インタビュー

LINE Ads PlatformとDMPを組み合わせたら、広告主にどんないいことがあるんですか? LINEとSupershipに聞いた

LINE Ads PlatformとDMPを組み合わせると、何が起きるのだろうか? LINEの北出氏と、Supershipの佐野氏に聞いた。

LINEのタイムラインとLINE NEWS、LINEマンガ、LINE BLOGなどに運用型の広告配信ができる「LINE Ads Platform」は、2017年10月に販売・開発のパートナー企業を認定する「Marketing Partner Program」の第一回認定パートナーを発表した。外部事業者との連携を強化し、LINEを中心とした広告エコシステムが拡大している。

なかでも注目したいのが、LINE Ads PlatformにDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)の事業者が参画したこと。LINE Ads PlatformとDMPを組み合わせると、広告主にとってどのようなマーケティング効果が期待できるのだろうか?

LINEの北出庫介氏と、Supershipの佐野宏英氏に話を伺った。

左から、LINE 北出庫介氏、Supership 佐野宏英氏
左から、LINE株式会社 LINE Ad Businessセンター LAP企画室 プロダクトマネージャー 北出庫介氏、Supership株式会社 広告事業本部 データビジネスセンター センター長 佐野宏英氏

LINEユーザーは日本のインターネット人口にかなり近い。LINEだけではできないことをパートナーと協業する

――まずは、「LINE Ads Platform」について簡単に教えてください。

北出庫介氏(以下、北出)LINE Ads PlatformはLINEのタイムラインとLINE NEWS、LINEマンガ、LINE BLOGなどの広告枠に企業が広告を出稿することができる運用型広告です。Facebookやインスタグラムのタイムライン広告をイメージしてもらうとわかりやすいのではないでしょうか。

オーディエンスの傾向としては、若者にリーチできるという特長はもちろんあるものの、LINEはMAUが7,300万人、タイムラインのMAUは月間6,300万人あるため、性別、年齢、地域の分布は日本のインターネット人口にかなり近くなってきています。実はLINEとして属性に特長を持つのではなく、他の媒体がカバーしていない属性にリーチできるメディアという位置づけではないかと思います。

北出氏は「LINEのオーディエンスは日本のインターネット人口にかなり近くなってきています」と説明する
北出氏は「LINEのオーディエンスは日本のインターネット人口にかなり近くなってきています」と説明する

――企業はLINE Ads Platformをどう利用しているのですか?

北出クリックからのアクション(購買やアプリダウンロードなど)を目的とした広告展開が多いですが、最近ではブランディングを目的とした出稿も増えています。視聴による接触効果からダイレクトレスポンスまで幅広いニーズに応える広告プラットフォームということができると思います。広告予算は月額50万円から出稿可能で、数千万円の規模で広告展開している企業もあります。

――2017年10月にMarketing Partner Programを開始したのはなぜですか?

北出2016年6月にLINE Ads Platformが始まって以来、もちろんプラットフォームとしての機能拡充も進めている一方で、LINEだけではできないこと、たとえばLINEが保有していないデータの活用などを外部のパートナー企業を通じて提供することで、広告主がより良い広告効果を実現して目的を達成してもらおうという狙いがあります。その中で、LINEが認定したパートナーにだけLINE Ads Platformのさまざまな機能を開放して、広告主にとっていろいろな広告展開の選択肢を提供していきたいと考えています。

――「Data Provider Partner」としてデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムとSupershipが選ばれました。その選定基準を教えてください。

北出ひとつは、LINEはスマートフォンアプリですので、選定対象になるDMPはスマートフォン上でのユーザーIDを保持していることが前提になっていて、その中でLINEユーザーとのマッチングがある程度担保できる事業者を選定しています。もちろん、ターゲティングメニューのバリエーションや現在のビジネス規模なども踏まえて選定をしました。

LINE Ads Platformとは何か
  • LINEのタイムラインをはじめ、LINEの運営メディアに広告を出稿できる
  • ダイレクトレスポンスからブランディングまで幅広い広告メニューを用意
  • 予算は月額50万円から出稿が可能
  • Marketing Partner Programによって広告主に提供できるサービスが拡充

LINE Ads PlatformとSupership DMP、組み合わせると何ができる?

――LINE Ads PlatformとSupership DMPとをつなげることで、何ができるようになるのでしょうか?

