【レポート】デジタルマーケターズサミット2023 Summer

景表法の「ステマ規制」が10月1日施行、過去のクチコミも違反になる! 広告主が今やるべき対策

ステマ規制が景表法に追加されるにあたり、Web担当者が今すぐ対処すべきことについて解説

景品表示法にいわゆる「ステマ規制」が追加され、2023年10月1日より施行される。この新しい規制にWeb担当者はどのように対処すべきなのか。「デジタルマーケターズサミット 2023 Summer」に、WOMマーケティング協議会(現一般社団法人クチコミマーケティング協会) 副理事長(ガイドライン担当)山本 京輔氏と、一般社団法人日本アフィリエイト協議会 代表理事 笠井北斗氏が登壇。

山本氏は、法律制定前に開催された「ステルスマーケティングに関する検討会」の委員でもあり、事業者の立場からの見解を伝え続けてきた。「このセミナーの受講者からは、ステマ規制第一号だけは絶対に出したくない!」という気持ちで講演を引き受けたという。

(左)WOMマーケティング協議会 副理事長(ガイドライン担当)山本京輔氏、
(右)一般社団法人日本アフィリエイト協議会 代表理事 笠井北斗氏

そもそも、ステマ規制とは?

講演は、消費者庁による景品表示法のステマ規制と、WOMマーケティング協議会の「WOMJガイドライン」に分けて解説された。WOMJガイドラインは業界の自主規制であり、内容は景品表示法よりも厳しいので、WOMJガイドラインを遵守すれば景品表示法も遵守できるという関係だ。ただ、一部適用範囲がずれている部分があることに注意したい。

WOMJガイドラインと景品表示法の関係
景表法とWOMJガイドラインの適用範囲

消費者庁は2023年3月28日に景品表示法第五条第三号の規定に基づき、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」について指定を行い、運用基準であるガイドラインを公開した。ガイドラインは10ページあり、さらに一問一答が124ページある。

景品表示法の不当表示には、『優良誤認表示』『有利誤認表示』そして『指定告示』の3つの類型があります。指定告示には、無果汁の清涼飲料水の表示や原産国の表示など6つ定められていましたが、7つ目として今回のステマ規制が加わりました。

優良誤認表示、有利誤認表示には課徴金はありません。その意味では『罪は軽い』ともとれますが、実際には大きく報道されることになるでしょうから、事業者の被るレピュテーションリスクは甚大かと思います。またステマの中には、優良誤認表示、有利誤認表示に該当するものがあるので、その場合は厳しい課徴金があります(山本氏)

追加されたのは、次の文言である。

指定告示:景品表示法5条3号
事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの。

ステマ規制には何が書かれているのか

指定告示の文章を読み解くと次のようになる。

事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示
=事業者の表示(≒広告、インフルエンサーに依頼した投稿など)

一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの
=(事業者の表示であると)判別が困難

上記に当てはまると「不当表示」となり措置命令の対象となる。

インターネットだけでなく、マス媒体を含めたすべての表示が対象です。10月1日に施行なので、マス媒体は9月30日以前に発行したものは原則として関係ありませんが、ネットの場合は10月以前に投稿したものでも10月1日以降も公開されていると規制の対象になります。

つまり、過去にインフルエンサーに依頼した投稿でも、広告主の責任が生じる可能性があるので、10月1日までに対応しておくべきです(山本氏)

インターネットに限らず、マス媒体含めたすべての「表示」が対象

運用基準の第2には「事業者の表示」かどうかの判断基準が、第3には「判別が困難か」の判断基準が書かれている。「事業者の表示」「判別が困難」の両方が「はい」であれば不当表示となるが、どちらかが「いいえ」であれば該当しない。しかし、判断が難しいグレーゾーンがあると山本氏は言う。

不当表示になるかどうかのグレーゾーンがある

グレーゾーンは運用されてみないとわからないところがあるので、基本的に『事業者の表示である』と考えて、『判別が容易』になるようなやり方を強くオススメ致します(山本氏)

事例で確認! 投稿内容の匂わせも事業者の表示にあたる

事業者の表示となるものは、次のように定義される。

「事業者が第三者の表示内容の決定に関与したと認められるもの
(客観的な状況に基づき、第三者の自主的な意思による表示内容と認められない場合)」

類型は次の通りだ。

(1) 事業者が自ら行う表示
第三者の表示のように誤認させるもの(なりすまし)  

(2) 事業者が第三者に行わせる表示 
第三者の表示内容の決定に関与しているもの
明示的な依頼・指示がなくとも、「表示内容の決定に関与した」と認められるもの

「第三者の表示のように誤認させるもの(なりすまし)」に該当するか?

