もしも、「えきねっと」を解析するなら(前半) [第27回]
誰もが知っている有名サイトをエキスパートレビューしながら、「もし、アクセス解析するなら」どのポイントに着目するかを第三者的な視点から解説。アクセス解析を用いてサイトの改善を行うための仮説構築力を身につけて、自社サイト、クライアントサイトをアクセス解析する際に役立ててほしい。
木曜9時は「かってに解析!」ということで、毎週連載「有名サイト、かってに解析!」では、有名サイトを取り上げ、アクセス解析で実際に解析データを見る前に、あらかじめサイトの問題点やチェックポイントにあたりをつける方法を解説していく。
夏休みということで、そろそろ旅行の計画を立てている方も、多いのではないだろうか。夏休みが目前に迫った今回は、JR東日本の「えきねっと」を取り上げ、課題の抽出や考察を行う。とはいえ、筆者は特に、公共交通機関サイトや、チケットの予約販売サイトが直面している課題や戦略・戦術を十分に理解しているわけではない。あくまでもどのような点に着目したらよいのかを重視して読んでいってほしい。
「えきねっと」の閲覧シチュエーションを想定
今回は、いつもと趣向を変えて、シチュエーションを想定してからサイトを見ていくことにしよう。
今回の閲覧シナリオ
誰が | 新規訪問の個人ユーザー |
---|---|
何の目的で | 新幹線と在来線の特急券、指定席券、乗車券の予約 |
何をしに | 新横浜駅から西広島駅の列車の検索と予約(新横浜駅から広島駅までは新幹線、広島駅から西広島駅までは在来線) |
「えきねっと」のファーストインプレッション
目的は明確なので、検索エンジンで「JR 切符予約」などと入力して検索することにする。下の図1は「Google」での検索結果だ。「Yahoo! JAPAN」で検索しても、おおむね同様の検索結果が表示される。
自然検索結果の1位、2位、そしてその上の検索連動型広告の1つは、「えきねっと」関連である。緑枠で囲んだリンク(自然検索の1位と検索連動型広告)からは、「えきねっと」の「きっぷ・旅行予約」のページに誘導される。また、自然検索結果の2位(赤枠で囲んだリンク)には、「えきねっと」のトップページへ誘導される。
下の図2は、「えきねっと」のトップページのファーストビューである。このサイトユーザーの主目的は、スケジュールに合わせた列車の検索・選択と予約ということになろう。もちろんJR東日本としては、国内旅行のツアーやその他の関連ショッピングへ誘導する役割も担ってほしいという意図はあるだろうが、まずは列車の選択や、特急券、指定席券、乗車券の予約をいかに快適に行ってもらうかというのが、最大のテーマになると思う。そんな観点から、さっそく「えきねっと」をチェックしていこう。
コメント
わざとですか?
なぜJR東日本のサイト内でJR東海・西日本の切符予約(のシミュレーション)をしているのだろう?? 何かを論じる前に、まずそこがおかしいという点に気付くべきでは?
記事をお読みいただ
記事をお読みいただき、ありがとうございます。
今回の記事を含め、この連載は、
ユーザー視点でのシミュレーションです。
ふつうの人の視点で、ふつうの人が行動するように
Webサイトに訪れ、見て、使って、検証していただいています。
ふつうの人は、自分の乗りたい列車が
JR東日本か、JR東海か、JR西日本かなんて気にせずに、
検索して見つけたサイトで買えそうなら、
そこで切符を買おうとするのではないでしょうか。
Webリテラシーの低いユーザーさんも使う可能性の高い
公共交通機関のWebサイトであれば、
ユーザーさんが、サイト運営者の都合に配慮する必要なく、
スムーズに購買できるサイトであることが
望ましいのではないかと思います。
>
> ふつうの人は、自分の乗りたい列車が
> JR東日本か、JR東海か、JR西日本かなんて気にせずに、
> 検索して見つけたサイトで買えそうなら、
> そこで切符を買おうとするのではないでしょうか。
御社内での「ふつうの人」の定義が、普通ではないという件了解。これからもひとりよがりな記事を楽しみにしております。
編集長の安田です。
編集長の安田です。
記事冒頭に記載しているように、この記事は問題点を指摘するためのものではなく、
アクセス解析を中心としたサイト改善の際にどのような点に着目するかの例を示すためのものです。
その家庭でサイトの問題点を指摘することになる場合もあるため、
サイトや企業の関係者の方がご覧になって不愉快に感じられる点がある場合もあるかと存じます。
しかし、あくまでも記事の目的は揶揄したりあげつらったりすることではなく、
Web担当者さんに「なるほど、サイト改善のためにこういう点に気をつければいいのか」と
気づきを得てもらうことが目的ですので、ご理解くださいませ。
そもそも、記事で指摘しているサイトの使い勝手の問題点のほとんどは、
JR管轄の問題とは関係のないものですから、
一般的なサイト改善のヒントとしてとらえていただければ幸いです。
だったら、えきねっ
だったら、えきねっとじゃなくてもいいだろ。
「誰もが知っている
「
」というコンセプトですので、みなさんご存じの、よく使われているサイトを対象としています。はい。