佐野宏英氏(以下、佐野)広告を配信する対象となるLINEユーザーのターゲティングがより的確になると考えています。たとえば、Supership DMPは趣味嗜好のデータを約1,000種類のセグメントで保持しているので、LINEユーザーをより細かくターゲティングしてピンポイントで広告を配信することができるようになります。広告主の「こういう属性のユーザーに広告を配信したい」という細かいニーズに対応できると考えています。

佐野氏は「幅広いLINEユーザーに対し、DMPを使えばターゲティングがより的確になります」と説明
佐野氏は「幅広いLINEユーザーに対し、DMPを使えばターゲティングがより的確になります」と説明

北出LINE Ads Platformでは現在のところ、年齢、性別、地域、興味関心によるターゲティングと、他のメディア接触によるリターゲティングが可能で機能強化はしていますが、ニッチなターゲティングについては残念ながら手が回っていないのが現状です。そこをSupership DMPがカバーすることで、広告主のより深いターゲティングのニーズに応えることが可能になると考えています。

――細かくターゲティングができるようになることで、広告を運用する担当者にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

佐野Supership DMPではユーザーの興味関心ごとにセグメントを形成して、それらの興味関心を組み合わせることで、さらに独自のセグメントを作ることができるほか、自社メディアのアクセス履歴などを基に類似性の高いターゲットを抽出することもできます。加えて、プライベートDMP(広告主が自社で保有する会員属性や購買履歴などのデータ)とSupership DMPのセグメントを掛け合わせることでも独自のセグメントを形成することができます。

こうした機能をLINE Ads Platformの中で活用すると、きめ細かなターゲティングによってCPAやCPCの効率が高まるのはもちろんのこと、“自社ブランドに関心があること”という一貫性のある条件で類似性のあるターゲットにブランディングを目的とした広告リーチを拡大することも可能になります。

「広告主のブランドサイトに接触している」ユーザーから「広告主の企業や商品に関心のあるユーザー」を導き出して、そのユーザー属性を起点にセグメント拡張ができるのは、8,700億件におよぶ広告配信からスマートフォンでの行動履歴を分析できるSupership DMPならではの強みだと考えています。

LINE Ads PlatformとSupership DMPの連携で広告運用はこう変わる!
  • きめ細かなターゲティングによって広告主のターゲットに的確に広告配信できる
  • それによって、CPC、CPAの効率が高まりコストを最適化できる
  • 自社サイト、外部メディア、LINEメディアで一気通貫の広告配信設計ができる

北出LINEとしても、ブランディングの広告展開に有効なターゲティング技術はまだまだこれからの領域なので、ぜひパートナー企業のDMPを活用して効率のよい広告展開を実現してほしいと思います。

――具体的には、広告主はどのようにサービスを利用するのでしょうか?

北出たとえば、LINE Ads Platformに広告を出稿していて「もっとこんなターゲティングがしたい」というニーズをお持ちであれば、パートナーのSupershipを紹介することが可能です。

佐野逆に、Supership DMPの利用企業でLINE Ads Platformに出稿したい場合には、TwitterやFacebookの広告で使用しているSupership DMPのセグメント(カスタムオーディエンス)をそのままLINEの広告で活用することが可能です。この場合はデータを連携する環境が整っているので広告主に大きな手間はかからず、出稿先を増やしてリーチを拡大することができます。

「マス広告に手詰まり感を抱えている企業は有効活用できるはず」と語る佐野氏
「マス広告に手詰まり感を抱えている企業は有効活用できるはず」と語る佐野氏

――今後、どのような企業に活用してほしいと考えていますか?

佐野LINEは日本のインターネット人口分布を投影したような大きなスケールメリットとリーチが武器なのではないかと思います。そのうえで、一般的な消費財メーカーやエンターテイメント企業など全国に幅広く認知を拡大したいという広告主で、かつマス広告で手詰まり感を抱えている企業にとっては、有効活用できるのではないでしょうか。

たとえば、85%の認知をマス広告で獲得しているが、残り15%の伸びしろをどうするか。マス広告で30代以上の消費者には充分届いているが、10代20代の若い消費者には届いていない。テレビを打ち続けても認知向上は期待できないのではないか。そうした状況でもDMPを活用すれば、どこにリーチが足りていないのかを分析しながら的確なターゲティングを行い、速やかにリーチの拡大につなげられるのではないかと思います。

一方、CPA重視のダイレクトレスポンス型のマーケティングを行っている企業にとっては、刈り取りとCPAの最適化が進むと成果が右肩下がりになってしまい目標達成が難しくなるという課題があるのではないでしょうか。そういう場合には、これまでにアクションを起こした顧客を分析することで、ターゲットから漏れてしまっていた潜在顧客層を発見し、売上の拡大を期待できると思います。

LINE Ads Platform+Supership DMPはこう活用できる!
  • ブランディング広告
    飽和したマス広告でリーチできていない層を分析してリーチを拡大しよう!
  • ダイレクトレスポンス広告
    既存顧客を分析してターゲットから漏れている潜在顧客層を発見して、売上を拡大しよう!