投稿者のバックボーンによって、「事業者の表示」になるかどうかが変わる

類型の説明では理解しづらいので、「A社の新商品『Bチューハイ』、ヤキトリとの相性最高!」という投稿を例に、「第三者の表示のように誤認させるもの(なりすまし)」に該当するかどうかを詳しく説明する。判断するには、投稿者のバックボーンを知る必要がある。

① 投稿者がA社とは全く無関係な第三者で、依頼も利益供与も受けていない場合

「事業者の表示」とはならない。

② 投稿者がA社の社員で、自社商品Bチューハイの宣伝担当者だった場合

「事業者の表示」となる。

③ 投稿者はA社の社員だが、Bチューハイとは全く関係ない業務をしている場合

「事業者の表示」とはならない。
しかし、③の場合であっても宣伝担当者から依頼されていれば、事業者の表示となる。

「事業者が第三者に行わせる表示」に該当するか?

投稿者がインフルエンサーの場合、「事業者の表示」となるかどうかは状況から判断

続いて、投稿者がインフルエンサーだった場合、「事業者が第三者に行わせる表示」にあたるかどうかは、状況から判断する。

①「SNSでヤキトリとの相性を紹介してください!」と依頼し、Bチューハイ1ケースを送った場合

対価を提供し、表示内容に関与しているので「事業者の表示」となる。

②「SNSでヤキトリとの相性を紹介してください!」と10万円支払って依頼した場合

対価を提供し、表示内容に関与しているので「事業者の表示」となる。

③ 事業部長がインフルエンサーとの会食で「あなたのSNSでの影響力を知りたいと思っている」と発言した。そのインフルエンサーは仕事がほしいと思い、後日Bチューハイを自分で購入して投稿した場合

明示的な指示・依頼はなく、対価の提供もないが、言外に今後の取引を匂わせていたので第三者の自主的な意思による表示内容とは客観的に認められないと判断されるため「事業者の表示」となる。

④過去に何度も商品を提供し、時にはタイアップで動画投稿などもお願いしていた関係のある人物に、SNS投稿への依頼・指示はしないものの「新商品のBチューハイはヤキトリとの相性が良いことを訴求したいと思っています」というメッセージとともに商品を提供した場合

明示的な指示・依頼はないが第三者の自主的な意志による表示内容とは認め難く、かつ表示内容を決定できる程度の関係性があるとされ、「事業者の表示」となる可能性がある。

「ピンポイントに依頼があったかどうかだけでなく、前後の関係を総合的に判断される」と山本氏は言う。

一方で、事業者の表示ではないと言えるのは、「何か投稿して」と依頼をしても表示内容までは言及していない場合だ。判断基準は「事業者と第三者の間に、事業者が表示内容を決定できる程度の関係性があるか否か」であり、「否」となるのは具体的には次のような場合と示されている。

  • 表示内容について情報のやり取りが一切行われていない
  • 表示内容に関する依頼や指示が無い
  • 表示の前に対価を提供していない
  • 表示の後に対価を提供することが決定していない

事業者がサービスや商品を提供して投稿を依頼した場合でも、当該第三者が自主的な意思に基づく内容として投稿をしていれば、事業者による表示ではないと判断されます。しかし、当該第三者が商品の訴求ポイントを知っていて、それを書いた場合は、自主的な意志ではないと判断される可能性があります。

さらに、高額な商品を提供して投稿を依頼した場合についての質問に、『投稿内容を指示していなくても、高額商品の提供は事業者による表示と判断される考慮要素になる』と消費者庁が答えているので、事業者の表示として判断するほうがよいでしょう(山本氏)

その他事業者の表示とならない場合

SNSのキャンペーンや懸賞に応募する条件として投稿がある場合、応募者が当選確率を上げることを期待して商品を褒める投稿をすることがあるが、この場合は直ちに事業者の表示となるわけではないとされている。

試供品の配布、いわゆるサンプリングを行い、その結果良い投稿がされた場合も、原則、事業者の表示にはならないとされている。

プレゼントの場合も同様に事業者の表示とはならない。例えば、タレントがメディアで自主的に商品について触れたので、事業者がお礼としてタレントに商品をプレゼントすることがある。このあと、タレントが商品について投稿しても事業者の表示にはならない。

