいく答えを求めてさんざんウェブを検索しまくりました。以前Randにも尋ねたこともあります。私はウェブをくまなく調べて、多くの人が次のようにコメントしていることを掴みました。
- Yahoo!はさまざまなリンクに価値を与えている。
- Yahoo!はよりキーワード密度を重視している。
- Yahoo!はW3Cのことをより意識している。
- Yahoo!は広告クライアントを偏重している。
- DMOZのリストをより重視している。
しかし、私の調査とテストは、まだ結論に達していません。Rand、どうか事実を隠さないで教えて。私のウェブサイトは、Googleでこそ検索結果の上位を独占しているのに、Yahoo!ではその一部がどうしても上位に入らない。それって、Yahoo!が何をしているせいなの?
【A】僕の経験では、君が述べた最初の2つはそのとおりだとわかっている。Yahoo!はGoogleよりも、多様なリンクを重視しているようだ。Yahoo!で上位ランクにあるリンクを追いかければ、もっと成功できるはずだ。Yahoo!は、「キーワード密度」そのものを重視しているわけじゃない。実際、キーワード密度なんてものを評価している検索エンジンは1つもなく、ナンセンスだと見なしている。ただYahoo!は他と比べ、検索キーワードを使っているサイトおよびページを好む傾向があるようだ。Yahoo!もGoogle同様、多種多様なアンカーテキスト(あるいはアンカーテキスト全体)に、それほど敏感ではない。もちろん、Yahoo!はつい最近、ランキング方針の大きな変更を行ったばかりなので、ここに書いた情報は、もう古いかもしれないけどね。僕らはこれからもテストを続けて情報を集め、結果の意味するところを理解するよう努めていかなければならないだろう。
【Q】良質の、関連性の高いサイトからバックリンクを得ようとする際、模範実例はどんなものですか? メールで使うべき口調や、持ち出してはならない話題、あるいはどうしても取り入れるべき話題などはありますか?
【A】これについては以前、良いリンク申し込みの書き方に関する記事を書いたから、そちらを見てほしい。マイケル・マルチネス氏も同様の記事を書いているし、トッド・マリコート氏の記事もすばらしい。まずはこれらを読んでから、書き方を考えてみてほしい。ソーシャルメディアと自然発生的リンクの時代においては、これまでのような方法でリンクを依頼する必要さえなくなるかもしれない。単純に、直接会って頼むほうが良いかもしれないよ。
【Q】MozPointは、SEOmozスタッフにとって何か意味があるのでしょうか?(たとえば、MozPointの上位50人を、有用な接触先とか、カンファレンスで注目すべき人々と見なしていたり、コミュニティでのやり取りによって、彼らのブログを読み始める、といったような)それともMozPointは、主に人々を奨励するためのもので、全体としてSEOmozに貢献して、より大きな価値をもたらしてくれるように設けているのでしょうか?
【A】おっしゃるとおり! 実際、僕らは毎月MozPointの上位獲得者をチェックして、非常に貢献度が高いと僕らが判断するメンバー(YOUmozへの投稿や、鋭いコメントなど)に、1か月分の無料プレミアム会員権を与えている。また、トップメンバーのページからそれぞれのプロファイルページへのリンクには、通常よりはるかに高いリンク価値も付く。MozPointの上位メンバーが、検索エンジンでどれくらい高い順位を獲得しているか、チェックしてみるといい。
【Q】好きな変身型ロボットは何ですか?
【A】みんなと変わらないよ。Optimus Primeかな。でも以前は、DecepticonsのSoundwaveとDinobotsのGrimlockの大ファンだった。
【Q】SEOmozで気に入っているリンクベイトの見出しは何ですか?
【A】うーん……難しいなあ。52万5600通りの指標からプロが選ぶリンクの価値判断基準、かな?
