Aggregator

ユナイテッドアローズ、ディノスの責任者が語る、大企業における「DX推進」「EC強化」「オムニチャネル」の進め方

4 years 1ヶ月 ago
OMO時代に向けたビジネスモデルの確立をめざすユナイテッドアローズと、カタログ通販・テレビ通販などを手がけるDINOS CORPORATIONではDXをどう推進しているのか? それぞれの責任者が語り合った。

ユナイテッドアローズでDX推進の責任者を務める藤原氏と、DINOS CORPORATIONでデジタルとリアルの誘導でEC強化の推進役を担う石川氏が、企業におけるDX推進、EC強化、オムニチャネルの進め方について語り合った。

モデレーターを務めたのはデジタルマーケティングを支援するゼロゼロウエストの大西氏。それぞれの経験や事例をもとに、ディスカッションを行った。

DINOSのデジタル化で一番大変だったことは?

大西 理(以下、大西)本日は、ユナイテッドアローズの藤原さんとDINOS CORPORATIONの石川さんの双方から、質問を3つずつあげていただきました。まず、藤原さんから石川さんへの1つ目の質問です。「2016年にDINOSにジョインした石川さんですが、DINOSをデジタル化するのに一番大変だったことは何ですか?」ということですが、いかがでしょうか?

ゼロゼロウエスト 大西 理氏
ゼロゼロウエスト 大西 理氏
カタログ総合通販・株式会社セシールにてEC事業立ち上げ後、デジタルマーケティング全般に従事。その後、文具メーカー(デザインフィル)、スキンケア通販(新日本製薬)、ファッション雑貨小売(ヌーヴ・エイ)、アパレル(オンワード/グラニフ)など複数の業界にてECを中心にデジタルマーケティング、コミュニケーション、ブランディング、CRM領域のマネジメントなど幅広い領域を担当。2021年9月からフリーランスで企業のEC/マーケティング関連のビジネスを支援している。

石川森生(以下、石川)当時を振り返ると、DINOSの会社全体的にも特に経営側がデジタル化に相当コミットしてくれていたので、実はかなり進めやすい状況にありました。ただ、私自身が直前で代表を務めていたEC会社は年商20億円〜30億円規模だったので、その組織規模からするとDINOSはステークホルダーがとても多いです。

以前の規模なら何かの意思決定をするにも代表の私1人がハンコを押せばすぐに動けるところが、DINOSは数十人単位で説明をして納得をしてもらってから次のステップに進む必要があるので、単純に時間軸としての説明コストや調整コストなどを多く取らなければいけません。大変だったというより、「このスピード感だと、今構想していることを実現するにはどれだけかかるんだろう」という、焦りに近い感覚がありました。

DINOS CORPORATION 石川森生氏
DINOS CORPORATION CECO(Chief e-Commerce Officer) 石川森生氏
新卒でSBIホールディングス株式会社入社。SBIナビ(現ナビプラス)の立ち上げに参画、営業統括の責務を担う。その後、ファッション通販サイト「マガシーク」マーケティング部門の責任者となり、2014年、株式会社タイセイのWEB部門を分社化する形で株式会社TUKURUを創業。アントレプレナーとして常に企業の課題解決に従事。2016年2月、株式会社DINOS CORPORATION、CECOに就任。既存の枠組みを超える、サスティナブルなECビジネスを構築するというミッションを実践している。

藤原義昭(以下、藤原)それは、DINOSにジョインして以降の5年〜6年でもっと早くなったのですか?

ユナイテッドアローズ 藤原義昭氏
ユナイテッドアローズ 執行役員 CDO(チーフ デジタルオフィサー)マーケティング本部 本部長 藤原義昭氏
1974年名古屋生まれ。大学卒業後、リユース大手企業に入社、同社での最終役職は執行役員マーケティング統括部長。2021年4月のユナイテッドアローズ入社後は、執行役員CDO DX推進センター 担当本部長として、自社ECサイトのリプレイス、商品管理システムの刷新など、競争優位性や業務生産性を固めるDX戦略を推進している。2022年4月より現職。

石川今考えるとこれは必要なプロセスで、これがおそらく最速なのだと思います。たとえて言うなら、ベンチャーで代表をしているときはモーターボートを運転しているような感覚で、数十人規模のステークホルダーで進めている今はタンカーのような感覚です。モーターボートはビュンビュン走ってスピードも出ているように見える一方で、タンカーは曲がっているのかいないのかもわからない。

でも、よく考えるとタンカーの方が速くてパワーも持っているんですよね。社内には私が知らないところもたくさんあって、そういうところを私が知らずにすっ飛ばしてやってしまうと後々事故につながりかねません。なので、今は必要なプロセスを踏みながらDINOSにとっての最大巡航速度で進められていると実感しています。

大西組織の規模ごとに時間軸の流れがあって、それを気にすべきか無視して進めた方がいいのかはケースバイケースかもしれませんが、石川さんの場合はどうでしたか?

石川ポイントによると思います。自分1人の責任で負えないような影響範囲の大きいところに手を入れようとすると、何かあればその先にいるお客さまにまで迷惑が及んでしまいます。なので、しっかり承認を取りながら進めていくところと素早く進めるところは、本当にケースバイケースですね。

大西簡単なものは素早く進めて、失敗をしてもそこからラーニングを得ることはすごく重要だと思いますが、決定プロセスを詰めていくときに、何かポイントはありましたか?

必要なのは「より分ける力」

石川たとえば、EC担当者からすると「フロントエンドの改修なんて毎日やってよ」と思われますよね? ただ、静的なページを触る分には特にケアは要りませんが、商品詳細ページを触るとなるとテンプレートだけでも何十パターンもあるなど、1つ触ると影響がすごく広いものもあります。

なので、システム的にも人的にも、影響範囲の大きさを最初にラーニングさせてもらった上で、スピードを出せるところと、スピードを出すと後から余計に時間がかかってしまうところをより分けるようにしています。そういった「より分ける能力」がポイントなのかもしれません。

藤原テクノロジーに精通している人材は中途採用で入ってくることが多く、社内のことはまだ全然わからないものです。システム的にも人的にもキーになるものを熟知していて、より分けをどうするべきか目利きができる人の存在は結構重要ですよね。

石川すごく重要です。DINOSの場合は経営側が最初からそれをわかってくれていたので、40年プロパー選手のような社内を熟知した人を私のすぐ近くに置いてくれました。今からやりたいことをその人に相談すると、「それをやりたいならケアすべきところはここ」と教えてくれる、そういう存在です。ケアすべき部門に私が直接行くよりも、その人が地ならしをしてから行くと話が通りやすかったので、経営側がそういうチーム構成にしてくれたことはすごく助かりました。

大西 やりたいことの道筋を経営側がある程度理解していて、地場をならした上でそこに切り込んでいくというプロセスが大事なんですね。

DINOS CORPORATION 石川森生氏

どのようにして社内スタッフをデジタル人材に育てたか

大西 石川さんへの2つ目の質問です。「CECOとして、社内スタッフをデジタル人材に変換するにはどんな苦労がありましたか? また、どのようにデジタル人材に育てていきましたか?」ということですが、教育、組織改革、人材育成に関してはいかがでしょうか?

