もしも、「えきねっと」を解析するなら(前半) [第27回]
「えきねっと」をエキスパートチェック
「えきねっと」のトップページで、列車の時刻を調べたり、切符の予約ができそうなところは、ページ上部グローバルナビゲーションか、ファーストビューの中央にある大きなボタン(図2の赤枠で囲んだ部分)だろうと、訪れたユーザーならすぐにあたりをつけることができるだろう。しかし、おそらくほとんどのユーザーは列車の時刻検索や、切符の予約目的で来ると思われるので、そうした利用頻度の高い機能は、わざわざクリックしなくても、トップページですぐに検索できるように、一番目立つ位置に検索枠を設けるなどしてもよいのではないだろうか。
ログインが先か、列車検索が先か?
トップページの「きっぷ・旅行予約」をクリックして移動した先のページが、下の図3である。
トップページと比べると、「きっぷ・旅行予約」のページは、新幹線を検索できるなど、ダイレクトに機能を使えるページになっている。検索結果の1位や検索連動型広告のリンクがこのページになっているのは納得感がある。
しかし、どちらのページでも問題と思うのは、空席照会などの機能を使うにあたっては、あらかじめ会員登録をしておく必要があるという点だ。会員登録数を増やすことが、サイト運営側のもっとも重要な目的であるのならば、「新規ユーザーはまず会員登録をしてください」という誘導をした方がよいのではないかと思った。
サイトによって、ログインが先なのか、あとでログインさせるのか、いろんなパターンがあるのだが、「えきねっと」の場合は、ユーザーの思考の中断を避けるために、まずログインさせるような流れの方がいいような気がした。
新幹線と在来線を一緒に検索したいのだけれど……
さて、今回の想定シチュエーションは、最初は新幹線、その後に在来線へと乗り換えるルートの列車検索だ。トップページをざっと見たところ、新幹線と在来線をあわせて検索できそうなページのリンクが見当たらない。そこで、グローバルナビゲーションの「きっぷ・旅行予約」あるいは「駅・時刻・運賃案内」のリンクをクリックすることにした。「きっぷ・旅行予約」のリンク先ページは、下の図3(再掲)になるのだが、赤枠で囲んであるように、新幹線の予約が大きくフィーチャーされており、在来線を含んだルートの検索らしいものは、ざっと見回した感じでは、ズバリのリンクは見当たらない。
ズバリのリンクは見当たらないので、「これは絶対違うよな」というリンクを候補から外していく消去法でリンクを探し、残った中で可能性がありそうな「乗換・運賃案内」というリンク(図3 の緑枠で囲んだ部分)をクリックしてみた。リンク先ページは、下の図4だ。
どうやら当たりのようだ。このページで、目的の新横浜駅から西広島駅の列車が、まとめて検索できそうだ。「7月20日の12時に、西広島駅に到着」という条件指定で検索をしてみたのが、下の図5だ。
図5は検索結果を1件だけ表示させたものだが、標準では3件表示される。
コメント
わざとですか?
なぜJR東日本のサイト内でJR東海・西日本の切符予約(のシミュレーション)をしているのだろう?? 何かを論じる前に、まずそこがおかしいという点に気付くべきでは?
記事をお読みいただ
記事をお読みいただき、ありがとうございます。
今回の記事を含め、この連載は、
ユーザー視点でのシミュレーションです。
ふつうの人の視点で、ふつうの人が行動するように
Webサイトに訪れ、見て、使って、検証していただいています。
ふつうの人は、自分の乗りたい列車が
JR東日本か、JR東海か、JR西日本かなんて気にせずに、
検索して見つけたサイトで買えそうなら、
そこで切符を買おうとするのではないでしょうか。
Webリテラシーの低いユーザーさんも使う可能性の高い
公共交通機関のWebサイトであれば、
ユーザーさんが、サイト運営者の都合に配慮する必要なく、
スムーズに購買できるサイトであることが
望ましいのではないかと思います。
>
> ふつうの人は、自分の乗りたい列車が
> JR東日本か、JR東海か、JR西日本かなんて気にせずに、
> 検索して見つけたサイトで買えそうなら、
> そこで切符を買おうとするのではないでしょうか。
御社内での「ふつうの人」の定義が、普通ではないという件了解。これからもひとりよがりな記事を楽しみにしております。
編集長の安田です。
編集長の安田です。
記事冒頭に記載しているように、この記事は問題点を指摘するためのものではなく、
アクセス解析を中心としたサイト改善の際にどのような点に着目するかの例を示すためのものです。
その家庭でサイトの問題点を指摘することになる場合もあるため、
サイトや企業の関係者の方がご覧になって不愉快に感じられる点がある場合もあるかと存じます。
しかし、あくまでも記事の目的は揶揄したりあげつらったりすることではなく、
Web担当者さんに「なるほど、サイト改善のためにこういう点に気をつければいいのか」と
気づきを得てもらうことが目的ですので、ご理解くださいませ。
そもそも、記事で指摘しているサイトの使い勝手の問題点のほとんどは、
JR管轄の問題とは関係のないものですから、
一般的なサイト改善のヒントとしてとらえていただければ幸いです。
だったら、えきねっ
だったら、えきねっとじゃなくてもいいだろ。
「誰もが知っている
「
」というコンセプトですので、みなさんご存じの、よく使われているサイトを対象としています。はい。