【Q】検索マーケティング業界に入りたいと考えている大学生に、何かアドバイスを。
【A】在学中に見習いとして働いてみると良いよ。そしてその会社に、自分が必要不可欠な人間だということを証明してみせ、とにかく彼らの近くにいること。業界のカンファレンスがあったらいくつかは出席して、ブログの世界に身を置いて遊んでみよう。そうした社会的交流をするのとしないのとでは、大きな差があるよ(Rebeccaから一言:私はこの方法でうまくいったわ!)。
【Q】どんなテレビ番組を見ますか(そういうものがあれば)?
【A】今でも、Daily ShowとColbert Reportはできるだけ見るようにしている。それから、僕はティナ・フェイのファンだから(実際、ちょっと彼女にのぼせてると言っていい)、30 Rockも外せないね。あと、最近はThe Officeがだんだん好きになってきた。Venture Brothersもかなり好き。
【Q】いけない、いけないと思いながらついつい観てしまう(R.Kelleyのキャッチフレーズから拝借)映画は何ですか?
【A】僕は映画をあまり観ないんだ。2時間半まとまった自由時間を見つけるのが難しくてね。ただ最近、「レミーのおいしいレストラン」を観たよ。あれは断然気に入ったな。
【Q】おまけ:shorはいつ彼のプレミアムガイドをリリースしてくれるの?
【A】本当だよね。まじめな話、あの怠け者はいったい何をやってるんだ(笑)。
【Q】これまでに使った戦術で、最もあくどいものは何ですか?
【A】そうだな、自分では何とも言えないけど、Mattがここに来たとき、彼は「Oswald Cobblepot」というキーワードで1位に入るはずのこのページをクロークし、同じアンカーテキストでそこを指しているリンクをすべて隠してしまった。僕らがやるのは、だいたいこんなところ。ちょっとした内輪のいたずらかな(Rebeccaから一言:それを見つけるのには苦労したわ。自分がそれほど無益な検索をしているとは思えないけど)。
【Q】さらにもう1つ、おまけの質問。僕がガールフレンドとケンカになった話。バーニシアの破壊王アゼルヴリス(Ethelfrith)と、モンゴル帝国のチンギス・ハーンが戦ったら、どちらが勝つでしょうか?
【A】そんなものは歴史学者に聞け。それから、これもチェックするといいよ。僕らは今、「Ethelfrith the Destroyer」(破壊王アゼルヴリス)のキーワードで第2位にランクされてるから。
【Q】素人によくある質問かもしれませんが、教えてほしいことが2つあります。ページランクが各ページの価値を表す指標だとしたら、外部のサイトがあなたのサイトからページランクを奪ってしまうかもしれないのに、なぜあなたは他サイトへリンクするのですか? ページランクのため込みが悪いこととみなされるのは知っています。サイトの自然発展という観点から、それが意味を成さないのは明らかです。けれども、ページランクを上げるという意味では有効です。そうじゃないのですか?
【A】ページランクをため込むのは、必ずしも悪いことじゃない。しかし、他サイトへのリンクには大きな利点がある。こちらから他サイトへリンクしておくと、被リンクを獲得するのに役立つし、ビジターにとって自分のサイトの価値がより高いものになる。また、自分がリンクしようと思う潜在的リンク先が明らかになるし、SEO的なメリットももたらす。いくつかのテストでは、外部リンクのあるページが、外部リンクのないページよりも高い順位を獲得できるという結果も出ている。僕ら自身はまだこのテストを行っていないが、その調査報告を聞いても僕は驚かないね。
【Q】それから、ロングテールのキーワードで上位ランクに入るのは、GoogleよりYahoo!のほうがはるかに困難なのですが、それはなぜですか?(それとも、そんな話は私だけ?)
【A】君だけじゃないよ。一般にそうだ。Yahoo!は(少なくとも最近まで)、Googleよりニッチなサイトを好む傾向が強かったようだ。だから、1つ巨大なウェブサイトを作って、すべてをターゲットにし、そのすべての検索語で上位ランクに入るのは、比較的困難だった。けれども最近、Yahoo!も権威あるサイトを重視する方向にシフトしてきたので、今までよりはうまくいくかもしれない。
【Q】Rand、一生のお願いなんだけど、サイン入りの写真をもらえる?
