BOOK REVIEW ウェブ担当者なら読んでおきたいこの1冊
『アテンション! 経営とビジネスのあたらしい視点』
山川 健(ジャーナリスト)
ネット社会の情報洪水の中、重要になる「アテンション」
この視点がなければこれからのビジネスは成功しない!?
- 『アテンション! 経営とビジネスのあたらしい視点』
- トーマス・H・ダベンポート、ジョン・C・ベック 著
- 梨 智弘、岡田 依里 訳
- ISBN:4-431-71161-9
- 定価:本体1,900円+税
- 発行:シュプリンガー・フェアラーク東京
「われわれは皆、『アテンション・エコノミー』に生きている」「供給不足に直面しているのが人間のアテンション」世界的コンサルティング会社、米アクセンチュアのコンサルタントである筆者らがビジネスの現状をこう分析し、「アテンション」という新しい視点からビジネスのあるべき方法を解き明かした。
アテンションとは、訳者によると「人間の気づき、注目」。わかりやすくいうと、やや乱暴だが、いわゆる「つかみ」に近い。本書で筆者らは、現代のビジネスでは人目を惹くこと、興味を呼び起こすことが何にも増して重要、という考えをベースに、経営のあり方やネットビジネスなどに関して持論を展開している。
インターネットが普及した今、経営者も消費者も情報の洪水の中にいる。経営者は、数百通の受信メールのうち、アテンションを向けるべきものはどれか、瞬時に判断しなければならない。また、ネットビジネスは、数え切れないほどのサイトが存在する中でユーザーのアテンションを獲得しなければ失敗に終わる。
社内では社員の仕事に対するアテンション、対外的には顧客のアテンション、両面でアテンションを得られるかどうかが、ビジネス成功のポイントになる。
本書が米国で書かれたのは2001年頃。ネットビジネスの事例がすでに過去のことになってしまっているのは残念だが、従来なかったアテンション重視という経営手法を知るための専門書ととらえると、一読の価値はある。
※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウ vol.1』 掲載の記事です。
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