石川最初は共通言語が少ないことに苦労しました。ECチームのなかでは当たり前にコンセンサスのとれる内容も、たとえばカタログ制作チームやテレビ制作チームなどそれぞれに考え方やKPIが違います。

説明したはずのことがちゃんと伝わっていない経験を何度かするうちに、「しゃべり方を変えないと無理かもしれない」と思うようになり、1年〜1年半をかけて全社的なデジタルの共通言語を増やしていきました。それが最初に大変だったことですね。私たちの領域はどうしてもカタカナ用語を使うことが多いですし、その方が理解しやすいですが、たとえるなら当初は「ボウリングで“ストライク”なんて使わない!」に近い感覚でした(笑)。

DINOSのECチームは基本的に在庫を持っていないので、在庫を抱えて売り上げ責任を持ったらどうかといった議論もありましたが、どこのチームに売り上げを計上するかと社内で争っても意味がありません。なので、一旦はECチームが売り上げを持つことはやめて、「私たち(ECチーム)をツールとして役立ててください」という風に、全社的な売り上げに貢献しようという考え方で運用するようにしました。

ただ、そうなるとサポーターのような立ち位置にならざるを得ないので、ECチームが何かをやろうとすると在庫を持っているチームにお願いベースで行かなければいけないわけです。ただ、そのなかでもECだけでできることも進めながら少しずつ成長して、ある程度の売り上げを作っていくうちに「ECチームと一緒に動いた方が自分たち(他チーム)にとっても得かもしれない」と実感し始めてくれるようになりました。

そこからの動きは速いです。「次の企画をWebで展開するにはどうすればいいか?」といった相談が他チームから来るようになり、チームをまたいで連携できるようになりました。。

藤原他部門の得になるという状況を作り込むことは重要だし、だからといってECチームやデジタルチームが自身を単なる支援部隊だと自覚するのではなく、主体的にやっていこうとするマインドセットも重要ですね。

通販大手のDINOS。デジタルを進める上で社内の抵抗は?

大西藤原さんから石川さんへの3つ目の質問です。「DINOS CORPORATIONはカタログ、テレビ、ネットとチャネルも多岐にわたり、売上高は1000億円超の大手通販企業。デジタルを進める上で、社内の抵抗勢力にどのように対峙してきましたか?」ということですが。

石川「抵抗」ではありませんが、デジタルを推進する上では数十年間続けてきたワークフローを変える部分もあるので、私が言ったことをすべて正として受け止めてすぐに手を動かせるものでは当然なく、しっかり値踏みをしてもらう期間はやはり必要でした。「これをやって本当に大丈夫か?」ということに対して、社内の人が「これならいける!」と言ってくれないと、こちらとしてもパワープレーだけで変えてしまうのはとても怖いことですから。

なので、できない理由を説明してもらうことは多くありました。 ただ、「(変えるのは)大変だから」というような合理的ではない理由で「できない」と言われることももちろんあります。私はこれを「大企業の慣性の法則」という風に捉えていて、変えるのはすごく大変だということはよく理解しています。そういうときはこちらも頑張る。「一緒に汗かきましょう」と、根性論になる面も一部はありますね。

人が変わらないと実行できない

藤原デジタル推進に向けたツールや方法論など、教科書のようなものは世の中にたくさんあるけれども、人の心が変わらないと教科書だけでは実行できないですよね。会社が進むべき方向性があり、かつインパクトの大きい変化はどうしても失敗ができないので、そういう場合は入り口をしっかり温めてから一気に加速させることが重要だと私も思います。

この質問をさせていただいたのも、社内でDXを担当している人は結構孤独になりがちだと感じているからです。石川さんや私のように、デジタル担当として社外から入ってきた人ならまだしも、社内にいた人がいきなりDX担当を命じられると、急に周りを敵に回しかねない懸念もあると思っていまして。

大西確かに、そういう課題を抱えている会社は多いです。「長年やってきたから変えられない」という一言で片付けられる場面をよく目にしますが、「でも皆さん、本当はこうしたいでしょう?」というゴールを描いておくことが大事だと感じるところです。

藤原上層部から突然「変化しなさい」と要求されても、変化が求められる理由が理解できていなければ現場も良い気分ではないものです。だからこそ、石川さんのように念入りに説明して、一緒に汗をかくことが重要でしょうし、物理的に各チームに入って行って情報共有した方がお互いの理解が進んだり、話しているなかでヒントが見つかったりしたのではないでしょうか。

石川まさにおっしゃる通りで、私はDINOSに入った当初、社内全体を見渡せる経営企画室に所属しました。しかし、やはりそれではデジタル推進は難しいと実感し、新たに部署を作ってもらいました。2年半ほどは部長として、現場活動と他部署との情報共有を進めていましたね。

ユナイテッドアローズ 藤原義昭氏

ブランドや店舗を多数展開するユナイテッドアローズ。他各部署を巻き込んでDXを進めるには?

大西次は石川さんから藤原さんへの質問です。「DXは各部署を横串にして構造改革を進めていく役割があると思うのですが、店舗、ECなど各部のリソースの調整はどのように行っていますか?」ということです。ユナイテッドアローズはたくさんのブランドを展開し、店舗数もとても多いですが、いかがでしょうか?

藤原私が一番重視しているのは、社員の「気持ちのリソース」です。コロナ禍以降、さまざまな会社で「1人ができることをもっとやれ」という状況が生まれていると思います。ユナイテッドアローズの場合、たとえば店舗の来客数がコロナ禍前の2~3割になった時期には、それまで店舗に10人立っていたスタッフは3人で良いのではないかという話になりますよね。そうなると、あとの7人は本部の仕事やデジタル接客などをやらなければならなくなります。今までとは違う業務をやらなければならなくなるので、気持ちを重視すべきということです。

ただ、気持ちのリソースといっても感情だけではだめで、仕組みが重要です。短期的には「シフトをどうするか」など、本当に細かい仕組み作りが大事になってきます。そして、中期的には経営視点が必要になります。要は、会社が進むべき道を踏まえた上で、人材をどう動かすのか、動かすにはスキルがないといけないのでどう育成するのか、また、1人ひとりに対して店舗業務とデジタル業務の割合をどう配分するのか……などです。時間がかかっても、この辺を重視して業務設計するようにしています。。

できない理由は何?

石川気持ちのリソースとおっしゃったように、心のウォーミングアップが重要ということにはすごく賛同するのですが、私のように中途採用で入社した人が実行するには難しい側面も多いと思っていまして。経営側が「こういう方針でやって行こう」と考えていることを、たとえば店舗スタッフの皆さんからも共通認識を得るためにはどうしていますか? 専門の部隊や役職などがあるのでしょうか?

藤原ユナイテッドアローズには店舗を取りまとめている部署があります。ただ、その部署に任せきりになるのではなく、私たちも店舗にヒアリングをしに行き、課題を見つけては仮説を立てて、最適なソリューションを店舗支援の部署に提案しながら話し合うようにしています。システムを導入する際などはまず2、3店舗でテストをするのですが、いくらソリューションが良くても店舗側の気持ちの面でできないこともあります。

多少なりとも今までの業務から変わるわけですし、カスタマイズできないシステムであれば、システムに合わせて動いてもらわなければいけない。なので、そのための業務設計から入る必要があるのです。結局、「できない」の理由が「今までと違うから」だと、どんなシステムを導入しても同じことを繰り返すだけですし、システムのカスタマイズをし続けているとコストは下がらないですからね。

DXを推進する上で、KPIは何?

大西続いて、「藤原さんはコメ兵時代、 Web事業の売上種別として、宅配売上、店頭はEC関与売上高に分類していました。DXを推進するにあたり、KPIは何に設定していますか?」という質問ですが、いかがですか?

藤原当社のDXのターゲットは ①サプライチェーン ②ロジスティクス ③顧客とのコミュニケーションです。つまり、マーケティング領域と、ものづくり領域と、物流領域の3つです。

そのなかでも、3年、5年と長期間をかけて基幹システムを作り直すような案件もあれば、ある課題が浮上した際に何らかのソリューションを投入して解決させたり、システムベンダーから提案が飛び込んできて導入するなどの短期的な案件もあります。なので、はっきりとしたKPIは設定していなくて、どちらかと言えば「どれくらい推進できているか」を軸に考えるようにしています。

大西ただ、大きなマイルストーンはありますよね?