【A】もちろん構わないさ、と思うんだが……。
【Q】SEOmozの各記事についてだれがプラス評価ボタンを押して、だれがマイナス評価ボタンを押したのかわかるインターフェイスをもっていますか? それから、そういう情報をこっそり見たことはありますか?
【A】ブログ、YOUmoz、ツール、親指マークの評価ボタンなど、サイト上での活動はすべてモニターできるようにしている。ちょっとでも不審な挙動が見られたら、もちろん、チェックしてみるよ。
【Q】Googleのローカル検索にウェブサイトを登録して、ランキングが下がるということはあるのでしょうか? 私の状況を説明すると、こんな感じです。私は、「キーワードA」と「キーワードB」と「キーワードC」でかなり高い順位を獲得していました。ちなみに、A、B、Cはそれぞれ都市名です。Aは私の居住地で、BとCはその近郊の都市です。ところが、私の会社をGoogle Localに登録してまもなく、「キーワードB」と「キーワードC」の順位が著しく下がり、「キーワードA」でのランキングは逆に向上しました。
【A】その現象の直接の原因が、Googleのローカル検索に登録したことだとは考えにくいが、Googleがあなたのサイトをより地域的に絞ってチェックした結果、順位が下がった他の2都市について、都市名の検索との関係性が低いと判断した可能性はあると思う。けれども、僕なら順位が元に戻るまで、問題点にリンクを向けようとし続けるだろう。これは絶対に、君をランキングから遠ざけるものじゃないからね。
【Q】SEOコンサルタントに未来はあると思いますか? 1日を終えて振り返ると、今日した仕事の大半は、サイト設計と情報アーキテクチャに関するもの。好ましくないタイトル、metaタグ記述、alt属性を設定していない画像コンテンツやリッチメディアコンテンツ、説明的ではないURL、サイトマップファイルの欠如、などなど。インターネット開発の他の領域で成熟が進む中、適切なSEO手法は、いずれ各部署の役割の中に組み込まれていくはずです。つまり、コピーライターは通常のコピーに加え、SEOに適したタイトルタグとメタタグを常に作成し、プログラマは説明的な親しみやすいURLを使う、といったように……。
そこで、新しいCMSシステムをはじめとするオンラインソフトウェアが、いずれも多かれ少なかれSEOに対応して市場に出回ったら、専門のSEO企業はどういった分野にシフトしていくと思いますか? サイト構築よりも、ソーシャルメディア最適化やリンクビルディングでしょうか? それともコンバージョンに繋がる要素の分析? ユーザビリティ? これから先も、こうしたものがSEO企業の仕事と考えられるでしょうか? それとも、単にオンラインマーケティングコンサルタントの仕事となるのかな?
【A】まず、好ましいSEOフレンドリーな設計に対する基準が、ほぼ同じになるのに少なくとも6年かかっている。しかし僕の経験では、ウェブ開発の世界はまだ検索標準を受け入れるには程遠い状態で、ほとんどまったく顧みていない。実際、Ajaxという技術が人気を得たことで、事態は悪くなっているようにさえ見える。けれども、なぜ検索マーケティングが必要かという先日の記事でも書いた通り、たとえすべての領域がSEOフレンドリーになったとしても、マーケティングやクリエイティブなコンテンツ、プロモーション、キーワード調査、ターゲティングなどで、まだまだ需要はあるはずだ。
【Q】立派なSEO屋になるには何が必要ですか? 良いSEO屋と優れたSEO屋を分けるパーソナリティおよびスキル面の差は何ですか?
【A】ブログ記事のタイトルにちょうどいい感じだね(笑)。これについては、そのうちもっときちんとした形で答えようと思っている。
【Q】「moz」って正確にはどういう意味?
【A】あれは、マペットがオズ(Oz)の国へ行ってしまったときのこと。そこでよくあるセリフ。「いやだ! Kermit(カエルキャラのアレ)とPiggy(豚キャラのアレ)が魔法の国(moz)に行っちゃうなんて」
【Q】あなたが書いた別の記事で、プレミアム会員がSEOmozの主な収入源になっているという話を読みました。Rand、この「新たな」教育市場で、主なライバルはどこだと考えていますか? また、その理由は? SEOmozの競争的優位性は何でしょう?