ただし、メッセージで商品の優位性を伝えて、タレントがその優位性について投稿した場合は、表示内容の決定に関与したと判断されるケースがある。安全策としては、プレゼントを送る時に「ステマ防止の観点から、商品をSNSで紹介いただける場合は『A社から提供いただきました』と書き添えてください」と伝えることになる。

「ステマ防止の観点から『〇〇社から提供頂きました』と書き添えてください」と
お願いするのがひとつの安全策

続いて、アフィリエイターの場合の表示について、笠井氏が解説した。ガイドラインでは次の場合は事業者の表示ではないとしている。

アフィリエイターの表示であっても、事業者との間に表示に係る情報のやり取りが一切行われていないなど、広告主による広告とは認められない実態がある場合

大型ショッピングモールに出展すると、自動的にアフィリエイト対象になるので、アフィリエイターが投稿しても、これは事業者の表示には当たりません。また、アフィリエイトサービスによっては、アフィリエイターが半ば自動的に広告主と提携し事業主とやり取りすることなく広告掲載するような場合もありますが、こうしたケースも事業者の表示とはなりません。

ただし、我々アフィリエイト業界団体としては、アフィリエイト運用を強化する場合、事業者はどこかのタイミングでアフィリエイターとやり取りをすることになるので、自社の商品を扱うアフィリエイトサイトは原則全て事業者の表示という考えで取り組んでいただきたいです(笠井氏)

テレビ番組やWebコンテンツなど、媒体事業者が自主的な意志で企画、編集、制作したものについては、原則として事業者の表示とはならないが、表示内容の決定に関与した場合は事業者の表示となることもある。その判断基準が正常な商習慣を越えた取材活動かどうかということになる。

以前、ノンクレジットタイアップ記事が問題視されましたが、これは確実に不当表示に該当します。マス4媒体についても、取材協力くらいであれば問題ないが、やり過ぎの場合は適用される可能性があります(山本氏)

誰でもわかるように、事業者の表示であることを明示する方法

事業者の表示であることを明瞭に示す方法について、山本氏は次のように述べる。

一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭になっているかどうか、第三者の表示であると一般消費者に誤認されないかどうかは、『表示内容全体から』判断するのが基本的な考え方です。ここでいう一般消費者とは、商品やサービスのターゲット層のことです。

『広告』『宣伝』『プロモーション』『PR』の4つのいずれかの言葉を使うか、『A社からの商品の提供を受けて投稿しています』といった文章によって事業者の表示であることが明瞭にわかるようにしていれば問題ありません(山本氏)

アフィリエイトサイトの場合も、今後は記載する方向になると笠井氏は予測する。

ステマ規制が始まる前から、アフィリエイターが自主的にアフィリエイト広告であること、提携関係にあること、商品の提供があったことを明示し始めています。ステマ規制をきっかけに事業者側も、ポジティブな形でアフィリエイターに明示するように働きかけていっていただければと思います(笠井氏)

不明瞭な方法はNG

事業者の表示であることが示してあっても、消費者にわかりにくければ判別が困難とされる。例えば、動画で認識できない程の短い時間で表示する、一般消費者が認識できない文言で示す、大量のハッシュタグの中に紛れ込ませる、といった手法は、運用基準で不明瞭な方法とされている。広告・宣伝・プロモーション・PRのいずれかの言葉を使っていても、小さすぎる文字では不明瞭だ。

なお、事業者の表示であることが明瞭、または社会通念上明らかな場合は、明示は不要だ。例えば、観光大使、CMタレント、ブランドアンバサダーは、一般消費者にとって事業者の依頼を受けていることが社会通念上明らかなので、表示をしなくてもよいとされている。

SNSの場合は、ハッシュタグを使って示す方法があるが、最初のタグに広告・宣伝・プロモーション・PRのいずれかを表示するようにする。

メジャーなSNSプラットフォームは、広告であることを示す機能があり、利用規約上利用することが定められています。Instagramであればブランドコンテンツタグがこれにあたります。YouTubeなら冒頭に『プロモーションを含みます』といった文言を表示できます(山本氏)

プラットフォームごとに定められた機能を使って関係性を明示する

WOMJガイドラインを遵守すれば、ステマ規制にも対応できる

WOMマーケティング協議会は、広告代理店、PR会社、事業会社、媒体社が加盟する業界団体だ。WOMJガイドラインは、業界の自主規制であり、5年おきに改定している。今回のステマ規制にあわせて2023年6月に改定、10月1日から適用開始としている。