藤原あります。今であればECシステムのリプレイスを控えていますし、今後は基幹システムのリプレイスも行わなければいけないので、そういった作業は着々と進めています(※2022年3月に自社ECサイトをリニューアル)。また、社内には課題を寄せ集めて整理するチームがあって、彼らがヒアリングを行いながら優先順位を立てるようにしています。

それに対してどういうソリューションを投入するのかを計画して1つずつ課題を解決しているので、KPIをあえて言うならば「どの課題を消したか」ということかもしれないですね。

危険な「KPI作りすぎ問題」

石川当社も最初、わかりやすく「EC化率をKPIにする」といった話が出てきましたが、結局はそうしていません。ECの販売価格をすべて10%オフにすればあっという間にEC化率は上がるものですし、私やECチームの評価が本当にそれで良いとは思いませんから。

どうも「Webは全部が測定できる」と勘違いされやすいようで、何かをやればそれがどこにどれだけ影響したかが見えるはずだと思われがちですが、それは大きな間違いです。「この施策が何に効く」と断言できないことはたくさんありますし、いろんなところに出た効果が積み上がっていった結果、良くなっているというケースの方が多いので、当社も藤原さんのように大きなビジョンを描いた上で、そのなかで何に着手していくか、といった進め方をしています。

藤原そうですね。反対に私は「KPI作りすぎ問題」が懸念されると思っています。巻物のようなExcelがあっても、見ているところは1か所といったことはよくありますし、その帳票を作るために毎週時間を取られるメンバーがいるというケースもしばしば見られます。要らない作業を排除してあげることと、「本当に効いている施策は何か」を見つけていくことが重要です。そのために、自分が経営側と現場のつなぎ役をしっかりと担って、会社として見るべきポイントを一致させていかなければならないと常に自覚しています。

大西 売り上げや在庫などは経営側も見ているけど、ユーザーを見られていないというケースは一般的によくあります。小売業は「物がどれだけ売れるか」が最重視されますが、お客さまの数がどれだけ増えたかを見ていないと、来年の売り上げが作れなくなってしまいます。また、これから人口が減少して購買層が少なくなるなかでは、ユーザー数の大きさだけでなく深さもより重要になってくるのではないでしょうか。DXを進める上で、その深さをどのように見られるようにするのかも大事になってくるのではないかと思いますね。

ゼロゼロウエスト 大西 理氏

DX推進施策は異なる企業でも再現性はある?

大西石川さんから藤原さんへの3つ目の質問です。「藤原さんはコメ兵のマーケティング統括部長として、出店からEC、全社マーケティングまでを担い、コメ兵のDXを推進してきました。ユナイテッドアローズに移った後もこうした経験をもとにDXを担うお立場ですが、DXは異なる企業でも再現性があると思いますか?」ということです。

石川この質問をさせていただいたのは、「コメ兵でうまくいったからユナイテッドアローズでもこれをやれば絶対にうまくいく」という簡単な話ではないと思ったからです。仮に同じ商品を販売していても、社内にいる人から会社の歴史まですべてが異なるので、一般化しづらいことの方が多いのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

藤原重要なのは、その会社のアセット(資産・強み)です。どんな強みと資産を持っているから、それを最大限に有効活用して何を行うかというマーケティングの仕事は、どこも同じだと思っています。このため、どの企業でも「再現性があるか?」と聞かれると、まったく同じ施策ではおそらく効果の有無が異なるでしょう。ただ、「擦(こす)る」という表現がよくされますが、以前の成功事例をブラッシュアップしていろいろな現場で応用することは重要だと考えて取り組んでいます。

大西擦らないともったいないですからね。

藤原そうなんです。ないものは使えないので、あるものをどれだけ効果的に使うかということです。その会社にはないものなのに「あの会社がやっているからやりたい」という話はよくありますが、ないものを作るところから始めるのはすごく難しい。私がコメ兵でマーケティングを担当していたときの関東エリアの認知率は25%ほどでした。最終的には78%にまで達したのですが、そこから考えるとユナイテッドアローズの最大のアセットはブランド認知です。

ブランド認知がない状態でSNSをいくら頑張ってもフォロワーの増え方はものすごく緩やかなカーブを描くだけになってしまいますが、ユナイテッドアローズの場合はすでに認知度が高いので、SNSのやり方さえ工夫すれば加速度的に増加することも考えられます。ブランド認知から始めなければならないのか、その次のフェーズから着手できるのかなど、アセットの違いだけでもできることは大きく変わってきます。

「言わない美学」は不要

石川おっしゃる通り、使えるフレームワークは使えばいいし、一方で会社ごとに個別事象は当然あるものなので、それはアセットを中心に組み直さないと機能しないということですよね。そういう意味では、長く社内にいる人より社外の人や中途で採用された人の方が、会社のアセットや特殊性に気付きやすいのかもしれないと思いました。

大西そのほか、謙遜しがちな日本の文化が背景にあるからか、外部から見て素晴らしいと思う企業のこだわりや手間暇をかけて取り組んでいることを、あまりお客さまにアピールしない 「言わない美学」も、ときにもったいないと思うことはありませんか?

石川あります。DINOSだと品質基準などがまさにそうです。並大抵でないコストをかけているので、ベンチャーに長くいた私からするとアピールしないともったいないと思ってしまいますし、マーケティングとしてももっと大きな声で伝えた方がいいと思うのですが、やはり謙遜する傾向にあります。

藤原ですが、ちゃんと伝えればお客さまからしても「そうなんだ」と理解が進むことはたくさんありますよね。

DX・オムニチャネル推進がうまくいかない典型的な要因と、今日からでもすべきことは?

大西最後に私からお2人に質問させてください。DXやオムニチャネルの推進は全社的なマターであって、部門間の理解と協力が必要ですが、うまくいかない典型的な要因はどんなところにあると考えていますか?

石川実実のところ、うまくいかないことの方が多いです(笑)。ただ、先ほどの藤原さんのご回答のように、他社の成功事例をそのまま持ってきたり、「これが世の中の正解だからとりあえずやってください」と言ったりすると、各社でアセットも違えば今までのワークフローも違うので、うまくいかないでしょう。

また、私の場合、少なくともDINOSのなかではデジタルに関してさまざまな事例を見てきた立場にあるので、私がやろうとしているデジタル推進施策に対してほかの社員から指摘や提言はしづらいはずです。だからこそ気を付けようと心掛けています。「私が言ったことは当然聞いてくれるはずだ」とあぐらをかいていてもうまくいきませんから。

藤原私は「丸投げ」がうまくいかなくなる要因だと考えています。でも、丸投げしている事象はかなり多く見受けられます。システムを作るにも丸投げで「中身がどうなっているかわからない」となったり、システムベンダーに丸投げしたがためにベンダーロックイン状態になってしまったりする話はよく聞きます。

自分たちでしっかり要件定義をして、ベンダーと一緒にチェックしながらシステムを作っていくという作業がすごく重要なので、社内だけでなく社外も含めてどのようにチームを組成するかを考えなければいけません。もちろん、気持ちの面や物理的な面、費用面も考慮しなければならないので、口で言うほど簡単ではありませんが、それらをテトリスのようにうまくはめ込んでいく作業は欠かせないと思っています。

石川確かにそうですね。一方で、運用フェーズに入れば現場に任せていった方が良いと思います。上流工程は絶対に丸投げせずにしっかりと構築して、運用フェーズに入ったら上層部がいつまでも口を出すのではなく現場主導になっていく。その形が望ましいのでしょうね。

今日から考えるべき課題は?

大西今日はお2人からたくさんのお話が伺えましたが、最後に、各事業者が今日からでも考えるべきことについて、それぞれのご意見をお聞かせいただけますか?