【A】現時点で、この市場にはWebmasterWorldをはじめとする複数のサイトがある。そしてWebmasterWorldとは、いくつかの面で競合している。MarketMotiveというのもあって、ここはトレーニングおよび教育用コンテンツを持っている(でも、ツールやQ&Aやディスカウントストアなどは持っていない)。今のところ、直接の競合を探すのは相当困難だと言わざるを得ない。とはいえ、この状態がそう長続きするとはまったく思ってないけどね。
【Q】SEOmozに内部倫理規定はありますか? SEOやクライアントとの付き合いに関して、従業員がして良いことと悪いことを明文化したものです。また、Randの倫理規定はどのようなものですか?
【A】そんなものはないよ! 僕らは神に誓って、できるだけ道徳的かつ倫理的であろうとしている。僕らは10万件を超す契約のかなりの部分を断ってきた。なぜならそれらは、政治やタバコ、小売りなどの領域のものだったからだ。でも、そろそろそんなものを作成する時期なのかな。
【Q】あなたやSEOmozの従業員が、SEOやクライアントの仕事をしていて遭遇する、倫理的に「グレーな事柄」(悪玉か善玉かの境界や、どちらのクライアントを選択すべきかなど)で、主なものは何ですか? そうした状況になった場合、あなたはどのようにその問題を処理するのですか? また、倫理的なこととそうでないことは、どのようにして選択しますか?
【A】こうした質問に、実例を出して答えるのは相当難しい。たしかに、これまでにクライアントとの関係において倫理上のジレンマを感じたこともあったけど、今ここでは1つの例しか思いつかない。そのときは、クライアントが悪玉の手法(クローキング)を使いたがったんだ。そこで僕らは、代わりの善玉手法でほとんど同じ効果を上げられるやり方を提案し、クライアントも納得してくれたというわけ。ブラックかグレーゾーンのやり方で、あと1つ挙げるとしたら有料リンクかな。でも有料リンクに関して、道徳上や倫理上の議論は見つからない。これは、Googleが好ましいと考えるやり方に、あえて逆らおうとするかどうかの問題なんだ。
【Q】道徳上や倫理上のジレンマという話になったとき、あなたやSEOmozの従業員は、どのようにして互いに責任を課すのですか?
【A】もう1度言うけど、本当にこれに関しては適切な答えができないんだ。長年の間に、倫理上の問題が何度か起こったこともある。でも、それについてはどうしても議論できない。これはビジネスの一部であって、公表できない話だからね。
【Q】あなたが倫理的な会社にするために採ったステップは、従業員の行動に影響を与えましたか? それは、どういうふうに?
【A】そのおかげで、Janeは大胆な自動車窃盗癖が多少収まった。まじめな話、彼女は1日おきにどこかで勝手に拝借したフェラーリでやって来て、何でもないような顔をしている。結局僕らは、ニュージーランドにおいて、他人のスーパーカーを「拝借する」のがすばらしいことだとしても、ここは米国なのだから、そのような尊大なニュージーランド的態度は容認できない、と彼女を諭さなければならなかった。
【Q】あなたは倫理ポリシー(実践)を推進するのに、どのようなことをしていますか? SEOmoz内と社外的な面(このウェブサイトやカンファレンスや講演の機会)の両面でお答えください。
【A】僕らは常に、SEOに関する知識、戦術、テクニック、データなどをできるだけ共有して、コミュニティの模範例であろうとしている。それが、ここで披露できる意識的な取り組みがある、ということになるかどうかはわからない。これまで特定の倫理規定を設定して、積極的に進めてきたことなんてなかったからね。でも、いわゆる従来的な「道徳」とは多少違うにしても、僕自身の倫理基準が会社に大きな影響を与えている、ということは言えると思う。それほど明確なものではないし、文章にもしていないけどね。
よし。これで今夜の分はすべて終わり。うまくいけば、第3回を今週末か来週にやって、残りの質問を片づけられるぞ。
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