—何を解析すればいいのかわからないあなたに—
Webサイトの“見える化”&“カイゼン”講座
平均閲覧ページビューから見えてくるウェブサイトの「目標」
正しい指標を立ててサイトを伸ばしてこそ、Web担当者も評価を得られるというもの。
今回は最も手軽で、考えやすい指標を採り上げ、解析と改善の連携を見てみよう。
豊富なコンテンツがあるのに訪問者が求めていない?
訪問者が何を求めているのか。今のウェブサイトはそれに応えられているのか。ウェブの「見える化」において最も大切なのはこの点である。
求められているものが何もない、というサイトも実在する。簡単な会社概要だけが載っているサイトでは、見に来たけれども「なるほど」と言って帰るしかない。
しかし、豊富なコンテンツが載っているサイトでも似たようなことは起こりえる。多くの訪問者が会社案内の中の「事業所の地図」を見て帰っていた。「ただうちの会社に来たいだけだった!」ということも実はよくある出来事なのだ。
今回は、アクセス解析のいくつかの項目を使って、「訪問者は何を求めているか」「何を求めていないか」を調べる方法を検討していこう。
簡単なグラフでサイトの成績を見える化してみよう
最初に行ってほしいのは、図1のようなグラフを描くこと。簡単な折れ線グラフで、月次のものなら当分エクセルで十分作れるグラフだ。
入力する項目は2つだけ。総訪問者数と総ページビュー(PV)数である。何人もの訪問者がサイトを訪れ、1人が何ページか見ていくために、総訪問者数の折れ線の上をページビュー数のグラフが推移する形になる。エクセルで表1のように数値が入っていれば、すぐにグラフ化できるだろう。これを最初に行うことにはいくつか意味がある。
月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
総訪問者数 | 50000 | 65000 | 75000 | 87000 | 10万 | 13万 | 15万 |
総ページビュー数 | 10万 | 12万 | 14万 | 17万 | 21万 | 23 万 | 30万 |
まず、強調したいのは、このグラフこそ、「Web担当者の成績表」とも言うべきものだということ。右肩上がりに伸びるこのグラフを会社に示すことで、Web担当者は評価を受け、社内で良い扱いを受けなければならない。また、すべての会社に同じようなグラフがあれば、派遣社員でも誰でも、サイトの現状をまず捉えて、次の作戦を考える足がかりになるだろう。
次に図2を参考に、期間ごとに訪問者数あたりの平均ページビュー数を計算してみよう。この数値は、サイトの状況を見極めるのに最も簡単で見やすいものだ。多くの会社では、この数値をサイト評価の数少ない指標として使っている。「ページビューしか評価軸がないんです」と嘆くWeb担当者の声を聞くことも多い。しかし、実際にはそれだけではサイトの現状は浮き彫りにならない。
ページビュー数÷訪問者数=平均ページビュー数
例)300,000PV÷150,000人=1人平均2PV
時々、業界の寄り合いで「うちのホームページは30万ページビューを超えましてね」なんて自慢をしている経営者に出会う。まあ、自慢するなら何でも良いのだが、本当のところは
訪問者数15万人で30万PV
ということもある。これだと1人平均2ページずつしか見ていないことになるから、ホームページから資料請求や問い合わせ、商品注文などが入っているとは考えられない。資料請求をするには、「資料請求フォームに入力」→「確認画面」→「サンキューページ」と、少なくとも3ページは必要になるだろう。2ページ平均ではどうにも自慢にはならないのである。
たとえば、もっと訪問者数が少なくて
訪問者数5万人で30万PV
だったら、これは1人平均6ページも見ている「優れたユーザビリティ、ナビゲーションを持ったサイト」「豊富なコンテンツがファンを獲得しているサイト」と感じることができるだろう。これなら、資料請求にも十分な数字である。ページビューだけでは指標にはならず、そこに訪問者数を組み合わせることによって、やっと判断の基準にしえるのである。
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