石川先ほども出ましたが、やはり「アセットの整理」だと思います。まず、自社を冷静に見たときに、他社と比べて何が秀でていて、何に対してお客さまがお金を出してくれているのかということをしっかり整理すること。その上で、デジタルを活用した面白い施策を企てていく方が、流行りものを追いかけるより圧倒的に費用対効果の高い結果が創出できると思います。今一度、自社の強みを整理してみてはどうでしょうか。

藤原私も同感です。加えて、できればフィードバックが得られる仕組みや雰囲気を作っていくと良いと思います。そうすれば独りよがりになることも防げますし、誰だって社内で見えていないところはたくさんあると思うからです。私自身も、フィードバックがもらえる仕組み作りを進めたいと考えているところです。

この記事は2021年11月15日に「ネットショップ担当者フォーラム2021秋」で行われた講演をまとめたものです。

朝比美帆

CX(カスタマーエクスペリエンス)の基礎&消費者の体験価値向上に役立つ3つの方法 | 店舗ビジネスに役立つ『口コミラボ』特選コラム

4 years 1ヶ月 ago
CXの概要や必要とされる背景、向上させる3つの方法、CXを構成する5つの感情的価値について解説します

CX(カスタマーエクスペリエンス)とは、「顧客体験」を意味する「Customer Experience」の略語です。

顧客にとって商品の価値は、価格や機能だけで決められるものではありません。購入前から購入後にかけて顧客が体験するすべての出来事を、価値として位置付けるのがCXです。

顧客の心理的価値に重点を置き、デジタルマーケティングの領域を中心に注目されています。顧客との接点をつくり、より良い体験を提供することは、飲食業界や小売業界の店舗・企業が成長するために近年特に重要視されています。

本記事では、CXの概要や必要とされる背景、向上させる3つの方法、CXを構成する5つの感情的価値について解説します。

CX(カスタマーエクスペリエンス)とは

CXとは、英語では「Customer Experience」と書き、日本語では「顧客体験」あるいは「顧客体験価値」と訳されます。CXは、商品やサービスの購入前から購入後にかけて、顧客が価値として体験するすべての出来事を指します。

ここではCXが必要とされる背景や、類似する用語「CS(カスタマーサティスファクション)」との違いを解説します。

CX(カスタマーエクスペリエンス)が必要とされる背景

CXが必要とされる背景は、主に次の3つです。

    1. 顧客が欲しい情報をみずから得られるようになった
    2. 競争が激化し、商品やサービスの差別化が難しくなった
    3. IT技術が発展し顧客情報を活用できるようになった

    今やWeb上で検索すれば、欲しい情報が簡単に手に入る時代です。顧客は商品の購入を考える際、企業のWebサイトだけではなく口コミなどの情報をチェックします。企業から顧客への一方的な情報発信だけでは、顧客のニーズを満たせなくなっているのです。

    また、国内市場は成熟し、一つのニーズに対していくつもの類似商品が提供されています。似たような価格と機能の商品があふれ、購入の決め手となる要素を見つけ出すのが難しい時代になりました。

    さらにはIT技術の発展で、顧客に関する情報が取得しやすくなりました。商品を購入した経緯のほか、顧客の属性や位置情報といった詳細なデータを得られるようになったのです。こうしてさまざまな顧客像に合わせ、価値ある体験を提供できる環境が整いました。

    CS(カスタマーサティスファクション)との違い

    CXと似た言葉に、CS(カスタマーサティスファクション)があります。

    CSは、アンケートなどを通じて把握できる「顧客満足度」です。これは商品やサービスに対する満足度を数値化した指標です。一方CXは、顧客側の視点に基づく感情的な評価です。

    その意味で、CXはサービス全体、CSはサービスを細分化した一部分という捉え方もできます。

    CX(カスタマーエクスペリエンス)を構成する感情的な価値

    CXを向上させるには、「感情的な価値」への理解が必要です。コロンビア大学のバーンド・H・シュミット教授は著書の中で、感情的価値を次の5つに分類しています。

    Sense:感覚的価値

    感覚的価値とは、人の五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)に訴えかける魅力です。コンセプトにあった内装、安らぐ音楽、庭の木々の香りや美味しい料理など、知覚を刺激する経験から得られます。

    感覚的に好みの価値を見出すと人は満足を覚え、「この店に訪れるとよい感情を持てる」と印象付けられます。感覚的価値が高い=顧客のリピーター化が期待できるのです。

    Feel:情緒的価値

    情緒的価値は、顧客の内面(感情)に働きかけることで得られます。質の高い接客や掃除の行き届いた店内、充実したアフターサポートのほか、社会活動への貢献など企業活動への共感も含まれます。

    顧客の安心や信頼につながるサービスを提供することが大切です。

    Think:創造的・認知的価値

    創造的・認知的価値は、顧客の知的欲求に訴えかけるものです。好奇心を刺激し、商品やサービスを利用した際に「面白い」「もっと知りたい」という感動や高揚感を与えます。

    創造的・認知的価値を高めるには、企業側の十分な情報開示が必要です。未体験の技術に触れることで顧客は自尊心を刺激され、企業への興味・関心を高めます。

    Act:肉体的経験価値

    肉体的経験価値とは、肉体や生活に関わる価値です。美容体験によって肉体に変化があったり、サービス利用で仕事の効率化が図れたりと、ライフスタイルに影響を及ぼすものを指します。

    肉体的経験価値が高ければ、顧客は商品やサービスを日常の一部として認知し、生活に欠かせないものとしてリピート購入するようになります。

    Relate:社会的価値

    社会的価値は、特定の集団や文化、思想への帰属欲求を刺激します。顧客が属したい集団や文化と結びつけた商品・サービスの提供から生まれる体験です。

    スポーツチームの応援にグッズを買う、芸能人の広告塔を見てファンが真似をするなど、応援・貢献したい気持ちが生まれます。社会的価値の向上により、競合他社への乗り換えリスクを減らせます。

    CX(カスタマーエクスペリエンス)を向上させる3つの方法

    CXを向上させる方法は、3つに分けて説明できます。顧客情報の分析からペルソナを設定し、消費行動の図式化を経て、効果的な戦略につなげる流れです。

    それぞれの方法について解説します。

    1.顧客情報の分析

    顧客の属性(年齢・性別・職業・興味関心など)や購入に至るまでの行動を分析し、ペルソナを設定します。

    ペルソナとは、典型的な顧客像です。「40代・女性・主婦」という漠然としたターゲットとは異なり、詳細に分析したリアリティのある人物像に落とし込みます。

    1つのパターンにまとめることは不可能なため、様々なタイプのペルソナを作成します。

    2.カスタマージャーニーマップの作成

    カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品を選定する前から購入後に至るまでの行動経路を、時系列で図式化したものです。

    ペルソナの行動を理解・分析する際に利用します。

    「どんな思考で商品を選んだのか」「どんなアフターサービスを求めているのか」などと、自社の接点を明確にして具体的な施策を検討できます。

    3.顧客へのアプローチ

    顧客目線に徹してアプローチを展開します。ペルソナを想定し、カスタマージャーニーマップ上のどの時点でどんな施策を講じれば良いか、具体的な方策を検討します。

    たとえば、購入後のサポートを充実させたい場合は、次のような施策が考えられます。

    1. インターネットのQ&Aを増やす
    2. 電話相談窓口を設置する
    3. 取扱説明書の記載を見直す

    ペルソナが60代でパソコン操作が苦手だとすると、最適な方策は2か3です。顧客ニーズとのズレを発生させないアプローチが求められます。

    CX(カスタマーエクスペリエンス)を向上させるメリット

    CXを向上させる最大のメリットは、競合他社との差別化です。具体的には次の2つの要因が挙げられます。

    • 口コミによる宣伝効果
    • ブランドイメージ向上

    それぞれ説明していきます。

    口コミによる宣伝効果

    CXが向上すると、高評価の口コミが広がりやすくなります。SNSやブログにおいて、顧客自身が購入時の体験を発信しようとするからです。高評価の口コミは、顧客からの信頼や愛着を意味します。