WOMJガイドラインを遵守すれば、世の中からステマと言われることはないでしょう。改訂版は、さらに景表法違反の不当表示とはならないようにルールを定めています。会員企業ではない事業会社でも、代理店など会員社を通じた業務であればWOMJガイドラインを遵守しなければなりません(山本氏)

WOMJガイドラインは、日本国内かつオンラインのすべてのクチコミマーケティングが対象だ。一方、マス媒体や企業の公式Webサイトなどはクチコミマーケティングでは無いので対象外となる。改訂版のポイントは、次の箇所だ。

3. 関係性の明示

(ア) 次のいずれかに当てはまる場合、マーケティング主体と情報発信者との間には「関係性がある」とする。
 a 情報発信者に対して、クチコミマーケティングを目的とした重要な金銭・物品・サービスなどの提供が行われる場合
 b マーケティング主体または中間事業者が、情報発信者の発信する情報内容の決定に関与する場合
 c マーケティング主体または中間事業者と、情報発信者との間に契約関係や取引関係などの「係わり」があることにより、情報発信者から発信される情報内容が「情報発信者の自主的な意思によるもの」と客観的に認められない場合
d 情報発信者が自身の所属する組織や利害関係にある組織に関する情報を発信する場合

(イ) 関係性がある場合、マーケティング主体および中間事業者は、情報発信者に関係性明示をさせなければならない。ただし、マーケティング主体と情報発信者との間に「関係性がある」ことが情報受信者にとって社会通念上明らかである場合には、この限りではない。

(ウ) 関係性明示は「マーケティング主体」と「関係の内容」の両方を、情報受信者が容易に認識かつ理解できる方法で示さなければならない。
 a 主体の明示:
マーケティング主体の名称(企業名・ブランド名など)を明らかにすること
 b 関係内容の明示:
マーケティング主体と情報発信者との間に、どのような関係性があるのかを明らかにすること。具体的な関係の内容を言葉で説明する他に、「関係タグ」を使用することもできる。

無償で商品を提供し、発信を依頼したが内容までは指示していない場合でも、結果として意図する方針に沿うような情報内容が発信された場合は、関係性ありと判断します。

(ア) c については、WOMJガイドラインでは、業務委託のような契約関係や受発注の取引関係がある場合には関係性があるとしていますし、自身の所属する組織や内容に触れる場合も関係性があると考えてください(山本氏)

関係性の明示の方法については、関係内容を文章で説明する、あるいは「プロモーション」「PR」「宣伝」「広告」の関係タグを使って表記することを定めている。明瞭に伝えるためには、ブランドコンテンツタグなど、SNSプラットフォームの関係性明示機能を使い、動画の場合は冒頭で伝える必要がある。

WOMJガイドラインでは、事業者の表示となる条件を明確にして
グレーゾーンを少なくしている

景表法のステマ規制は主体の明示は求められていませんが、消費者の正しく情報を知る権利を尊重することを立脚点とするWOMJガイドラインでは、明示を求めています。広告主、ブランド名、企業名などの主体の名称を明示しましょう(山本氏)

アフィリエイトも広告主がしっかりチェックする時代に

アフィリエイトについては、本ガイドラインに加えて、業界団体のアフィリエイトに関するガイドラインを遵守する必要がある。

【JAO】アフィリエイト・ガイドライン

アフィリエイト上の関係性の明示では、前述した4つのタグ以外にも「アフィリエイト広告」「アフィリエイト・プロモーション」といった文言や画像を掲載する、あるいは「この記事はアフィリエイトリンクを含みます」という文言を追加するといった手法がある。

アフィリエイトは、すでに優良誤認処分の事例があるので、広告主はアフィリエイトサイトの表示内容のチェックが必要です。ガイドラインでは、事前のチェック、成果が発生している上位のサイト記載内容のチェック、広告主/アフィリエイターの双方の連絡先の記載、広告主によるアフィリエイターが景表法やステマ規制を学べる機会の提供といった方法を記載しています。

関係性の明示をうながすためには、単に『明示しなさい』と伝えるだけでなく、関係性の明示を応募条件にしたコンテストを開催する、関係性の明示をしているアフィリエイターの報酬単価をアップするというようなプラスの施策を入れた『北風と太陽』で言う太陽側のやり方で定着させるとよいでしょう(笠井氏)

景品表示法で「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」として公表されている。ここには、表示等に関する情報の確認の例として次のことが盛り込まれている。