“スマホシフト”が進み、ネット広告はブランディングと動画の活用が拡大している

――これまでのネット広告はとにかくパフォーマンスを追求する傾向が強かったと思います。最近の動向はいかがでしょうか?

北出デジタル広告全体ではここ2、3年でブランディング広告が大きく拡大している傾向にあると思います。背景にはテレビ離れやスマートフォンの普及などが挙げられると思いますが、YouTubeやFacebook、そしてLINE Ads Platformを通じて“いろいろな(メディア接触の特徴を持つ)消費者にキチンと情報を届けたい”というニーズが高まっているのではないでしょうか。

佐野特に2017年からは動画広告が当たり前に活用されるようになっています。また、DMPの活用でも、広告の配信前後でデータ分析を従来の市場調査と並行して行ってユーザーの変化をとらえる広告主が増えています。最近、総合代理店などはテレビ視聴データと組み合わせたデータ分析なども取り入れていますが、ブランド広告にとってはマスを含めたプロモーション全体の中でデジタルをどうアロケーションすべきかという課題意識が、一部の先進的な広告主を中心に大きく盛り上がっていると思います。全体的な動きにまでは至っていませんが、取り組んでいる広告主は本腰を入れて進めていますね。

「ブランド広告に取り組んでいる広告主はデータ分析と活用を、本腰を入れて進めている」と佐野氏
「ブランド広告に取り組んでいる広告主はデータ分析と活用を、本腰を入れて進めている」と佐野氏

――ネット広告のブランディング活用が拡大している背景は?

佐野実際、テレビ広告のブランディング効果はまだまだ大きいと思うのですが、そうした中でデジタルはブランディングでどう活用できるのかという点でこれまではまだまだ見えていなかった。加えて、海外ではマス広告とデジタル広告の効果を完全に可視化して相互補完をしながらリーチを拡大するという動きがありますが、日本でもようやく技術の確立によってそうした動きが可能になってきたのではないかと思います。

――一方、若者のメディア接触行動やメディアへの態度は最近どのような変化が見られますか?

北出「テレビをまったく見ない」というユーザーは増えているのではないかと思います。一方、ソーシャルメディアのチェックは生活習慣化が進んでいて、時間を決めて定期的にタイムラインを見ているというユーザーは多いのではないでしょうか。

そのうえで、広告主には動画の認知をフリークエンシー回数ありきでプランニングしないでほしいと感じています。検索連動型広告では一定のフリークエンシーを設定することで獲得効率が良くなると考えられていますが、ブランド認知は延べ接触時間によって大きく左右されます。動画接触時間によって必要なフリークエンシーが異なる場合もあるので、留意していただきたいですね。

「ブランド認知は延べ接触時間によって大きく左右されます」と北出氏
「ブランド認知は延べ接触時間によって大きく左右されます」と北出氏

佐野私も同感です。また、あるクライアント企業で「10代男性がどんなアプリを使っていて、どこに切り込む余地があるか?」という話題になった際の話なのですが、男性若年層がよく利用するアプリが「動画」「マンガ」「ゲーム」で、動画のような拘束時間の長いコンテンツは夜しか使われず、一方でスキマ時間に楽しめるマンガやゲームなどは昼でも使われているという傾向があります。これは広告接触時間でも同じことが言えると思うのですが、20秒や30秒の動画広告を昼間に配信すると観たくないしパケットも消費するので毛嫌いされてしまいます。一方で、夜であれば動画接触に抵抗がないわけです。こうした傾向も広告展開に活かせるのではないでしょうか。

◇◇◇

――最後に、今後の展開について教えてください。

北出LINE Ads Platformはリリースから間もなく1年半を迎えますが、まだまだ出来ていないこと、しなければならないことが沢山あると思います。その中で、より広告主のニーズを満たす部分にフォーカスを当てて、プラットフォームをアップデートできればと考えています。最も重要なミッションは売上を拡大させることではなく、まずは広告主のニーズをしっかりと満たすこと。そうすれば、売上は後からついてくるものだと考えています。

佐野DMPとしては、クロスデバイスや位置情報など活用できるデータを拡充することで、ユーザーの日常生活に寄り添った広告配信を提供できる環境を整備して、LINE Ads Platformで活用できるようにしたいと考えています。広告主のより細かいターゲットニーズにも応えながら、マーケティングの中心にDMPがあるというレベルまで到達したいですね。

また、DMPは拡充すればするほどクライアント企業の手間が増えるイメージがありますが、ファネルを自動的に生成する仕組みの開発や、ディープラーニングの導入、類似ユーザーを自動的に抽出するアルゴリズムなどを準備しており、運用の煩雑さを解消したいと考えています。使っていて気持ちいい、マーケターに寄り添うDMPを目指したいと思っています。

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