    「サポートが手厚い」「外観がSNSに映える」といった感情的価値の共有は、類似商品を検討する新規顧客に対して高い宣伝効果をもたらすでしょう。

    ブランドイメージの向上

    CXの向上は、企業のブランドイメージに良い影響を与えます。感情的価値を得る体験は、購入した商品に限らずブランド全体に良い印象を与えるからです。ブランドに対する愛着が高まると、顧客のファン化が期待できます。

    競合他社との比較で上位を獲得し、売上アップや新規顧客の獲得につながるためです。

    CX(カスタマーエクスペリエンス)の向上は企業の成長に不可欠

    インターネットの普及と市場の成熟により、商品やサービスの物質的価値のみで差別化を図ることは難しくなりました。

    CXの考え方においては、購入前から購入後に至るまで、顧客のニーズを満たす体験を提供し続ける必要があります。たとえば飲食店の場合、顧客と店舗をつなぐためにポイントカードを導入したり、個別にメニューをカスタムしたりといったこともCXを向上させる施策の一例です。

    ただし、こうした施策はただ行えばいいというものではなく、前述した手順を踏んで進めていく必要があります。まずはCXの基本的な概念を理解し、自社の顧客に対して良質なCXを提供するための第一歩を踏み出しましょう。

    この記事を書いた「口コミラボ」さんについて

    「口コミラボ」は、様々な地図アプリ・口コミサイトの監視、運用、分析を一括管理できる店舗向けDXソリューション「口コミコム」が運営する店舗ビジネス向け総合メディアです。近年、企業の評判管理が重要視されるなか、特に注視すべきGoogleマイビジネスを活用したローカルSEO(MEO)や口コミマーケティング、それらを活用した集客事例から、マーケティング全般、店舗経営のハウツー、業界動向データにいたるまで幅広い情報を紹介します。

    口コミラボ

    民放連、テレビとユーチューブの広告効果を比較

    4 years 1ヶ月 ago

    日本民間放送連盟は「テレビの広告効果に関する研究」に取り組んでいる。2020年8月に公開した第1回調査では、テレビは過小評価されインターネットは過大評価されているという仮説に基づき、消費者の意識調査を行い、両媒体の特徴を比較した。今回公開した第2回調査では、実際のキャンペーンを対象にテレビとユーチューブの広告効果を比較した。広告のリーチ、広告認知率や購買率への寄与度、費用効率などで、テレビはユーチューブより高く評価された。しかし、テレビ広告接触者とユーチューブ広告接触者の比較でテレビの優位性を評価している部分は、広告接触回数の視点が欠けているため、正当な比較になっているのか疑問だ。テレビ広告接触者の広告接触回数とユーチューブ広告接触者のそれに開きがあれば、実質は媒体別比較でなく広告接触回数や広告認知率の多少による比較になっているかもしれない。

    「テレビの広告効果に関する研究」第2回調査結果について
    https://j-ba.or.jp/category/topics/jba105788

    国内ユニクロ事業のEC売上は2022年3Q累計で1046億円、EC構成比は16.3%

    4 years 1ヶ月 ago

    ファーストリテイリングが7月19日に発表した2021年9月-2022年5月期(第3四半期累計)の連結業績によると、国内ユニクロ事業におけるEC売上高は前年同期比2.0%増の約1046億円で着地したようだ。

    第3四半期累計のEC売上高は公表していないが、第3四半期(2022年3-5月)は前年同期比11.7%増の322億円、2021年9月-2022年2月期(中間期)のEC売上高は前年同期比1.9%増の724億円だったため、合算すると1046億円となる。

    2021年8月期決算における国内ユニクロ事業のEC売上高は前期比17.9%増の1269億円だった。

    連結売上高は同3.9%増の1兆7651億円。国内ユニクロ事業は同5.1%減の6409億円だった。国内ユニクロ事業に占めるEC売上高の割合は16.3%で、前年同期比で0.5ポイント増。

    国内ユニクロ事業のEC売上とEC化率の推移
    瀧川 正実

    売上100億円、EC化率13%をめざすファッション小売「セキド」の中期経営計画

    4 years 1ヶ月 ago

    ファッション小売りのセキドは7月28日、2023年3月期を最終年度とした3か年の中期経営計画(中計)を見直し、新たに中計を策定したと発表した。

    店舗運営事業として新規業態店舗(韓国コスメセレクトショップ)の拡大、EC事業では内製化によるスピードある運営、韓国コスメ「MEDIHEAL」製品の日本総代理店事業を手がける新設子会社「MEDIHEAL JAPAN」はPR活動に注力し、認知拡大に努める。

    セキドの各事業・部門の方針
    各事業・部門の方針(画像は中計から編集部がキャプチャ)

    2025年3月期までに売上高は100億円、営業利益は4億4000万円、経常利益は2億2400万円をめざす。

    ファッション小売りのセキドは7月28日、2023年3月期を最終年度とした3か年の中期経営計画(中計)を見直し、新たに中計を策定したと発表
    業績計画(画像は中計から編集部がキャプチャ)

    ブランドバッグ・ブランド財布などを扱うセレクトショップ「GINZALoveLove」は、デジタルシフトを推進。自社ECサイトのリニューアルとEC事業の体制を強化するほか、スマホアプリやSNSを通じたCRM施策を進める。

    韓国コスメ総代理店事業である「MEDIHEAL」「&hoa!」では、韓国コスメ市場拡大の波を好機と捉える。「MEDIHEAL JAPAN」の体制強化による販路拡大、商業施設を中心に「&hoa!」の出店を拡大する。

    セキドのSWOT分析
    SWOT分析(画像は中計から編集部がキャプチャ)

    EC事業は、ECサイトのリニューアルを通じてデザインを魅力的にするほか、打てる施策の幅も広げる。今価格競争力を維持するため、事業規模やサプライヤーとの関係維持に引き続き努める。

    SNSなどを活用して自社ECサイトへ誘導を強化し、一定の利幅を確保できる体制を構築する。業務の内製化と効率化を進め、ノウハウを蓄積すると同時に、コストを下げて利益率を上昇させていく。

    セキド EC事業で取り組んでいくこと
    EC事業で取り組んでいくこと(画像は中計から編集部がキャプチャ)

    2022年3月期のEC事業における売上高は10億1000万円。2025年3期は13億円まで引き上げる。

    セキド EC事業の売上計画
    EC事業の売上計画(画像は中計から編集部がキャプチャ)

    セキド全体の2022年3月期売上高は77億3000万円。中計最終年度の202年3月期売上高は100億円をめざす。2025年3月期売上高の内訳は、店舗運営で50億円、MEDIHEAL JAPANで35億円、ECで13億円、その他で2億円を計画している。

    セキドの売上げ計画
    売上計画とその内訳(画像は中計から編集部がキャプチャ)

    石居 岳

    購買の9割は実店舗。オンラインにも貢献するオフライン購買データの活用法 | デジタルコマース注目TOPIX presented by 電通デジタル

    4 years 1ヶ月 ago
    ECの利用が増えたとはいえ、消費者の購買行動の舞台はほとんどが実店舗です。企業はオンオフ両方の購買行動特性から消費者を捉え、そのデータを活用していく必要があります(連載9回)

    加速度的に自社ECやプラットフォームEC、ソーシャルコマースといったオンラインコマースビジネスが拡大しています。こうしたなか、企業内のデジタル担当者は、売上増や効率改善を課題にオンラインを中心とした施策に注力する一方、オフラインと統合した施策に対しては手があまり付けられていない状況にあるのではないのでしょうか。

    実は、オンライン同様にオフラインにおけるデジタル化も進んでおり、購買データ1つを取り上げてもできることが増えているのです。今回は、オフライン施策を最初から領域外のものと振り分けず、購買データを上手く利用しオンオフ両方の対応をしていくことで、オンラインにも良い影響を与える活用法を紹介します。