アフィリエイトプログラムを利用した広告を行い、自社の表示の作成に当たり、コンサルティング会社や広告代理店等の他の事業者にプロモーションを委ねる場合、これらの事業者がアフィリエイターに対して、不当表示等を助長するような指示等をしていないかを確認すること。

行政会合の報告書や意見書では、悪質な仲介会社・ブローカー・広告代理店が問題視されており、彼らと依頼者である広告主に対して厳しい処分を望む声が多くなっています。広告主は、信頼できる代理店、コンサル会社を選ぶ必要があります。クチコミのマーケティングやインフルエンサーマーケティングでステマ規制対策をする場合の代理店選びでは、WOMJガイドラインを遵守するWOMJの会員企業かどうかをチェックするとよいでしょう(笠井氏)

最後に、山本氏は次のように述べ、講演を締めくくった。

今回のような法律の変化は、アフィリエイトやインフルエンサーマーケティングに真っ当に取り組んできた広告主にとっては追い風になります。事業者は確実に対応できる協力会社と二人三脚でステマ規制に取り組むことで、マーケティング活動を通して売上と企業の評価を高めていけます(山本氏)

Q&A

この講演では、視聴者アンケートで質問を募集し、本レポート記事で回答することになっている。質問は次の10項目だ(質問文の表現は編集部で修正している場合がある):

各質問に対して、山本氏と笠井氏が回答している。

――GoogleMAP等へのクチコミ記入について、弊社サービスの利用者向けに「クチコミ記入でギフトカードプレゼント」という企画を打ち出す場合は、クチコミ投稿時に「PR」などを記載してもらう必要はあるでしょうか。記載されるクチコミ内容については、低評価・高評価など利用者の自由としています。また、こちらから記入を促す場合と企画の掲示物を見て利用者が自主的にクチコミを書く場合とでも変わるでしょうか。

山本氏: 投稿内容について指示・依頼などをせず、また「利用者」との間に投稿内容についての情報のやり取りが一切なく、対価としてのギフトカードも高額ではないなど、運用基準で提示されている判断基準を全てクリアして「表示内容の決定に関与」しないといえる状態ならば、その投稿は「事業者の表示」ではないので、PRなどの表記は不要となります。詳細は消費者庁が公開している指定告示の運用基準をご参照ください。

――定期的に弊社サービスの利用者向けにアンケートを行っているのですが、そのアンケート内容を「お客様の声」としてHPや広告に掲載するなどは問題ないでしょうか。また、書かれた内容の趣旨や意味を変えない範囲で多少編集の手を加えることもあります(です・ます調に直す等)。

山本氏: アンケート内容から「恣意的な抽出」も「表示内容の変更」もなく「そのまま引用」する場合には、「事業者の表示ではない」とされています。一方でそれらに当てはまる場合には該当箇所は「事業者の表示」と判断される場合もあるかと思います。

その場合にも、例えば「利用者向けのアンケートの結果をウェブサイト/広告用に編集して掲載しています」などと明瞭に記載していれば、不当表示(ステマ)とはなりません。詳細は消費者庁が公開している指定告示の運用基準をご参照ください。

――自社は出版社です。雑誌広告として顧客との原稿確認・対価をいただいたものを雑誌に掲載した場合は、当然広告なのでPR表記などで誤認しないようにすればよいとして、誌面に掲載されたものを、そのまま、あるいは加筆してポータルサイトに掲載しており、これもPR表記が必要かを知りたいです。クチコミサイトのような顧客自身が管理画面から主体的に情報追加・更新するものではなく、顧客へ管理画面の開示をしておらず、自社スタッフが情報の更新をしているため、なんとなくPR表記が必要な予感がするのですが。

山本氏: ご相談の趣旨を理解できているかどうか自信がないのですが、紙媒体での「タイアップ広告」ならば、Webに掲載する時にも「広告」なのでしょう。それをWebでは「編集記事」として掲載すれば読者は「タイアップ広告」を「編集記事」だと認識してしまいます。これはいわゆるノンクレタイアップとなりますし、ステマ規制においても不当表示(ステマ)となるかと思います。

――日頃からSNSで他社とコラボキャンペーンを行なったり(その流れで互いの商品を紹介し合ったり)、お礼等で他社に商品を送ったり送られたり、相互フォロワーである企業の商品を購入したりされたりすることが多く、このような場合どこまで対応すべきなのか非常に気になった。

山本氏: 様々なケースが想定されますが、無償で提供された他社の商品ならば「A社から頂きました」などと明瞭に紹介したり、コラボキャンペーンならば「A社さんと共同でキャンペーン実施中です」と明瞭に記載していれば、不当表示(ステマ)とはならないかと思います。

――自動車販売店なのですが、営業や広告担当の社員が愛車(自社商品)をアピールする投稿は事業者表示に該当しますか?