    オンライン、オフラインそれぞれの購買行動特性

    生活者の購買のECへの移行は急加速しています。2022年のECを含む通信販売の規模は前年比7.6%増の約13.6兆円、中でも元々大きな構成比を占めている家電製品・パソコンのカテゴリーでは前年比9.8%の伸びと予測されています※1。

    一方で、2020年のBtoC-ECにおけるEC化率8.08% ※2が示すように、いまだに購買の90%以上がオフラインで行われていることも忘れてはならない事実です。つまり企業は、情報があふれ趣味嗜好が細分化されている現代のユーザーを、オン・オフ両方の購買行動特性からしっかりと捉え、そのデータを施策に活用していく必要があると言えるでしょう。

    ※1:富士経済「通販・eコマースビジネスの実態と今後2022」
    ※2:経済産業省「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」

    ECを含む通信販売9.4%(約13.7兆円)
リアル店舗90.6%(約132兆円)
    オフラインでの購買とオンラインでの購買の構成比
    ※富士経済「通販・eコマースビジネスの実態と今後2021」を元に電通デジタルが作成

    まず、オンラインとオフラインの購買行動における特徴を見ていきましょう。購買までのユーザーの意識がそれぞれ異なり、大まかに分類するとオンラインは計画購買をする傾向が高く、オフラインは非計画購買が発生しやすいと言われています。

    たとえば、どこで購入をすると一番得か、そもそもその商品を買うべきかレビューを参照したり、類似商品と比較検討したりするなど、購入するモノを検討する時はオンラインが向いています。

    一方で、自身が興味ないモノ、買う予定がないモノ、そもそも知らないモノに関してはオンラインの購買は発生しにくいでしょう。その点、オフラインでは接客やマーチャンダイザーによるレコメンドなど、衝動的に購買する要素がそろっているため、ある程度強制的に視認させることで、目的外のモノの購買が期待できます。

    こうした購買行動の違いから、たとえば「新規顧客獲得」を狙うなら、購買のボリュームが大きく非計画購買が発生しやすいオフラインが重要なチャネルになることがわかります。

    オフラインを攻略するための購買データ

    オフラインでの購買をより施策に生かすためのアプローチの1つとして、購買データがあげられます。オフライン購買データとは、実店舗において各小売やポイント事業者が持つユーザーが購入した時のデータのことで、商品の買われ方、つまり「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「いくつ」「いくらで買ったのか」を把握することができます。

    日用品、飲料・食品といったFMCG(Fast Moving Consumer Goods:日用消費財)カテゴリーの購買活動は、購買までのカスタマージャーニーが短く、オンライン上の閲覧などによる比較検討行動が発生しないことが多いため、オンラインデータではどんなユーザーがどのようなモノを購入しているか知ることができません。

    このような場合、ユーザーをより深く知るためにオフライン購買データを活用します。これをIDと連携させることで、何が購買に寄与しているのかという「購買から逆算したプランニング」が可能になります。まとめると、購買データを活用することによって、

    • Web上の行動データだけでは把握ができないユーザーの分析が可能
    • 購買の可能性が高いユーザーへのアプローチが可能
    • 実際の購買に寄与しているかどうかの測定が可能

    といったポイントがあげられます。つまり、オンライン施策が苦手とする新規顧客獲得を行いながら、オフライン施策にありがちな、施策効果が見えないという双方の課題をクリアすることが期待できるのです。

    購買データを活用した具体的なアプローチとして、新規顧客獲得を例に紹介しましょう。

    分析 購買データを分析し、ユーザーの行動特性を可視化
配信 ユーザー特性に沿った広告配信を実施。購買見込みの高い層をターゲティング
計測 広告を視聴したユーザーが実際に購買に至ったのかを計測し、ターゲティングを最適化していく
プロモーション サンプリングなど販促プロモーションによるトライアルの促進
    購買データ活用の流れ

    ① 0次分析、広告配信による新規顧客へのアプローチ(分析/配信)

    購買データや属性データを連携した分析を行い、購買者や購買可能性のあるユーザーを可視化します。この分析を基に、購買者や非購買者などアプローチしたいユーザーのペルソナを作成。各メディアでターゲティングし広告配信を行うことで、実購買データを活用したセグメント作成と新規顧客へのアプローチが可能となります。

    現在こうしたデータ活用に特に積極的なのはドラッグストアで、他にもコンビニエンスストアやスーパーマーケットが追随しています。また、各データの活用パートナーやポイント事業主においても購買データを活用したソリューションを独自で提供しており、各企業は数多あるソリューションのなかから、自社商品の購買ボリュームの大きいチャネルや実施目的などに合わせてプランニングしていく必要があるでしょう。

    ② 販促プロモーションによる新規顧客へのアプローチ(プロモーション)

    ①の効果を増やすためにも、サンプリングや「マストバイキャンペーン」(購入を条件としたインセンティブキャンペーン)といったプロモーションを実施し、トライアルを促進していきます。一度試してもらい良質な体験を提供することで、直接その後の継続利用につながり、間接的にもそれ以降のオンライン上での比較検討時に商品を想起させることが期待できます。さらに店頭メディアと組み合わせることで、オフライン特有の衝動的な購買を促進することも可能です。

    ③ 施策実施後の効果検証&EC誘導(計測/分析)

    オフライン施策を実施後それだけで終えるのではなく、効果検証やECへの誘導を促すことでオンラインへの貢献を実現します。効果検証では、施策による購買リフト(どれだけ購買があがったか)はもちろん、購買者やキャンペーン参加者分析を行うことで、次回以降のコミュニケーションに活かすことができます。

    たとえば、分析した属性や興味関心に合わせたメッセージやキャンペーンを設計し、アプローチすることで継続的な購買を促します。さらに、継続購買に向けた直接的なアプローチ以外にも、ユーザーが日常的に接触しているLINEのようなプラットフォームを活用し、各ユーザーに合わせたメッセージ配信することで、ECへの誘導がよりスムーズになるでしょう。

    ◇◇◇

    「オフライン施策は手間がかかって効率が悪い」というイメージがまだまだあるかもしれません。しかし、オンライン上だけではアプローチができないユーザーも存在しているのが現状です。そうした時、新規顧客の獲得効率だけに目を向けるのではなく、オフラインチャネルの活用など施策ごとに目的をカスタマイズしていくことで、EC事業全体への貢献が期待できるでしょう。

    竹原範光

    うちのサイトは大丈夫? Googlebotは15MBまでしかインデックスしないって!【海外&国内SEO情報ウォッチ】

    4 years 1ヶ月 ago
    Web担当者Forum の連載コーナー「海外&国内SEO情報ウォッチ」を更新。「Google は最初の 15 MBしかインデックスしない」という情報が、多くの不安や疑問を呼んだ。この仕様に関する詳細を Google が公開しているので、読んで安心してほしい。
    Kenichi Suzuki

    ベガコーポレーションの「LOWYA」、「くらしのマーケット」と連携で家具の組み立てサービスを提供

    4 years 1ヶ月 ago

    家具・インテリアのECサイト「LOWYA(ロウヤ)」を展開するベガコーポレーションは、みんなのマーケットが運営する「くらしのマーケット」と連携し、家具の組み立て代行サービスを始めた。

    消費者は「LOWYA」で商品を購入した後、暮らしに関する200種類以上のサービスをオンライン予約できる「くらしのマーケット」の家具組み立てサービスを契約することで、家具・インテリアの組み立てなどを代行してもらえる。

    組み立て代行サービスに関する契約は消費者と出店者との間で成立する形態。

    瀧川 正実

    楽天EXPO 2022 講演要旨/アマゾンが全国18か所に配送拠点を新設【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

    4 years 1ヶ月 ago
    2022年7月22日~28日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
    1. 楽天・三木谷社長が語った「モバイルと市場のシナジー」「きょう楽」の可能性など【「楽天EXPO 2022」講演要旨】

      「楽天EXPO 2022」で三木谷浩史会長兼社長は、楽天グループのサービス利用状況、楽天モバイルと「楽天市場」のシナジー、「楽天市場」が今後取り組んでいくことなどを語った

      2022/7/25
    2. 青森県から沖縄県で翌日配送の提供体制を構築、アマゾンが全国18か所にデリバリーステーションを新設

      新たに10都道府県でAmazon配送による「置き配指定サービス」の利用が可能に。配送網拡充で新たに700万点以上の商品の翌日配送を実施。配送拠点新設で5000人以上へ働く機会を提供する

      2022/7/27
    3. アダストリアがメタバース空間でのビジネスに参入

      将来的には、さまざまなメタバースプラットフォームへの展開、メタバース内でのコンテンツ提供、イベント開催、IP(intellectual property)などの展開を予定している

      2022/7/25
    4. 世界中で利用が伸びるBNPL(後払い決済)サービスの日本のパイオニア、ネットプロテクションズがShopifyと連携した狙いとは?