山本氏: 営業や広告担当の社員ならば、(自分で所有しているものであってもなくても)自らが所属する会社の商品の紹介を、自らの会社名などを明らかにせずに投稿した場合には、その投稿が事業者の表示と判断される可能性は十分にある、と思います。

――過去に広告担当が個人のSNSで商品アピールした投稿を上げ、現在は別の部署にいる場合は事業者表示に該当しますか? また、その逆で、過去に関わりのない部署で自社商品を投稿し、部署移動で現在広告担当の場合はいかがでしょうか?

山本氏: 申し訳ありませんが、内容・状況による、としか回答できないです。

――不特定多数に愛車(自社他社商品含む)との思い出をSNSに投稿してもらい、当社が指定のハッシュタグ(PR、広告などではないもの)をつけてもらうとプレゼントを用意するというキャンペーンをしました。この場合はアフィリエイト違反になりますか。上記のような過去のSNS投稿で、違反になるようなものを発見した場合、どのような対応をするとよいでしょうか。過去の投稿の返信やコメントの欄にPR、広告などをつければよいでしょうか。削除するしかないでしょうか。

山本氏: 懸賞応募のための投稿は、原則として(応募者識別用のハッシュタグを指定したとしても)表示内容の決定に関与したとまでは言えないので、事業者の表示とはなりません。(「アフィリエイト違反」かどうかについては、頂いた内容では判断ができません。)詳細は消費者庁が公開している指定告示の運用基準をご参照ください。

――アフィリエイトブログの内容の正確性について質問です。景表法対応として掲載内容の訂正を要請しても音沙汰ない(根気期強く要請しているにもかかわらず)場合、提携を切るのがコンプライアンス上、適切なのでしょうか?

山本氏: 一般的に、そのような相手とビジネス上の関係を継続するのは困難なのではないでしょうか。アフィリエイトに関してはまずは消費者庁が公開している「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」を参照いただき、個別具体的な内容と照らして、御社のコンプライアンスの方針に従ってご対応いただくのがよいかと思います。

笠井氏: 山本さんがおっしゃる通り、そのような相手とビジネス上の関係を継続すべきではありません。ただし、連絡メールが届いていないだけという可能性もありますので、電話や手紙で訂正を要請してみてください。アフィリエイターと直接やり取りできない場合は、ASPや広告代理店に依頼してみましょう。

――業界によっては数千数万のアフィリエイターを管理されていると推察しており、管理は具体的にどのようにされるのが現実の対応なのでしょうか? PVなどの多いサイトから順次…というのが現実的な対応なのでしょうか。

山本氏: アフィリエイトに関してはまずは消費者庁が公開している「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」を参照いただき、個別具体的な内容と照らして、御社のコンプライアンスの方針に従ってご対応いただくのがよいかと思います。

笠井氏: 提携しているサイトが数千数万でも、実際に表示まで行ってくれているのは数十~数百サイトというケースもあります。山本さんの回答にもある措置の指針にも、「成果報酬の支払額又は支払頻度が高いアフィリエイター等の表示内容を重点的に確認することや、ASP等の他の事業者に表示内容の確認を委託すること」という記載があります。アフィリエイトで売上を伸ばすためにも、これくらいのサイト数であればしっかりと表示内容をチェックし、優良アフィリエイターに対して報酬アップや商品提供などプラスの施策を実施されるのが良いと思います。調査するリソースが社内になければ、今は数千~数万円の格安料金で調査代行してくれる会社もありますので、そうした所に依頼してみるのもオススメです。

――店舗を持っている場合、店舗のGoogleMapクチコミに社員が自分のGoogleアカウントにて高評価クチコミをした場合は景表法のステマ規制にあたりますか? またそれは閉店した店舗でも対象でしょうか?

山本氏: 高評価のクチコミの中に明瞭に「私はこの店舗で働いています」と記載があれば、特段問題とはなりません。そうでなければ「事業者の表示」であるにも関わらずそれと明瞭にわからない状態なので、不当表示(ステマ)と判断される可能性は十分にあると思います。

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