      Eコマースプラットフォーム「Shopify」を提供するShopify Japanと、後払い決済サービス「NP後払い」「atone」を展開するネットプロテクションズ。サービスの連携を始めた両社がEコマースの現在地と今後について語った

      2022/7/25
    5. EC支援のEストアーがアパレル事業の志風音を買収、EC事業会社のM&Aを続ける理由

      EストアーはEC企業のM&Aを進めており、卓球情報ポータル「ミングルス」の運営やEC物販を行うFPCとも資本業務提携を締結している

      2022/7/26
    6. 「25年間一貫して変わらないことは、われわれにとっては店舗さんが大切だということ」。楽天EXPO2022 【ネッ担まとめ】

      ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年7月18日〜24日のニュース

      2022/7/26
    7. ECサイトの決済与信落ち客に「自動再オーソリ」提供で売上機会損失50%改善

      「ecforce(イーシー・フォース)」に、ECサイト上の購入におけるクレジットカード決済や後払い決済の仮与信作業を一定期間自動で行う「自動再オーソリバッチ機能」を追加した

      2022/7/27
    8. 創業大正2年の老舗木材企業がBtoC-ECを始めた理由&BtoBビジネスにもシナジーを生み出したネット通販の効果

      木材の生産・販売、建築資材製造、緑化造園などBtoBビジネスを行うイワクラがBtoC向けECサイトを開設した理由や、大口取引にもつながった商品開発とは?

      2022/7/27
    9. 加工食品のEC市場規模は2021年に1.2兆円、2025年には1.7兆円に拡大

      富士経済の調査によると、2021年の市場規模は小売りベースで1兆2214億円。2025年には1兆7045億円まで拡大すると予測している

      2022/7/22
    10. イケアが国内5か所目のEC商品などの受け取りセンターを開設

      商品受け取りセンターの開設は、札幌市(2019年3月開設)、岡山市(2020年9月開設)、高松市(2022年2月開設)、広島市(2022年4月開設)に続く5か所目

      2022/7/22

      ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

      内山 美枝子

      売上1000億円めざすライフがAmazonで展開のネットスーパー、東京・埼玉・千葉で配送エリアを拡大

      4 years 1ヶ月 ago

      ライフコーポレーションは7月28日、実店舗で扱っている生鮮食品や惣菜などをAmazon上で展開するライフネットスーパーの販売エリアを拡大した。

      7月26日から、東京都の多摩市、八王子市、町田市を新たに配送エリアへ追加。7月28日から、埼玉県の春日部市、川口市、越谷市、さいたま市岩槻区、草加市、吉川市、千葉県の市川市、鎌ヶ谷市、船橋市、松戸市を配送エリアに加えた

      現在の配送エリアは、東京23区・16市、神奈川県9市、千葉県13市、埼玉県10市、大阪府26市・1郡、京都府3市、兵庫県6市。

      対象エリアのプライム会員は、ライフの実店舗で取り扱っている野菜や果物、精肉、鮮魚、「ライフプレミアム」「スマイルライフ」といったプライベートブランド(PB)商品など、計数千点の商品をAmazon.co.jpのWebサイト、Amazonショッピングアプリを通じて購入できる。

      ライフコーポレーションの2022年2月期におけるEC売上高は前期比81.1%増の約96億円。EC売上高は、自社による「ライフネットスーパー」と、Amazon上のライフネットスーパーの合計売上高。

      2023年3月期のEC売上高は200億円、2030年度には売上高1000億円をめざす。

      ライフコーポレーションの2022年2月期におけるEC売上高は前期比81.1%増の約96億円
      ネットスーパー売上高の推移と計画(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
      瀧川 正実

      プレステージ化粧品のNPS1位は日本ロレアル。品質や商品性、企業や商品のイメージ、信頼性がロイヤルティ醸成に寄与

      4 years 1ヶ月 ago

      NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)が実施した「NPSベンチマーク調査2022 通販化粧品部門」によると、顧客ロイヤルティを測る指標の「NPS(ネットプロモータースコア)」が最も高いのは日本ロレアルだった。

      調査対象の化粧品会社6社うち、NPSのトップは日本ロレアルで3.6ポイント。2位はイプサで-2.5ポイント、3位はP&Gプレステージ-8.6ポイント。6社のNPSの平均は-7.9ポイント、トップ企業とボトム企業との差は20.9ポイント。

      NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)が実施した「NPSベンチマーク調査2022 通販化粧品部門」 NTTコム オンライン NPSベンチマーク調査2022(プレステージ化粧品)
      NTTコム オンライン NPSベンチマーク調査2022(プレステージ化粧品)

      プレステージ化粧品のロイヤルティの要因

      16項目で分析したところ、「効果・効能」「自分に合った商品がある」「使い心地の良さ」といった化粧品の品質や商品性に対する評価、「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」「商品の信頼性・安全性」といった企業や商品のイメージの良さや信頼性に関連する項目が、ロイヤルティを醸成する結果となった。

      また、「肌悩みなどのヒアリング力の高さ」「自分に合った商品の提案力」「お手入れ方法など商品以外の提案力」といったビューティーアドバイザー(美容部員)の対応力に関連する項目も評価が高い。

      「有効成分の含有量」についても利用者における関心が高い項目となり、今後は利用者の期待に応えていくための背景要因を探索していくことが期待される結果となった。

      一方、「コストパフォーマンス」は、推奨度との相関が最も低く、ロイヤルティに与える影響が少なかった。

      NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)が実施した「NPSベンチマーク調査2022 通販化粧品部門」 業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
      業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)

      日本ロレアルは、「効果・効能」「使い心地の良さ」「自分に合った商品がある」といった品質や商品性に関連する項目の評価が高い。

      2位のイプサは「肌悩みなどのヒアリング力の高さ」「自分に合った商品の提案力」「お手入れ方法など商品以外の提案力」といったビューティーアドバイザーの提案力や対応に関連する項目の評価が高かった。

      3位のP&Gプレステージは化粧品の商品性に関連する項目のほか、「専用機器による肌診断の精度の高さ」の項目で高評価となった。

      プレステージ化粧品を利用する決め手の情報源

      1位は「無料のサンプルセット」(22.0%)、2位は「友人・知人からのお薦め」(口コミ)(20.8%)、3位は「口コミサイトや比較サイトでの評価」(19.6%)。

      年代別に情報源を分析したところ、20代以下や30代の若年層は「友人・知人からのお薦め」。20代では「SNS」や「YouTubeなどのコスメ関連動画」、30代では「口コミサイトや比較サイトでの評価」がそれぞれ高く、SNSを主な情報源としている。

      また、40代から60代以上は、「対象ブランド・会社のビューティーアドバイザーからの提案・お薦め」に加え、「テレビやラジオの番組や広告」、「女性誌や美容専門紙の記事や広告」「折り込みチラシやDMなど」といったマスメディアの媒体や広告を情報源としている傾向ある。

      NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)が実施した「NPSベンチマーク調査2022 通販化粧品部門」 化粧品全般に関する普段の情報源
      化粧品全般に関する普段の情報源

      化粧品全般に関する情報収集では、全体は「アットコスメ」が48.1%と最も高く、「友人や知人からの口コミ」(40.3%)、「メーカーのサイト」(24.9%)、「Instagram」(21.5%)と続いた。特に20代以下や30代の若年層では「Instagram」「YouTubeのコスメ関連動画」「Twitter」などが突出して他の年代に比べて高い。

      ロイヤルティ向上はSNSがカギ

      該当のプレステージ化粧品利用者におけるSNS利用について調査したところ、SNSを利用・閲覧したことがある利用者は全体の72.9%、SNSでのメイクやコスメに関する情報を閲覧したことがある利用者は全体の56.2%となった。

      SNSで該当のプレステージ化粧品について調べたり情報を閲覧した経験は「対象ブランドの商品情報を閲覧した」が最も高く38.5%。「対象ブランドの公式アカウントの情報を閲覧した」(28.2%)、「対象ブランドの利用者の口コミ情報を閲覧した」(28.1%)と続いている。

      SNSによる対象のプレステージ化粧品の情報閲覧などの利用経験別にNPSを分析したところ、いずれのSNSの経験においても、経験がない利用者に比較してNPSが高くなった。

      NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)が実施した「NPSベンチマーク調査2022 通販化粧品部門」 SNSの利用経験別NPS
      SNSの利用経験別NPS

      企業がSNSを用いて利用者との接点を持ち、適切な情報発信を行っていくことがロイヤルティ向上につながることが示唆されている。

      NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)が実施した「NPSベンチマーク調査2022 通販化粧品部門」 推奨セグメント別継続利用意向
      NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)が実施した「NPSベンチマーク調査2022 通販化粧品部門」 NPSセグメント別過去1年間のポジティブな口コミの件数
      NPSセグメント別過去1年間のポジティブな口コミの件数

      調査概要

      • 調査対象企業(アルファベット順、50音順):P&Gプレステージ(SK-Ⅱ)、イプサ(IPSA)、花王・カネボウ化粧品(DEW SUPERIOR、est、KANEBO、LISSAGE、TWANY)、コーセー(DECORTÉ、INFINITY)、資生堂(HAKU、SHISEIDO、クレ・ド・ポー ボーテ、ベネフィーク、リバイタル、リバイタル グラナス)、日本ロレアル(LANCÔME、イヴ・サンローラン、シュウ ウエムラ、ヘレナ ルビンスタイン)
      • 調査対象者:インターネットリサーチモニターのうち、上記化粧品会社の化粧品の利用者
      • 調査方法:NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
      • 調査期間:2022年6月20~27日
      • 有効回答者数:1836人
      • 回答者の属性:性別は女性が100.0%、年代は20代以下が16.1%、30代が18.0%、40代が21.0%、50代が17.8%、60代以上が27.1%

      NPSとは?

      推奨度が高ければ高い顧客ほどリピート率が高く、クチコミによる新規顧客の獲得にもつながるため、企業はNPSを向上させることで収益を上げることができるとされている。

      NPSは次のように計測する。

      「友人に(特定商品などを)すすめたいと思いますか?」と顧客に質問し、0~10点で推奨度を計測。次のように分類する。

      • 0~6点を付けた人 → 「批判者」
      • 7~8点を付けた人 → 「中立者」
      • 9~10点を付けた人 → 「推奨者」
      ネットショップ業界(EC業界)のNPSに関する調査結果
      NPSの計測方法

      NPSは、「推奨者」の割合(仮に40%)から「批判者」の割合(仮に25%)を引いた数値(40%-25%=15%)のことを指す。「推奨度」を聞くことで、顧客がどれほど企業・ブランドに対してロイヤルティがあるかを数値化する。

      石居 岳

      【企業様向け】「この内容で相談できる?」SEO会社の上手な活用方法とは

      4 years 1ヶ月 ago

      こんにちは、アイオイクスの豊藏です。 この度、ホワイトペーパー「SEO会社の上手な活用方法」を作成・リリースしましたのでお知らせいたします。 ※ダウンロードはこちらから アイオイクスには、常日頃からSEOを中心に様々なお … 続きを読む →

      投稿 【企業様向け】「この内容で相談できる?」SEO会社の上手な活用方法とは は SEO Japan|アイオイクスのSEO・CV改善・Webサイト集客情報ブログ に最初に表示されました。

      ファンケルのライブショッピング、2年で約45万人が視聴

      4 years 1ヶ月 ago

      ファンケルは、「ライブショッピング」の延べ視聴者数が約45万人に達したと発表した。

      「ライブショッピング」のスタートは2020年7月。これまで累計106回の配信を実施してきた。新型コロナウィルス感染症拡大を受けて、オンラインを使用したコミュニケーション方法として実施している。

      ファンケルの「ライブショッピング」はすべて内製。構成内容や出演、本社社屋に専用のスタジオを設置し、自社内から配信している。また、直営店舗で配信する回もある。

      ファンケルは、「ライブショッピング」の延べ視聴者数が約45万人に達したと発表
      「ライブショッピング」のPCサイト(編集部がキャプチャして追加)

      毎回テーマに沿った製品を、企画、研究、相談窓口、店舗スタッフ、商品PRといった担当者が、製品特長から開発経緯、お勧めの使用方法、お得な情報などを紹介している。

      ライブコマースは、自宅のパソコンやスマートフォンでライブ動画を閲覧しながら、リアルタイムで製品を購入できるショッピング方法。ライブ中には視聴者からのコメントや質問にもリアルタイムで対応している。

      なお、ライブコマースのプラットフォームは「HandsUP(ハンズアップ)」を活用している。

      瀧川 正実

      ラストワンマイル物流のエニキャリが5.5億円の資金調達、即時配達型物流を強化

      4 years 1ヶ月 ago

      短距離・ラストワンマイル物流に特化した物流ソリューション事業を展開するエニキャリは7月、ベンチャーキャピタルなどを引受先とした第三者割当増資によって、総額約5億5000万円を調達した

      短距離・ラストワンマイル物流に特化した物流ソリューション事業を展開するエニキャリは7月、ベンチャーキャピタルなどを引受先とした第三者割当増資によって、総額約5億5000万円を調達

      エニキャリに出資したのは、伊藤忠テクノロジーベンチャーズが運営管理するテクノロジーベンチャーズ5号投資事業有限責任組合、ENEOSイノベーションパートナーズ、Logistics Innovation Fund投資事業有限責任組合、JA三井リース、りそなキャピタル6号投資事業組合。これにより累積資金調達総額は約12億5000万円となる。

      調達資金は物流ソリューション事業へ投じ、配送エリアの拡大、即時配達型物流プラットフォームのシステム開発、人材採用の強化につなげる。

      エニキャリは、店舗から消費者へのクイックデリバリー(短時間配達)を必要な時だけ利用でき、利用した分だけ料金が発生するオープン型配達インフラ「DeaaS(Delivery as a Service=デリバリー・アズ・ア・サービス)モデル」を提唱している企業。

      「オンラインとリアル」「企業とヒト」「ヒトとヒト」をつなぐ、短距離・ラストワンマイルに特化した物流サービスを展開している。

      フードデリバリーなど即時配達の注文管理に必要な機能を搭載した「注文受付サイト構築サービス」、配達情報における始点(ピックアップ)・終点(お届け先)の地点情報を基にする「自動配達管理システム」、既存ECシステムと連携した配達代行を委託したいといったニーズに対応する「ドライバーインフラ」を提供している。

      短距離・ラストワンマイル物流に特化した物流ソリューション事業を展開するエニキャリは7月、ベンチャーキャピタルなどを引受先とした第三者割当増資によって、総額約5億5000万円を調達
      エニキャリが展開する3サービス
      石居 岳

      人気記事トップ10

      人気記事ランキングをもっと見る